『せんせい あのね』 あさくら ヒナ
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せんせい あのね。ねむのおばさんがいえにあそびにきて、
ピアノのせんせいのいえまで、わたしをおくっていってくれました。
おばさんが「おけいこはなんじにおわるの。」ときいてきたので、
わたしが「5じくらいかな。」というと
おばさんはわらって「じゃあそれまでおうちで、ヒナちゃんのママとおしゃべりしてるわね。」といいました。
そのよる、目をさますとなんかじひびきのようなものがきこえてきたので、
わたしは「じしんだ。」とおもって、いそいでパパとママのおへやにむかうと、
いつものように、パパとママがはだかでいました。
そして、ママがものすごいいきおいで、パパのこしのあたりにのしかかっていました。
ママはなきそうなこえで「じゅんいちくん、じゅんいちくん。」と
なんどもなんどもくりかえしながら、パパにのしかかっていました。
パパはこまったようなこえで「どうしたんだことり、ねむとなんかあったのか。」ときくと、
ママは「ねむがね、ねむがね、うわーん。」と、なきながらパパの上にたおれこみました。
でも、パパの上にのしかかるのはやめませんでした。
わたしはパパとママにじしんのことをいおうとしましたが、そのママのはく力に
はなしかけることができず、そのままおふとんにもどって、その中でじしんをなんじかんもがまんしました。
つぎのひ、だれもじしんのはなしはしていませんでした。
がっこうのかえり、ねむのおばさんとであって、
きっさてんでジュースをごちそうしてもらいました。
おばさんにじしんのことをきくと、おばさんはわらって、
「きっとそのじしんは、ヒナちゃんのママがよくしってるわ。」といいました。
わたしはきのうのママのようすがおかしかったのををおもいだして、
おばさんに「きのうママと、なにおはなししたの。」ときくと、
おばさんはわらって「ヒナちゃんのママのぼうし、にあってるわね。っていったのよ。」といいました。
わたしは、それでなぜママがないていたのか、わかりませんでした。
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せんせいより
あさくらさんはおばさんにおくってもらったりジュースをごちそうになったときに
ちゃんと「ありがとうございます。」と言えましたか。
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保護者の方へ
大人同士の確執にこの時期の児童は非常に敏感です。
そのことに留意してお子様と接して頂けるよう、お願いします。