生活費の為に、今日も私は客を見つける。お金を沢山貰えると言うなら、どんな事でも出来る様になっていた。今日も。
「お客さん…これで良いですか?」
「ああ…そのまま続けて…」
性器を見世物にしろと要求してきた客。要するに私の自慰を見せて欲しいらしい。私は応えた。脚を大きく広げて、指の動きを見せた。
「ん…うぅ」
「ほら、最後までやるんだ」
「は…いい」
淫らな音を自分の耳で聞きながら、私はイった。
「はぁ…はぁ」
「ふ…ふふ」
客は意味不明な笑みを漏らす。私の方はまだ余韻の中で、意識が朦朧としていた。その男は手すりの下に崩れ落ちている私に近づく。
私を見下ろして、一言呟いた。
「朝倉音夢ちゃんだね?」
「え…」
「通ってる学校も知ってるよ?…の、看護士専門学校だろ?」
「え…」
声も出ない。
「悪いけど…撮らせて貰った」
男は黒いジャケットを着ていた。その内側にはキラリと光る、カメラのレンズ。
「バレたら困るんじゃない?」
「…」
「僕の言うことを聞いてもらう」
まもなく、その男の友人らしき人が、車を回して来た。
「こ、ここは?」
私の視界は塞がれた。それどころか体の自由までだ。それでもこの場所は…何となくわかる。