「ふぁっ……んっ、ひぅ」
寝台の軋む音、肉体と肉体がぶつかり合う音、まるで水をかき混ぜるかのような音や獣のような純一の吐息、そして音夢の悲鳴とも嬌声ともとれる音が室内に響きわたる。
四つん這いになっている音夢に、純一はまるで獣のように交わっている。拘束されているという音夢の状態とその表情から合意の元での行為ではないことは明らかだった。
「もう…止、めっ……にいさ…んあっ……」
何かを伝えようを伝えようとしても押し寄せてくる快楽に負け、言葉にならない。
結合部も純一のモノが押し込まれると捲れあがった粘膜が紅く濡れ光り、引き抜けば卑猥な音と共に泡立って白くなったぬめりが纏わりつく。
数時間前まで処女だった頃、純一の侵入を拒もうと押し返そうという力が働いていた膣も、侵入を受け入れた今では逆に、純一を外に出すまいと締め付けるどころか、より奥に深いところに引きずり込もうとさえしている。
純一の亀頭が子宮の入口をノックする度に、甘い痺れを与え音夢から抵抗する意志を奪っていく。
長時間の結合のため、破瓜の痛みはまだ残っているものの、それを上回る快楽に音夢の思考は麻痺しつつあった。
それらを繰り返しているうちに純一が最奥に押しこむのを感じたが、その意味を理解しても既に何度も純一の精を体内に注がれている今となっては抗議する気力も湧かない。
熱い精液が子宮を満たしていくことに悦びを覚え初めていることと、純一の『愛している』という言葉を脳裏の片隅に捉えながら、音夢は気絶するように意識を手放していった。
「っていう夢を見たんです。まるで二人の愛の行く末を暗示しているようだとは思いませんか」
「そうか、そりゃ良かったな。それよりお兄ちゃんはどうしてこんな状況になっているのか説明してごらん」
平日の朝からアレな発言をする音夢に、純一は無性に妹の頭のアンテナをむしり取りたい衝動に駆られるが今の状況ではそれもできない。
手足をベッドに手錠で繋がれ、ロープで体をベッドごと固定し、ベッドの脚にはそれぞれ300kgと書かれた鉄球が繋がれている。純一も口調こそ優しいが額には青筋が浮かんでいる。
朝、目覚めたときに体の自由を奪われていれば、よほど温和な人でない限り平静ではいられないだろう。他称シスコンの彼でも妹の突拍子な行動はフォローしきれない。
「いえ、兄さんに犯されるという願望直球な夢を見たせいで、子宮がうずいちゃって……。
兄さんに犯してもらうのが一番なんですけど、ほら、兄さんてば紳士ですから、血の繋がらない妹と二人きりで生活なんて夢のようなシチュエーションでも全然襲ってくれませんし。
それにYシャツ1枚という、いつでも夜這いOKな格好でいるのに全然気付いてくれませんし。本当に鈍いんですから兄さんは。あ、もちろんそんな兄さんも大好きですよ。
これはもう兄さんが私を襲ってくれないなら、私が兄さんを犯すしかないかなぁって。それに今日は私の誕生日ですし、多少のことくらい許されますよね。
私への誕生日プレゼントは兄さんの初めてでいいので、兄さんへの誕生日プレゼントも私の初めてでいいですよね?もしかしたら私、今日危険日ですから兄さんの初めて以外を貰うかもしれませんけど、兄さんとの共同作業の結果ですから平等ですよね?
兄さん。愛してますよ。二人で幸せになりましょうね、兄さん♪」
色々と突っ込みたいところが多々あるが、じりじりと近寄ってくる愚妹に何が出来るわけでもない。
これは愛しい人の誕生日を祝いに来たヒロインたちと音夢との修羅場が始まるほんの前の話。