(場所は丘の上の展望台)
「なぁ音姉」
「何? 弟くん」
「なぜに俺はこんな所にいるんだ」
「それはね、私が弟くんに見せたい景色が会ったからだよ」
「見せたい?それはこの景色の事か?」
「そうだよ。分かってるじゃない」
「・・・この景色ならこの街に住んでる時から毎年見てるぞ。」
「ふふふ、違うよ。見える景色も一緒に見る人によっては変わるものなんだよ」
「せうか。」
「なに? 興味なさそうねぇ」
「無さそうじゃなくて無いんだよ。」
「もう、そんなこと言わないの。私も弟くんと見てたら新しい景色を発見できたんだよ?」
「遠くに交差点が見えてるとか近くに小学校が有るだけの景色に何があるって言うんだ?」
「う〜、その・・・笑わない、でね?」
「はいはい。」
「えっとね・・・ここからゴミみたいに見える泥棒猫、全部掃除したら綺麗になるだろうなって♪」
俺はとりあえず何も言わずに、黙って後ろを向いて家に帰って寝た。
翌日音姉は何も無かったかの様な顔で迎えにきた。
音姉を見たななかがダッシュで逃げて行くのが見えたり、杏が顔面蒼白で震えてたりもあったが見なかった事にした。