ボクは今日も一人たたずんでいる。今はもう枯れちゃった魔法の桜の木の下で。今日も他に何もすることがない。  
 思い出の詰まった初音島はもうない。ボクの大好きだった人たちはみんなここにはいない。  
 そんな島にただ一人残されたボクはこうして何もすることなく毎日を潰している。  
 ミイラみたいに身体中を包帯でまいたボロボロの姿で。  
 眼を閉じると蘇ってくる。悪夢としかいいようのないあの出来事が。  
 嫌だ。思い出したくない。でもそれは許されないんだ。  
 みんなが泣いてる。みんなが辛くて苦しい思いを今もまだしつづけている。  
 ボクだけが楽になっていいはずがない。ボクだけが……  
 ああ、そうこうしているうちに蘇ってきた。ボクがこんな体にされたあの日の記憶が。  
 嫌だなあ。でもしょうがないよね。  
 音夢ちゃんたちは今も、同じ苦しみを味わいつづけているんだから……  
 そうこうしているうちに周りの風景が変わっていく。ボクの意識が記憶の世界へと降りていく。  
 それは悲しみの記憶。苦しみの記憶。ボク自身が経験した。連れられていった娘達は今も味わい続けている悪夢。  
 そんな世界にボクは今日も降り立つ。繰り返し繰り返し終わることもなく。  
 
 
 
「やめろぉぉ!離せっ!離せぇぇっ!!」  
 小柄な女の子の悲鳴が耳に響く。それはボクだった。悪夢の始まりはいつもここからだ。  
 ボクがボロクズの様にされたあのときから。  
「げへへ……へ……」  
「嫌だぁぁぁっ!あっちいけぇぇ!!お兄ちゃんっ!お兄ちゃんっ!!」  
 下卑た笑みを浮かべる不細工な男。それが小柄なボクの体に圧し掛かって動きを制していた。  
 ボクは必死で逃れようともがく。でも無理だ。体格があまりにも違いすぎる。  
 ボクの抵抗などものともせずに男はボクの制服をナイフで切り裂く。剥ぎ取る。剥き出しにする。  
 成長の止まったボクの未成熟な裸身が露にされた。おっぱいなんてちっちゃいもんだ。  
 あそこにもろくに毛は生えていない。子供の身体。ボク自身の意思で成長することを止めてしまった身体。  
 その身体が間もなく蹂躙される。醜い欲望の前に。  
「ぐへっ…げへっ……」  
「嫌だっ!離してっ!離してぇぇっ……ぃぃ……っぎ………」  
 涎をたらしながらにじり寄る男。グロテスクな肉棒をボクのあそこにあてがって。  
 ボクは泣き叫ぶ。悲しかった。嫌だった。大切な純潔を大好きなお兄ちゃんに捧げることも叶わずに散らされることが。  
 それは他の娘達も同じだったと思う。でも抗えなかった。悲しいかなボクにはあの生き地獄をどうにかする力なんてなかったんだ。  
「……ぎ……ひぃ………ぴぎぃぃぃぃぃいいい!!ぎやぁぁぁぁぁぁあああ!」  
 そして断末魔の叫びが飛び出す。哀れにも穢れを知らなかったボクのあそこは杭のように打ち込まれた肉根に壊された。  
 それはボクの小さく未成熟な身体で受け止めるには余りにも大きすぎた。みちみちと肉が引き裂かれているような感じがする。  
 拡げられたボクの膣肉はたちまちのうちに悲鳴をあげる。痛い。痛い。痛いと。  
 激痛がボクの脳を焼いていた。絶叫が口から漏れ出す。そんなボクを満足げに眺めながら男はペニスをより奥へと進める。  
「ぎぁぁぁぁぁああ!ぐぁぁぁぁぁあああ!!」  
 あまりにも酷い。もう根元まで突きささったペニスはボクの破瓜の鮮血で染められていた。  
 ろくに濡れてもいない。そもそも男を受け入れる準備さえ整っていないボクの胎内を凶悪な肉棒がかき乱す。  
 抉り取られていくボクの処女肉。ピストンを繰り返されるごとにボクは苦痛で悶絶した。  
 ボクの軽く倍以上はある体重。そんな負荷が一気にボクの未成熟な女性器を貫く。  
 ああ、酷い。あんなことをされたら壊れちゃう。もう二度と元に戻らないよ。ボクの身体に刻まれていく。  
 醜い傷痕がいくつも。  
「げへへっ……しししし………」  
 男はサディストだった。ボクが苦しみ悶え叫ぶ姿になによりも快楽を見出していた。そんな変態に目をつけられたのがボクの運の尽きだ。  
「はっ…はっ…はぁっ!!!」  
「ぐぁぁぁっぁあああ!!がひぁぁぁぁぁあああ!!!」  
 ドクリと勢いよく精液をボクの子宮に注ぎ込む。だが、あのときボクはそんなことを感じる余力すらなかった。  
 ただ身を焼き続ける苦痛。それからの解放をなによりも望んだ。  
「ぎひひっ…ひっ……」  
「……ぁ…ぁぁ…ぃ……ぴぎぃぃっぃぃいいいい!!」  
 無惨に強姦されもう虫の息のボク。そんなボクを男は許しはしなかった。剥き出しになっていた無防備なボクのお尻。  
 そこにも目をつけられすかさず挿入された。ボクの膣を破壊した凶器を。  
「ぐひひひっ…ひっ……」  
「ぎゃぴぃぃぃぃ!!ぴぎゃぁぁぁぁぁぁああ!!」  
 ボクの悲鳴が轟く。膣を壊した男根が腸まで抉る。お尻の穴が壊れて閉じなくなっちゃうよ。  
 壊れていく。ボクの身体はどんどん壊されていく。何度見せられても悲しいよ。こんな無惨な光景。  
 そうやって嬲られているうちにボクから反応が消えていく。生気自体が失せていた。  
 蹂躙する肉棒の前にボクは身体も心も削ぎ取られた。そんなボクに対して男は。  
「ゲヘヘヘ…ヘヘ…」  
 舌なめずりする。涎をたらしながら。そして取り出す。人の肉を引き裂くのに適した刃を。  
 ああ、どうしてこんな変態に目をつけられちゃったんだろうボクは。  
 刃は迫る。ボクの肉に。そして刺さる。食い込む。引き裂く。切刻む。ボクの身体を。  
「ぎやぁぁぁぁあああああ!!ぎひやぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」  
 全身を切刻まれながらあげるボクの悲鳴。それはひときわおぞましいものだった。  
 
 惨劇が終わって、そこにはボクの残骸が残されていた。文字通り残骸だ。到底生きているなんて思えない。  
 ボクは顔も体もとても二目と見れない姿になっていた。あのまま死んだっておかしくなかった。  
(い……やだ………死にたく……ないよ……)  
 それは今わの際のボクの願い。逃れられぬだろう死に瀕したボクの切なる願い。  
(嫌だ……死にたく……ない……お兄ちゃん……音夢ちゃん……)  
 ボロ屑にされてもボクは生にしがみついた。あのまま死ぬことが惨めで耐えられなくて。  
 大好きなみんなに二度と会えなくなることが悔しくて。  
 でも今、ボクは後悔している。あのときに死ねなかったことを。  
 生き残ってしまったばかりにボクはこうして見せられつづけている。あの生き地獄を。  
 そして感じている。今も辛い陵辱に苦しむ音夢ちゃんたちの苦しむ姿を。  
 ああ、またボクの目の前の風景が切り替わる。悪夢の続きだ。  
 映し出されるのはいつも女の子が無惨に陵辱される姿だ。それもボクの見知った女の子達だ。  
 音夢ちゃんや白河さん。眞子ちんや美春ちゃん。環ちゃんやアイシア。それから……  
 毎日毎日、代わる代わるに犯され苦しみ喘ぐ彼女達の光景がボクの目の前には映し出される。  
 それは過去の出来事。あるいは今起こっている出来事。そこでボクは思い知らされる。  
 みんなが今も悪夢のなかにいることを。不幸中の幸いとでもいうのだろうか。  
 こんな身体にされたボクは奴隷として連れて行かれずにすんだ。  
 その代わりに毎日、みんなが犯される姿をここでこうして指をくわえながら見ている。  
 悪夢の中に閉じられたボクの世界。今日はどの娘が嬲られるのだろうか。  
 お祖母ちゃん。ボクはもう疲れちゃったよ。早くに楽になりたいよ。  
 でも楽になれない。どういうわけだかボクは死ねない身体になってしまった。  
 何日も飲まず喰わずでも死ぬことがない。自殺を試みても生き残ってしまう。  
 多分あのとき死に瀕したボクの願いを桜の木は叶えてくれたのだろう。  
 そのことが今は恨めしい。あのときあのまま死んでいればこんな哀しみを味あわなくてもいいのに。  
 ボクの眼前にまた新しい光景が映し出される。今日は環ちゃんだ。  
 大きくなったお腹でおっぱい搾られながらお尻をずんぱん突かれてる。清楚な巫女服が白濁まみれだ。  
 ああ、また景色が入れ替わる。今度はアイシアだ。すごいね。あんな太いものを入れられるようになったんだ。  
 今度は誰だろう。音夢ちゃんかな?白河さんかも。哀しいね。みんな心の中で泣いてる。  
 苦しい苦しいって悲鳴をあげてる。そんなみんなを今日もボクは見続けるだけだ。  
 いつまで続くか分からない輪廻の悪夢。どうやらそれはまだまだ終わりそうもない。  
 

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