「や、やだ、いやらしいっっ! 兄さんたらこんな文章読んで…!」
先ほどまでごくりごくりと生唾を飲みながらテキストを追っていた人物とは思えぬ妹の発言であった。
が、しかし、糾弾を向けようにも、兄は居ない。
あれをしゃぶって、気持ちいいわけないじゃない。
おしっこの道具なのよ。不潔、不潔ですっ!
もちろん、妹はそうではないことを知っている。
自分には兄のそれを受け入れる場所があり――現にそのことを意識した瞬間、布の内奥できゅんと何かが引き締まった――それを受け入れたらどうなるのだろうと、どうしても考えてしまう。
「ふぅん、頼子さんにしゃぶってもらいたいんだ……こんな風になめ回されて、 しごいてもらいたいのね……」
へんたいだよ兄さん…と小さく付け加えながらも、妹は>>9-11のたくましき妄想に再び見入った。
心なしか、さきほどよりじっとりと潤んだ目つきであった。
しばらくして、妹はメモ用紙を取り出した。
「へんたいさんにはお仕置きです。でもその前にもっと兄さんの性癖を調査しないと、ね」
さらさらとURLを書き留めた妹は、部屋に立ち入った痕跡を残さぬようにして、
そっと自室に引き上げていった。