ベッドの上で寝転ぶ少年。
別に何かがあるわけでもないが、じっと天井を見つめている。
彼の名は桜内義之。
他人の夢を”見させられる”という、非常に珍しい能力の持ち主である。
「ちぇっ・・・」
もっとも、彼自身はそれに少なからず不満を持っている。
本人にしかわからないような訳の判らない夢。
それを無理やり見させられるのなど、彼にとっては迷惑でしかない。
「かったりい・・・」
おもわず純一さんの口癖がこぼれる。
彼は知る由も無いが、純一も同じ能力の持ち主だ。
まあ、彼がこの能力を持っているのもそのせいなのだが・・・
「やれやれ・・・」
ため息をついてそのまま目を閉じる。
―彼はすぐに眠りへと落ちていった
「ん?」
いつもと夢の感覚が違う。
自分以外の、他の登場人物がいない。
「どういうことだ?」
その問いに答えるように、どこかから声が響いてきた。
―ここは、キミの夢。キミ自身の夢。
「え?」
思わぬ回答に驚く。
「俺の・・・夢?」
―そう。キミ自身の夢。
―どんな夢を見たってかまわない。君自身のモノ。
「なんだっ・・・て?」
―まあ、生まれてからずっと自分自身の夢を見たことが無いんだ。納得できなくても無理は無い。
ためしに見てごらん。キミ自身の夢を。まあ朝起きたらキミも、出演者も内容を忘れちゃうけどね。
・・・俺の、俺自身の夢だって?
義之は少なからず驚いていた。
なんてったて生まれてから十数年、他人の夢を見せ続けられてきたのだから。
「まったく、訳わからんぞ・・・」
だがまあ、試してみることにした。
たぶんまたとないチャンスだ。
いつも勝手な夢を見せられていつ自分が、自分の好き勝手な夢が見られるんだから。
「さて、どんなのがいいか・・・」
少し悩んで、ふと思いついた。
―触手で犯すなんてどうだ。
今日渉がこっそり持ってきて貸してくれた触手での陵辱本を思い出す。
もしあの状況におかれたら実際どうなるんだろうか?
どうせ忘れるなら、何をしたっていいよな。
・・・そんな歪んだ好奇心が、全ての始まりだった。
ふと、義之の意識が消え去った。
〜1人目、朝倉由夢〜
「ん・・・」
空間が歪んで、夢が始まる。
と、そこにいるのは見覚えのある少女。
由夢か・・・
呆けながらただ闇の中に立っている。
―俺の姿は、見えてないらしいな・・・
しかしまあ、何が始まるんだ・・・
そう思った矢先、いきなり由夢に緑色に光る触手が絡みついた。
「へ?何?何?」
状況が理解できずにうろたえる由夢。
まあこの状況を理解できる人間はまずいないとは思うが。
考える暇も与えず、触手は彼女の服を引っぺがす。
義之には自然に消えたようにも見えるが、夢なんだから多少の無茶はしょうがない。
「何?なんなの?」
全裸になってもまだ状況を理解できていない。
そのまま触手は狼狽する彼女の四肢を拘束した。
・・・そこではじめて事態の異常さと危険を理解したようだ。
「やだっ!何なのこれ!?誰か助けて!」
悪いな由夢。その"誰か"の対象は俺しかいないし、俺も助ける気はない。
まあ夢なんだ。起きればリセットされるんだ。諦めろ。
どんどん増殖していく触手はそのまま由夢の恥部をまさぐり始める。
「へ?あん、やっ・・・」
本能の呼び起こす快楽に思わず悶える由夢。
それに反応してか、触手の動きは激しくなり、同時に乳房も弄び始める。
「んあ、ひゃっ、やだよっ・・・」
理性と快楽の板挟みにされている。
―いいぞ、そのままもっとやれ。
義之の嗜虐心が高ぶっていく。
それに応える様に、触手も激しく動き出す。
「んっ、あっ・・・はうっ・・・」
くちゃくちゃ、ぴちゃぴちゃ・・・
淫らな水音が空間に響き渡る。
そのうち触手のなかで一番太いのが、恥部に挿入する体勢を取る。
それに気づいたのか、
「やっ・・・やめて・・・それは、それだけはダメっ・・・」
腰をよじって何とか逃れようとするが、四肢を完全に拘束されているため、ろくに身動きが取れない。
必死の抵抗も虚しく、そのまま恥部へどんどん入り込んでいく触手。
「ん――――っ!」
どうやら処女膜が破られたらしい。
痛みから涙目になりながらも、触手の与える快楽に逆らえない由夢。
「はうっ、あっ、はんっ、気持ち、いいよお・・・」
理性も薄れてきたのか、だんだんと快楽に身を任せてくる。
―うお、俺もあそこに挿れたい・・・
そう思った瞬間、由夢の恥部に挿入されている触手の動きが、義之に任された。
それが感じる、快楽とともに。
「うおっ!きたっ・・・」
そのまま男根とリンクした触手を激しく動かし始める。
「あっ、あうっ!んっ!気持ちいいよおっ!もっと!もっとぉ!」
そのまま動かし続ける。
「んあっ!あっ!あーっ!」
由夢の恥部から溢れ出す大量の愛液。
それにもお構いなしに、そのまま攻め続ける。
「ひうっ、んっ、あっ・・・おかしく、なっちゃう・・・」
胸も同時に弄びながら犯し続ける。
息も絶え絶えに喘ぎ続ける由夢。
「んあっ!あっ!ああっ!あんっ!」
もう一度絶頂に達し、同時に意識を失う。
「はあ、はあ・・・」
ようやく実体化できたらしく、横たわっている由夢のことを見つめる義之。
「ちょっとやり過ぎたかな・・・」
そう呟いて、由夢の頬にキスをする。
「おやすみ。今度こそいい夢を」
犯すことに夢中だったさっきとは、打って変わった様子で。
朝。
「おはよう。由夢」
「おはようございます、兄さん」
いつもどおりの由夢の挨拶。しかし何か元気がない。
「どうしたんだ?悪いものでも食ったか?」
心配になったので一応きいてみる。
「や、兄さんじゃありませんから・・・ちょっと怖い夢を見ただけです」
「ふーん、どんな?」
「いや、それが覚えてなくて・・・でもどうしても怖くて・・・」
そのままいきなり義之に抱きつく。
「だから、少しだけこのままでいさせてください・・・」
―まったく。こいつは素直じゃないなぁ。
そう思いながら微笑んで、義之は由夢を抱き続けた。