キーンコーンカーンコーン……。
「……そろそろ来るわね……」
お昼休みが終わり、その5時間目の始まりをつげるチャイムを聞いた私は、座っているイスをギシギシっと鳴らしながら大きく背伸びをした。
もうすぐこの保健室にやって来るであろう、あの子に対する準備運動とばかりに。
………コンコン………。
しばらくすると部屋の中に小さなノック音が響き、その子がすぐ外の廊下までやって来たのがわかった。
フゥっと小さく息を吐きながら、私はそのドアをまっすぐ見つめ返す。
「どうぞ……あいてますから」
中へ招き入れる言葉を言うと、そのままドアがガラガラっと音を立てて開き、私の視界の中にその女の子が姿をあらわした。
一見弱々しいように見えるが、そこに幾分かの警戒心を含んだような表情をしている……ことりがそこに立っていた。
「いらっしゃい、白河さん……どうぞ、遠慮せず中に入って下さい……」
「あ……は、はい……」
ここに呼ばれた理由にもう気づいているのか、彼女は少し怯えるように部屋に入ってくると、私が用意したイスにストンっと座った。
彼女に向かい合えるよう、私もちょうど真向かいにイスを移動させ、お互いの体が手を伸ばせばすぐ届くほど目の前に近づく。
「ごめんね?……わざわざ授業中に呼び出して……」
「い、いえそんな……気にしないで下さい……オ、オールオッケーっす♪」
ことりはその親指をグっと立てて前に突き出し、いまいちそのキャラに合わない行動をしながら答えた。
わざわざ授業を欠席させてまで呼び出したことにも、彼女はまるで気にしていないかのように見えた……あくまで表面的には。
さっきはあまり元気そうに見えなかったのに、まるで即席に作ったその明るさで、恐怖をごまかしているようだ。
「……なんかテンション高いですね?……そんなに私に会えて嬉しい?」
「え……あ、は、はい!……も、もうこの二年間……音夢さんに会いたくて……あ、会いたくて……」
いかにもお世辞っぽく聞こえることを口にしながら、彼女はその言葉尻にチラっと目線をそむけた。
実際にはもっとも会いたくなかったのではないかという私に、そのわざとらしい顔を向けてくるのを見て……私は何か裏があるものを感じとった。
(会いたかった……ねぇ……それって『将来の妹』になるかもしれないから……とかかしら……)
「え!?……あ、あぅぅぅぅ……」
私がそんな皮肉っぽいことを思った瞬間、ことりは何やら困ったような声を出しながら、その明るい表情を急にしぼませてしまった。
たった今不自然なほど元気だったくせに、またもや借りてきた猫のようにおとなしくなり、どこか気まずい雰囲気をかもし出す。
この子は前々から勘が鋭いところがあったから、もしかしたら私が思ったことを感じ取ったのかもしれない。
「ふ……まぁでも、ずいぶんとひさしぶりですよね?……本校上がって以来だから、二年ぶりかな?」
「あ…は、はい……そうっす…ね……に、二年ぶり……二年……」
その言葉を二度も繰り返しながら、ことりは更にその表情をどんどんと暗いものにしていった。
さきほどと同じように目線をそむけ、その『二年間』に何か後ろめたいことがあるような彼女の様子に……女のカンでしかなかったものが、徐々に確信へと変わっていく。
「ほんとに……二年で……この二年で変わりましたよねぇ……白河さんも」
その言葉に色々な意味を含みながら、私はずっと気になっているそのことりの体に目を向けていった。
誰の目から見ても可愛らしいと思える、その愛くるしいアイドル顔。
同じ女としておもわずうらやましくなってしまう、制服を押し上げている乳房。
そのままキュっと引き締まったウエストを流れて、理想的な形で大きくなったヒップライン。
まるで男が性欲の対象として見るように、その魅力的……かつ、『いやらしく成長した体』をジロジロと舐め回すように見つめる。
(なんてエッチな体つきに……やっぱり……このエロエロボディで、兄さんのことを食べたんじゃ……)
「!?……うぅぅ……あ、あの音夢さん?……私になにか……ご、ご用があるんですよね?」
彼女は私の目つきが痛いとばかりに、今度は無理に作ったものとわかる笑顔を浮かべてその質問をしてきた。
自らの成長した体に、何か触れられたくない『秘密』があるかのように……急な話題そらしも含めながら。
「……はい、そうです……白河さんには、あらためてお礼を言っとこうかなと思って……」
あくまで冷静で静かな口調を保ったまま、私は自分の顔をことりの顔にグググっと近づけていった。
キスをするんじゃないかというほどそのまま目の前まで接近すると、彼女の大きな瞳を見つめたまま、今度は私がニコニコとした笑顔を作る。
「ありがとうございます♪……私がいない間、ずっと兄さんのお世話……してくれたんですよね?」
「お、お世話?……おおお、お世話だなんてそんな……た、たいしたことはしてないですから……」
私が言った『お世話』という言葉に、なにかエッチな意味でも感じてしまったのか。
ことりは少し顔を赤くしながら、嘘をついているときのくせともいえる、ここに来て三度目の目線そらしをしながら答えた。
(また目をそらした……そう、つまり……兄さんの……兄さんの『おちんちんをお世話』しましたってことね……?)
はっきりと嘘をつけない彼女の性格から判断し、私は自分の中で一つの答えを導き出していた。
それを思った瞬間……この初音島に戻ってきて以来、ずっと胸の中でモヤモヤしていたものが沸々と湧き上がり。
それがそのまま激しい嫉妬の炎となって、メラメラと燃え上がっていくのを感じる。
「……ねぇ、ことり?……何か……私に言うことないですか?」
「え……い、言うことですか?……え、えーっと、えーっと……な、何かあったかなぁ……」
急な質問をされて、ことりは両指をこめかみにグリグリと押し付け、必死に何かを思い出そうとする仕草をする。
だがそんなことをしなくても、彼女の頭にはたった一つの心当たりしか浮かんでいないはずなのだ。
そう……私がいないのを良いことに、兄さんと過ごしたであろう……甘く淫らな日々の情景が。
(なにすっとぼけてんのよ、この女……私の兄さんと……私だけの兄さんと……セックスしまくったくせにぃぃぃぃ!!!)
「ひ!?…あ、あうぅぅ…あ、あの音夢さん……わたし……や、やっぱり教室に戻ります……ね……?」
そのヒステリックな心の声が聞こえたとばかりに、ことりは急に顔を真っ青にしてイスから立ち上がってしまった。
まるで肉食動物に襲われそうなウサギのようにビクビク怯えながら、そのまま逃げるように出口に向かおうとするが。
「待って、ことり♪……まだ話は終わってないの……」
今すぐ襲い掛かりたい衝動を抑えながら、私は逃げようとすることりの両腕をガシっと掴んだ。
その瞬間、ビクッと彼女の体が跳ね上がるとそれがかすかに震え始める……今の彼女の精神状態をあらわすように。
「あ、あぁぁあの……わた、わたくし白河ことりは……け、けっして朝倉君とそのようないかがわしい行為はぁぁ……」
「んー?あれあれぇ?……どうしてそんなこと言い出すの?……私、そんなこと一言も聞いてないですよね?」
私のもっともな問いかけに、ことりはハッと口を大きく開けて、いかにもやってもうたというような顔をして見せた。
意外とまぬけなところもあるアイドルを意外に思いながら、私はそのまま掴んだ腕を前に押し出し、彼女の体を徐々にベッドのある方向に下がらせていく。
「どうして……ほんとのこと言ってくれないんです?……私達、友だちじゃなかったのかなぁ……」
「は、はいお友だちです……で、でも恋は盲目と言いまして……あ、あぁぁ!……じゃ、じゃなくて……キャ!」
なにげに本音を口にしてしまっているが、その言葉が小さな悲鳴に変わっていった。
後ろを見ずに下がり続けていたため、彼女は背後にあるものの存在に気づかず、そのまま後ろ向きにベッドに倒れこんでしまったのだ。
「んん!……あぁ……ん……」
軽い衝撃に小さなうめき声をあげながら、ことりの体がそのままベッドの上に倒れていく。
倒れこんだ拍子に、その長い髪の毛がベッドの上にパラパラと広がり……あたかも真っ白なシーツに赤い花が咲くように、美しく散らばっていく。
不覚にもその光景を綺麗だと思いながら、私はベッドに倒れこんだ彼女の体にゆっくりと乗りかかっていった。
「や、やだ……音夢さんなにを……ん、んぅぅ……ダメェ……」
まるで男の子に押し倒されたように、ことりは顔を赤くしながらかわいい声を漏らした。
その色っぽくもいやらしいピンクの唇が、私を誘っているかのようにフルフルと震えている。
「言いたくないのなら……いいんだよ?……このまま、このいやらしい体に聞いちゃうから……」
その言葉と共に私は彼女の体に狙いを定め、制服ごしでもその存在を主張してしまっている膨らみに右手を伸ばしていく。
大きなマシュマロのように盛り上がる胸元に触れると、そのまま手のひらがムニュゥゥゥっと中に埋まっていく。
「あ、あん!……や、やだ……おっぱいなんて…さ、触っちゃダメっす……あ、あぁんぅぅ♪」
口では拒みながらも、ことりはその体をクネクネとよじりながら喘ぎ声のようなものを出していた。
男を余計に興奮させてしまうような仕草に少しムっときた私は、左手ももう一つの膨らみに運び、二つの乳房をモミモミと揉みしだくように動かし始める。
制服の胸の部分をシワにさせてしまうことなどかまわず、その『可愛いやらしいおっぱい』にオシオキをしていく。
「こんなでっかいおっぱいぶら下げて……84のCカップくらい?……いったい誰に大きくしてもらったんでしょう、ねぇ?ねぇ?」
モミモミモミモミモミ……。
「あん!あ、あ!…やぁ!……音夢…そ、そんなもみもみしちゃ……ダ、ダメっすよぉ……あ、あはぁ…ん……」
自分のと比べると悲しくなってしまうほどの感触に、私は兄さんのこととは関係ない私怨までをも混ぜながら、そのおっぱいを愛撫していった。
十本の指をそれぞれ独立させて動かし、うらやましい胸肉をもらわんとばかりにグイグイと指を食い込ませていく。
「ほら……ねぇ?どう?どうなんです?……兄さんにも、こうやってモミモミしてもらったんでしょ?」
モミモミモミモミモミモミモミモミ……。
「あ、あぁん……そ、そんなこと……ん、んぅ♪……さ、されてないですぅ……ハァ、ハァ……♪」
どうも彼女は胸の感度が異常に高いらしく、服の上から揉まれているだけでもうハァハァと甘い息を吐き出している。
しかし、それでも本当のことを白状しないのは……おそらく兄さんと口裏を合わせ、『二人だけのないしょ』ということにでもしているんだろう。
(後から咥え込んだくせに……兄さんは、兄さんのおちんちんは……昔から、わたしだけのものなのよぉぉ!!!)
頭に上った血が理性を解き放ち、次の瞬間、私はことりの制服のすそを捲りあげていた。
大きな膨らみに引っかかりながらも、それをグイっと首のあたりまで捲り上げると、黒いブラジャーに包まれたおっぱいがブルルンっと外に露出される。
「やっぱり……あいかわらず、こんな黒下着なんか付けて……このスケベ淫乱アイドル」
「あ、あぅぅ……ス、スケベじゃないっす……淫乱でもないっすぅ……」
もうとっくに処女でもないどころか、毎日毎日兄さんとやりまくっていたくせに、このアイドルはいまだその清純な仮面を外そうとはしなかった。
じつはもっと私にイジメられたいのではないかと思うほど、その可愛らしい体から被虐心をジワジワと撒き散らしている。
「そんなかわい子ぶったって……ここを見ちゃえば、すぐにわかっちゃうんですから!」
望みどうりとばかりに、私はそのギュウギュウに詰め込まれたおっぱいに手をかけ、黒いブラジャーをズルっと下まで降ろしてしまった。
その瞬間、狭い場所から解放されるようにブルルン!っと大きな生乳が飛び出すと、それが深呼吸するかのようにプルプルと左右に揺れる。
「あ、あぁ!……ダ、ダメ音夢……脱がせたりしたら……は、恥ずかしいっすよぉ……」
いまだカマトトぶるのをやめない彼女だが、私はその二つのおっぱいにポツンと付いている突起物を見て、おもわずニヤリっと口を歪ませた。
二年前、ことりのおっぱいを見たときにはピンク色だった乳首に……今は、ほんのわずかだが色がついてしまっているのを見て。
「やっぱり……こんなエッチな乳首になってるじゃないの……ほら!」
ついに現れた証拠を前に、私は興奮を更に大きくしながら、その勃起した乳首を指先で摘みあげた。
キュゥゥっと指先で強く挟み上げ、コリコリとした感触を返してくるそれを、そのまま上に伸ばすように引き上げていく。
「あ、あぁぁんぅ!……ちくび……と、取れちゃいますぅぅ……やめてください、音夢ぅぅ……」
「ふん……しっかり、あんあん喘いでるじゃない……よっぽど、兄さんに開発されたんですね?」
口では拒みながらも、しっかりと気持ちよさすな顔をしていることりに、私の嫉妬心が更に高まる。
そのまま、兄さんに何度も弄られたり、摘まれたり、つつかれたりしたであろうその突起物を、妹の私も同じように苛めていく。
薄い色素がかったその乳首を、汚らわしい色にまで染めようとばかりに指先でグリグリともて遊んでいった。
「あ、あ、あ♪……い、いけません……そんなふうに弄られたら……いじられたらぁぁ……」
指先で乳首を擦るように動かすと、ことりは急にふともものあたりをもじもじと動かし、まるでおしっこを我慢しているような仕草をし始めた。
股の間にも快感が欲しいとばかりに動かすその動作に、私は右手を乳房から離し、それをそのまま彼女のスカートの中に潜り込ませる。
「ひゃん!……そ、そんな……そっちは……あ、あぁぁ……」
短すぎるスカートのおかげで、私の手は簡単にその黒いパンティを捕まえてしまい、それをそのままスルスルと膝下まで降ろしてしまった。
私の目に……愛する人を咥え込んだ、憎っくき女性器が露出される。
すでに、そこは今までの愛撫で濡れてしまっているうえに、入り口の割れ目がパクパクとペニスを求めるように蠢いていた。
「こんな口を動かして……なんてエッチでスケベなんですか……ことりのアイドルおまんこは!」
「ん、んぅぅ……ご、ごめんなさい……ごめんなさいぃぃ……」
まるで叱られた子供のように悶えることりを心地よく見ながら、私はそのよだれを垂らしている割れ目に指を這わせていった。
人差し指と薬指を割れ目の左右に付け、それを外側にグググっと割るように開いていき、あいだの中指をそのまま膣の中に挿入していく。
ズプズプズプ……。
「あ!ん!……あ、あぁぁ!……は、入っちゃう……音夢の指が……わ、わたしのおまんこに入っていっちゃいますぅぅ!」
女の子の、しかも好きな男の妹の指挿入に、ことりはイヤイヤと首を振りながらも、恍惚とした表情でそれを受け止めていた。
膣もそれに比例するように入り口があっさりと指の侵入を許し、それが第一間接、第二間接とズブズブと彼女の中に入っていってしまう。
まるで、私の指を食べるかのように……ことりの膣はついに根元までそれを飲み込んでしまった。
「こんな簡単に……私の指……ズッポリ咥え込んじゃいましたよ……ことりのおまんこ」
「は、はい……音夢の指をた、食べちゃいました……ごめんなさいです……ん、んぅぅ……」
膣内にある気持ちいい異物感に、ことりはたまらず下半身を動かし、私に指を動かして欲しいとばかりに腰をもじもじ動かし始める。
するとその瞬間、その膣の中がキュゥゥゥ!っと急激に締まり、挿入されている指を食いちぎらんばかりに締め上げてきた。
「い、痛!……こ、こんなきつく締めつけて……そんなに気持ちよくしてもらいたいの?」
「あ、あぁぁ…は、はい……音夢に、音夢に私の中を……そ、その……かき混ぜて貰いたいっす……」
ようやくメスの本性を見せた彼女におもわず嬉しくなり、私はそのまま指を前後に動かし始めた。
しとどに濡れた膣内は、指を手前に引くとクチュクチュっと摩擦音を鳴らせ、奥に入れるとピュッと淫らな液が手のひらに跳ね返ってくる。
おまけに、私の細い指先でさえギュウギュウに締め付ける締まりは、おそらくペニスなどが入ったらすぐに達せさせてしまういやらしさに満ちていた。
「ねぇ、そろそろ教えてよ……この指一本でキツキツのおまんこで……兄さんのをギュウギュウ咥え込んだんでしょ?ね?」
指を前後に出し入れしながら、私はことりの耳元でささやくようにその質問をしていた。
処女じゃなかった時点でもう確定したようなものだが、彼女の口からそれを言わせるために、指の動きを更に速めるものに変えていく。
ジュプジュプジュプジュプ……!
「あ!あぁぁ!……は、はい……ご、ごめんなさ……い……朝倉くんとし、しちゃいました……ん、んんぅ!」
「………やっぱり」
ついに聞き出したその答えに嬉しさと悔しさを感じながら、私はそのままことりの体を絶頂へと向かわせるように指を動かしていく。
中指はペニスを突き入れるように激しく前後させながら、空いた親指を割れ目の少し上にあるクリトリスに移動させる。
少し皮をかむったように隠れるそれをめくると、小さな乳首のような陰核が姿を見せ、そこを親指の腹でクリクリと優しく刺激していく。
クリュクリュクリュクリュ………。
「ふ、ふあぁぁ!……い、いやぁん!……そ、そこはぁ……そこはクリクリしちゃ……あんん!あ!あ!」
少し強すぎる刺激に悲鳴を上げながら、ことりはピクピク体を痙攣させて絶頂への階段を突き進んでいく。
手のひらが割れ目から吐き出される液体ですでにビショビショにされながらも、私は突き入れる指先を止めずに彼女をイカせる動作を続けていった。
「ほら、ほら!イっちゃいなよ、ことり!……女の子の指にジュポジュポされながら……この横取りおまんこでイっちゃえ!」
私はとどめとばかりに、そのまま膣の中に指をズブズブ!っと一気に突き入れ、親指でクリトリスをグリグリと弄り回した。
ヒクヒクと痙攣を繰り返す膣を擦り上げ、グチュグチュ音を鳴らしながら彼女の体を追い詰める。
グチュグチュグチュグチュグチュ……!!!!
「あ!あぁ!あはぁぁぁ!……あ、イ、イク!……イっちゃいま……すぅぅ!……あ、あ、あぁぁあぁぁぁ!!!」
外の廊下に聞こえるほどの悲鳴が上がると、割れ目からドピュウ!っと潮が吐き出され、それが私の顔にまで届くほど勢い良く噴出される。
電流が走ったようにビクビクと体を撃ち震わせながら、ことりはそのまま絶頂に達していった……。
それからしばらくして……乱れた息がようやくおさまると、私はスッとそのことりの体から離れて、そのままベッドのふちに座りなおした。
「………はぁ………」
ことりの中に入ったその指を見ながら、おもわずため息をつく。
仕返ししたのに、彼女の体を苛めてあげたはずなのに……なぜか私の胸の中は、むなしさでいっぱいになっていた。
その経験値の高い体に触れるたび、そこに兄さんのくせが仕込まれているのがわかってしまい……この二年で、どれだけ二人が愛し合っていたのかがわかってしまったから。
「ね、音夢……あの……や、やっぱり怒ってます……よね?」
どんより落ち込んでいる私を見て、ことりはベッドの上でその乱れた服装を直しながら話しかけてきた。
自分のせいで好きな人の妹が苦しんでいるのを案じ、まるで腫れ物に触るかのような気遣った口調をしてくる。
「もういいです……二年間も、連絡すらしなかった私が悪かったんだよね?……もう、もうそれでいいですよぉぉ!」
「あぅ……そ、そんなヤケにならないで……ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」
もうどうでもいいとばかりに投げやりな私に向かって、ことりはただペコペコと申し訳なさそうに謝っていた。
彼女もこうなることはわかっていただろうに、それでも兄さんと関係を持ったのは、抑えられない想いがあったからだとは思う。
横取りしたいほどの想いは、同じ人を好きになったものとしてわからなくもないから、許してあげてもいい。
条件付きで。
「そんなにすまないと思ってるなら……この二年、兄さんといったいどんなセックスしたのか教えてね?」
「はい……………え?え、え、えぇぇぇぇ!?」
そのまま自然な流れでした質問に、ことりは何の疑問もなく了承した後、すぐさま驚きの声をあげた。
このまま、彼女をすんなり解放するわけにはいかない。
兄さんとどんなふうに愛し合ったのか、彼にどんなことをしてあげたのか……それを教えてもらわないと、私のモヤモヤは消えそうになかった。
「いいじゃないですか……わがままな妹の頼みくらい聞いてよ、ね?……『姉さん』」
「!?……ね、姉さんって……うぅ……音夢、やっぱりまだ怒ってますね……」
人の良いことりの良心をチクチクと刺しながら、私は笑顔のままそのおどしをかけていた。
私をこれ以上怒らすと危険が増すと思ったのか、彼女はしかたなくその口を開き、兄さんとした行為の内容を話し始めた。
「え、えーと……あ、朝倉君は、その……エ、エッチの時……色んな格好でするのが好きでした……です……」
「……色んな格好……」
私としていた時は、ほとんど普通の格好だけだったような気がする。
色んなということは、当然女の子が上にまたがっちゃうアレや、お弁当を売るみたいに体を持たれちゃうソレや、動物みたいにされちゃう、あのすごい……。
「特に後背位?でするのが、朝倉君は大好きで……わたし、犬みたいな格好にされて……たくさん後ろから突かれちゃいました……お尻まで叩かれながら……」
ちょうど連想した体位を説明されて、私はおもわずその光景を想像してしまった。
ことりの大きなお尻を鷲づかみにし、たまにその肉をパンパンと叩きながら獣のように腰を振る、兄さんの姿を……。
私の前ではあんなに優しかった兄さんが、ことりとのセックスの時はそんな格好ばかりでしていたなんて……。
「あと、その……い、家の色んな場所でするのも好きみたいでした……彼は……」
「!?……い、家って……もちろん私達が住んでいる方の……だよね?」
その問いかけに彼女はもちろんっとうなづくと、そのまま一つ一つ思い出していくように話を続けた。
「階段を……よ、四つん這いで繋がったまま登らされたり……トイレの便座に座って、おちんちんをしゃぶらされたりしちゃって……あ、あうぅぅ……」
とても卑猥すぎる行為を口にしながら、ことりは言うのも恥ずかしいとばかりに顔を真っ赤にさせて続ける。
「あと……げ、玄関で……外に聞こえちゃうかもってドキドキしながらとか……夜に、ベランダに出てしちゃった時もあります…」
とても普通とは言えない、露出レベルの行為までもが彼女の口から次々と並べられる。
しかもそれらの場所は、全て今の私が生活している所なわけで……それらの場で二人がしているところを考えると、とても生々しいものが想像できてしまう。
この二人…………変態だ!
「あと……それと……ほ、他にも……」
「え!?……ま、まだ何かあるの?」
ショックを受けながら聞き返してくる私に、ことりはその特別なことと思われるものを言うのを、少しためらっていた。
だがもう嘘はつきたくないのか、決心したようにゴクッと唾を飲み込むとその口を動かしはじめる。
「音夢が付属の頃着てた制服を……わ、わたしが着てですね……そのまま音夢の部屋でエッチしちゃったことが……」
「…………!?…………」
その言葉を聞いた瞬間、ガツンと殴られたような衝撃が頭の中を駆け巡った。
昨夜もおだやかな寝息をたてたあの部屋で……兄さんとの思い出が詰まったあの制服を使って……兄さんとことりが愛し合っていた……?
「朝倉君……音夢がいなくて寂しそうだったから……私が、この格好でしてもいいよって言ってあげたんですけど……」
そうつぶやくと、ことりは急に抑えきれないとばかりの笑顔を膨らませていく。
ショックで何も言えない私にも気づかず、まるで楽しかった思い出でも語るかのように次々と話し出していった。
「私、エッチの最中に……朝倉くんのこと『兄さん』って呼んであげたんです……♪」
「…………え?」
聞き捨てならない言葉が耳に入りながらも、私は嬉しそうに話すことりの姿を見つめていた。
かすかに震え始める右手を必死に抑え付けながら、せめて最後までは聞こうと我慢しながら。
「兄さん大好き♪って言ってあげたら……なんだか、ほんとに朝倉君の妹になった気がしてきちゃって……すごく嬉しかったです♪……えへへ♪」
………………ブチッ!
彼女のその幸せそうな顔を見た瞬間、私の頭の中で何かが切れる音が鳴り響いた。
そのままブルブル震える手が拳をつくり、それが目の前の女の子に飛んでいきそうになる衝動を必死に押さえつける。
その様子を見てようやく身の危険を感じ始めたことりは、ベッドのシーツで身を守るような仕草をし始めた。
「あ……う、う、うそ!嘘っす!……今言ったこと、ぜ、ぜんぶ私の妄想ですぅぅ!」
「…………本当に?」
「ほ、ほんとっす……ね、音夢の制服の胸のとこ、ギュウギュウにきつかったなんてそんなこと……うぐぅ」
その正直すぎる口から出てしまった言葉を最後に、ことりはそれ以上何も語ることはなかった。
正確には……私がその口をグーで閉ざし……もう何も……言わせなかった……。
終