夜の街は寒い。季節がではなく、私にとって寒かった。  
これほど大きな都会の街なら、ネオンに彩られた部分と、そうじゃない、ゴミ箱みたいな場所がある。そこに私は居た。大きな用水路の隣の、少しだけ電灯があたる場所に、壁にすがりながら。  
 
「お、お嬢ちゃん、本当に良いのかい?」  
「はい…一気に二人でも大丈夫です…」  
「そ、そうか、ならホテルに…」  
「いいえ、ホテル代を出す位なら私に下さい。私はここでいいです」  
もう慣れていた。生活費を稼ぐ為、仕方が無かった事なんだと自分に言い聞かせる。兄は夢にも思わないだろう。  
学費の為、生活の為に体を売っているなんて。  
手すりに手を掛けて、腰を突き出して客を待ち構えた。  
「どう…ぞ。一回二枚半、お二人で五枚ですよ」  
「あ…ああ」  
兄のモノでは無いものが、自分の中に入ってくる。初音島時代から使っているセーラー服は効果的だった。そういう趣味の客も多い。  
「さ、最近の子は発育が良いね…それにしてもキツ…」  
もうヤリマンと言える位に、下の口で男をくわえ込んで来た。それでも締まりは良いらしい。  
もう、兄との愛の証だったトコロも、ただ商売道具だ。締め付けて腰を振れば男は金を落としてくれるのだ。  
「そ、そろそろ出るよ…」  
「中でどうぞ…お薬飲んでますから」  
「ああ…うっ!」  
粘度の高い液が自分の体を犯していく。繋がり目からは汁が滴り落ちた。それでも客が満足するまでは、離さない。  
「い、いかがでしたか?」  
「うん…良かったよ」  
「それじゃ…次の方も…」  
器用にモノを引き抜いた後、今度はもう一人の方に尻を向けた。  
 
「あ、ありがとうございました」  
「ああ、また来るよお嬢ちゃん」  
制服はドロドロに汚されている。明日は学校だ。そろそろ引き揚げなければならない。  
もちろん、学生服はこれとは違う。ただ急いで洗濯せねば翌日の商売に影響するのだ。  
皆、清純に見えた私を犯したがるから。  
 
初音島に噂が届かない事を願って、寮に帰宅する。バレない様にシャワーを浴びて、眠りに着く。  
 
最近は自慰が癖になった。本当に自分は淫乱なんだとも思えてきた。  
それでも指は、先ほど男達のモノにされた穴をかき回して止まらなかった。  
 
 
完  
 

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