一人で歩いている時、常に誰かの絡み付くような視線を感じる。  
ただ不思議と音姫といるときにはその視線は感じない。  
その代わりすぐ隣りで音姫に凝視と言ってもいいほどに濡れた瞳で見つめられる。  
 
部屋に女友達が遊びに来た日、数分後には偶然家に遊びに来る音姫。  
もしくは家の電話が数分毎に鳴り続ける。  
 
芳乃家に夕食を食べに来た時音姫が一言、  
「あれ、今日カレーなんだ?  
でもお昼もそうじゃなかった?」  
因みにその日の昼食は友人たちと食べていた。  
 
入浴中、誰かの気配を感じて振り向けば、僅かに開いた窓に映る影。  
思わず声をあげる義之に対し、一目散に逃げ出す影。  
後ろ姿にひらひら舞うリボンが見える。  
 
わざわざ家に来てまで家事を手伝ってくれる音姫。  
しかし、何故か洗濯の度に下着が減っていく。  
 
女友達と二人で遊び、夜遅くに帰った日。  
真っ暗な部屋で佇む音姫。開口一番、  
「○○さんと随分楽しそうだったね…」  
訝しがる義之の目の前で今日一日の写真が大量にばらまかれる。  
「だから言ったでしょう?  
弟くんの情報は全部筒抜けなんだから…って」  
音姫は呆然と自分を見る義之に薄く笑いかけた…  
 
 
 
 

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