「ああ・・・やっぱかったりぃな」
俺はそんなことを言いながら桜公園を歩いていた
「本校のほうに行ってもぜんぜん変わんないしな」
純一はこの4月から本校舎に行ったのだがクラス替えっていっても
面子はいつものとおりのうざいあいつだ・・・杉並
でもいいこともあったあの学園のアイドル白河ことりが一緒になったことと
暴力女(眞子)がいなくなったことぐらいであろうか
しかしおれはもうひとつ気になることがある
音夢がいなくなったこととさくらが本校にあがってこないことだ
俺は外むきでは音夢がいなくなってうれしいとおもっていたが
今考えてみると音夢がいない毎日がつまんなくなっている気がする・・・
さくらもさくらだいつのまにか退学届を出していて
家にいったって誰もいない(うたまる以外)
俺は本当にこんな毎日でいいんだろうかと思ってもいる
「ああこんなことも考えるのもかったりぃ・・・」
そんなところをうるさいあの聞きなれた声が聞こえた
「おお同志よこんなところで合うのも奇遇だな」
「俺はお前と遊んでいるつもりはない」
きっぱりと断ったはずだったが
「まあそんなこと言わずに、俺たち親友だろう」
「まあなまたおんなじクラスになり、なんだろうなこれ・・・腐れ縁?」
俺は杉並に言ってはいなかったが杉並は
「いやいやそれは赤い糸の間違いではないか?」
・・・かったるい
「杉並・・・今日は猛烈にかったるい悪いがひとりにしてくれないか?」
俺がそういうと杉並は
「まあ仕方あるまい、しかしお前のその願いはかなわないであろう」
杉並はそういうと
「さらばだ同志よ!!!」
と言って走っていった
「なんなんだあいつは・・・」
そう言ったと同時に
「朝倉先輩」
聞きなれた声が聞こえた
「なんだわんこか」
そう俺が言うと
「ん〜わんこじゃありません」
そう美春が言った
「朝倉先輩 朝倉先輩バナナクレープ食べに行きましょうよ」
わんこ・・・もとい美春がそういっている
「俺はかったるいからだめだ」
俺がそういうと美春は
「そうですか・・・せっかくおごってあげましょうと思っていましたのに・・・」
俺はその言葉を聞き逃さなかった
「そうか 一緒に食べに行ってあげよう」
「あれ?朝倉先輩はかったるいからいらないんじゃなかったんですか?」
「いいや俺はこんなにぴんぴんしてるぞ」
俺は肩をぐるぐると回した
「わかりました先輩のためにおごってあげましょうただし・・・」
「ただし?」
俺はとっさにそう言ってしまった
「今日これから朝倉先輩のうちに行かして下さい」
ほえ?今なんていった?
「は?」
「だから朝倉先輩のうちに行かしてほしいんです」
美春は真剣な目をしながらそう言った
「俺んちに来てどうするつもりなんだ」
「えっと・・その・・あ!夕ご飯作ってあげますよ」
俺はその言葉にぴくりと反応して
「なら今から来てくれ腹減っちまったし材料も買わないとだし」
おれはそういうと美春の腕をつかんで商店街のほうに連れて行った
「ああバナナナナナナナナナナ・・・」
美春がそう言ったと思ったが気にしなかった
俺は一通り材料を買うと家路に着いた 隣でぶつぶつ言っていた美春がいたが・・・
「ただいまーっていってももう誰もいないんだっけな」
音夢がいた時のことが習慣づいてることに俺は気づいた まあ今は関係のないことだが
「さあ美春ご飯作って・・・は!?」
俺が目を落としてみると玄関でずっとつぶやいてる美春がいた
「バナナ・・・バナナ・・・バナナ・・・バナナ・・・バナナ・・・」
「悪かったよ美春 ほら今度おごってやるしちゃんとバナナ買ってきたから」
俺がそういうと美春はすっと起き上がり
「わかりました そういうことなら契約成立です」
美春はそういうと台所のほうに行った
俺は美春の料理ができるのを待ちながらテレビを見ていた
「ふうんこれはDだろうD」
俺はクイズ番組にそう言っていた
「せんぱーいできましたよ」
美春のその声に反応して料理のほうにむかっていった
「まってましたよ美春の料理」
美春はこう見えても料理の腕はかなりうまいのである
前に出された料理はカレーだった
「なんでカレー?」
おれはそう言ってしまった
「ふふん美春特製バナナカレーです」
なんか某バラエティーの黄金なんとかで芸人が作ってったような気がしたがべつに気にしない
「とりあいず食べてみてくださいよ」
美春はスプーンをむけてそう言った
「じゃあとりあいず・・・」
恐る恐るスプーンを口に運ぶ
ぱく
・・・
「・・・おいしいな」
「そうですか!!!美春うれしいです」
美春は本当にしっぽが生えてたらかなりの勢いでふっているなー
とおもうぐらいよろこんでいた
「・・・それに先輩に食べてもらってうれしいです・・・」
ほえ?
「美春なんかいったか?」
おれは聞きかえした
「いいえべつに・・・」
「そっかならいいや」
そのあともいろいろな話をしながらひさしぶりの楽しい夕飯を食べた
「ああ 食った食った」
「なんか先輩オヤジくさいです」
「なんだと!」
俺はそういうと美春のこめかみに拳をいれた
「ぐりぐり攻撃だ」
「痛い痛いですよ先輩」
なんやかんやでもう外は暗くなっていた
「そうだ美春もうそろそろ帰らないとじゃないのか?」
俺は時計を見ていった
「ううんいいんです・・・」
「え!?いいってどういうこと?親は・・・」
「親は今日は旅行でいません」
俺は黙ってしまった
「先輩は音夢先輩がいなくなってかなしくないんですか?」
「そりゃあ悲しくないって言ったら嘘になるけど・・・」
「なら今日だけは美春が先輩の近くにいます・・」
美春が真剣にそうゆう なんだかそんな美春にドキってなってしまう
「いいえ美春は先輩の近くにずっといます・・・美春は先輩のことが好きでした」
「初めて会ったとき、音夢先輩に紹介されたとき正直音夢先輩がうらやましかった・・
音夢先輩はいつも朝倉先輩に会えるし朝起きたときの先輩にも会える」
「美春・・・」俺は正直困っていた
「でも美春は先輩の妹でもありませんし 同級生でもないからそんなに会えないしこれから
本校のほうに行ってしまうからすぐに会えなくなってしまいました・・・」
美春は泣きそうな顔をしながら言う・・・俺はそんな美春の顔を見るととても悲しくなってしまう
・・・なぜ
・・・なぜ悲しくなる?
「・・・美春・・・ありがとう」
美春はきょとんとした顔で俺を見る
「ほえ・・あああすみません私先輩のこと困らせちゃったみたいですね」
美春はいつもの顔でそうゆう
「すみません先輩 じゃあ帰ります」
美春が立ち上がると俺はとっさに
「美春!!!」
呼び止め腕をつかんでしまった
「せ せん ぱい?」
美春の顔がびっくりしていて意外と面白い
美春ってこんなにかわいかったっけ?
いや今はそんなこと考えない・・かったるいから
ただ今の気持ちを言いたかった
「美春・・今の言葉本当だな?」
美春は首をかしげていたが関係ない
いつからだろうか美春にこんな気持ちを抱き始めていたのは
考えるのはよそう それより今の俺の気持ちを伝えたい
「俺も美春のことが好きだ」
美春は少し驚いてたがすぐに顔を戻す
「俺は音夢よりも世界中の誰よりも美春が好きだ」
俺はそう言ってしまった後自分の顔が赤くなるのがわかった