「音姉、風呂上がったから」
「あ、うん。これ終わったら入っちゃうね」
「ごめんな、洗い物やってもらっちゃって」
「いいよ、別に。ご馳走になったんだからこれくらい」
先程食べた夕食の片づけをしながら答える。
そのやりとりはいつもの通りといえばいつもの通りだけど・・・ほんの少しだけ違う。
今日この家にいるのは私と、そして弟くんだけだった。
由夢ちゃんは修学旅行、おじいちゃんは町内の温泉旅行で出かけている。
そしてさくらさんがいないのは、それは大して珍しいことでもなかった。
つまり、家に一人きりになる私を心配した弟くんが、今日はここに泊まるように言ってくれたという訳だ。
弟くんの優しさに感謝すると同時に、由夢ちゃんに対して少し悪い気もする。
由夢ちゃんだって、表面上は笑って、「そのほうが安心だからね」なんて口にしていたけど・・・内心どう思っていたかは想像に難くない。
私だって由夢ちゃんと同じ立場だったとしたら・・・多分、いや、絶対に嫉妬してると思う。
だって、弟くんと付き合っているのは私じゃなくて、由夢ちゃんなんだから。
「はぁ・・・・・・」
風呂場で軽く溜息を吐く。
考えることは勿論弟くんと、そして由夢ちゃんのこと。
弟くんへの感情は自分の中で一応の区切りをつけたつもりだ。
弟くんと由夢ちゃんが付き合いだしてから、もう一年にもなる
由夢ちゃんから弟くんに告白して、弟くんがそれを受け入れた形だった。
覚悟はしていたつもりだった。
弟くんに告白して、それが断られた際の「好きな人がいるから」という言葉を聞いて、何となくその相手が由夢ちゃんだろうと予測はした。
そしてそれが現実のものになり、失恋のショックで麻痺していた感覚が蘇ったとき、私の覚悟がいかに上辺だけのものだったか思い知った。
本当に辛かった。
自分にとってかけがえのない人たちの幸せを自分から壊せるはずもなく、私はただ、一番近くで二人の幸福を・・・そして自分の不幸を眺めるだけだった。
辛くて辛くて。泣いて、泣いて、泣いて、泣いて・・・・・・全く飲めないお酒までまゆきに付き合ってもらったこともあった。
それからどれくらい経ったのかは定かではないけれど、ようやく私は立ち直り、自分の初恋が終ったと認めることが出来た・・・・・・・・・・・・筈だ。
「・・・今日の私、普通にお姉ちゃんとして接せれたよね?」
湯に浸かりながら一人、自分自身に問いかけるように呟く。
そう。それでいい。自分は振られ、由夢ちゃんが選ばれたのだから。
告白後も弟くんの態度は昔と変わることなく、弟として接してくれている。
それなら自分も女としてではなく、姉として・・・せめて弟くんに一番近い場所で、二人の幸せを応援しよう。
そう、心に誓ったのだから。
久しぶりに二人きりになれたという事実によりどうしても感じてしまう微かな喜びを誤魔化す為、私はかつての誓いを何度も繰り返した。
「弟くん、本当に私が弟くんのベッド使っちゃっていいの?」
「ああ、別にいいよ。俺は居間で寝るからさ」
「でも・・・」
「じゃあさ、それならいっそのこと一緒に寝ようか?」
「っ!! だ、ダメだよそんなこと!! 由夢ちゃんが知ったら怒るよ!?」
弟くんの部屋のベッドに横たわりながら、先程のそんなやり取りを思い出す。
あの時弟くんの冗談だとわかってはいても、それでもどこかでそれを望んでいる自分がいた。
そんな自分の心を誤魔化すように私はわざと怒ったフリをして弟くんの部屋へ向った。
そうでもしないと、あのまま言われ続けていたら、たとえ冗談であったとしても頷きかねなかったから。
(少し言い過ぎだったかな?)
一言謝っておくべきかどうか迷っていた私の耳に、とんとんとドアがノックされる音が聞こえる。
「音姉、ちょっといいかな?」
「えっ、あ、うん。大丈夫だよ」
丁度考えていた相手からの突然の訪問に、思わず口ごもりつつもそう答える。
「ど、どうしたの? 何か取りに来たの?」
「いや、別に。ただちょっと音姉と話したくてさ」
いつもと少しだけ様子のおかしい弟くん。
話したいといっていた割には会話に全然集中してなくて、それなのに目だけはギラギラさせて私のことを舐めるように見ている。
風呂上りの体を冷ますため、いつもより大きく開けていた胸元にも食い入るように見つめてくる。
私は弟くんと一緒にいることで、初めて居心地の悪さを感じていた。
すると、いきなり何の前触れもなしに、弟くんが話の途中で私をベッドに押し倒してきた。
「ちょっ!? な、何!? 何するの弟くん!」
「音姉、ごめん。俺、音姉が色っぽくてもう我慢できそうにないんだよ・・・」
「ちょっ、や、止めなさい弟くん!! 冗談でもこんなことするとお姉ちゃん怒るよ!?」
「冗談なんかじゃないよ。それに、音姉だって俺のこと好きなんだろ? だったら別にいいじゃないか」
その言葉に・・・ほんの一瞬だけ私の動きが止まってしまう。そして弟くんはその隙に私の両手を片腕で押さえつけ、圧し掛かってくる。
「ダメ・・・それでもダメ! だって・・・由夢ちゃんがこのことを知ったら悲しむでしょう!?」
「由夢は今旅行だよ。それに、この家にも俺たちしかいない」
「そんな・・・」
「前からずっと思ってたんだ、音姉とヤリたいって。いつも俺の家で風呂に入っていくけど・・・そのまま襲ってヤリたいって何回思ったか」
「いつもは由夢が隣にいたから手が出せなかったけど・・・今日は由夢も純一さんもいない。音姉も俺のこと好きなんだったら、嫌じゃないんだろ?」
そんな勝手なことを口走りながら、私の体中に手を這わせてくる。
私も必死に抵抗したけれど・・・両腕を押さえられていた状態で、更に上に乗られては身動きも取れない。
「音姉・・・風呂上りのいい匂いがするね・・・・・・」
弟くんが私の首筋に顔を近づけて、香りを楽しむように大きく息を吸い、浮き出た汗を取るかのように舌で舐めまわされる。
私は首筋に走るくすぐったさと・・・僅かに感じた気持ちよさに思わず身悶えしてしまう。
「ん・・・とうとくん、本当に、止めて。今なら、私も許してあげるから・・・んあっ」
私の答えが気に入らなかったのか、弟くんが乱暴に私の胸を掴む。
いきなり胸に走った激痛と、初めて人に触れられる奇妙な感覚。
パジャマの上から容赦なく、お仕置きとばかりに私のそう大きくはない乳房がぐにぐにと揉まれ、形を変える。
「っ・・・痛い、よ。弟くん、お願いだから、そんなに乱暴しないで・・・」
快感などなかった。本来揉みしだくほどのボリュームもない私の胸を、男の子の力で握り、無理矢理集めているだけなのだから。
弟くんが手を動かすたびに、痛みが私を襲う。
「音姉が悪いんだからな。いい加減音姉も素直になりなよ。本当は音姉だって、こうなることを期待してたんだろ?」
耳元で笑いを含んだ声でそう呟く弟くん。
これ以上痛い思いをしたくなかったのと、そして・・・やっぱり心のどこかで弟くんの言葉を認めてしまい、私の抵抗が弱くなる。
そんな私を見て、弟くんは満足気な顔で両手の拘束を解き、一転して繊細な力加減で私の胸を愛撫しだした。
「ん・・・ぁっ・・・ふあぁ・・・・・・」
弟くんの手つきは、今まで私がしていた単に自分の乳首をくりくりとこね回すだけ愛撫が、まるで子供じみて感じてしまうくらい変化に富んでいた。
パジャマの中に両手を差し込み、先程握り締められてヒリヒリと敏感になっている箇所を爪でくすぐるように弄る。
乳首を中心として外側に向い螺旋状に指でなぞっていたかと思うと、唐突に、予測もしなかった場所に刺激が来る。
乳首に赤ちゃんみたいにちゅうちゅう吸い付き、舌で優しく転がされる。
凄く・・・気持ちよかった。
目で見なくても、自分の乳首が浅ましくぷっくりと勃起しているのがわかった。
弟くんも目ざとくそれを見つけ、意地悪そうに、
「Hなことはいけません、とか言ってる割には、音姉こういうこと好きなんだ・・・」
と含み笑いを漏らす。
「ち・・・違う、私、私はぁっ・・・あああ」
恥ずかしさのあまり弁解しようとしても、途中で乳首を爪で挟み込むように摘まれると何も言えなくなってしまう。
「んん・・・はぁ、ん・・・やっ、弟く・・・そんな胸、ばっかり・・・んっ」
散々両胸を弄ばれ、抵抗する気力も削ぎ落とされるくらいに苛め抜かれる。
弟くんの指使いや愛撫の仕方は男の子なのに私なんかよりずっと上手く、感じる場所を的確に刺激してくる。
でもそれは・・・それだけ弟くんが由夢ちゃんとHして、上達したということなんだろうか?
そう考えると、胸にちくりとした感情が走った。
そんな私の気も知らず、弟くんは、だったら胸以外のところも苛めてあげるよと言ったかと思うと、私のズボンに手をかける。
「っ!! ダ、ダメッ、弟くん・・・そこはっ・・・・・・」
そして私が暴れようとするより早く、弟くんがそのまま素早く下着ごと一気にずり下ろした。
「―――――――っっ!!!」
恥ずかしさのあまり声も出ない。
以前一緒にお風呂に入ったときだって、こんなに間近で、食い入るように見られたことはないのに・・・・・・
「綺麗だね、音姉のここ・・・・・・凄く美味しそうだよ」
そして、ますます私の恥ずかしさを煽り立てるような科白と共に、私の両足を割り開いて、弟くんがその場所に顔を近づける。
(ウソ・・・弟くんもしかして・・・・・・)
何をされるのか、大体想像はつく。
「やっ、止めてっ、や・・・いっ、ひぃぃぃぃぃ・・・・・・」
私が止めようとするより先に、弟くんが私の秘裂に口付け、奥に舌を這わせてくる。
先程の胸への愛撫なんて比べ物にならないくらい激しい刺激に、私の言葉も途中で途切れ、誘うような嬌声へと変えられてしまう。
この異常な・・・弟くんにレイプされていると言ってもいいような状況。
そんな状況に、私の感覚もすっかりおかしくなってしまったのか、いつもとは桁違いの快感が私に襲い掛かる。
自分の最も恥ずかしい場所が弟くんの目の前に晒され、舌で嘗め回されるなんて・・・・・・
由夢ちゃんが抱かれている間、部屋で一人弟くんを想って慰めるときにも、まさかそんな行為をされるなんて想像さえしなかった。
「あうぅぅ・・・ひぃっ・・・いい・・・だ、め、だめぇ・・・やっ、ああぁ・・・」
弟くんにこんなことをされていることへの恥ずかしさ。
それに加えて、連続的に脳を焼く今まで感じたこともない感覚に、私は声を抑えることも忘れ、弟くんの舌や指にただ翻弄され、大声ではしたない声を上げさせられる
いつの間にか私は両足を硬直させ、与えられる快感に酔いしれていた。
どれくらいの時間が経ったのか、不意に弟くんの口が股間から離され、延々と私を攻め立てていた快感が途絶えた。
「ん・・・あぁ・・・・・・ああ・・・・・・して・・・と、くん・・・もっと、てぇ・・・・・・」
私の理性なんてもうドロドロに蕩けきって、まともな思考力なんて全然残っていなかった。
ただ突然止んでしまった刺激が恋しくて、もっともっと気持ちよさに溺れてしまいたくて、弟くんに向って無意識のうちに腰をくねらせ、媚びた声でおねだりをしてしまう。
私のあそこももっともっと刺激が欲しいとばかりに、だらしなく涎を垂れ流した口をひくひく動かし、弟くんを誘う。
そんな私に向って、
「・・・まぁ少しは濡れてるし、そろそろいいよな。それじゃ、音姉そろそろ挿れるから」
という言葉が一方的に掛けられる。
意識が朦朧とした私がその意味を理解する間もなく、仰向けに寝かされた私の股間に熱い塊が押し当てられたかと思うと―――――
ズブブブブブッ!!
「―――――――――ひ・・・・・・がっ・・・・・・ぁ、ぁ」
何の遠慮もなしに、その異物が一気に押し入れられた。
多少は濡れていたとはいえ、明らかに準備不足な上、何の覚悟も出来ていない状態での不意打ちだった。
私への配慮など一切無しに、強引に処女を散らされた際の痛みは、一瞬にして私を先程の夢現の状態から叩き起こす。
言葉を発することさえ忘れ、弟くんのおちんちんが突き刺ささった膣から、絶え間なく襲い掛かる激痛に懸命に耐える。
「うわぁ・・・滅茶苦茶キツイ・・・・・・音姉、まだ処女だったんだな・・・ははっ、凄い締め付けだよ」
そうして苦痛に顔を歪める私とは対照的に、弟くんは嬉しそうに私を見下ろし、恍惚の表情を浮かべている。
そのまま容赦なく熱い鉄杭のようなおちんちんを出し入れする弟くん。
ただでさえ十分痛いのに、抵抗を無理矢理捻じ伏せられ膣内をかき回されるから、その度私には体中がばらばらにされそうな衝撃が走る。
侵入を拒もうとして堅く唇を合わす私の秘所に向って、僅かばかりの愛液と唾液、それに破瓜の血を潤滑油にして、ずんずん突き入れる。
「うぅっ・・・痛い、ひくっ・・・・・・痛いよぅ・・・! ぐずっ、弟くん・・・・・・もう止めて、抜いてよ・・・」
あまりの痛さに恥も外聞も棄て、まるで幼い子供のように涙を流す。
そんな私に、痛いのは最初のうちだけだから、と何でもないことのように弟くんは返すと気にせず腰を動かす。
弟くんのおちんちんが私の膣内を動く度に、傷口が擦り、広げていく。私は身動き一つ出来ずに、ただじっと耐え続ける。
痛みと悲しみですっかり磨耗した私の心に浮かんでくるのは、弟くんへの怒りでも、自分の境遇への哀れみでもなく・・・由夢ちゃんへの恨めしさだった。
由夢ちゃんは弟くんの恋人になれたのに、私は勇気を出して告白したのに振られて一人惨めに蚊帳の外。
由夢ちゃんはいつも弟くんに気持ちよくしてもらっているのに、私は弟くんに痛みもお構い無しに乱暴なセックスをされている。
由夢ちゃんは身も心も愛してもらっているのに・・・・・・私は、弟くんから好きの一言さえ聞いていない。
そんな由夢ちゃんへの嫉妬が・・・私の中に眠っていた想いを蘇らせて、どうしようもなく抑えきれなくなった感情が溢れ出す。
「お、お願い、弟くん・・・お願いだから―――」
こんなことは止めなさい、私は弟くんの恋人じゃないの、由夢ちゃんのことを思い出してあげて・・・・・・姉として、弟くんに言うべき台詞はいくらでもあった。
それでも、私の口をついたのは・・・私が本当に望んでいたことは、
「―――お願いだから、私のこと・・・好きって言ってよ」
そんな懇願だった。
結局、最後の最後で私は由夢ちゃんを裏切った。自分の気持ちを抑えきれずに、音姉ではなく音姫であることを選んでしまったのだから。
「ん、ああ・・・好きだ、好きだよ音姉。由夢なんかよりもずっと愛してるよ」
私の髪を撫でながらそう囁いてくれる弟くん。上辺だけの、明らかに嘘だとわかる言葉。
たったそれだけのことで、どうしようもなく幸せな気分になって、私の下腹部辺りがずくんと疼き、トロリと蜜が溢れ出してくるのがわかった。
そして、それまで耐え難いほどに膣から襲い掛かってきていた激痛が、嘘みたいに軽くなる。
痛みをさほど感じなくなった代わりに、弟くんのおちんちんからもたらされる暖かさと、それに伴う小さな快感が感じられた。
「っ・・・うあ、な、何だっ、急に襞が纏わりついて・・・すごっ・・・締め付けて・・・」
私の劇的な変化は感情や感覚だけではなかったらしく、弟くんがそう声を上げると、何かを堪えるように眉根をギュッと寄せる。
そんな表情も、私のことを抱きしめてくれる腕も、私のことを愛していると言ってくれた唇も・・・弟くんの全てが愛しくて堪らなくなる。
「弟くんっ、弟くん・・・んんっ・・・たしも、私も・・・弟くんが好き、なの・・・好きぃぃ・・・・・・誰よりも好きだよ・・・ああっ」
言葉を考えるよりも早く、次から次へと感情が零れる。
さっきまで弟くんのおちんちんを拒むように固く強張っていた私のあそこも、今では弟くんを優しく迎え入れるかのようにほぐれ、包み込んでいた。
弟くんは一言、もう我慢できないと呟いたかと思うと、先程とは比較にならないくらいの勢いで、猛然と腰を降り始めた。
「ひぃん!! いいっ、弟く・・・んああっ、きもひい・・・・・・んっ、弟くん、弟くん!! あ、もっと、ん、突いてぇぇ・・・」
私のあそこからは、まるで私の弟くんへの抑えきれない気持ちがそのまま溢れ出しているかのように、大量のお汁がダラダラと零れ落ちていた。
弟くんの乱暴な動きも、私の中で高められた感情が快感へと変化させ、しっかり受け止めさせる。
私の愛液でぬらぬら光ったおちんちんが突き入れられる度に、ぐちゃぐちゃと淫靡な水音が部屋に響き、それに対抗するように私も嬌声をあげていた。
弟くんのおちんちんが膣壁をゴリゴリと擦り上げると、さっきまで走っていた痛みの代わりに、快感が電流となって体中に流れる。
そして、本当に感電してしまったかのように、何度も何度も体が小刻みに痙攣して、何も考えられなくなる。
「気持ちいいよ音姉、音姉の膣は本当に最高だよ・・・熱くって、きつく締め付けてきて、しかも襞が俺のに絡みついて・・・」
「嬉しいよ・・・んっ、弟くん、っはぁぁん!! ・・・わ、私・・・弟くんに気持ちいいって・・・んああっ!! 私、弟くんに褒められて、ひああ・・・・・・」
初めてだっていうのに、私の腰は弟くんの突き上げに合わせて勝手に動き、口からは普段では考えられないようなはしたない言葉が飛び出す。
ずっと好きだった弟くんと結ばれているという事実、そして弟くんの言った「愛している」という言葉が媚薬となって、処女だった私にも信じられない快感を与えてくれた。
そして、好きな人が自分で感じてくれている。そのことが、最も私を興奮させ、更に高みに上らせていく。
「ひゃぁぁ、やぁ・・・ああ・・・んんっ、はああ・・・きもち・・・はんっ、んいいいい・・・・・・」
弟くんが私の子宮をこつこつノックする度、私の奥深くにまで衝撃が届く。思わず上に逃げようとする私の腰をしっかりと抑え、より一層激しく突きこまれる。
「音姉・・・! 俺、もう限界だ・・・中で、中で出していいだろ・・・・・・!?」
「うん、うう・・・ん・・・いっぱい、いっぱい弟くんの頂戴、私の・・・ああぁ・・・らかに、出してぇ・・・」
私の膣でびくびくと震える弟くんのおちんちん。それを最後の力を振り絞るよう、これまでにない勢いで出し入れする弟くん。
私はもう言葉を発することも出来ずに、うわごとのように、ただあぅあぅと喘ぎ声を漏らすだけだった。
そして、一際強く弟くんが腰を突き入れると同時に、弟くんが私の中で大きくなったかと思うと、膣内に熱いものがじわっと広がっていくのがわかった。
(あ・・・弟くんの精液、私の中で出てるんだ・・・・・・)
その刺激に誘発されるかのように、私もまたこれまでにない絶頂へと放り出される。
そして限界を超えた快感のためか、湧き上がる幸福感に包まれながら、私はそのまま意識を手放した。
「ああ、元気だよ。大体せいぜい三日程度だろ、旅行なんて。わざわざ俺に電話してる暇があるんなら友達同士で楽しんでこ・・・っく!!」
半分呆れて、半分嬉しそうに携帯電話に向ってそう答える弟くん。相手が誰かなんて・・・・・・敢えて聞くまでもない。
少しだけ抗議の意も込めて弟くんのおちんちんを強く吸い上げる。予想通り、思いがけない刺激に声を詰まらせる弟くん。
「えっ? ああ、いや何でもない。ちょっと足をぶつけただけだから・・・ああ、大丈夫、大丈夫」
朝になり、目を覚ました私に対して、弟くんは立派にそそり立ったモノを見せると口で処理するようにお願いしてくる。
別にそれは構わない。だけど、不器用なりに一生懸命奉仕する私の目の前で、何の躊躇いもなく電話を取られるのには・・・少しだけ傷ついた。
恨めし気に見上げるも、口の形だけで「いいから続けて」と伝えられる。その代わりに、二、三回頭がご褒美とばかりに撫でられる。
「うん、うん、ん、音姉か? 音姉なら俺の部屋で寝てるよ。えっ・・・馬鹿、そんなわけないだろうが」
弟くんにとって私は体だけの存在なのかもしれない。それでも、例え嘘で塗り固められたものだとしても、この光景は私が望み続けてきたものだから・・・だから・・・・・・
「ああ、そう、だな。俺も、愛してるぞ・・・由夢、くぅぅ・・・・・・」
携帯の電源を切り落とすと、両手で私の顔を押さえつけ、逃げられないようにする。
そしてどくどくと私の口内で吐き出される弟くんの精液。それを一口も逃さないよう、弟くんのおちんちんにわざと音を立て吸い付く浅ましい私の姿。
・・・だから由夢ちゃん、もう少しだけでいいから、私にこの幸せな夢を見せてくれないかな?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「うわぁ・・・・・・」
何と言うか、その一言に尽きた。
多分今の俺の表情もうわぁ・・・・・・だったと思う。
そもそもの事の始まりは、以前音姉に人形劇の練習を手伝ってもらっている最中、音姉の執筆した作品があると知った時だ。
音姉が口を滑らせたおかげでその存在だけは明らかになっていたものの、音姉が必死に隠そうとしたため謎に包まれていた妄想物語。
気になって俺が詮索してみると、音姉にしては珍しく本気で嫌がっているようだった。
ただ悲しいかな、それほどまでに見るなと言われれば、余計に見たくなるのが人の性なわけである。
そして今日、音姉が生徒会の集まりとかで休日登校していたので、丁度いい機会だと思い、部屋にこっそりと潜入していたわけだ。
机の奥に封印された問題のブツは割と呆気なく見つかった。
で、一見すると何の変哲もない――まぁ、所々が乾いてパサパサしていたり、妙な匂いがしたり、大量のページの染みなどが気になりはしたが――ノート。
そこには先程の想像力豊か(過ぎる)なお話があったわけだ。
あの慌てっぷりと必死さは尋常ではなく、それはもうとんでもなく恥ずかしい小説か何かなのかと思っていたが・・・・・・
どうやら、音姉の妄想は俺の斜め上を遥かに越えるものだったらしい。
「まぁ・・・これは確かに見せらんないよなぁ・・・」
俺だって自分が主人公の官能小説見せられても反応に困るわ。
でも音姉だって俺と変わらない年齢だし、こういうことに興味があってもおかしい事じゃない、よな?
とにかく、今後の為にもこれは見なかったことにして、このまま何事も無かったかのように立ち去るのが一番だろう。
そう結論付けてさっさと元あった場所に例の怪小説を押し込む。
「でもまぁ、才能がないの〜、とか言ってたけど文章自体は上手かったよな。もしかして、将来作家とか小説家目指してたりしてな・・・」
「もう、弟くん。それは流石に褒めすぎだよ〜」
またまた、そんな謙遜を。
雪村が書いていたのは台本だから一概には比較できないけど、実際音姉の文章もかなりのものだったろうに。
「そんなことないって。本当に上手かったよ。今度雪村が演劇部の台本書くとき一緒に書いてみたら?」
「私が? 無理だよそんなの〜」
「絶対大丈夫だって。俺が保障するよ」
「もう・・・あっでも、私が台本書いたりしたら、全部弟くんが主役の作品になっちゃうよ? 弟くん、劇の主役またやりたい?」
「そ、そっか。確かにそれは困るな」
「でしょう? ふふふふふふふ・・・・・・」
「あははははははは・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・じゃ、弟くん。そろそろいいかな♪」
途中から冷や汗がダラダラ流れっぱなしの俺に向って、背後から朗らかに・・・改めてそんな声がかけられる。
硬直した首をギシギシと無理矢理後ろに回すと・・・・・・そこには、やけに不自然な笑みを浮かべる音姉。
「おお、音、ととととと姉・・・・・・い、いつからそこに、いた・・・のかな?」
「うん? 弟くんが丁度読み終わった頃かな。でもびっくりしたよ。部屋に入ったら弟くんがいて、熱心に何か読んでるんだから」
「音姉、せ、生徒会の・・・用事があったんじゃ?」
「ああ、そうそう。今日生徒会の集まりだって言ってたけど、お姉ちゃん勘違いしてて、実はそれ明日だったの」
顔を少し赤らめ、恥ずかしがる音姉。
ただし、先程からその目は全く、一片たりとも笑ってはいないが。
ぎしりと足音を立て、音姉が一歩踏み出す。
「そ、その・・・音姉、何というか、その・・・ご、ごめ―――――」
「ふふ・・・弟くん。世の中には謝って許されることと許されないことの二つがあるって、知ってたかな?」
今までで最高の笑顔でそう死刑宣告。
“Curiosity killed the cat.”
音姉が歌うように呟いた言葉。
その意味を、身をもって実感した・・・そんな日のことだった。