「ふぁ〜〜〜あふあふ・・・・・・」
ごろごろ。ごろごろ。
「なぁ由夢・・・・・・」
ごろごろ。ごろごろ。
「おい、由夢って」
「んん〜〜〜?」
ごろごろ。ごろごろ。
はぁ・・・暖かくて気持ちいい。
兄さんの膝に頬を寄せ、兄さんの体温を思う存分に感じる。
ちらっと上を見ると兄さんの困ったような表情があったけど、私は気がつかないふりをして再度頬を摺り寄せる。
・・・・・・なんだか私、自分の匂いをつけてる猫みたいだ。
兄さんの温もりと、引き締まった筋肉の弾力を楽しみながら、そんな考えがふと浮かんだ。
猫、か・・・・・・
うん。何気なく考えたことだけど、案外いいかもしれない。
だって私が猫になったら、こうして一日中でも兄さんに甘えていられるもの。
兄さんにすりすりって撫でてもらったり。兄さんに毎日遊んでもらったり。兄さんの膝の上を定位置にして、私の匂いを膝だけじゃなく、体中に付けてあげるのもいいかもしれない。
それに、兄さんに、その・・・く、口移しで食べさせてもらったりなんかもしちゃったり・・・・・・!!
「あのさぁ・・・・・・頼むから俺の膝に涎を垂らさないでくれよ?」
呆れたような兄さんの声ではっと我に返り、同時に口の箸からたれそうになっていた唾液を慌てて拭う。
「お前正月も明けたのにまだ食い足りてないのか?」
からかうような口調で、やれやれと肩を竦められる。
って兄さん・・・どうしてそこで食べ物の話が出てくるんですか?
流石にムッとして、兄さんを軽く睨みつけるけど、まったく堪えた様子はない。
「そんなに私食い意地張って見えます?」
「まあな」
即答だった。
うう・・・・・・兄さんにそんな風に思われていたなんて意外だ。
私としては普通のつもりなんだけどな。むしろ兄さんの前ではいつもより食べる量を減らすくらい。
腹八分目ってやつですか?
―――あ、勿論兄さんを食べる場合なら話は別です。満腹になるまでいくらでもお代わりしますよ?
「で、もう気は済んだか?」
相変わらず兄さんの膝でごろごろと転がっている私にさっきと同じ声がかけられる。
「う〜ん・・・・・・もうちょっとお願い〜」
それに返す私の答えもさっきとこれまた同じ。
「もうちょっとって・・・・・・お前さっきからずっとそう言ってるだろ」
「だって私はまだまだ満足してませんよ?」
それでもまだ何か反論しようと口を開きかけた兄さんに、
「それに、兄さんじゃないですか。何でも言うこと聞いてくれるって言ったの」
頭を膝に預けたまま、そう切り札を口にする。
途端にうぐっと言葉を詰まらせる兄さん。
その苦虫を噛み潰したような表情がおかしくて、思わず噴出してしまう。
「ったく・・・・・・あんなこというんじゃなかったな・・・・・・」
「あはっ、もう遅いよ。それに、兄さんが私の誕生日をすっかり忘れてすっぽかしたこと、まだちゃんと許したわけじゃないんですからね?」
頭を上げ、兄さんの眼を見ながら、いかにも『怒ってます』というような表情を浮かべてそう言った。
因みに今日は一月四日。私の誕生日は二日も前の一月二日だ。勿論その日はお姉ちゃんもおじいちゃんも、さくらさんも祝ってくれました。
兄さんも・・・・・・まぁ前日までは覚えていてくれていたらしいですけどね?
丁度その日、学校の友達の方々が新年会をやっていたらしく、兄さんも呼ばれて、顔だけ出しに行ったらしいです。
ええ、わかってますよ。兄さんにも付き合いというものがあるでしょうから、それは別にいいんです。
ただね、兄さん・・・・・・どうして、どうしてべろべろに酔いつぶれるまでお酒を飲んでるんですか!!??
まぁ一緒にいた方々のことを思えば、そうなってしまうのはある程度予想できたといえばできたんですけど・・・・・・
結局兄さんが帰ってきたのは翌日の日も暮れかける頃(明け方近くまで飲んでいて、そこからみんなで寝ちゃったらしいです・・・はぁ)だった。
で、ようやく前日のことを思い出したのか。家に着いて私のちょっと怒った顔を見るなり、兄さんは何度も何度も謝ってきた。
そして昨晩「お詫びにお前の言うことを一つ、何でも聞いてやるから」という約束を取り付けることに成功したのだった。
・・・・・・でも、実は私は怒ってなんかいなかった。
別にプレゼントやケーキが欲しかったわけでも、誕生会を開いて欲しかったわけでもなかったから。
私はただ、兄さんが私の誕生日を覚えてくれていて・・・・・・まぁ、実際には忘れていたけど。(それでも思い出してくれて)おめでとうと、そう言ってくれるだけでよかったのだから。
だから、帰ってきてそうそう私に謝って、同時に「遅れたけどおめでとう」と兄さんが言ってくれただけで、私は満足なのだ。
・・・・・・勿体無いから、兄さんには言わないけどね。
私がさっきから兄さんにごろごろしてるのはそういう訳だった。
兄さん的には何か、高めの贈り物を要求されると思っていたらしいけど・・・・・・違うよ兄さん。折角の兄さんからのプレゼントをそんなつまらないことに使うわけないじゃない。
そう。そして私は迷うことなく、『今日一日たっぷり甘えさせてくれること』をお願いしたのだった。
ふふ・・・普段恥ずかしがってやらせてもらえないことも、この機会にたっぷりとやっておかないとね・・・・・・♪
(ん・・・・・・? どうしたんだろう)
さっきから兄さんがちらちらと私に・・・いや、私の胸元に視線を送ってくる。
不思議に思ってふと目をやると・・・・・・ああ、なるほど。ジャージのファスナーが開いていて、そこから乳房が少し覗いていた。
もう何度も何度も見ているのにと少しおかしくも思ったけど・・・・・・それは同時に、私の体に飽きることなく魅力を感じてくれているわけで。うん、やっぱり嬉しいかな。
「・・・なんかくっついているからかな? 少し暑いね?」
なんてとぼけつつ、兄さんの目に入るようにわざとジャージの胸元を大きく動かす。
それに合わせて頭を動かし、丁度兄さんのおちんちんの辺りにぐりぐりと押し付けた。
「・・・・・・っ、ちょ、ちょっと待て由夢! 少しだけどいてくれ!」
「兄さん? どうしたの・・・・・・えっ? これって・・・・・・」
慌てて腰を引き、ズボンの膨らみを隠そうとする兄さんだったけど、その前に私は兄さんの股間で大きくなっていくものに初めて気付いたかのように振舞う。
まぁ・・・そうじゃなくても、私が兄さんに膝枕されてるような体勢では隠しようがないとは思うのだけど・・・・・・
「兄さん、これは何かな・・・? 何でここ、こんなに大きくしてるんですか・・・?」
「そ、それはお前が・・・・・・」
「私が? 私何かしましたっけ? 兄さんに甘えていただけなのに、そんな妹を兄さんが欲情の眼で見ていたなんて・・・・・・!」
「・・・・・・お前、もしかしてさっきからわざとや・・・っく!」
流石にちょっとわざとらしすぎたらしく、すぐに気付かれてしまいました。
照れ隠しに、兄さんのをズボンの上からさわさわと撫で上げる。
でもまぁ面と向かってこういうことを女の子の口から言うのはやっぱり気恥ずかしいもので・・・・・・この位の演技は許してほしいです。
「あはは・・・まぁいいじゃないですか。兄さんが私で興奮してくれたのは事実なんですから」
さわさわ、さわさわ。
私の手が動き、揉むようにして刺激する度に兄さんのおちんちんはますます硬度を増していく。
・・・・・・兄さんに何度も教えてもらったおかげで、今ではすっかり手馴れたものです。
「ま、待てって。こんなとこで・・・音姉にもし見つかったら・・・・・・」
「今日は色々買う物があるらしいですから、もうちょっとかかるはずですよ? だから・・・もう少しの間、二人っきりです」
理性を振り絞った兄さんが口にした口実を一瞬で潰す。
「ねぇ、兄さん・・・・・・私が、これ、静めてあげましょうか・・・・・・?」
兄さんの膝で甘えていた体を起こし、瞳を見詰めながら、囁くようにして訊ねる。
少しの沈黙。
そして、我慢できなくなった兄さんが無言で頷くのを見て、私はズボンのジッパーへ手を伸ばしていった。
「兄さん、どうかな・・・? 気持ちいい? もうちょっと強い方がいいかな?」
てらてらとカウパー液で光る兄さんのおちんちんを扱きながら聞いてみるものの、兄さんは気の抜けたような声で時々あぁ・・・と口にするだけだった。
久しぶりだからか―――兄さんにはオナニーはやめるように言ってある。兄さんの精液をゴミ箱に捨てるくらいなら私で射してほしいから―――いつもより感じてる。
カウパー液を潤滑油に亀頭をしゅっしゅっと擦り上げ、親指の先端で窪みをくりくりと刺激してあげるとびくりと兄さんの体が跳ねる。
今や兄さんのおちんちんは最大にまで膨張し、天を向いてそそり立っていた。
自分で愛する人が感じてくれている。その悦びがますます私の手の動きを激しく、情熱的なものへと変えていき、兄さんの口から快感に耐える声を引き出す。
でも感じてるのは兄さんだけじゃなかった。
私だって・・・兄さんから時々漏れ出る呻き声や必死で我慢するような表情だけで興奮してる。
まだ触られてもいないのに、あそこがエッチなお汁で濡れているのがはっきりと感じてとれた。
「はん・・・にいさぁん・・・・・・ん・・・はむっ」
「あくっ!! ううっ、ゆ、ゆめ・・・・・・」
ぱんぱんに張り詰めた兄さんのモノを優しく咥えると、まるで女の子みたいな声を出して兄さんの体が震えた。
切ない表情を浮かべる兄さんを上目で見ながら、唾液をいっぱいに溜めた口内でぐちゅぐちゅと音を立てて奉仕する。
「由夢・・・それっ、っく、いい・・・・・・」
「ん・・・んぐ・・・んん・・・ぐじゅ・・・んん・・・んぢゅ・・・・・・」
限界まで兄さんのおちんちんを温かな口内で優しく包み込み、兄さんのその太いを舌でなぞってあげる。
またある時にはかり首を咥えながら亀頭をちろちろ舌で舐め回し、こすこす手で扱いてあげる。
「んっ、んむぅ・・・・・・ひいはん・・・・・・んんん・・・ひもひいえふは・・・・・・」
「うわっ・・・しゃ、喋られると舌がっ・・・くうぅ・・・・・・」
舌が不規則に動くのが気持ちよかったらしく、それまで以上に大きな声を上げて感じる兄さん。おちんちんもびくりとその身を震わせ、より大量の我慢汁がにじみ出てくる。
「はぁん・・・おいひい・・・・・・」
溜まった唾液が私の口に収まりきらずに口の端からつつっっと糸を引いて零れ落ちる。
畳を汚すわけにもいかないので、兄さんの匂いとカウパーの味を含んだ唾液をこくりと飲み込んだ。
「んっ、んんっ・・・じゅるっ・・・・・・くぽっ。はぁ・・・・・・兄さん、そろそろイッちゃいそうなんじゃないですか?」
「はぁ・・・あ、ああ・・・・・・もうそろそろ限界だ。お前の口でイっていいか?」
「う〜ん・・・そうだなぁ・・・」
名残惜しいけど、ビクビク震える兄さんのおちんちんを口から引き抜く。
兄さんはもう我慢できない、といった表情だったけど、ここはあえて焦らしてみる。
「じゃあお願いしてみて下さい」
「なっ・・・!?」
「嫌なんですか? じゃあ、残念だけど今日はここまでということで・・・・・・」
嘘だった。ここで止められたらむしろ私の興奮が収まりつかないもの。
でもそんなことは露ほども表情には出さず、しれっとした顔付きで兄さんにそう言い放つ。
効果は覿面で、慌てて兄さんが食いついてきた。
「わっ、わかった。言う! 言うから・・・!」
こんな状態で止められては堪らないとばかりに、懇願される。
「はいっ、ではお願しますね」
私はそんな兄さんの様子を、右手でイッてしまわない程度の刺激をおちんちんに加えながら楽しむ。
「―――てくれ・・・・・・」
「え? なんですか? 全然聞こえませんでしたよ?」
亀頭をくりくりこね回すようにしながら再度促す。とうとう観念したのか、兄さんは、
「お願いだ、由夢・・・お前の口で、俺をイカせてください・・・・・・」
「はい! じゃあ私の口にいっぱい出してくださいね?」
その瞬間、待ってましたとばかりに再びおちんちんを口に咥え、私は激しく顔を前後させる。
「んっ! んじゅ! むぐっ! んんんんん・・・・・・!」
「ううっ・・・・・・ゆめぇ・・・・・!!」
兄さんが我慢できなくなったのか、私の頭を掴み自分で動かし始める。
「んんっ!? んんんん・・・! んんっんぐぅ・・・!」
いきなりペースを変えられ、少しだけ乱暴に奉仕させられる。
驚いたけど、それだけ気持ちよくなってくれているんだと思えば悪い気はしない。
兄さんのペースで突かれる内に、何度か喉の奥まで突き込まれて少し苦しかったけど、それでも兄さんのモノを噛んでしまわないようにだけは気をつける。
「うっ、由夢・・・・・・もうだ、ダメだ・・・・・・!」
何回か往復させるうちに、いよいよ兄さんの口からそんな感極まるかのような言葉が零れる。
そのまま口内射精しようと、これまで以上に激しく私の頭を動かす。
「ぐじゅ、んっ、んっ、んんんんっ・・・・・・」
「っく、ゆめぇ・・・・・・!!」
兄さんのモノが一際大きく震え、兄さんがそう叫んだときだった。
「ただいま! ・・・って、あれ? 二人ともいないのかな?」
玄関から急に、そんな声が聞こえてきた。
(お姉ちゃん!?)
私は慌てて兄さんのモノから顔を離そうとしたけど、
「ひゃんっ!? あぅ、うぷっ・・・ひ、ひいさん・・・・・・」
一瞬速く、兄さんのおちんちんからどくどくと物凄い勢いで精液が放出され、私の顔を直撃した。
運悪く口からは既に引き抜いていたため、至近距離から大量の精液が浴びせられ、そんなつもりはなかったのに顔射になってしまう。
「ん? ああっ、何だ二人ともいたんだ。もう、それならそれで返事くら――――――」
兄さんの匂いに顔中犯される。その感覚に恍惚としていた私の意識を、がらりと障子を開ける音と共に聞こえたそんな声が呼び戻した。
・・・・・・もっとも、それもすぐさま凍り付いてしまったのだけど。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
三者三様。違った意味での沈黙が流れる。
何が起こっているのかまだ理解できないお姉ちゃん、顔面蒼白で凍りつく兄さん。
長い沈黙の後、兄さんのおちんちんからどくっともう一度残りの精液が噴出したとき。
「ふ、ふ―――」
ようやく事態が飲み込めたのか、凍り付いていたお姉ちゃんが動き始める。
わなわなと拳を振るわせながら、その引きつる口から呻くような声が漏れる。
一瞬、ぴたっと一切の音が止む。
嵐の前の静寂とでも言うべき、耳が痛くなるほどの空白の後、
「二人とも!! そこにちょっと正座なさい!!!!」
物凄い雷鳴が部屋に轟いたのだった。
後ろに鬼が見える勢いで吼えるお姉ちゃんに逆らえるはずもなく、私たちは揃ってぴしりと背筋を伸ばしてお説教を聞き入る体勢をとる。
この後は二人ともお姉ちゃんにこってり絞られ、世にも恐ろしい思いをしたのですが―――それはもう思い出したくもないです。
楽しさと心地よさと、その後ちょっと怖い思いとを味わった。
そんな私の、少しだけ遅めの誕生日のことでした。