純一の目の前には暖かく湯気を立てるご飯と味噌汁、一口サイズに切った豚肉の串焼きにホワイトソースをかけたもの、付け合せにボイルしたジャガイモ。その脇にはサラダが並んでいる。  
 そして更にその前に移すと緊張して真剣な表情で見つめてくるアリスが。  
 気圧されるように純一も箸を取り、真剣に料理を賞味する。  
 なんとも言えない緊迫した空気の中、一口目を食べ終わった純一は箸を置いて言った。  
「うん。美味かったぜ、アリス」  
 その言葉を聴くと固唾を呑んで見守っていたアリスはほうっ、と安堵のため息をついてから笑顔になった。  
「お口にあってよかったです」  
 そう言って彼女も制服の上に着たエプロンを外し、イスを引いて純一の正面の席に座って、自分の茶碗を手に取った。  
 
 
 朝倉純一と月城アリスが付き合いだしてから既に二ヶ月が過ぎた。  
 フランス人形のように神秘的だが、同じくらいに無機質で、いつも人形を持ち歩いている問題児とみなされていたアリスは、少しずつ笑顔が多くなっていった。  
 彼女の執事兼父親代わりでもある瀬馬が言うには、『お嬢様は昔の活発さを取り戻してきました』だそうである。  
 純一との交際が一番の要因なのだろうが、美春や眞子、杉並の存在も間違いなく彼女にとってプラスになっていた。  
 そうして積極的になってきたアリスは、純一の食事事情を聞きだすと、手料理を振舞おうと努力を重ねた。友達として今まで以上に親しくなった美春と瀬場の二人からみっちりと料理を習ったのだった。  
 
「ホントに美味いな。これ何って料理なんだ?」  
「私もよくは知りませんけど、瀬場さんが言うには私の故郷の料理だそうです」  
「アリスの?」  
 今回アリスが作った料理は彼女の故郷のものである。サーカスでヨーロッパ中を廻っていた彼女にとってはあまり馴染みのない故郷なのだが。  
「でも瀬場さんがどうせ作るなら、と言ってくれたので。天枷さんも一緒に付き合ってくれました」  
 だからつきあうようになってずっとはめていなかった黒い手袋をここ最近放さなかったのか、とは賢明にも口に出さなかった。  
 料理の途中で何度も失敗したのだろう。自分の恋人のいじらしいところを発見するたびに純一は嬉しくなるのだった。  
 
 後片付けは二人でやることになった。  
 もし純一の妹の音夢が見たら卒倒しそうな光景だったが、二人にとってはそれが自然なことだった。  
 アリスが純一とつきあうことで変わっていったように、純一もまたアリスとつきあうことで少しずつ怠惰な部分を改めるようになったのである。  
 それも終わると純一は紅茶を淹れて、アリスはお茶請けを準備する。  
 ティーバックではなく、ちゃんと茶葉を使って作法に則って淹れている。教師は瀬場なのだが、オリジナルに比べると三つ四つランクは落ちる。  
 お茶請けのイチゴのデニッシュはアリスが手ずから焼いたものだ。教師はやはり瀬場である。二人にとって彼は格好の先生なのだ。  
 ブラウン管から流れる意味のない番組をBGMにして、やれ杉並が馬鹿な企画を考えているやら、やれ美春がバナナツアーに招待しようとしたやらと他愛のない会話に華を咲かせる。  
 
 あっという間に時間は過ぎ、夜の闇が深くなった。  
 そろそろ帰らなくてはまずい時間なのに、二人ともなかなかそれを言い出せない。この楽しい時間をもっと感じていたいから、と。  
「なあ……」  
「あの……」  
 二人とも切り出そうとしたところで見事に声がはもり、気まずく視線をそらして沈黙してしまう。  
「その……どうしたんだ、アリス」  
 純一は沈黙を振り払ってうつむいた彼女に続きを促す。  
「えっと……きょ、今日…………先輩の家に、泊めてもらえませんか?」  
 白磁のような肌を紅く染めて、呟くようにか細い声で訴える。  
 言外に込められた意味を瞬時に悟った純一も、うっと唸って言葉を失ってしまう。それで不安になったアリスは下から覗き込むように純一を見上げ、  
「ダメ……でしょうか?」  
 と訴えた。  
「ばっ! ダメなわけ、あるはずないだろう」  
 そんな風に誘われて断れる男など一人もいないだろう。  
 
 言葉少なくシャワーを浴びて純一の部屋に場所を移す。  
 お互いに明後日の方を向いてため息をついたり手を組んだりしていたが、意を決したように純一はアリスの細い肩に手を置いた。  
 小さく震えて顔を向けるアリスにスッと近づき唇を奪う。  
 突然のキスに目を見開いてちょっとだけもがいたアリスだったが、すぐに目を閉じて接吻を受け入れる。  
 唇を吸いあいながら純一の腕がアリスの小さな体を包み込み、アリスの腕が純一の首に回され、体を密着させながらお互いの存在を感じあう。  
「はあっ……」  
 酸素を求めて二人の唇がいったん離れる。が、すぐに純一は上気して潤んだ瞳のアリスをきつく抱きしめて今度は深く口づける。  
 
「んっ……はぁっ。…………あ、んんぅ……」  
 二人は舌と舌とを絡み合わせ唾液を交換し合うディープキスをかわしながら、純一の手がアリスの胸元へと伸びる。  
 そして歯茎を舐めとるのと同時に服の上から胸を軽く揉みしだく。  
「っ! ううんっ!」  
 キスだけで敏感になってるアリスは、たったそれだけの刺激でも体を大きく震わせる。  
 純一は気をよくして、小さな口腔を蹂躙しながら胸や脇腹などアリスが感じる部分を優しく愛撫する。  
「んっ……ぷはっ! あ、ああああっ!! せ、先輩……だっ、ダメッ!」  
 口腔陵辱から逃れたアリスが銀色の橋が架かるのにもかまわずに懇願する。だが、そんな姿は純一の加虐心を刺激するだけだった。  
 中断することなく刺激を加え続け、ふるふる震える髪を掻き分け、普段は隠れて見えない耳を迷うことなく甘噛する。  
 アリスが大きく反応してから耳朶を軽く舐めとってから耳の穴に息を吹き込み囁いた。  
「すげー可愛いよ、アリス」  
 同時に強めに胸をわしづかみにすると、  
「……あっ、あああああっっ!!」  
 肩に爪を立てて一度大きく全身を痙攣させて硬直。軽い高みへと達したのだった。  
 
「はあっ……はあっ……はあっ……」  
 一度達してしまったアリスは、荒い息をつきながら力なく純一の胸の中へと倒れこんだ。背に回した腕もいつの間にか垂れ下がり、時々思い出したかのように体が震える。  
「それじゃ……脱がすぜ」  
 力を失った細い体を優しくベッドに横たえて、胸元のリボンタイをほどいて制服のボタンを外していく。  
 鳶色の瞳は潤んで虚ろに天井を見上げ、薄い唇は半開きで小さく上下する。  
「……ぁ。せん、ぱい…………?」  
 力なく呼びかけるアリスに接吻をかわし、軽い体を持ち上げて制服の袖を抜いた。ささやかな胸を守る黒い下着がアリスの雪のように白い肌をより一層際立たせている。  
 純一は鳩尾あたりから細いお腹に唇を這わせ、くすぐったそうな声を漏らさせながらネイビーブルーのスカートを黒いタイツで隠された両の足から脱ぎとった。  
 
 そうして純一は無防備に身を投げ出した小さな背中に手を回し、ブラのホックを外す。大分自分を取り戻したアリスも体を浮かせてそれを助ける。  
 身長に比してそれなりに小さな胸が開放されて外気に晒される。  
「……恥ずかしいです」  
 拗ねたように小さく呟くアリスに対して純一は笑いかけ、腰に手を伸ばしてタイツとショーツに纏めて手をかけた。  
 アリスはそれに協力しながら声が漏れないように軽く握った拳を口に持っていって瞳を閉じた。  
 ことさらにゆっくりとアリスの最後の衣服を脱がせていくと、堪りかねたかのように睫毛を揺らして必死に声を押し殺す。  
 純一は下手をすると自分の腕よりも細く見えるアリスの足を滑らせていって、一気にタイツを足から引き抜いた。  
 
 窓から差し込む月の光に照らされて、うっすらと鳶色の目に涙を浮べ見上げてくるアリスは喩えようもないほどに幻想的で、そして美しかった。  
 普段はロールにしている銀の髪はほつれてベッドに広がり、純白の頬は興奮からか薄紅色に染まっている。  
 小さな体には無駄な肉など一切ないが女の子らしく柔らかで、大切なところを守る恥毛は見慣れた髪の色と同じ。  
 その姿を白銀の妖精と呼ぶ以外に、何と表現できるだろうか。  
 こうやって生まれたままの姿の彼女の姿を見るたびに、純一は息を呑まずにはいられない。  
「先輩……」  
「すごく奇麗だ。それ以外何も言えないくらいに。すごく、奇麗だ」  
「…………うれしい、です。先輩がそう言ってくれて」  
 そう言って、二人は再び唇を交し合った。  
 
「んっ……あ、うんっ! あ、あぁ……」  
 純一は一糸纏わぬアリスの上に覆いかぶさって小ぶりな胸をもてあそび、頂点の突起を口に含んで吸い上げる。  
「……ふぁっ。…………はぁん……あ、やっ! 先輩、そんな、か、噛まないでください……」  
 敏感な乳首を歯で愛撫され弱弱しい声で抑止しようとするが、もちろん心の底からそう思っているわけではない。  
 可愛らしい喘ぎ声を上げるアリスは胸に意識が行き過ぎて、下の方が完全に無防備になっている。その隙を突いて純一はいきなり彼女の一番大切なところに指を沈めた。  
「ああっ! せんぱ……そんな、いきなりなん……ああぅんっ!」  
 アリスの抗議を指を大きく動かすことで強引に中断させる純一。  
「もう……ぐちょぐちょになってるぜ、アリス」  
 先程の愛撫と言葉責めで軽く気をやってしまっているアリスのそこは既に十分に濡れそぼっていた。  
 純一が指を蠢かすとくちゅっくちゅっと水っぽい音が大きくなっていく。  
「あっ……あっ……あっ……」  
 乳首と秘所、二箇所を同時に責められてアリスはあっという間に快感に酔わされてしまう。  
 
 双丘がてらてらになるまで口で愛撫を加えていた純一は、指を打ち込んだまま身を起こす。ベッドの上には激しく身悶えながら喘ぐアリスが居る。  
 その姿に嗜虐的な笑みを貼り付けて細い両足の間に顔を滑り込ませる。  
「ああっ……ああんっ。そ、そこはそんなにっ……くっふぅん!」  
 純一の舌が伸びて、とめどなく蜜を分泌し続ける裂け目を下から上へと舐めとった。  
 過敏になっているアリスは一段高い嬌声をあげ、白く引き締まった小さなお尻に力が入って腰が跳ね上がる。それは結果的に純一の顔に大切なところを押し付けることになる。  
「や……あっ! そん……せ、ぱいっ!」  
 ぱっくりと花が開くように綻んだ下の唇にディープキスをするようにして舌をねじ入れて、泣きそうになってるアリスに快感を送り込む。  
 とろとろ流れる愛液をわざとじゅるじゅる下品な音を立てて啜ると、恥ずかしさからか喘ぐ声が甲高く跳ねる。  
 
 下半身から背筋を遡ってダイレクトに伝わる甘い電流と聴覚から頭に入ってくる恥ずかしい音。二種類のまったく別の快感にアリスの視界は漂白されていく。  
「あっ…………うんっ! や、や……です。せんぱ、いっ! そんな……おと、たてないでぇ……」  
 大事な所を守ろうと内股を閉じようとするが、柔らかな太腿を純一の頭に押し付けるだけでしかなく、逆に自分の首を絞めるだけだということに気づけない。  
 跳ね、捩り、何とか純一の舌技から逃れようとするが、がっちりと腰を掴まれてしまってはどうしようもない。  
 それでも普段の彼女の運動神経ならば逃れられたかもしれない。しかし今のアリスは絶え間なく快楽に酔わされて満足に抵抗できなかった。  
「はあっ……う、ああっ……う……きゃあうっ!?」  
 ゆるゆると高みへ導かれる刺激が突然痛みすら伴ったものに変わり、全身に電流でも流れたかのように飛び上がって硬直する。  
 
「きゃ……あ、あああっ! はうっ……いっ、ううううぅっ」  
 それまで外側を舐め中に舌を差し込んで穿るだけだった純一の舌の動きが、口全体を使ったより積極的な愛撫に変化した。  
 手始めにアリスの一番敏感な部分を口で塞いでしまって全力で吸引する。  
 包皮に包まれていたクリトリスがぴょこんと吸い出され、他の部分を責められるよりも何倍も鋭く強い快感を送り込まされる。  
「つっ、強すぎます先輩ッ! あひぃっ! あ゛、あ゛、あ゛っ!」  
 ビクビクビクッと瘧にでもかかったかのように細く小柄な体が震え上がる。  
 アリスの目からは涙が零れ落ち、その口からは小さな体らからは想像もできない絶叫が迸しった。  
 肉芽を歯で挟んでしごくように噛み潰したからだ。  
「…………っ! ……っ! …っ!」  
 視界が真っ白に染まっているのに目の奥がパチパチ点滅し、体が飛び上がるのがわかっているのに止まらない。  
 そしてアリス自身は気づいていなかったが、秘所からは失禁したかのように愛液が吹き出ていた。  
 
 荒い息をついてシーツを濡らすアリスの割れ目から口を離し、純一は再びイッてしまったアリスの足首を掴んで股を開かせる。細い足首は簡単に指が一回りしてしまう。  
 M字に割り開かれたアリスに狙いを定め、既に隆々と屹立している一物で穿っていく。  
「く……うっ……」  
 アリスの膣の狭さに純一が低く唸る。  
 もともと体の大きさが違いすぎるのだ。純一とでは頭一つ分近く身長は違うし、横幅だって胴の幅と肩幅がほぼ同じ。当然あそこのサイズもそれに比例して違っているのだ。  
「うっ……痛…………あうっ」  
 十分に濡れそぼっているとはいえ、そもそもの差がアリスに痛みとなって襲い掛かってくる。  
 純一は歯を食いしばりながらじゅ……じゅじゅ……と狭くきつい膣口を押し進む。  
 進入に抵抗するように純一のモノを締め付けるのに、蠢動する襞は深くへ誘うように息子を撫で上げる。  
「……お、おおっ!」  
 獰猛な獣の叫び声と共に純一はアリスを一気に最奥まで貫いた。  
 
 部屋の中で聞こえる音は二人の荒い息遣いだけ。  
「一番奥まで……ッ、入ってるぜ」  
「はい……」  
 口から涎を垂れ流して半ば自失しているアリスだが、純一もまた余裕がなかった。  
 恋人を悦ばせているという事実に目の前で繰り広げられる好きな娘の痴態。濃密な匂いと味と肌で感じる暖かさ。五感全てで感じるアリスの感覚ですでに飽和寸前だった。  
「それじゃ動く……ぞっ」  
 返事を待たずに純一はアリスに打ち込んだ楔を動かしだす。  
 じゅぷっじゅぷっじゅぷっっと粘り気のある音があっという間にパンパンと肉同士をぶつけあう音へと加速する。  
「あっ……あっ……ああぁん! ハッ……ハッ……ぁぁ」  
 
 アリスは組み敷かれて深く深く貫かれる。  
 純一のペニスがカリ首まで引き抜かれ、子宮の入り口まで押し入れられるとそれだけで息が詰まり、意識が断絶してしまう。  
 リズミカルに繰り出される腰は、前戯だけで達するほどに感度のよいアリスにとってある意味拷問にも近い。  
「はっ、はっ、はっ……」  
「あんっ、あんっ、あんっ!」  
 だが純一はそれだけでは許してはくれなかった。  
 打ち付ける腰はそのままに、腕を背中に回してぐいっとアリスを抱き起こした。  
「あああああああぁぁぁっ!!」  
 正常位から座位に変わった体位のせいで、挿入された部分に自分の体重がかかって奥の奥がごりっと抉られた。  
「うっ……し、絞まる……っ」  
 引き締まったのはアリスの中だけではない。しがみついたその体も、大きすぎる快感の波に呑まれて痙攣する。  
 
 全力疾走の直後のような激しい息しかつけないアリスの銀髪を梳ってから、純一は下から串刺しにされた彼女を更に責め立てる。  
「〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜!」  
 快楽の階段を昇らされているアリスに声は無い。ただ快楽しか感じていない意味を成さない吐息が流れるだけだ。  
「アリ、スッ……アリスッ……」  
 そして純一も、完全に限界を迎えようとしていた。  
「イ……クッ…………アアアッ! イクぞアリスっ!!」  
「センパ……イッ…………私もっ私もッ!!」  
 突き上げる動きが細かく、早く、激しくなってセカイを白く塗りつぶす。感じられるのは最早お互いの存在だけ。  
「おおおおおぉっっ!!」  
「あああああぁっっ!!」  
 アリスが達すると同時に、純一も自らの欲望を子宮の奥底へと解き放った。  
 
 
「ん……」  
 結局深夜まで愛し合った二人は、生まれた時の姿のまま狭いベッドで抱き合って眠った。  
 激しいセックスで疲れきって深く寝入っていたのだが、何の弾みかアリスは明け方になって目が覚めた。  
 まだ身体も頭も睡眠を欲していて意識は薄もやがかかっていたけれど、自分が今一番愛している男性の腕の中にいることはわかる。  
 見た目よりもたくましい純一の腕を枕にしたまま、夢見るようにアリスは囁く。  
「先輩…………愛してます」  
 日が昇るまでにはまだ時がある。このまま一番安心できる場所でもう一度夢を見よう……。  
 

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