「あっ、朝倉さん!杉並とじゅ・・・朝倉はどこに行ったか知らない?」
「二人だったら向こうにいったわよ」
「そう、ありがとう!」
叶は金属バットを片手に走り去った。
「行ったわよ・・・兄さん」
「ふぅ、助かった・・・」
「礼を言うぞ、朝倉妹」
「ところで・・・工藤さんに何をしたの、兄さん!」
「俺が聞きたい!何でお前と一緒になって、叶・・・工藤から逃げにゃならん!」
「それはお前に原因があるからだ、朝倉!」
「金属バットを持った工藤に追い回されなならん理由なんぞ思い浮かばんわ!」
「で、何したの・・・兄さん・・・・・・」
「俺は知らん!!」
「ならば教えよう!朝倉!!」
「是非とも教えてもらいたいもんだな、杉並」
「実は工藤から相談されてな」
「何を?」
「水着」
「えっ・・・?」
「なんで工藤が水着のことで杉並に相談せにゃならんのだ!」
「それは相談する相手がいなかったからだろう」
「いや、工藤にも女の友達はいるだろう!」
「なれば、挙げてみるがいい」
「え〜と、音夢だろ・・・さくら、ことり、眞子・・・」
「それが理由だ!」
「?」
「みんな、お前の関係者だ」
「だから何でだ?」
「ふっ、つまりだ・・・工藤は勝てる水着が欲しかったんだな。そう、布地の面積を
できる限り小さくし朝倉を悩殺する朝倉妹のエロい白ビキニに対抗できるのをな」
「だっ、誰が・・・」
「まぁ、確かにあれはエロかったなぁ・・・抜かず6発だったし・・・・・・」
「に、兄さん・・・・・・!」
「ふむ、若いな・・・とにかく、この理由で工藤は女の友人に相談できなかったんだ」
「いや、待て!音夢やさくらはともかく、ことりや眞子はそうでもないとおもうが・・・」
「ともかくって何よ、ともかくって!」
「白河は腹黒いぞ・・・」
「いや、それは・・・そうかもしれんな・・・・・・妊娠したかと思ったし・・・」
「それに白河はニュータイプだ・・・」
「何ですか、それ・・・」
「知りたくば、Zガンダムを見ろ!10月に二本目の映画があるから。
まぁ、とにかくカリスマもあるし、美人だし、謀略家に加えてニュータイプ・・・
一部界隈では”風見学園のハマーン・カーン”とも評されている」
「どこの界隈だ・・・じゃあ、眞子はどうだ?」
「水越眞子!最近どういう格好をしている?」
「そ、それって・・・」
「ノースリーブ、おまけにスカートは限界ギリギリまで短くしている・・・・・・
路線は朝倉妹と同じく、初音島限界クラブ露出系だ!」
「へ、変な称号をつけないで!」
「ともかくだ、朝倉妹に水越眞子と二杯食った朝倉に三杯目を出しても効果は
薄い!だから変化球で攻めるように、と進言したんだ」
「それが、あの!?」
「そう、あれだ」
「あれって何?」
「これだ、朝倉妹」
杉並は一冊の雑誌を音夢に渡した。
「”大胆娘の過激なファッション!今、初音島が熱い!!”って、これ工藤さん
じゃない!それに・・・・・・これってふんどし!?」
「そうだ、朝倉妹の半ケツを上回るふんどし型水着で工藤は見事朝倉を悩殺する
のに成功したんだ」
「ちょっと待て・・・なんで、雑誌になっている?」
「それは俺が撮影し、送ったからだ・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「小生の目に狂いはなかった。それが証拠だ」
「工藤に狩られてしまえ!行くぞ、音夢!」
「・・・・・・」
「音夢、どうした・・・」
「・・・・・・・・・」
「お〜い、音夢さ〜ん・・・・・・」
「工藤さん〜!二人はここにいるわよ!!」
「おっ、おい!音夢、どういうつもりだ!!」
「私・・・工藤さんのこと、全然聞いてないよ・・・・・・」
「純一!あんた、殺して私も死ぬ!!」
「そういうことだ・・・朝倉!アディオス・アミーゴ!!」
「おい!待てよ、杉並・・・って、は、離せ、音夢!!」
「兄さん、ちょっと話聞きたいの・・・工藤さんも交えて・・・ついでに白河さんのこと
とか・・・眞子のこととかも・・・・・・」
「いや・・・音夢さん・・・それはそれで・・・何は何で・・・・・・」
「私も聞きたいなぁ・・・朝倉くん・・・・・・」
「ことり・・・ってお前、人の心読めるだろう!」
「でも、朝倉くんの口からじっくりと・・・・・・」
「それは口に出すと・・・」
「まずいのか、朝倉・・・・・・」
「眞子・・・・・・」
「朝倉音夢は妹で、白河ことりは只の友達じゃなかったのかなぁ・・・」
荒々しく怪談を駆け上る音が聞こえる。
「とりあえず、工藤さんが来てから話し合いましょうか・・・」
「そうよね・・・そうしましょうか・・・・・・」
「いいだろ・・・朝倉・・・・・・」
やがて金属バットを片手に突進してくる工藤叶の姿が見えた。
「言い訳を考えておいてね・・・兄さん」
(終わり)