「お兄ちゃん……”牡丹燈籠”って怪談知ってる?幽霊に恋した若者がそのままとり憑かれて、彼岸の人になってしまう悲恋の話……」
俺は切羽詰った顔で、そんな話をして制止しようとしたさくらを振り切り、今日も深夜の学園を彷徨っていた。
香澄と……霧羽香澄と……また会いたい希望を胸に。
俺は杉並にそそのかされて幽霊探しをしていた、卒業式の日の深夜。彼女と知り合い、恋に落ちた。本州の学園に通う妹の明日美さんを案じて、この世に現れていた彼女は。姉妹の再会で憂いを取り去り、彼岸へと昇天していったことは分かっている。
やたら口が悪く、眞子より短気で、趣味が悪いと思いつつも、もっと色んなことを語り合いたかったとか。もし生前から出合っていたらとか、そんな事を考え出すと何も……手がつかなくなっていた。
俺の周りの音夢やさくら、ことり達と付き合っていればこんな馬鹿げたことで悩む必要なんてないのに……。もう叶わない夢だからこそ、強く引かれているのかも知れない……。
「香澄……いるんだろ?姿を……見せてくれよぉ。もう一度会いたいんだ。香澄……っ」
何度名前を呼ぼうが、当然のごとく返事はない。屍を相手に声をかけているのだから……。言葉が闇に飲み込まれるだけの空しい繰り返し。
杉並によると、学園の怪談から香澄の話がいつからか皆の記憶から薄れ。別の怪談話がそれに変わりつつあるらしい。
「それが時代の流れよ。太古に流行したという口裂け女や人面犬だって今時、話題にするヤツもおるまい」と、ヤツはニヤニヤ笑いながら語るが、俺はそんなの認めねえ!
香澄が生きていた……存在していた証が消え去ろうとするなんて……させたくない……。
「―ッッ」
切なくなってふと窓から廊下を照らしてる月を見上げる。
あの日も偶然出あった香澄と幽霊探しをしていて、中庭に明日美さんを見つけて……今思うと、幸せだった時間が終わった。自分が幽霊のくせに、幽霊が怖いなんて本当に変なヤツだった。
もう何度もそれの再来を願いながら裏切られていたが、今日も失望を覚悟し、月明かりを頼りに、中庭を見下げる。
3階から見下げる中庭は、異世界への底なし沼を思わせる闇と、月光に照らされた部分だけ緑が映える。
昼休み、さくらが女子生徒におもちゃ(ネコ可愛がり?)にされ、美春がバナナン♪バナナ〜♪と耳障りな鼻歌をかましている生徒達の憩いの場の中庭とは真逆な闇の顔がそこにある。
―今日もやはり……か。
変わらない。奇跡は起きない。そんな当たり前の事を実感し、中庭から目を逸らそうとした時だった。
漆黒から、月の光により、緑に塗り替えられたある一点に。人……らしい影が目に飛び込んだ。
「!?まさか……な」
期待してるが、いざそれらしい事が起きるとは信じられない。目を凝らしてその一点を凝視する。その影は俺の希望に反する様に、その場から逃げ去ろうとするように動き出した。
「ま、待ってくれ!香澄!香澄なのか?おいっ!」
呼び止めるべく、窓を開け。身を乗り出した俺は急に眩暈を感じ。その後、曖昧な意識のまま、ぐるぐると回り落ちていく感覚に包まれた。
そして……強力な衝撃が身を包むと、呼吸さえかったるく。身動き一つ出来なくなってしまった……。
……………………。
……………………。
「大丈夫……ですか?朝倉さん」
ん……ここは……」
闇に飲まれたはずの俺は、どこぞの別荘らしい所で目が覚めた。上等でふかふかのベットに寝かされているらしい。そして―――。
「明日美さん?じゃあここは本州……か?」
「え?はい……そう……ですけど。あの……鷺澤さんの別荘に芳乃先生達と来た事、忘れてしまったんですか?」
あ……れ?そうだったか?と思って記憶を整理する。しかし思い出せない。なんなんだ……この違和感は。心配そうにそんな俺を見ながら怪訝な顔をする明日美さん。
……ここは相槌を打っていたほうがいいかも知れない。
「ああ……大丈夫。さくらと美咲さんね、うんうん」
「?でも良かったです。朝倉さん、怖い話大会で私が話してる時に気を失っちゃったんですよ。……お姉ちゃんの話で」
「そう……なんだ」
――やはり思い出せない。
が、えらく情けない醜態をさくら達に晒した事だけは分かる。こりゃ、初音島に帰る前にさくらの口を封じとかないとロクなことにならなさそうだ。
「私の……せいかも知れませんね。朝倉さんがあんなに想っていたお姉ちゃんの事を無闇に話したせいで……動揺させてしまいまして……ごめんなさい」
明日美さんは何度も俺に頭を下げる。顔は姉の香澄と殆ど変わらないが、性格は気弱でおとなしすぎるくらいだ。
同じ顔をしてそんな被虐心をくすぐられることをされると……。俺は香澄を追い求めている間、どこかでネジが狂ってしまってたのかもしれない。
「ああ……その通りだ。俺は深く傷ついたよ……」
「すいません、どうしたら許して……んっ!」
俺は香澄に似た、明日美さんの腕を引き寄せると強引にキスを奪った。
「だめ……ですう!朝倉さんにはお姉ちゃんが……っ……」
唇が軽く触れ合った所で、明日美さんは体を突っ張りそれ以上を拒んだ。
「俺には……香澄しかいないんだ。同じ顔をしてる君なら俺は……。それ以外に俺は君を許せない……」
「だからってこんな……はあ……はあ……」
明日美さんはいやいやと頭を振るものの、体の丈夫でない彼女を男の力で押さえつけるのは造作も無く。今度は何度も紅く柔らかな唇を吸った。
「はあ……はあ。お、お姉ちゃん……ごめん……なさい……」
興奮からか、諦めか分からないが彼女が流した涙と共に体から力が抜けていくのを感じ取り。ベットへ押し倒す。
「明日美さんは……こういうこと初めて?」
聞きつつ、色白のスラリとしてる足が伸びてるスカートの中に手を差し込む。その細い身体はかすかに怯え、震えている。
「は……い。朝倉さんは慣れてるんです……ね。だから回りにあんなに女の子が……」
彼女に考えたり、悲鳴を上げる隙を与えず、キスを浴びせながら。下着を脱がしていく。香澄以外に経験は無いはずだが、何度も夢想したり、さくら達に付きまとわれて女の子慣れしてるせいか、自分でも驚くほど冷静に事を進めている。
「やあ……恥ずかし……っ」
抜き取ったショーツに隠されていた彼女の恥ずかしい所は、産毛のような陰毛がまばらに生え。経験が無く、自分でも弄ったりしないせいか、大陰唇に完全に小陰唇が隠されて、桃のような割れ目だけしか見えない。
愛液の匂いより、小水の匂いがそこはかとなく漂っている。
その初々しさに、俺はなお自分の獣性が刺激され。自分のズボンとパンツを手早く脱ぐと、いきり立つ一物を明日美さんに触らせた。
「俺のも見せるから恥ずかしくないよ。これで香澄と俺は愛し合ったんだ……」
「は、はい……こ、これ……で……」
明日美さんはこの異常な事態を直視しずらいのか、目をそらし。ぶるぶると可哀想なくらい大きく震え。熱い息を吐いている。
「苦しそうだね……胸、出してあげるよ」
「え?ああっ!やあ……」
握らせたまま、俺は明日美さんのブラウスの胸元を解放し、続けてブラも剥ぐ。上向きのツンとはねた様なふくらみかけの固い乳房が、汗に濡れて光り、緊張に慄いていた。左胸には、心臓の手術の痕らしい、壮絶な傷跡がついている。
「見ないで……下さい……。もし今誰か来たら……はあっ!」
俺は、香澄と同じ顔の明日美さんを、犯すことしか考えられ無かった。
好きでもない子達にどう思われようと、どうでもいい。友達ですらなくなるだろうが構わない。俺は躊躇い無く、傷ついた禁断の青い果実をちゅっと口に含んだ。
「はああ……!く、すぐったくて……恥ずかしい……。こんな……っ」
明日美さんの胸は全然甘くなく、柔らかくも無い。幼い胸は中にしこりがあり、汗がしょっぱいだけだが。念願だった香澄を身もだえさせてるようで、ひどく興奮する。
彼女が泣こうがわめこうが、意に介さない。酷いヤツだと自分を思っても、止めるブレーキがぶっ壊れてしまっている。
そこだけで飽き足らなくなり、スカートを捲って今度は彼女の割れ目を直接弄る。だが太ももも、恥丘も今までの愛撫で興奮より、緊張が勝るせいかまだまだ固い。
「痛っ!お、お願い……もう許して……くださいぃ」
短い悲鳴を上げ、クレバスを弄る指は乾いたままだった。俺はあんなに焦がれていたのに香澄は……。
「嘘だ!本当は感じてるんだろ香澄ぃ。俺たちあんなに愛し合ったじゃないか」
「ち、違います私は……痛い!痛っ!うっ…ううっ……」
もう姉も妹も混同しだした俺は。苛立ち、唾を指に絡ませて、膣口から陰核をくちくち擦り、感じる部分を探る。
「ああっ、嫌。いつまでこんな……いけない事を……っく!二本……も指入れちゃ痛い!痛いですっ」
「大丈夫。大丈夫だから……気持ちよくするから……。我慢……しろ」
それでも濡れないのなら、と次々と唾を垂らし。やや乱暴に足を持ち上げて彼女の恥ずかしさを煽る。羞恥心で濡れることは無かったが、ようやく粘着質な愛撫に、明日美の陰部がふやけてきた。
「ほら。こんなに濡れたじゃないか……。じゃあ、いいよね……」
「ぐすっ……ぐす……。こんな事して……お姉ちゃんが悲しみますよ……。こんな……っひ!?あああああっ!」
逃げ腰の明日美のか細い腰を掴み、後背位の姿勢でじわじわと男の欲望を彼女の未開発の膣へ差し込んでいく。
「痛い、痛いです!抜いて、抜いて下さ……いっ。助けて……姉さぁぁぁん!」
明日美はじたばたと暴れ、手が空を切る。横に倒れて、自分の処女を守ろうとしたものの。俺は彼女を逃がさない。両手で彼女の丸い尻を挟み、ぐっと引き寄せる。割れ目の肉が肉棒に巻き込まれて、穴の中に沈む……。
ビリッ!―プツン。
「ッ!?―いやああああああああああああああああああ!!!!!!」
あえなく膜は貫通され、ずぼっと側背位の姿勢で互いの陰毛の際まで深く繋がっていた。その隙間から、明日美の純潔の証がツウ…、と零れ落ちる。
「ひっ……ひうう……。酷いです。朝倉さん……こんな……こんな……」
「ああ……香澄。やはり香澄の……は最高だ……」
出血から……姉と共に交通事故にあった運命の日を思い起こし、癲癇のような呼吸困難が止まらないショック状態にある明日美に対し。
生あたたかい尻のむくみが下腹にくっ付き。処女の初割りを味わった一物が真っ直ぐに屹立し、小さな子宮口を突いている快感に純一は酔いしれていた。
腰を軽く振ると、こぽっと音が立つのが性交のリアルさを実感させる。
「もっと聞かせて……恥ずかしい音を」
「ひっ、ひあああ。止めて、止めてぇぇ!止めて下さいぃぃ……!」
ズブリ、ズブリ!ズッ、ズッ!!ぶじゅり!
そのままの姿勢で純一の肉棒が明日美の中を蹂躙する。破かれたばかりの処女膜が散々に引き裂かれ、明日美には苦痛しかないのに、純一には快感しかないズレが、不和共音の淫らなリズムを刻む。
ひぐっ……ひぐう……痛い……です。もう……もう」
「ああ……お互いの顔が見れる方がいいよね。じゃあ……」
「やっ!ちが……ううーっ!」
俺は破瓜の血に染まってる一物を無造作に引き抜く。処女の締め付けの強さを表すように、チュポン!という派手な音がして、あたかもシャンパンを開封したように血がベッドにぴしゃぴしゃと飛び散った。
「はあ…はあ……もう……これで終って……。……あっ!やだあ!」
一瞬安堵の表情をした明日美さんを仰向けにひっくり返し、自分の膝で彼女の股を割ってうんと広げさせる。彼女にできる抵抗は、もはや自分の顔を手で覆って羞恥心に耐える事しか出来ないようだ。
そして一度道が出来た膣口に俺は再び、一物を沈めつつ彼女の身体に覆いかぶさり、可愛い口をちゅうと激しく吸った。
「んーっっ!!ひぐっ……ひぐう!は……ああ……」
右手でふくらみかけの胸を弄りながら、口を離すと。
「どうだ香澄……今度は。そろそろ気持ちよくならないか?」
「はあ……はあ……。貴方は……ひくっ……可哀想な人です……ひくっ……」
俺は睨みつけてくる、彼女を……なんとか悦ばせたいと必死だった。焦がれていた想いが一方的な、自己満足だなんて空しすぎるから……。
そして。必死に動く純一の顔を哀れむような顔して見た。
そうした変化は、結合部にも現れ、ようやく明日美から溢れ出てきた愛液が、べとべとに股間を濡らし。抵抗の大きさからお互い苦痛になっていた、一物のピストン運動も、ズブズブとスムーズになっていた。
「……………」
「ああっ!朝倉さん!朝倉さぁん!」
俺は無言で明日美さんの股を閉じさせ、ガンガン突いた。意識して締めなくても、この姿勢だと股の筋肉に引っ張られて膣がより締まり。イきそうになる。が、まだまだこの緊張感を味わっていたい……。
ぐっと奥まで差し込んで、おそらくGスポットに当たる部分を小刻みにつつき、彼女を感じさせながら快感の波を調整する。
「感じ出したのか……香澄。ここか?こうやってか?」
俺は一物を十字に動かしたり、円を描くようにする。もう彼女は姉のことやしがらみを忘れ、今の快楽に身を落とす事にしたようだ。涙はもう渇いている。
「あふっ!あ……あ……あー!!!!!!」
「ふふ……ここか、ここが好いんだな」
俺は次第に要領を得て、段々強めに膣壁を抉るように、一物を彼女の中でぐちゃぐちゃと音を立てるほどかき回した。
「……ああ!わ、私なんだか気が遠く……なりそうですぅっ」
「これが……女の子の最大の喜びだからな」
姉だけでなく、妹の純潔も奪ってしまったタブーに手を出しておきながら、俺は凶悪な笑みがこぼれるのを抑えられない。
そして自分もさらなる快感を得ようと、再び動き易いよう彼女の股を広げて律動しながら、彼女の弱い所をずく、ずくと狙い打つ!
明日美さんは俺の言うがままに、太股で俺の腰を挟み、両手で首にしがみついた。この体勢のまま射精したらどうなってしまうのか……。そんな想像力はこの快楽の流れに流されて欠落してしまってるのかも知れない……。
「香澄っ!いくぞ!ぎゅっ、ぎゅっって腰を振って!」
「ふぁ?はああああ!ああああ―――!!」
―ドクッ!ドッ!ドクドクドク!!
だが俺は無情にも、明日美さんの事情を無視し。たっぷりと欲望の濁液を彼女の胎内にある赤ちゃんの部屋へ思い切りぶちまけた。彼女の子宮に堪りすぎて、黄色味がかった俺の精液の量は多すぎるのか、溢れて逆流し、結合部の隙間からコプゴプと、泡だって漏れだしている……。
「あ……。はあ……はあ……はあ……」
繋がったまま、肩で息をしている明日美さんの髪を優しく撫でる。全く……俺はみんなで楽しく旅行に来ているはずなのに、一体何をしてるんだろうか……。
冷静になってから、改めて部屋を眺める。そして、ここで目が覚めた時。思った違和感の正体がおぼろげながら見え始めていた。
「朝倉様!明日美様は彼岸の者になった姉を、再び呼び戻すために朝倉様を利用して……。朝倉様!朝倉様!」
ノックと共に危機を告げる、環の声。ああ……彼女もこの旅行に来ていたのか。
彼女の実家は霊験あらたかな神社で、彼女自身当代の巫女。なのに異変に気づいても、どうしようもないことが俺にも分かる。
「朝倉様!朝倉様!返事をしてください 朝倉様!朝倉様!!」
もうどうでもいい香澄とセックス出来たのだから・・・・・・
俺と明日美はそのまま眠ってしまった。
「私の妹になんて事してくれてんのよ!!この馬鹿!!」
「えっ香澄!?」
飛び起きた俺だがそこには香澄などおらず俺は自己嫌悪に陥った。
「・・・・で結局そのまま明日美さんとセックスしたんですか!?」
「ごめんなさい・・・環・・・このことは誰にも言わないでくれ・・・・・」