白河ことりはいつものように朝倉家の前に立っていた。  
「まだ寝てるよね、きっと朝倉君だから・・・・。」  
案の定イヤホンを鳴らしても返事は全く返って来ない。  
ことりは溜め息を付くと、合鍵で朝倉家の中に入った。  
「朝倉君ー、起きてるー?起きないと遅刻しちゃうよー?」  
2年経っても変わらない毎朝の光景。ことりはしばらく待ったが諦めて純一の部屋へ向かった。  
軽くドアノックをする。すると、扉の向こうで突然純一の慌てた声がした。  
「こ、ことり?もうちょっとしたら下行くから待っててくれよ!!」  
「そんな事言ってたら私も朝倉君も遅刻しちゃいますよ?」  
何度となく繰り返されたやり取り。そして、ことりはこの状況から純一の現状を悟っていた。  
「おはようっす。」  
ことりは躊躇せず扉を開けた。その目の前には毛布を押さえた純一がいる。  
「こ、ことり。もう少ししたら行くから待って・・・」  
「はいはい、またいつものでしょ?しょうがないなぁ、朝倉君は。」  
ことりは上気した顔で純一に掛かっていた毛布を容赦なく剥ぎ取る。  
そこには見事なまでにパジャマのズボンを突き上げた下半身があった。  
「・・・悪いがいつものを頼む。」  
「しょうがないなぁ、早目に終わらせてよ?」  
そう言うとことりは手馴れた手付きで純一のズボンとトランクスを脱ぎさる。  
そこにあるのは愛情ではなく日常の「作業」と言う雰囲気。  
「もう、こんなに固くしちゃって・・・・。・・・また音夢さんの夢でも見たんですか・・・・?」  
「・・・ことりには関係無いだろ。それより早く済ませてくれ。」  
夢心地だった純一の表情と口調が変わる。「余計な事を言うな」とばかりに。  
「ご、ごめん朝倉君・・・・。すぐ終わらせるから・・・・。」  
ことりは一転慌てた様子で純一のペニスに手を這わせた。  
(また怒らせちゃったな・・・・。どうして余計な事を言っちゃうんだろう・・・・。)  
ことりは純一のペニスをしごきながら思う。  
2年前、音夢が去った後の純一は文字通り生ける屍と化していた。  
何とか学校には登校するもののずっと心ここにあらずなのは誰の目にも分かった。  
杉並や眞子が励ましても純一の耳には届かなかった。  
その姿をことりは痛々しいと思い、どうにか出来ないかと心を痛めた。  
そして始めたのが毎朝の朝倉家訪問だった。最初はことりも純一は受け付けなかった。  
その途中でことりは「一線」を越えてしまった。  
その結果、純一は少しずつ元の生活に戻り始めたのだから結果としては良かったのかもしれない。  
しかし、純一がことりを自分から抱く事は一度も無かった。  
(やっぱり私は音夢さんを超えられないのかな・・・・。)  
一度捨てた筈の思いがかりそめとして叶ったとしてもことりの心は満たされなかった。  
「おい、手が止まってるぞ?早くしてくれよ。」  
ことりの心の中を知ってか知らずか純一が催促をする。  
「ご、ごめんなさい!!」  
ことりは怯えた子犬のようにひたすら純一のペニスをしごき続ける。  
 
 
「もう、いい。早く口でしてくれ。」  
純一は少し苛立たしげにことりに告げる。  
「は、はい!!」  
ことりはその桃色の舌を純一のペニスに這わせる。  
懸命に、思いを込め、ことりは純一のペニスを一心不乱に舐める。  
「・・・時間が無いな。さっさと終わらせるぞ。」  
そう言うと純一はことりの口の中にペニスを突き入れピストン運動を始めた。  
「んぐぅっ!!んむっ!!んんんっ!!」  
突然のピストン運動にことりは息が詰まりそうになった。  
「歯は当てるなよ。分かってると思うけど。」  
純一の要求にことりは必死に応える。  
(朝倉君が私に求めて来てくれてるんだ・・・、私も応えないと。)  
息苦しさで喉が詰まりそうになりながらもことりは必死にその動きを受け入れる。  
「おお、いいぞ。やっぱことりの口の中は最高だ。」  
「んんっ、んむっ、んぷぁっ!!」  
純一がピストン運動を続ける間にことりも昂ぶって行く。  
(嘘・・・、これだけで私イッちゃうの!?)  
もし純一がことりの下半身を見たなら、そこには最早パンツに染み出している愛液が見えた事だろう。  
それ程までにことりは感じていたのだ。  
「うぅっ、そろそろイクぞっ!!ことり飲んでくれッ!!」  
「んんっ!!んんむんいぇ!!」  
最早ことりに他の選択肢は考えられなかった。  
(駄目、もう、もう私もっ!!)  
「あっあっ、出すぞことりぃぃぃっ!!」  
「んんんんぁぁっ・・・!!」  
どちらが最初に達したのかは分からない。  
それでもことりは崩れ落ちそうになる意識を振り絞って純一の精液を全て飲み干した。  
「ぷはぁっっ・・・・」  
飲み干すと同時にことりは床に崩れ落ちた。  
そんなことりを尻目に純一は学校の支度を急いでいた。  
「よしっ!!急ぐぞことりっ!!」  
「あ、うっうんっ!!」  
ことりは思った。この気持ちがいつか純一に心から届きますようにと。  
そして二人は学校に向けて走り出した。  
 
 

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