朝倉純一様へ  
差出人は音夢だった。小さな小包の中に入っていたのは、ビデオ。ラベルにはボールペンで、なぐり書きした様な字で朝倉音夢と書いてあった。  
どうも胸騒ぎがした。  
もう誰もいない我が家を駆け抜けて、デッキの中にテープを差し込み、内容を確認する。  
音夢が映っていた。  
 
「兄さん、お久しぶりです」  
正座し、画面に向かって丁寧にお辞儀した音夢。服は着てなかった。残っていたのは首の鈴くらいだ。  
「今から私はたくさんの人に犯されます。このビデオはその辺のビデオ屋には無いようなビデオにするために、私を主演にしたみたいです。修正無しは、兄さんの所に送るやつだけだよ?」  
画面に映る音夢は、いつもと何の代わりも無いように思えた。毎朝起こしに来ていた時と何ら変わりない。  
「この映像が届く頃、私は素敵な体になってる筈です。大体…今日から一年後位に、兄さんに届いてると思いますから、この体はこれで見納めかも知れません。じゃあ兄さん、沢山抜いて下さいね」  
画面は、次の場面に切り替わった。  
 
「に、兄さん見て、ほら…」  
俺以外の誰にも見せなかった筈の、柔らかい粘膜を開いて、音夢は言った。  
「な、中出しされてるの。勿論お薬も飲んでないよ。兄さん以外の人のが…」  
見ればわかる。白い液体は俺にも見えていた。なのに音夢は…恍惚の表情だ。  
「これからも沢山種付けしてもらって、私は妊娠しなきゃなりません。次は、その場面かな?」  
また画面が切り替わった。  
「あ、朝倉音夢のおまんこを犯して下さい」  
音夢は、待ち構えては男を喰わえた。色々な体勢を自分から取って、腰を振って、注がれたモノを垂れ流しにしていた。  
「に、兄さん見て…もう少しで一杯になりそうだけど、私はまだ沢山注がれます」  
言ってる途中からまた、音夢の穴が塞がれていった。音夢の反応は変わらない。  
「い、いいよぉ…ま、またいかせてぇ…」  
全身に精液がコーティングされた様な姿になるまで、音夢は犯されていた。  
 
「こんにちは、兄さん」  
最初の場面に巻き戻されたか、と思う画面。体勢も同じ、背景も同じ。でも、何か違和感があった。  
「私の体を見て下さい」  
音夢が立ち上がって、お腹を撫でる。  
…そうか。  
「今このお腹の中に、兄さん以外の人の子どもが居ます」  
ビデオの演出なのか、ここで一本目のテープが切れた。小包を完全に開けると、まだ数本のテープが残っていた。丁寧に番号まで振って。  
二本目のビデオを…差し込んだ。  
 
「これから私は当分の間、ハメてもらう事は出来ません。その間、ここにいる人たちが、私に良いことをしてくれるみたいです」  
二本目のテープは、前のテープとそのまま続いていた。カメラのアングルさえ変わっていない。  
「私は素敵な体になって、赤ちゃんを産みます」  
音夢が頭を下げたと同時に、画面が変わった。  
 
シェービングクリームとカミソリ。カメラは音夢のふっくらした股間に移る。  
「恥ずかしいけど、兄さんも知ってる通り、私のおまんこには少しだけ毛が生えてます。よく見えるように、今からここを剃ります」  
体が固定されてるようで、太ももは抱えあげられたまま微動だにしなかった。白い泡が吹き付けられた後、カミソリが当たる。  
「こ、これで兄さんにも、よく見せられると思います」  
幼子の、昔風呂場でみたような性器がそこにはあった。  
もうその体は、孕んでいるのに。  
 
「じゃあ今から、この人達にお礼します」  
数本の肉棒が画面に映る。音夢を取り巻くようにして、その欲望を勃たせていた。音夢はその一つ一つに唇を落として、手で握り、口で喰わえていく。  
あの唇は、俺が何年も想ってやっと手に入れた筈の唇だった。  
その唇で、口で、男を喰わえていった。俺の音夢が、義妹が変わっていく。卑猥な言葉を躊躇わずに言って、喜んで他人に陵辱されて。  
座り込んでいる音夢に、男達は欲望を掛け続けた。  
 
次の場面では、音夢のお腹はもうかなり大きくなっていた。その変化を、音夢が一つ一つ解説する。  
「さっき、皆が検査したらもう少しだと言ってくれました。またハメてもらえるのが待ち遠しいです」  
音夢の胸元へ、カメラがズームした。前より心無しか大きくなった胸と、変化した突起。  
「少しはおっぱい大きくなったんだよ?もう兄さんが知ってる子供のおっぱいじゃないんだから。だって…」  
自分でその膨らみを握って見せる。  
意味はもうわかっていた。  
「ほ、ほら…もうおっぱいが出るんだよぉ…」  
それから始めて画面が暗転して。  
 
 
全身を映された音夢が居た。  
 
 
その部分。多分、そう言う趣味の奴らが目当てにするシーン。三本目のテープは、その映像が全てだった。  
 
 
音夢が、誰かの子供を産んでいた。  
 
 
それから俺は、四本目のテープを差し込んだ。  
 
「兄さん…私、お母さんになっちゃった…」  
カメラがズームする。音夢の手元、性器だ。  
「ここから産まれたんだよ…すごいでしょ?…」  
手つきが妖しくなったかと思うとそのまま音夢は…自慰を始めた。  
俺が前に抱いた時、敏感な反応をした部分に触れて。男達に抱かれていた時のような声を出す。  
「これから、私は出産祝いで沢山の人に犯してもらいます。久し振りで、楽しみです。だからこれはその準備…兄さんにもハメて欲しいけど、私は兄さんに会えません。代わりに、沢山抜いて下さい」  
 
ここから、画面は何度も切り替わった。どれも、音夢が犯されている映像だった。  
 
 
「ねぇ兄さん…。私変わっちゃった。おっぱいも出るようになって、誰にでもキスするの。兄さんがキツいって言ってたトコ…もうユルユルだよ…」  
音夢が言ってる全ての言葉は、いつの間にか俺の興奮材料になっていた。理性がぶっ飛びそうな程俺は興奮していた。  
「もう私は兄さんのモノじゃないの…。これからまた妊娠させて貰ったり、拡張したり…皆、色々な事を私にしたいそうです。ビデオはこれからも送りますから、またね。兄さん」  
 
完全にビデオの切れた音がした。  
 
テープの自動巻き戻しが始まっている。  
 
もう小包には何も残っていなかった。俺は一つずつビデオを巻き戻した後、適当な所にしまい込んだ。  
 
ショックらしいショックは無かった。もしかしたらショックが大きすぎて壊れてるのかも知れない。じゃないと…この衝動は説明がつかないだろう。  
 
頭は澄み切っている気がした。  
俺は、動いた。  
 
 
「さくら?」  
「うにゃ?」  
「お前の望み通りにしてやるよ」  
「え…お兄ちゃん?」  
 
そうだ。今の音夢にしたい事を、その中でも一番黒い物を。俺は、一番近い人間に向けた。  
 
「やめてよ!お兄ちゃん!」  
「お前は…音夢の代わりとして愛してやるよ」  
「ぼ、ボクが音夢ちゃんの代わり…嫌だよ!こんなの酷いよ!」  
「代わりでも良いって、言ってたよな?」  
「や、やっぱり嫌だよ…ボクを見てくれないなんて…それにこんな事するの、いつものお兄ちゃんじゃない!」  
もう良かった。音夢は、俺の頭の中に居る。ビデオの音夢と、同じ音夢。  
俺は音夢を思いながら、さくらを…  
 
 
終  

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