――なんか今朝起きたら、ケツの穴が妙に痛くてさ。  
桜舞い散るいつもの通学路。  
挨拶の後、渉が開口一番にそんなことを言っていた。  
トイレで頑張りすぎたんじゃないか、と義之は笑って返し  
その日も何も変わることなく授業が始まる。  
 
一時間目から四時間目と昼休みを乗り越え、五・六時間目を半ば居眠りをして過ごすと  
すぐに放課後になる。  
そして夜。  
気が付くと、義之は学園にいた。  
体育館の中。  
冷たい床と、剥がれかけた色とりどりのライン。  
転がるバスケットのボール。  
どうして自分はこんなところに突っ立っているのだろう。  
しかも全裸で。  
義之は霞が掛かったような意識の中で、そんなことをぼんやりと思った。  
周囲を見回してみる。  
秋も深まり、夜ともなるとけっこう寒い。  
しかし、冷え冷えとしたただっ広い体育館の中にいるのは  
自分一人ではなかった。  
昨日の夜、職員室を見たときと同じぐらいの人数が集まっていた。  
義之と同じく、全員裸だ。  
・・・・昨日の夜、って何だろう?  
疑問が沸き起こるが、しかしすぐに消えた。  
頭の中がボ〜っとして、うまく思考が纏まらない。  
そうこうするうちに、周りの人たちが動き出す。  
義之の体も動き出す。  
自分の意志とは関係なく、まるで何かに操られるかのように。  
体育館の中程まできたところで、義之は立ち止まった。  
裸のまま体育館の床に、胡座をかいて座り込む。  
尾てい骨がヒビ割れそうなぐらいに冷たかったが、何故だかあまり気にはならなかった。  
座ったまま、何をする出もなくボ〜ッとしていると  
義之の所に一人の女生徒がやってきた。  
知らない顔だった。  
いや、付属の、由夢と同じ階で見たことがあるよう気もする。  
名前は知らないが、なかなか可愛い娘だった。  
彼女はかかれた胡座に顔を埋めると、床の冷たさでポークビッツぐらいに縮こまっている男のシンボルを  
何の躊躇いもなしに、パクンと口で咥えた。  
お尻に感じる冷たいフローリングとは対照的に、温かく――いや、熱いぐらいの口内。  
唾液を纏った舌がヌルヌルと這い回る。  
気持ちいい。  
思考が止まってしまった中、義之はただ肉体に与えられる快感のみに意識を集中させた。  
 
体育館のほぼ中央に座る義之。  
ふと、壇上を見上げた。  
するとそこでは音姫が、マイク台の上に手を付いた格好で  
後ろからズン、パンとはめられていた。  
音姫に挿入しているのは男子生徒。  
運動部にでも入っているのか、なかなかがっしりとした体格で  
体臭のきつい汗を滲ませながら音姫へと抱きつき、ヘコヘコと腰を動かしていた。  
セックス経験の浅い、出し入れをするだけの単調な動き。  
音姫はというと、それでも感じているのか  
男子生徒の動きに会わせて長い髪を揺らし  
気持ちよさそうに喘いでいた  
 
音姫がいるということは、もしかするとまゆきもいるかもしれない。  
何故そう思ったのかわわからなかったが、義之は知らない女子生徒からフェラチオを受けながら  
辺りを見回した。  
すると体育館の正面を向いて座る義之から見て右斜め前の方。  
まゆきではなかったが、知っている顔がいた。  
渉だった。  
彼はパーフェクトジオングのように太っていて大柄な女子と騎乗位でセックスをしていた。  
遠近法がおかしいわけでもないのに、渉の方が随分と小さく見えた。  
 
ビュクッ! ドプッ!  
耐えきれなくなり、精を放つ義之。  
女子生徒の口内へと、喉の奥へとビュービュー吐き出した。  
しかし射精したにも関わらず、義之のモノは萎えなかった、  
若さ故か。  
カチンカチンでまだまだいけそうだった。  
すると今度は女子生徒が義之の肩へと手を付いて跨り、  
向かい合わせで、膝の上へと座り込む。  
彼女はそのまま腰を落としてきて―――  
先端から残滓の垂れたペニスが、温かくてキュンキュンと締まる狭い穴へと導かれた。  
 
ヌッポリと飲み込まれた。  
背筋がゾワゾワするくらいに気持ちが良い。  
よくほぐれた女陰に包まれながら、義之は壇上の音姫を見る。  
すると丁度、本日3本目のペニスを咥え込んだところだった。  
昔、義之と一心同体だと言っていた"音姉"。  
だが今、彼女と一心同体になっているのは知らない男子生徒で  
その前に一心同体となっていたのは同じクラスの  
女子にモテそうにない、ビン底眼鏡をかけた太っちょだった。  
 
そのうち頭の中がチリチリとしてくる。  
まただ。  
昨日の夜も同じような、頭痛とも少し違うこの感覚を味わったような気がする。  
チリチリチリチリチリチリチリチリチリチリ……  
頭の奥、芯が痺れる。  
ザラザラする  
チリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリ…………  
記憶に蓋がされる。  
 
 
次の日。  
登校途中に杉並から変な話を聞いた。  
曰く、学園で夜な夜な妖しげな集会が行われているらしい。  
今度一緒に調査してみないか?  
妖しげって、どんなのだよ。  
聞き返すと、杉並は少し逡巡してからやや言いにくそうに小声で  
なんでも、ちょっとエロいことになっているらしい、とのたまった。  
義之も健全なる男子高校生。  
少しばかり、いや、かなり興味をそそられる話だった。  
 
 
たぶん続く  
 

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