田代、風見学園に潜む魔物の一種だ。
女子更衣室に忍び込み盗撮、その写真で撮られた女を脅し、喰らう。
失敗しても
「これは次のビデオの為の資料だ」と言って何度も罪から逃れてきた。
今日も彼の一日が始まる。
「おはよう、僕の奴隷達」
いまや彼の肉奴隷と化した少女達の写真に口づける。
年甲斐も無く妙にそそり立った息子は今宵も獲物を求めている。
「今日も元気だね、じゃあ行こうか」
いやらしい微笑みを見せながら、田代は玄関を後にした。
「ー待機場所に到着…か」
いつものように女子更衣室裏の草に隠れる。
休日のこの時間帯は女子バレー部が来る…はずなのだが
「おかしいな、時間がずれたのかな?」
まだ誰もきていない。それどころか、辺りに人がいない。
この静けさは異常だ。不審に思った田代は中に入ってみることにした。
「ーな!?」
何もない。普段ユニフォームや練習器具が散乱しているはずなのに、
今は何もない。
「これは一体!?」
驚愕している田代、その時
バタン!
後ろのドアが閉まる音がした。
「おや?こんな所で何をしている?」
水色の作業服を着たいい男が立っていた。
「ち、違う!僕はただビデオの資料をー」
いつものように言い訳をする、が
「ふふ、なかなか良い体をしているじゃないか?」
男の視線は田代の息子を見ていた、妄想しすぎて立ちっぱなしの。
「き、君は何を」
「 や ら な い か 」
突然のことで動揺する田代をよそに、男はツナギをおろした。
そこには色・大きさ共に抜群の息子が
「おぉき…じゃなくて!何故女子でなく僕に見せる!?」
一番気になっていることを訪ねる。
彼が男を喰らう者だとしたら、ここにいる理由がない。
「どうしてって、ほれ」
男が壁を指さす。そこには
[○/× ○○高男子水泳部が練習試合に遠征に来るため使用禁止]
と書かれていた。
「そ、そんな!」
予定を確認しなかった田代のミスではあるが、
「このままじゃ収まりつかないんだよ、一回出させてよ」
男“阿部高和”に出会ったのは不運でしかなかった。
「ほら、力抜いて」
「アッー!」
…警察では「これは蟹だ」と判断しております。
次のニュースです。
今日未明、初音島…地区、風見学園に不審者が進入しました。
練習に来た女子バレー部員が更衣室で容疑者田代ま○し
が倒れているのを発見。
警察の調べによりますと、田代容疑者は
ビデオの資料作成にきたと供述しており、
後ろはすごかったと、訳の分からないことも…
「風見学園て、うちの学校じゃん」
芳乃家の一室、義之と由夢、それから音姫が夕飯をとっていた。
「こ、怖いね兄さん…私も襲われるかな?」
不安そうに義之を見上げる由夢
「本来俺が守るというべきなんだろうが…なんか別の不安が…」
「別のって?何?私が襲われてもいいの?」
「いや、そういうわけじゃ…!」
そんな二人の会話など耳に入らないかのように。
(………!?)
音姫がそのニュースを聞いて混乱したような表情を浮かべていた。
よく理解出来ていない為か、
それとも別の理由か。
それはこのssがネタである以上、永久に分からないことかもしれない。