『せんせい あのね』 あさくら ヒナ
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せんせい あのね。ママが「ころもがえをしましょう。」というので、お手つだいしていたら
おしいれから、わたしがようちえんだったころのせいふくがでてきました。
わたしは「もうヒナようちえんじゃないからいらないもん。」といいましたが
ママは「おもいでのしなだから大じにとっておきましょうね。」といいました。
そのよる、わたしがおしっこをしにいくと
またパパとママのおへやのほうで、あのときのうめきごえがきこえてきました。
わたしは「またやってるのかな。」とおもい、またおそるおそるのぞいてみると
やっぱり、パパとママがはだかでいましたが、あのときとはすこしようすがちがっていました。
ママは、おひるにおしいれからでてきた、わたしのようちえんのぼうしをかぶっていました。
そしてパパに「またこんなにおもらしして、ことりちゃんはわるいこだな。」といわれながら
おしっこをするところをさわられていました。
ママは「じゅんいちせんせいやめて、もうしないからゆるしてえ。」となきながらあやまっていました。
でもパパは「うそをつけ、ここはあいかわらずもらしつづけているじゃないか」と
ママのおしっこをするところをさわっていた手を、ママにみせていました。
ママは「それはせんせいがさわるからですよう、いやあ、いやあ。」とくびをふっていました。
でもなんとなく、いやそうではありませんでした。
わたしは「もしまたおねしょしたら、パパにあんなふうにしかられるんだ。」とおもい
あわてておしっこにいって、おふとんにもぐりこみました。
あさおきたら、わたしはおねしょせずにすんでいました。
ママはパパに「じゅんいちくん、きょうははやくかえってこられるの。」ときいていました。
パパはママに「ああ、きょうもことりとヒナとでごはんがたべられそうだ。」といっていました。
あのときのように、やっぱりよるのパパとママと、あさのパパとママはべつじんでした。
わたしはどうしてもきになってママに「またヒナがおねしょしたら、パパおこるかな。」ときいてみると
ママは「パパはやさしいから、ゆるしてくれますよ。」といいました。
わたしは「パパはママにやさしくないのかな。」とおもいました。
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せんせいより
あさくらさんはママのおてつだいができて、とってもえらいですね。
そんなあさくらさんだから、パパもやさしいんですよ。
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保護者の方へ
「ものを大事にする」ということを教えるのは我々も非常に大事なことと思いますので
是非そのことを御自宅でも、日常の生活のほうでお子様に教えてあげてください。