「兄さん、今日は時間がないから、早くしてね」  
そう言って愛しい妹は短いスカートをたくし上げ、ショーツを下ろした。  
「このあと美春とコンサートに付き合うことになってるから。ホント時間がないの」  
「どれくらい?」  
「えっと」音夢は時間を気にしてちらちらと腕時計を窺っている。「約束まで二十分くらいかな」  
「そりゃ大変だ」  
言いながら純一は足に絡まるトランクスを床に蹴り飛ばし、それから音夢の腰を後ろからがっしり捉えた。  
「今日はバック?」  
「ああ。その方が突くのに専念できるし」  
「早く済ませてね。あと汗は服にこぼさないでね」  
「分かった、分かった」  
そのまま突っ込む。ぬりゅっ。抵抗無く奥まで入り込んだ。  
生温かい管に飲み込まれる感覚が気持ちいい。  
おまけにそれがきゅうっと自分の分身を握りしめるようにするのだから、たまらない。  
「ふぅ」  
「なぁに、変なため息ついて」  
うっすら上気した顔を肩越しに振り向ける音夢。  
「なじんだなぁって思ってさ。お前の中」  
「兄さんの、えっち」  
えっち、という辺りで早くも声が弾み始めている。小刻みに突き動かすと音夢はたちまち余裕が無くなり、  
あっ、ああっと押し殺した声を漏らし始めた。洗面台についた両手がわくわくと震え出す。  
 
純一は妹のほんのり汗ばんだうなじを見下ろしながら、のんびりと腰を動かし続けた。  
「に、兄さん、時間、はや…はやく」  
「ああ? なかなかイケないな…」  
「にい、さん、急いでるの…! チケット…む、無駄になっちゃうっ…!」  
「じゃあもっと締めてくれよ」  
「にいさんっ!」  
そこだけはいつもの強気な妹だが…「おおっ!」中も相応にぎゅうっと締まる。  
妹の男気に応えねばなるまい、と純一は猛然と腰を振り始めた。  
「良かった、間に合う…その調子…あっあっ」  
純一の方もようやく終わり近くになってくる。  
「音夢、中に出していいか!? 外か?」  
「今日は中ダメ! でも外は、外は服が汚れるから……ダメっ…!!」  
「どうすりゃいいんだよ」  
「兄さん、とりあえず、私をイかせて」  
「分かった…おりゃおりゃおりゃっ」  
腰を浮かせるようにして突き上げる。音夢は天井を抉られるとあっけないことを純一は知っているのだ。  
「んく…ああ…くぅぅぅ…っ」  
音夢の身体が硬直してつま先立ちになり、洗面台に倒れ込みそうになった…かと思うと音夢の右手が  
ティッシュの箱に伸び、しゅぽしゅぽと何枚かティッシュを引き抜く。  
音夢は雪玉のようなティッシュの固まりで濡れた股間を手早く拭くと、足首に引っかかったショーツを  
引き上げた。それから、くるっと純一の方に向き直る。  
 
邪魔にならないよう純一は一歩身体を引いて待っていた。その股間にそそり立つ肉塊を、音夢は  
ためらいもなくくちに含む。そして右手を茎にそえると……猛然と上下させ始めた。  
口内で亀頭の上を踊り狂う熱い舌と、緩急をわきまえつつも有無を言わさぬ力強い上下運動に、純一はあっけなく決壊した。  
「くぁ……」  
情けない声を上げて腰を震わせる純一。音夢の口内では噴出が始まっていた。どくっどくっと茎が  
液を送り出し、跳ね上がり、けいれんを繰り返す。音夢はその間も容赦なく純一のペニスをしごき続け、  
尿道に一滴も残すまいと勢いよく吸い続ける。  
がくっと純一の頭が垂れた。  
「はぁぁ、全部吸い出されてしまった…えがったー……」  
下腹部から音夢の顔が離れる。  
「いそがなきゃ、モンダミン、モンダミン……」  
グリーンの液が入ったボトルをとると、キャップにそれを注ぎ、口に流し込む。くちゅくちゅしながら  
服を直し、髪のほつれを整えていく。  
あっというまに身支度を整え終わった音夢は、ハンドバッグを小脇に挟み、洗面所を出て行こうとする。  
「音夢」  
背後から純一が呼びかけた。  
「何?」  
「忘れ物だぞ」  
振り返った音夢の唇に、純一の唇が軽く触れた。  
音夢はあっけにとられ、それから苦笑する。  
「おちんちん丸出しでカッコつけないで、兄さん」  
「ま、気にするな」  
「じゃ、行ってきます。……続きは夜にね」  
「ああ」  
さっきよりずっと上機嫌になって、音夢は出て行った。  
 

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