緑成す丘の中腹、一人の男が少女を伴って登っている。
よく見ると男は軍服の上着を羽織った格好だが、少女は全裸にわずかな何かしかつけていない。
"ななこ"と刻印された首輪に犬の足を象った手袋と足袋、フサフサの尻尾の付いたアナルバイブ。
少女は男の後を四つん這いのまま、まるで犬のような足取りでついてくるのだった。
「ななこ、ここにしようか」「わんっ!」
二つのおさげを揺らし、眼鏡の下の眼を輝かしながら男に応える少女。
男が腰を下ろすと彼女もそばにぴったりくっつき、男にきゅっと抱きついた。
「ななこは甘えんぼさんだな」「えへへ、だって御主人様大好きだもん♪」
ななこと呼ばれた少女は屈託のない笑顔を満面に浮かべ、男に頬擦りをする。
やれやれといった面もちで一息つくと、男も彼女を抱きしめた。
彩珠ななこが男の元に来たのは、まさに偶然のなせる業だった。
初音島襲撃初日、あるトラブルに襲われた彼女はそのおかげで陵辱の洗礼を免れた。
しかし、翌日になって身柄を追われる身となり探索の網に掛かる寸前、ある男に確保された。
大尉の階級を持ち>311の番号で呼ばれる男。今ななこの御主人様であるその人である。
>311は状況がわからず怯える彼女を口八丁手八丁でそそのかし、無垢の身体を開かせた。
それからしつけと云う名の調教がななこに行われた。
どうも>311は犯す為だけの人形ではなく身も心も従順なペットにしたかったらしく、肉体だけ
でなく精神面においても自らペットであることを選ぶよう、彼女の心身を籠絡していったのだ。
やがて、ななこはメス犬に生まれ変わった。
>311に奉仕し、>311の愛情を欲し、>311に愛されるためだけのペットとして。
快楽を覚えた身体と心に刻まれた苦しみに引き裂かれた彼女の精神はマインドコントロールを
たやすく受け入れ、>311の命ずるまま従順なメス犬として自我を再構築していった。
人間としてのモラルやプライドを捨てて快楽と欲求に従順ないやらしいペット。
少女がたどり着いた先で得たもの、それは隷属の首輪だった。
「俺もななこが大好きだよ」
御主人様がななこの耳元でささやく。御主人様とななこはお互い大好き。ななこはとてもうれしい。
でもたまに胸が痛くなる。それはななこが御主人様に会う前の記憶。
それは一人の少年。どんな顔でなんという名前だったか全然思い出せない。
だがしかし・・・
もしかしたら、ほんとは彼に大好きだと言ってもらいたかったのかもしれない。
御主人様がななこにしてくれたように彼に大事にされたかったのかもしれない。
ななこは、本当は・・・
「ななこどうした?」「いたい、いたいの、おむねがいたいの」
「大丈夫、大丈夫、俺がいるから怖くないよ」「うん・・・」
御主人様のぬくもりを感じる。ななこは御主人様に抱かれたまま目を閉じた。
「・・・ごめんなさい御主人様・・せっかくのおでかけがななこのせいで・・・」
「いいよ、俺はななこが大事なんだから、つらかったり苦しい時は遠慮しなくていいよ」
「・・・・・」
「ななこは俺のわんこだろ?わんこなら御主人様に素直になってくれないと。でないと・・・」
「や・・やだああっ!ななこすなおになるからっ、いい子になるからっ、だから、だから・・!」
「大丈夫だよ、俺はななこを嫌いになんかならないよ、これからもずっとななこのこと大好きだから」
そういうと御主人様はななこの涙をやさしくふいてくれました。
「そうだ、今晩のご飯はななこの好きなものにしよう!」「わあ〜い!」
お尻の尻尾がフサフサ揺れる。うれしいことがあるとここが揺れるのだ。
うれしくて思わず走ろうとしたら眼鏡がズレてしまった。
「ななこ!眼鏡、眼鏡!」「あわわわわわ〜〜」
ななこはあわてて眼鏡をなおしました。
「もう〜ななこは相変わらずおっちょこちょいだな」「てへへ・・」
御主人様はななこは眼鏡をかけているほうが一番かわいいといいます。
ななこも眼鏡がないと物がよくみえないので眼鏡ははずせません。
ほかの人は無いほうがかわいいっていうけど、御主人様がかわいいって思うならそっちのほうがいいです。
「ななこ、俺の腕につかまって。家まで立って帰ろう」
「いいの?わんこなのに後ろ足で立っても?」「いいんだよ。さあ、」
そして御主人様とななこは腕をくんでお家にかえりました。
御主人様の幸せはななこの幸せ。ななこの幸せは御主人様の幸せ。
ななこはいまとってもしあわせです。