DCU凌辱 その5 ――みんなの世界を護らねば――  
 
「ここにいる連中は皆、ある時ふと思ったんだよ」  
別の男が言葉を継ぐ。  
「みんなの世界を護らねば、ってな」  
「まったく・・・世界に巣くう寄生虫め。 いや、寄生獣か」  
「はぁ、はあ・・・じゃあ俺らのガキをてめぇの腹ん中に寄生させてやるよ・・・っと、ほれ、孕めっ!」  
ドクッ!!  
薄汚れた床の上。  
さくらを後ろから座位で貫いていた男が絶頂を迎える。  
「・・・・っ・・・ぅ・・・」  
魔法を封じる鉄球は足に付けられたまま。  
腹の中で射精されても反応は乏しく  
さくらはただ虚ろな瞳で、どこともわからない場所を見つめているだけだった。  
 
最初は抵抗した。  
だけども魔法を封じられていることと多勢に無勢であること。  
なにより世界そのものに敵視され、逃げ場所などどこにも無いことを悟ると  
さくらは抗うことを止めてしまったのだ。  
今では男達に貫かれるがままに身を任せ、動きに合わせて揺られているだけ。  
大人しく、人形ようにただ犯されていた。  
「へへ、今度はケツの穴に入れさせてもらうぜ」  
座位で貫いていた男が射精し終わると、順番待ちをしていた別の男が  
床に人形のように投げ出された俯せの彼女へと覆い被さる。  
薄い尻肉を割り開くと、たった今流し込まれた汚液がゴポゴポと泡立ちながら溢れてきた。  
「ふへへ、たんまり出してもらってまぁ・・・w」  
良かったでちゅねぇ、ともう何も聞こえていないであろう耳元で  
何故か赤ちゃん言葉で下品に笑ったあと、男はさくらの尻の穴に挿入した。  
ズブブブブッ  
「ぁ゙っ・・・・っ・・・・く・・」  
意識が半分飛んでいるせいか、やはり反応はほとんどなかった。  
「ケッ、面白くねぇな。  だけど・・・ケツの中、随分と滑りがいいな」  
いったい何発ぐらい出したんだよ、と肩越しに仲間を振り返る。  
すると休憩している中の一人が、アナルで出した人、挙手〜と言うと。  
ひい、ふう、みぃ・・・・11人ほどだった。  
中には2発以上出している者もいるだろうから  
射精されたのべ回数は、手を挙げた人数を上回るだろう。  
 
コンコン。  
そのとき、さくらが輪姦されている部屋の扉が外から叩かれた。  
軋んだ音を立てて開き、  
「お〜い、差し入れ持って来たぞ〜」  
「よう、乙かれ〜」  
開いたドアから数人の男が入ってきた。  
手にぶら下げているのはコンビニ袋。  
そしてデジカメ。  
「理事長にも持ってきましたよ」  
バシィンッ!  
意識がなくなりかけていたさくらの頬を思いっきり張り飛ばして正気を戻させると  
これ手みやげです、と銀色のデジタルカメラを差し出す。  
電源のスイッチが押されると、あらかじめ観賞モードに合わせてあったのか  
撮り溜めてあった画像が液晶パネルに表示された。  
そこに映っていたのは。  
 
「・・・・ぁ・・・ぁぁ・・・し、白河さん・・・・白河さんまで・・」  
男が差し出した小さな画像記憶媒体。  
そこにはさくらのこれまた良く知る風見学園の女生徒・白河ななかが  
半裸にひん剥かれた付属の制服の上からガムテープでグルグル巻きにされた姿が映し出されていた。  
デジカメ自体が小さいので見にくかったが、よくよく目を凝らしてみると  
全身白い粘液まみれ。  
唇はだらしなく開いたまま。  
虚ろな瞳。  
仰向けの状態。  
ズリ下げられ右足の踝で丸まった下着と  
ドロドロに汚れ、開いたままの性器が痛々しかった。  
「へへっ、まだあるぜw」  
男の指がボタンを押す。  
ページが捲られる。  
すると、これは一番最初に撮ったものだろうか。  
数人の男子生徒に手首を掴まれ髪を掴まれ、今にも押し倒される寸前のななかが映っていた。  
再びボタンが押される。  
ページが捲られる。  
そこに映っていたのは、白のブラウスの胸の辺りが豪快に破かれ  
ガムテープを口に張られた姿。  
次のページ。  
今度は人体の一部のドアップだったので、ぱっと見にはわかりにくかった。  
よく見ると、それは女性の股ぐら。  
性器の部分をズームアップしたものらしく、撮影者以外のものであろう指が  
両側から陰唇を、中心にある入り口を撮影しやすいように広げていた。  
「これさ、この白いの。 何だかわかる?」  
画面の丁度中心部。  
多少画像が荒いものの、そこには白くて薄い皮膜のようなものが映っている。  
処女膜だった。  
 
ボタンが押される。  
ページが捲られる。  
画面の中の彼女は、この時にはもう純潔ではなくなっていた。  
両腕は後ろ手にガムテープでグルグル巻き。  
股をこじ開けられ、一人の男子生徒がそこに割って入っていた。  
男の腰とななかの股座とが、ピッタリと隙間無くくっついている。  
ななかの顔を見る。  
頬を伝う涙。  
その表情には悲しみと諦めと、深い喪失感。  
ボタンが押される。  
ページが捲られる。  
画面の中に映っている男が、1人から2人に増えていた。  
床の上に寝ころんだ1人目の上に跨らせられたななか。  
影になっていて見えないが、もちろん性器同士は結合しているのだろう。  
そしてもう一人。  
2人目の男は、いきり立ったモノを彼女のお尻の穴に刺しているように見える。  
「ああ、これはアナルバージン喪失の瞬間ねw」  
デジカメを持った男が、嬉しそうに説明してくれた。  
ボタンが押される。  
ページが捲られる。  
画面の中の男の数が、また増えていた。  
今度は口。  
艶やかで長いななかの髪の毛を鷲掴みにし、自分のイチモツを口の中へとねじ込んでいる。  
「次はもっと凄いよんw」  
ボタンが押され、ページが捲られたが  
もうさくらは見ていられなかった。  
 
「白河ななかのスライドショーをお楽しみのところ申し訳ないんだけど  
 芳乃さくら理事長先生には、もう一つ土産があるんだ」  
男のその言葉が合図だったのか、開け放たれた扉の向こう側から  
一人の人物が連れてこられる。  
「――――さくらさん!?」  
その男性は、さくらの良く知る人物。  
「・・・・・・ぁ・・・よ、義之くん!?」  
手錠とガムテープで拘束された状態。  
暴行を受けたのであろう、口から血を流しあちらこちらに痣ができてはいたが  
それは紛れもなく桜内義之だった。  
「おおっと、感動のご対面のところ悪いんだけどさ」  
男はさくらの側へと義之を連れてきて座らせた。  
そして、  
「・・・・・・そろそろ、かな・・?」  
男はさくらを見た。  
いや、彼だけでなく、この場にいる全員が  
初音島の魔女を見つめていた。  
数時間に渡る激しい凌辱を受け、全身はボロボロ。  
ツインテールが解けたバサバサの髪と、足には魔封じの鉄球。  
「おねがい・・・・ボクならどんなことでもするからっ、 だから義之くんは放してあげてっ!!」  
痛々しく、ついつい目を逸らしたくなるような格好のさくらだが  
こんななりになっても、自分のことよりも  
コピーとはいえ、純一との間にできた我が子の方が心配なのだ。  
「まあまてよ、もう少し・・・」  
「お! 始まったみたいだぜ」  
さくらを観察していた男達にざわめきが走る。  
同じくさくらに視線を向けていた義之も、  
「・ぁ・・・・・さ、さくらさん、それ・・」  
驚きの表情を向ける我が子に、ようやくさくら自身も気付いた。  
自分の身体に変化が現れているということに。  
まず最初の変化は、髪の毛に現れた。  
ツインテールが解けた、長めのブロンドヘア。  
一房ほど胸の前に垂れていたそれが、急に艶が無くなり  
色もどんどん薄くなり、金色から銀色  
それを通り越して、今や白髪。  
「ほらよ、これで見えるだろ?」  
男の一人が、どこかから手鏡を持ってきて、さくらに見えやすい角度に向ける。  
数日ぶりに見た自分の顔。  
「・・・・・う、うそ・・・・・どうしてこんな・・・!?」  
鏡の中に映っていたのは、一人の老婆だった。  
深く刻まれた皺。  
色艶の悪い肌。  
年の頃は還暦を迎えるぐらいだろうか。  
しなびた皮に、白髪がさらりとかかる。  
さくらが瞬きをすると、鏡の中のその女性も瞬きをして  
口を開けば、向こうも同じように口を開いた。  
信じられないことだが、手鏡に映っている人物は芳乃さくら本人であった。  
「このガキをここまで連れてきたのはよ、実はというとテメェが年取る瞬間を見せてやろうと思ったからなんだ」  
「おまえら魔女は、セックスすると年取るんだってな」  
「ま、そのおかげで、これ以上犯されなくてすむけどな」  
婆さんとヤる趣味はないから、と笑いながら。  
「なら代わりの娘を連れてくるぜ」  
そう言って、男の一人が部屋から出ていった。  
「これが・・・・・ボク・・・。 そんな・・・・・こんなことって・・・!」  
ショックが大きかった。  
いまだに信じられないのか、床の上に捨てられた手鏡を覗き込みながら  
さくらは呆然としていた。  
 
「ななかっ!?  お、おまえらっ、ななかにいったい何をしたっ!?」  
おそらくは、先のデジカメ画像でも見せられているのだろう  
縛られた状態のまま、義之は男たちに食ってかかっていた。  
「なにって、なあ?」  
「これ見りゃわかるだろ? ナニしたんだよ」  
20人程で3周ぐらいしたかな、と言ってゲラゲラ笑った。  
「だけどよ、あの白河ななかが魔女の手先だったとはな」  
「ああ。 他人の心を読めるなんて、気味が悪いぜ」  
私服の者も多いが、どうやら彼らは風見学園の生徒らしく  
あの白河が・・・などと話ながらデジカメの液晶パネルを見ながら話に花を咲かせていた。  
「あ! これ、俺だよ」  
小さな画面の中、ななかの脇の下に挟んで射精している  
画面から顔が半分切れた人物を指して、男の一人が笑っていた。  
 
「へ〜い、おまたせ〜」  
「代わりの連れてきたぜ」  
扉が開き、数人の男達が入ってくる。  
「巨乳便所ちゃんと、ミニミニダッチワイフの到着〜」  
と言った男に後ろから抱きすくめられ、乳を揉まれながら入ってきたのは。  
「――小恋!?」  
義之の幼なじみである月島小恋だった。  
「あは、あはは・・・・きもちいい・・・・えへへ、キモチイイの」  
しかし彼女は、どこか様子がおかしかった。  
服は何も着ておらず、産まれたままの姿。  
熱病にでも冒されたかのような瞳と、熱く切ない吐息。  
「オマンコ、オマンコなの・・・えはは、アハ、アハハハ・・」  
秘所を自らの指でクチョクチョといぢくりまわしながら、白痴のような表情で笑っていた。  
「・・・小恋!? おい、小恋!  小恋っ!!」  
呼びかける義之。  
だけどもその声は、淫蕩に酔いしれる彼女には届いていないらしく  
裸のまま床の上にへたり込み、手淫に耽り続ける。  
「おまえらっ、小恋に・・・小恋に何をした!? しっかりしろ、おい、小恋、小恋!!」  
縛られ、自由の利かない身体で床の上を這いずりながら彼女の元へと近づいて行く。  
「小恋っ! おい、聞こえないのかっ、小恋!」  
「えへへ、気持ちいいよぅ・・・んあ・・・アハ」  
自慰行為に浸る幼なじみの少女。  
なんとか彼女の元へと辿り着き、義之は必死に呼びかける。  
「俺だ、義之だ! わからないのか!? 小恋――っ!!」  
「えははは・・・・、? ・・・よし・・・ゆき・・・・?」  
義之の思いが天に通じたのか、小恋はオナニーを止め彼の方を向いた。  
「・・・あ〜っ、よしゆきだぁ」  
知恵遅れのような、間延びした声。  
だけども小恋には、目の前にいる人物が義之であることが解ったらしく  
股の間をいじくる手を止めて、彼に縋り付いてきた。  
「うふふ、よしゆき・・・・、よしゆき〜〜」  
「小恋っ!?  よかった、俺のこと、わかるんだな。 正気に・・・って、うわぁっ小恋!?」  
幼なじみに自分の名を呼ばれ、ほっと一息ついた義之だったが  
残念ながら甘かった。  
「ねえよしゆき〜、よしゆきのオチンチンちょうだい・・」  
しなだれかかりながら義之を押し倒し、社会の窓へと手を伸ばす。  
「あは☆ よしゆきのオチンチンだ〜」  
まるで食事に自分の大好物が出てきたときの子供のように  
小恋は義之のイチモツを取り出し、扱き始めた。  
「こ、小恋・・・!?  やめ・・・・っ」  
ななかのあられもない画像とスッポンポンの小恋を見たせいか  
義之のそこはすでに半勃ちで、無邪気にペニスを舐めしゃぶる小恋によって  
あっという間に起立させられた。  
 
「あのねよしゆき、オチンチンをオマンコに入れると、とっても気持ちいいんだよ?」  
愛らしく首を傾げながら、馬乗りになる。  
「だからぁ、よしゆきのオチンチン、わたしにちょうだい・・・?」  
疑問系だったが、言葉と裏腹に自らの秘所へと勃起を誘う小恋。  
入り口に宛ったかと思うと、何の躊躇いもなく腰を落とした。  
「・・・うあぁっ!?」  
「ひゃあああんっ!!」  
二人の声が重なる。  
 
「ひゃはは、中々いいもん見せてくれるじゃないかw」  
「幼馴染みに逆レイプされて童貞喪失ってか?」  
義之と小恋。  
二人の交わりを見て、男達はせせら笑った。  
「あはあ〜〜・・・オチンチン、いいの・・・・おなかのなか・・・あ〜っ!!」  
一心不乱に腰を振る小恋。  
比べて義之の方はというと、気持ちよすぎるからなのか声も出ないでいた。  
ただただ小恋の腰使いに翻弄され、襲い来る快楽に流されぬよう歯を食いしばる。  
「おくっ、おくっ、おくにあたってるの・・・ひはあっ! あ! ああぁ!」  
狂ったように腰を振り立てる小恋。  
「よかったね小恋ちゃん。 好きだったんでしょ? 彼のこと」  
男の一人が、激しくまぐわる二人に近づく。  
ともすればすぐにでも暴発してしまいかねない快楽に耐え忍ぶ義之に、そっと耳打ち。  
「この娘に使ったクスリはね、打つとセックスがしたくてしたくて堪らなくなるのさ」  
おまけに行為の最中のことは、後になっても全部覚えているという  
非常に始末の悪いものらしい。  
 
「おい、アレはどうした?」  
「ああ、アレね。 今運んで・・お、来た来た」  
戸口から何かを抱えた二人の男が姿を現し、部屋の中央までくると  
運んできたものを、まるでゴミかなにかを捨てるみたいに放り投げた。  
「―――――ふぅぅっ!!」  
床に投げ出されたそれが痛みの悲鳴を上げる。  
「ううぅっ、ぅ・・・・ぅぅ・・・っ!」  
それは、肌色の塊だった。  
銀色の髪の毛の生えた、唸り声を上げる小さな人形。  
「杏ちゃんっつったっけ? これ。 ・・・・・・でさあ、いったいこの娘にナニしてた訳?」  
あんまり見たくないなぁ、という顔をしたこの男。  
おそらくは姉妹かななかか小恋のところにでもいたのだろう  
運ばれてきた雪村杏の状態を見て、露骨に顔を顰めた。  
「いやさぁ、実はみんなで『黒ヒゲ』をやってたんだよ」  
ご存じとは思うが、念のために説明をすると  
黒ヒゲとは、海賊が押し込められた樽があり、そこへ短剣を突き刺してゆき  
当たりの箇所へと突き立てると、首だけ出してる海賊が飛び出すというオモチャ。  
ルールはいたってシンプルで、数人で順番に短剣を樽へと突き刺してゆき  
海賊を飛び上がらせた人の勝ち。  
彼らの言い分によると、杏を使ってリアル黒ヒゲを行ったとのこと。  
まずは水をたらふく飲ませ、みんなで順番に何かをして  
彼女に失禁させた人の勝ち。  
最初は挿入したり抓ったり、少ない乳肉に噛み付いたりと  
非常に可愛いものだったのだが、杏がなかなか漏らさないのと  
時折毒舌で口撃してくるのとで、だんだん行為はエスカレートしてゆき  
しまいにはバイブを何本もねじ込んだりピアッシング穴を開けたりと  
無茶なことをするようになった。  
 
「しかし・・・・こりゃ酷でぇ」  
今の杏の状態はというと、右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ縛られ  
膝の裏に鉄パイプを挟んで両足を開いた状態で固定されていた。  
目にはガムテープ。  
口にはボールギャグ。  
突き立てられたバイブの大きさは大小様々だが  
前の穴に8本、後ろの穴に5本  
合計13本の電動コケシがねじ込まれていた。  
しかも何本かは稼働中。  
全身には鞭打ちの後と思しき数十本のミミズ腫れがあり、火傷も見て取れた。  
おそらくそれは蝋燭の痕。  
溶け固まってこびり付いていたものから察するに、使われたのはSM用の赤い低温蝋燭ではなく  
市販品の白いものだと思われる。  
煙草の根性焼きの痕もあった。  
このほかに目立つものといえば、あとはピアスだった。  
胸の頂きや、いまだ元気に動き回るバイブをくわえ込まされた性器の外陰部。  
そこには20を超えるピアッシングが施されていた。  
ついでに付け加えると、右手の人差し指と中指。  
その二本の指の爪は剥がされて、どこかにいってしまっていた。  
全身ボロボロだった。  
 
「ぅああっ!」  
ビュクッ、ドクドクドクドク、ドクン  
「はああ〜っ! おなかのなか、びゅくびゅくって言ってるぅ・・・せいえき、あついよぉ〜っ!」  
どうやら義之が射精したらしい。  
「ハハッ、良かったなぁ小恋。 これで愛しの義之君の子供が産めるぞ」  
「まあその前に俺達が何十回も中出ししてるから、誰の子供かはわからないけどね」  
まだまだヤり足りないと駄々をこねる小恋を義之から引き剥がし  
数人の男達が部屋の外へと連れて行く。  
別室で、彼女を心ゆくまで愉しむ腹づもりだろう。  
 
 
「――――それじゃあ、名残惜しいけど・・・」  
男達はいつの間にか服を着ていた。  
その中の一人が、射精し終え放心状態の義之へと近づく。  
「―――――っ!?  義之くんっ!」  
虫が知らせたのか、嫌な予感がしたのか。  
瞬く間に年を取ってしまった自分に唖然としていたさくらだったが  
男達の様子が今までと違うことを察してか、急に我に返った。  
「最後に幼なじみちゃん相手に童貞捨てられて、これでもう思い残すこともないだろう?」  
放心した義之に近づく男。  
手には黒光りする鉄の塊が握られていた。  
突き出た長めの筒。  
弾を6発装填できるシリンダー。  
筒の先には何かが飛び出すためか、44インチの穴が開いており  
指元にはレバーのようなものが付いている。  
映画やアクションドラマなどでよく見かける。  
拳銃だった。  
「恨むなら、おめぇを生み出したそこの魔女を恨めよ?」  
目の前に立った。  
影が落ちる。  
けれども義之は顔すら上げなかった。  
こんな場所で、こんな状態で、頭のおかしくなった幼なじみの少女と初体験をしたのが  
よっぽどショックだったのかもしれない。  
 
「殺すのならボクにしてっ!! 義之くんは、義之くんはなんにも悪くない!  
 悪いのはボクだ! だから・・・っ!」  
拳銃を握った男の腕がゆっくりと持ち上がった。  
「やめてっ! お願いっ、お願いだからっ、何でもするからぁっ!!」  
銃身の先が頭部に押し当てられる。  
義之は、無抵抗だった。  
ピクリとも動かない。  
まるで魂の抜け殻のようだった。  
「やめてやめてやめてやめてぇぇ〜〜〜〜〜〜っっ!!!」  
人差し指がトリガーに掛かる。  
ゆっくりと"く"の字に曲げてゆく。  
実弾の詰まったシリンダーが回る。  
撃鉄が持ち上がる。  
そして。  
「やめてえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――――――っっっっ!!!!!!」  
パンッ  
生みの親の悲鳴と、乾いたが重なる。  
それは、あまりにもあっけない最後だった。  
銃声もテレビドラマなどで聞くような格好の良い音ではなく  
妙に安っぽい、まるでオモチャの火薬鉄砲を鳴らしたときのようなもの。  
げれども義之は後ろへと倒れ込む。  
銃弾が突き抜けた後頭部から、真っ赤な何かを撒き散らしながら。  
さくらには、その光景がやけにゆっくりと見えて。  
まるで止まっているかのようで。  
けれども手を差し伸べることすらできなくて。  
倒れ伏すまで、さくらはただ見ていることしかできなかった。  
 
仰向けに転がる義之は、それっきり動くことはなかった。  
虚ろに開かれた両の瞳。  
今その目には、いったい何か映っているのだろうか。  
「―――――これで、全部片が付いたな」  
呟き、男たちはさくらの戒めを解くと、ゾロゾロと部屋から出て行く。  
やがて誰もいなくなった。  
 
「ぅぅ・・・しゆき・・・っ、義之・・くん・・・えぐっ、ぅぅぅっ」  
後頭部に真っ赤な花の咲いた彼の亡骸を膝に抱える。  
「ごめんね・・・・ごめんね・・・ボクが・・・ボクがあっっ・・・!」  
不完全な桜の樹のレプリカを作ってしまったから。  
「ごめんなさ・・えぐっ、義之く・・・ごめんなさいぃっ・・・うぐ、ぅぅぅっ!」  
愛しい人と結ばれなかった寂しさに耐えられず、自分が彼を作り出してしまったから。  
「ボクが・・ボクがぁ、ぅぅっ、うわぁっ、うああああああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」  
聞こえるはずもないのに、さくらは謝り続けた。  
涙を流し続けた。  
 
 
つづく  
 

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