音夢「どうしてたんだろう・・・」
ここは確かに私の部屋なのに久し振りのような気がしてならない。
音夢「そういえば、兄さんは・・・」
随分と長い間寝ていたみたい。
ただ、私の頭の中には、兄さんとの思い出がこれでもかと言わんばかり
にフラッシュバックされる。
私は兄さんの部屋のドアをノックする。
音夢「兄さん、いないの?」
部屋に入ると何もかもが無くなっている。
使われていたかさえ怪しい勉強机も、箪笥やクローゼットの中には下着の
一つも残っていない。
音夢「おかしいですね。一体何が・・・・・・」
空き巣にしては荒らした形跡も無いし・・・
声「ただいま」
私は階段を駆け下りる。
音夢「兄さんどうした・・・の」
ス、スーツなんか着て一体どうしたの・・・・・・
純一はそのままリビングに向かって歩いていく。
がちゃっ
眞子が飛び込んできた。
音夢「・・・・・・・・・」
眞子の腕には赤ちゃんが・・・
音夢「眞子・・・もしかして、隠し子?兄さんとの・・・」
眞子も私を無視するかのように通り過ぎていく。
音夢「眞子、冗談だってばっ、ちょっと待って・・・」
チーン
仏壇の前に座っている純一。
純一「俺も結婚して、子持ちでお前の前でしか、かったるいなんて言ってらん
なく無くなっちまった」
しみじみと語る純一。
えっ!
音夢「眞子、やっぱり兄さんとの隠し子・・・」
あれ、それより不思議なことが・・・
リビングに・・・というか家に仏壇なんてあったかしら・・・・・・
真剣な顔で眞子も佇んでいる。
眞子「こうするとなんか不思議よね、ホント、音無がいるみたいに思えてくるわ・・・」
音夢「え、え、何の冗談よ眞子・・・」
純一「さて、行くか・・・」
眞子「そうね・・・」
私と仏壇をさえぎっていた兄さんが立ち上がる。
眞子「いい加減、その仏壇、家に運んだら・・・その方があの娘も寂しくないだろうし・・・」
音夢「わ、わたし・・・」
仏壇に私の写真が・・・
と言うことは私ってもしかして、
音夢「死んでしまったのぉぉぉぉぉっっっ!!」
暗闇が迫る中、私は水越邸に入り込んでしまいました。
音夢「兄さん・・・」
居間に行くと眞子と萌先輩がいました。
音夢「あれ?萌先輩、妊娠してるんだ・・・」
大きなお腹を抱えている先輩。
もしかして、兄さんのお嫁さんって先輩なの?
兄さんは先輩のお腹を押さえて寄り添う。
音夢「なんか、切ないよ・・・兄さん・・・」
このはち切れんばかりの想いはどうすればいいの?
肉体は既に存在しないのに、この胸の痛みは何?
でも、兄さんは私なんか知る由も無く・・・・・・
純一「駄目だよ、先輩」
萌「純一君、又、先輩って言いましたね〜。プンプンです」
先輩は膨れっ面で顔を背ける。
純一「ごめん、悪かった。愛してるから許してくれ〜」
萌「ふふ、冗談ですよ。さて、眞子ちゃんも待ってるでしょうからそろそろ
行きませんか?」
兄さんは先輩の腰に手を回し一緒に歩いて行く。
辛い、辛すぎる・・・
本来、未来にこんな光景を手に入れるのは、入れていて当然の位置に居た
私が兄さん主演のラブコメディを見なくては為らないのだろう?
頬を伝う涙。
もう、止めることが出来ない。
崩れ落ちる私は滂沱するしかなかった。
誰も気付かない、気が付ける筈の無い私は今までに無いくらい泣いた。
このまま、兄さんの日常に心を痛めつつ存在しつづけなければならないのかしら・・・
どれ程、泣いたのだろう。
聞き覚えのある声にふと、顔を上げると白河先生と妹の白河ことりが二人
して兄さんと先輩が向かった方向に進んでいく。
私の直感が告げる。
何か在る、兄さんと何かが在る。
そう、告げる直感に従い、二人の後を付けて行く私。
そして、離れの一角にある部屋のドアのノブに先生が手を掛けてそれを回す。
一体、この部屋で何が行われるのだろうか?
その時、私の胸は切なさより好奇心から来るドキドキが止まらなかった。
ガチャッ
白河姉妹に続いて入ると・・・
ことり「キャッ!」
音夢「に、兄さんっ!!]
ことりは目のやり場に困り顔を手で覆うが指の間からチラチラ見ている。
そこには兄さんのモノを何故か巫女装束の先輩がオッパイで、オッパイで・・・・・・
兄さん不潔です!!
でも、私は小さいからしてあげられなかった・・・・・・・・
そう、あの時も・・・・・・
私は両方の胸で兄さんを挟むのが精一杯・・・
でも、喜んでもらおうと色々と仕込みをしたりして大変だった事が忘れられない。
純一「どうした、ローションなんて・・・」
私は顔を赤らめて言った。
音夢「今日昼休みにお口でしてあげたでしょ・・・本番はしませんけど濡れちゃうから
ナプキンをして・・・・・・」
机の上を指差す私。
そこにある小瓶にネットリとしたジェル状のものが入っている。
兄さんは私とするとき必ずそれを必要とするようになった。
私の愛液に塗れた胸を終始吸い続けた。
激しく、優しく揉みしだいた。
私は今日もまた、兄さんの亀頭にそれを掛ける。
掴んで塗りこんでいく。
竿に残っている皮を引っ張り、その中にも流し込みネチョネチョに濡れた私の手は袋に
到達すると、両手でそれを揉みつつ亀頭を、特に尿道を舐めたてた。
片方の手は袋を揉みつつも竿も刺激していた。
ある時は蜂蜜プレイ、バレンタインの日にはチョコレートプレイ・・・・・・・・・
極めつけは私の部屋の姿見の前で私を愛撫し、馬刺しを私の股間に擦りつけて食
べたり・・・・・・
でも、肉体を持たない今となってはなんだか空しい感じがします・・・・・・・・・
純一「うっ!」
そして、兄さんの達する声で現実に戻される。
私としていた頃はまだピンクだったのに今では赤黒い兄さんのオチンチン。
先輩の大きな胸の谷間から白濁液が溢れ、続いて兄さんのモノが白濁液を撒き散ら
しつつその姿を表す。
萌「あ、ああぁん、私もいいです〜」
先輩は大きなお腹を摩りつつ兄さんの手が蹂躙するその胸の先端から勢い良く母乳
が吹き出す。
暦「お楽しみが終わった所で悪いけど、早速話、始めてくれる」
暫くして部屋に眞子が入ってくる。
眞子「いやー、あの子たら中々寝付いてくれなくて・・・でも、さっき母さんが帰ってきて
くれたから助かったわ」
純一は萌のお腹を摩っている。
暦「しかし、だいぶ大きくなったな。初めて何だって?」
は、初めて・・・・・・・・・・・・・・・・・
と言う事は、さっきの赤ちゃんは本当に眞子との子供・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の中の負の感情が燃え上がり頂点に達する。
に、兄さぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!
ビクッと怯え、あたりを見回す兄さん。
眞子「どうしたのよ純一、そんなキョロキョロして」
純一「いや、なんか殺気を感じて・・・・・・」
萌「私も二周りも年下の妹には少し戸惑ったんですよ〜」
えっ・・・・・・・・
妹・・・・・・・
眞子「私に懐いてるのはどうしてかしらね?御陰でご近所じゃ私の子供だと思われ
てるわよ・・・・・・」
ことり「朝倉君、益々、マスオさん化していきますね」
萌「そういえば、肝心なお話をしてませんでしたね」
兄さんの表情が真面目な顔付きになる。
それを察したのか皆の顔付きが変わる。
萌「今回集まって頂いたのは、数年前に亡くなった純一君の妹さん、朝倉音夢さんについてです」
えっ、私?
水越総合病院の地下室に入っていく。
ガラス張りの向こうに在ったものは・・・・・・
ことり「うそっ・・・」
暦「朝倉・・・・・・音夢・・・なのか」
その先にはガラスケースの中に私がいたのです。
眞子「実は死んでなかったのよ、あの娘・・・・・・」
萌「仮死状態というのが正しいのです」
暦「本人なのか?」
ゆっくりと頷く兄さん。
純一「でも、死んでいるに等しいんだ、今は・・・」
ことり「どういう事?」
眞子「以前に比べて音夢の体重が数グラム軽くなっているの・・・」
ことり「???」
暦「魂の重さとか言うヤツか・・・」
純一「肉体が存在してもそれを扱う魂が無ければ、蘇生を施したところ
で死んでいるのと同じだ」
兄さんが私との過去を白河姉妹に語りだす。
暦「薄々感付いてはいたが・・・」
ことり「私も・・・・・・」
そして、さくらと枯れない・・・枯れる事の無かったの桜の事についても・・・・・・
ことり「でも、それなら寧ろ亡くならなかった事が奇跡に思えるね」
暦「それもそうだ。合点が行かない所でもあるな・・・」
萌「・・・・・・・・・」
眞子「・・・・・・・・・」
俯く水越姉妹。
兄さんの唇が震えている。
何があったの?兄さん・・・・・・
純一「音夢はその時、妊娠していたんだ」
に、妊娠?
わ、私がですか!
に、兄さんの子供を・・・・・・
ことり「それで、お腹の赤ちゃんは・・・」
純一「・・・今は、頼子さんが育ててくれている・・・・・・」
よかった・・・無事に生まれてくれて・・・
頼子さんなら何があっても安心だし・・・
頼子「純一さん、音夢さんとの・・・純一さんの赤ちゃんを私の養子に頂けませんか?」
純一「え、頼子さん、いきなり何を・・・」
広大な敷地で遊ぶ女の子。
頼子「頼音ちゃん、お昼にしましょう」
振り返る女の子が頼音だ。
トコトコと駆けて来る頼音。
頼子の脚にギュッと抱きつく。
顔を上げ、
頼音「ママァ、お腹すいたよ〜」
頼子は足元の頼音を抱き上げ、
頼子「さぁ、お家に入りましょう」
頼音「パパ、なかなか来てくれないね・・・」
頼子の腕の中で寂しそうな表情を見せる頼音。
頼子(純一さんは既に家庭を持ってらっしゃるから・・・・・・)
頼子「それじゃぁ、後でパパのところに電話しましょうか」
頼音は笑顔を取り戻し、
頼音「うん、頼音、パパに電話する!」
頼子(あの時、私が純一さんの支えになってあげられていれば・・・・・・)
萌の顔を思い浮かべる。
頼子(仕方ないわ・・・この子の事を両親に認めてもらえただけ幸せなのかも・・・・・・)
広大な敷地の茂みの中に一人の男が潜んでその様子を垣間見る。
男「朝倉のお陰でサギーも苦労している様だな・・・・・・」
その男の名は言わずと知れた杉並その人である。
続く