※DLCストーリーに関わる可能性もあるので、注意!(投下主はまだDLC版を知らない自己設定物)  
 
 
 
どれほどの時間、呼吸をふさいでいたか覚えていない。  
息苦しくなったからか、お互いの望みが叶った満足感で満たされたからか、ようやく二人は唇を離した。  
キアランの両手がアルトリウスの頬を撫でる。その冷たさに、彼が笑う。  
キアランが求める彼と、アルトリウスが求める彼女に、差があるのは分かる。  
彼女が純粋に触れるだけの欲望に対し、アルトリウスは彼女そのものを得るもの。  
彼女は笑う彼の瞳の奥に、自身が浮かぶのを見つめる。  
彼が求める自身の体に、彼の熱い手のひらが、這わされる。  
ああ、私は。  
彼女は求められる彼の瞳を見つめながら、懺悔にも似た感情を覚えた。  
私は、踏み入れてしまった。  
その感情は、彼に届くだろうか。  
私は、罪深い。  
彼女の細めた瞳が、悲しみを帯びていたのを、欲に満たされたアルトリウスには読み取れるはずもない。  
今度は、アルトリウスの両手が彼女の頬を捉えた。  
彼の手のひらの熱さに、キアランは驚く。  
触れるだけの自身とは違い、引き込まれる彼女の瞳。その瞳は、閉じられる。今度は、彼女が彼を受け入れる番だ。  
それは、覚悟の上か。単なる気まぐれか気の迷いか。おそらくは、後者。  
だが、おそらくは、前者が必要となるであろう。  
彼が求めるのは、ふさぐだけの触れるだけの口付けではない。  
舌を差し込み、弄り吸い上げる、男女のキス。  
「う、ふぅっ。んっ」  
元々大きさが違うのだ。彼女は苦しそうにうめく。その大きさは、口の中では納まりきれず、喉奥をも弄る。  
暴れる彼の舌が、彼女の口から出入りする様は、キスとは言い難い。もはや、フェラチオのようだ。  
キアランがフェラを体験したことなど有り得ないが、傍から見ればそう見えるだろう。  
苦しさのあまり、キアランはアルトリウスの顔を押しのけるように両手をつっぱった。  
ようやくキスから開放された彼女は、両肩で大きく息を吸い、呼吸を乱す。  
キスを離されたアルトリウスは、彼女を責めるようなことはしない。本能が彼を支配しているのだ。  
その程度を理解できるとは、言い難い。  
 
アルトリウスは離された唇を、彼女の項に這わす。  
「あんっ」  
キアランは自分自身でも驚くほどに、甲高い悲鳴をあげた。いや、悲鳴ではない。  
その声は艶やかに響く、オスを惑わすメスの鳴き声。  
「あ、あぁっ。んんっ」  
アルトリウスの舌が彼女の項を這いずりまわる度、彼女の呼吸は乱れ、艶やかな声が上がる。  
自身でも分からないほどに、全身がざわつく。それは、鳥肌が立つほどのこと。  
時折、ちくりとした小さな痛みが、彼女を翻弄させる。  
アルトリウスの狂ったようなキスが、彼女の皮膚を傷つけているのだ。  
それは赤い斑点のように、模様を付けた。  
「はぁ、はぁ、はぁ…」  
アルトリウスの獣のような呼吸が、彼女の項にあたるたび、キアランの全身が震える。  
「だめ、アルトリウス…。あんっ、あっ」  
首筋に這う彼の舌と、体中を弄る彼の手のひらに、キアランは体中から力が抜けていく感覚を覚えた。  
だが彼の手のひらが、自身の臀部を撫でたとき、全身が強張る。  
「きゃぁっ」  
キアランは悲鳴をあげた。無意識だった。でも、その声の甲高さに、自分自身でも驚いたくらいだ。  
ああ、自分はやっぱり女なのだと、改めて絶望するのだ。  
「キアラン…」  
アルトリウスが、喉奥から搾り出すような、低い声でうめいた。その声は辛うじて言葉だ。  
その獣の声にキアランはハッとして、アルトリウスを真正面で見つめる。  
恐ろしいほどに、美しい獣。切れ長の瞳に捉えられ、彼女は胸が高まる。それは、強制的に。  
「我慢できない…。だが、…。いいのか?…」  
服の上からでも、彼の手のひらの熱さが分かる。その手のひらは今、自身の臀部を捕らえている。  
そして、切れ切れの言葉だが、自身を気遣う声を発している。  
キアランは、アルトリウスを見つめているが、何がいいのか理解するのに瞬時では理解できなかった。  
それだけ、自身も翻弄されているのだろうと、思う。  
何がいいのかと鈍い脳内で思考を巡らせていた時、アルトリウスが大きく息を吐いた。  
その呼吸は、深呼吸とは言い難いくらいに、苦しみを感じた。  
「どうしたの?アルトリウス。大丈夫?」  
キアランは苦しそうに息を吐き出す彼の頬を撫で、声をかけた。  
アルトリウスは小さく、違う、と言い捨てると、自身の両手を彼女の臀部から離し彼女の腰を持った。  
そして、彼女を若干持ち上げて後方にずらし、彼女を自身の腹の上から下腹部に跨らせた。  
それだけで、彼女は理由を知る。  
「はぁ、はぁ、もう、おそらくは、もう…。ムリだ…」  
アルトリウスの苦しそうな声の理由と、彼の獣のような視線と呼吸の意味。  
彼女の臀部、いや、背中にあたるソレ。  
キアランは、血の気が引くのを感じた。臀部ならまだしも、背中にまで当たるその大きさ。  
ソレを受け入れるには、相応の覚悟と代償が必要だろう。  
その、そそり立つオスそのものが今、優しい彼を翻弄させ、変貌させている。  
だがその本能という自然行為が、辛うじてアルトリウスを闇という魔物に捕われる事を食い止めている。  
闇に堕つ自身の危険信号を、本能に溺れることで、回避する。そのことを無意識に、自己防衛が働いている。  
それを止めることができるのは、今。彼女しかいないこと。  
そして、その彼女さえも、目の前の獣に翻弄されていること。  
だが、本能は理性で抑えることができる。それが、人という動物だろう。  
「キアラン、頼む…。逃げてくれ…」  
その理性は、闇に飲まれても本能に溺れることはない。それゆえ、彼の優しさが仇となる。  
「俺では、もう…。お前を…」  
苦しそうに言葉を続けるアルトリウス。キアランはその彼を、間近で見ている。  
「お前を…傷つける…から…」  
一歩踏み入れたのは、彼女の方なのだ。アルトリウスにその非は無い。無いはずだ。  
キアランは、覚悟する。もう、後戻りはできない。たとえできたとしても、その代償は大きい。  
それならばせめて、彼の闇を取り払おう。  
自身が汚れることで、彼を浄化できたなら。それは、己の命をかけるほどの意味はある。  
いや、浄化されるのはむしろ、己自身。神に近し種という史上の存在で、小人という疚しい己の身を浄化させる。  
もはやこれは、誉れであろう。  
 
「うれしい、アルトリウス」  
彼女のささやくような声は、アルトリウスの苦しみを、瞬時に癒す。  
乱れた呼吸は一瞬ほど止まり、苦しみに揺れた瞳は、驚きまん丸である。  
彼女は微笑んだ。そして、自身の腰あたりでだらけているアルトリウスの右手ひらを両手で包むように持ち上げ、  
それを自身の胸元にもってきた。  
そして、そのまま自身の左乳房を押し付ける。  
決して触れようとしなかった豊満な乳房に、彼の手のひらがあてがわれる。それは、彼女の意思でもって。  
アルトリウスの手のひらは、柔らかな感触と一緒に、トクトクと小さな鼓動を感じ取る。  
女官が着る簡素なものといっても、服の上からその鼓動を感じることができるというのは、必然と彼女自身の  
高揚が著しいことを、教えた。  
「だからもう…。これ以上は…」  
細めた彼女の瞳が、潤んでいる。その瞳に見つめられるアルトリウスは、動揺を隠せない。  
「これ以上は、言わせないで…」  
彼女のささやく言葉は、アルトリウスの苦しみを癒していく。瞬時に、徐々に。  
「キアラン…」  
自身の声が久々に、人の物になっている事に気付いた。  
「キアラン…愛してる」  
その言葉ははっきりと、していた。  
微笑む彼女のその表情が、満足感から幸福感に変わる瞬間。ふわりと花が咲くように、彼の瞳に映った。  
「私も…アルトリウス…」  
再びキアランが、アルトリウスを抱きしめた。  
「愛してる…」  
小さくささやく言葉は、しっかりと人の物。彼女を見つめる彼の瞳もまた、人のものであった。  
 
今度は彼女の方からキスをした。舌を差し入れ、彼を心地よく翻弄する。  
アルトリウスのキスと違い、小さな舌では彼の口すらふさぐことはできず、ちゅっちゅっと小さな音を立てる。  
まるで、小鳥のさえずりのようだ。  
アルトリウスはその感触がくすぐったい。何度も出入りする舌足らずな彼女の舌を、いたずらに甘噛みし吸い付く。  
「んっ。んんんっ」  
その突然の攻守交替が気に食わなかったのか、彼女は小さくうめくと、アルトリウスの胸に手を突っぱねて  
キスを離した。無理矢理離されたようで、アルトリウスは物足りないと、舌をだらしなく出している。  
それはエサをおあずけされた犬のようだ。  
彼女はそのあどけないとも思えるアルトリウスの表情に、思わず笑った。  
その笑顔が柔らかく、アルトリウスはうっとりと目を細めた。  
 
キアランはアルトリウスの頬に、ちゅっと、音を立ててキスをすると、彼が自分にしたように彼の項に唇を這わす。  
太い首筋に両腕を回して、彼を抱きしめる。  
「冷たくて、気持ちがいいな」  
落ち着いた、でも熱い吐息のアルトリウスが、ため息と一緒に声を吐き出す。  
アルトリウスは、一度キアランを自身から離すように彼女の肩を押す。キアランは押されるまま彼より少し離れ、  
彼の腹の上に座りなおした。  
「あまり、後ろに縋るなよ」  
低い声で囁くアルトリウスは、小さくうなずく彼女を見つめながら、己の上着に手をかけた。  
鎧の下に着る布服だが、下着は着ておらず、一枚取るだけで、彼の隆々たる筋肉が露になった。  
普段見上げる彼の肉体美を、間近で晒されては、キアランは自身の胸の高まりを抑えることができない。  
思わず、彼のたくましい肉体を触る。アルトリウスはそれを待っていたように、彼女の手のひらの冷たさに、  
目を細めて深いため息をついた。  
「もっと、いろんな所を触れよ」  
彼女の好奇心を煽るような事をつぶやくアルトリウス。深い溜息は、熱く小刻みに震える。  
いつでも彼女に喰らいつきたくなる衝動を、心地よく抑えながら、彼女を見つめる。  
キアランは、言われるまま、彼の体を触っていく。  
胸や腹など、服の上から触っていた部分を、特に触っていた。  
脇腹を触ると、少しくすぐったそうに、くぐもった声を上げる。言葉にはなっていない。  
彼女はその声に驚いて手を止めたが。  
「もっと、触れ」  
半ば強制的とも言える、命令のようなアルトリウスの言葉に、彼女は抵抗できない。  
 
再び手のひらを彼の体に這わすが、感触を楽しめるほど、自身に余裕がなくなる。  
この情事に陥った事、彼を拒絶できなかった事、拒否を試みなかった事の、その真の理由だ。  
愛や情を超えた、何か。恐怖に似たモノ。支配されていく、そのマヒした感覚。魅了。  
キアランは、視線をずらした。これ以上、彼と視線を合わせていたら。何か違う感覚が芽生えそうだからだ。  
今にも逃げ出したい。そんな、感覚だ。  
 
キアランは視線を落とす。不自然にも見れる彼女の行為だが、アルトリウスはそれに気づけない。  
彼自身の感覚も、マヒしているのだろう。  
普段の彼では決して、彼女に触れることすらできないでいるほどなのに。  
月の魅了か、闇の魔力か。その両方か。  
 
落とした視線に、彼女の興味が湧くモノが映った。  
自身の恐怖をかき消すように、彼女はその興味に従う。本来なら、こんな事、思いもしないのに。  
「意外と、小さいんだ」  
己の興味に従った彼女は、思ったままを口にした。  
そして、その興味にあるものに触れた。彼の厚い胸板の中央付近にあるモノ。  
自身のモノとは違い、広い胸板にしては小さすぎる、彼の乳首だ。  
彼女の興味の赴くままに、その箇所へ彼女の冷たい手のひらが触れると、アルトリウスの声がわずかに上ずった。  
その声の高さに、彼女は、感じた事の無い感覚を覚える。  
それは、アルトリウスと同じモノ。性的興奮。成熟した男女なら、ごく普通の事だが、彼女はその感覚に不慣れだ。  
だから、興味の方が勝つ。  
「へえ、触ると固くなる。私と一緒だね」  
なでたり、つついたり。そんな子供じみた行為だが、アルトリウスには十分過ぎるほどの刺激。  
何度も熱い吐息を吐き、彼女を壊したくなる衝動を抑える。  
彼女のあどけない仕草と表情が、より彼を刺激していく。  
その衝動を抑えなかったら、自身の思うままに彼女を弄べば、彼女を間違いなく壊すだろう。  
だが、今の自身を抑えるのもまた、彼の刺激となる。心地よく、己を抑える。  
「もしかしたら、私の方が大きいかもね」  
彼女が小さく、フフと笑う。かわいらしい、美しい花をへし折る、そんな感覚。壊したくなる、そんな感覚。  
「はぁ、はぁ、はぁ…」  
アルトリウスの呼吸が小さく乱れる。彼女には、その彼の苦しさにも似た興奮が、彼女を誘うように聞こえる。  
本来なら、自身を喰らう凶暴な威嚇であることも知らずに。  
 
だから、彼女は誘われるままに。自身の興味に従う。  
つんと立った彼の乳首に舌を這わして、キスをする。自身も大人だ。自慰にいたる際に、此処を刺激して  
その火照りを慰めたこともあるからだ。  
もちろん、女性である。自身の自慰を他に見せる事などないが、今は違う。  
彼との情事は、己の自慰を超えることだが、それでも彼の誘う吐息が自身の火照りを促しているのは、違いない。  
「気持ちいい?」  
彼女の好奇心は、次第に己の本能に近くなる。オスとメスは違うのだが、男を知らぬ彼女は自身を基本にするのは  
当たり前の行為か。  
見上げる彼女の瞳に、潤んだ瞳を見せるアルトリウスが映る。  
低く、大きく息を吐いてアルトリウスは、つぶやく。  
「俺は、もっと下がいいんだけどな」  
その声は震えて熱い。彼女はその声の意味が分かる。  
上半身を起こして彼の腹に座りなおし、彼の腹を撫でる。その手を僅かに彼の下腹部へとずらす。  
 
彼女の頬が高揚しているのが、月の光の代わりをする輝く花の光に照らされ、よく分かる。  
自身が言った事が分かっている証拠だ。  
アルトリウスは半ば反射的に、僅かに腰を上に突き上げる。  
たとえ本能を抑える理性が働いたとしても、肉体は本能に従うものだ。  
「きゃっ」  
再び彼女の背中に、アルトリウスが刺激を求めるモノがあたった。  
いずれは彼を受け入れるだろうと思うと、その大きさに背筋は凍るが、己自身は熱くなるばかり。  
キアランは、小さく息を吐いた。  
彼を受け入れたい。その思いは、体中に巡る。  
自身が濡れる感触を、隠せない。  
女官の服がスカートになっているのだから、彼の腹にあたるのは下着のみだ。  
すでに濡れた下着が彼の腹にあたっているのだと思うと、キアランの高揚は収まりが効かない。  
顔が赤くなる。恥ずかしいという感覚とは、違う感覚に、自身もアルトリウスと同じなのだろうと思うのだ。  
今すぐにでも本能に従い、彼を受け入れたい。そんな衝動。  
だが、顔を赤らめるだけで何もできない。自分はまだ、未熟だ。  
 
視線を落として顔を赤らめる彼女を見上げ、アルトリウスは自身の抑える衝動が抑えがたきものになる事を感じる。  
自身の上で濡れる彼女の感触を感じて、何も思わぬオスなどいないだろう。  
アルトリウスの腕は、自然と彼女の股へと滑り込む。  
「あっ…」  
アルトリウスの手のひらが、彼女の太ももを撫でて中央に向かう。  
下着越しに臀部を撫でられ、彼の指がその中央に滑り込む。  
「んっ、あっ」  
指と呼ぶには太いモノが、布越しに彼女の敏感な部分に触れた。  
「濡れてる…」  
アルトリウスが興奮気味にそうつぶやくと、キアランは小さく首を左右に振った。  
「だめ…」  
今更か、彼女の理性が拒否の言葉を綴るが、アルトリウスは本能に従う。  
彼の手のひらはさらなる刺激を求め、彼女の下着の隙間に指を差し入れてくる。  
「あっ、あんんっ」  
濡れそぼった彼女の肉ヒダに、アルトリウスの指が触れた時、キアランの声が甲高く上がった。  
肉ヒダを掻き分け、彼女の奥を目指そうとするアルトリウスの指の感触にキアランはさらに首を左右に振った。  
そして、彼女の股から生える彼の腕を抱きしめて、潤んだ瞳で彼を見つめる。  
「せめて…服を脱いでから…」  
息を乱して、切れ切れに言う彼女を見て、アルトリウスはようやく彼女を開放し、腕を彼女の股から離した。  
そして無意識にいたずらに、濡れた己の指をしゃぶる。  
「アルトリウスっ……ばかっ…」  
そう言いながら、震える彼女の赤く火照った顔を見ながら、アルトリウスは小さく笑った。  
 
アルトリウスは、女官の服の裾を捲し上げる。  
それだけで、彼女の白い太ももが丸見えだ。  
その中央には、今しがた自身の指が犯した、彼女の濡れた領域がある。  
それを見ながら、アルトリウスは喉を鳴らした。  
スカートといっても、上下繋がっているワンピースのようなものなので、彼女が腕を上げないと脱げないように  
なっている。すると、キアランの方が両腕を軽く上げた。  
そのままアルトリウスは、剥ぎ取るように女官の服を上に上げる。  
すぽっという感じで、女官の服は脱げる。  
アルトリウスは邪魔といわんばかりに、その服を階段の方へと投げる。  
火照った体に外気が若干冷たく感じたのか、彼女は少し自分を抱きしめるように、両腕を胸あたりで組んだ  
そのため、彼女の豊満な乳房がつぶれ、胸の谷間がくっきりと浮かぶ。  
彼女の胸は、お粗末な布で隠されているが。  
「本当に、俺よりでかいのか?」  
と、今度はアルトリウスの興味が彼女を翻弄させる。  
 
彼女の胸で組まれている腕に触れ、ゆっくりと彼女の腕をほどく。  
キアランは頬を赤らめながらも、抵抗をしない。  
アルトリウスに、己の胸を晒す。  
彼女のお粗末な布に手を振れ、それをはがそうと引っ張ろうとしたが。  
「待って、引っ張ったら破けちゃうよ」  
キアランがそう言って、再び両腕で胸を隠した。アルトリウスはそれを邪魔するようなことはしない。  
キアランは、アルトリウスの腕が自身より離れた時、己自身で胸の下着を脱ぐ。  
後方の結び目をほどくだけで、簡単に取れる下着。そして、彼女自身の手で、邪魔にならないように、女官の服と  
同じ方へ落とした。  
少しだけ胸を隠していたが、アルトリウスの強い視線を感じて、キアランは胸元から自身の手を離した。  
両腕をだらんと下げ、アルトリウスを見下ろす。  
それだけで、彼女の全身は赤く高揚した。彼女の全身が、白銀からピンクに変わる。  
それを見たアルトリウスの瞳が、わずかに振るえ、瞳孔の収縮を数度繰り返した。  
それは、肉食獣が獲物の位置を正確に把握する際に、無意識に行うものと同じ。  
人の種でも、強く興味を持つものを瞬時に目の前にした時に、無意識に行うことがあるという。  
 
今まで、自身しか許したことのない領域に、他が、ましてや異性が、それを乗り越えてくる。  
彼女の豊満な乳房に、アルトリウスの手のひらが触れる。  
触れただけで、彼女の乳房は形を変えた。  
触れるだけでは物足りぬと、アルトリウスは彼女の乳房を軽く握った。  
自身の大きな手のひらでは少しの力でも大きな力になるのか、今の自分では力の加減ができないのか、僅かに苦痛に  
ゆがむ彼女の表情を見上げ、アルトリウスはさらに欲する。  
彼女の乳房を解放すると、その手を彼女の背中に回し、自身に引き寄せた。  
そして、乳房の中央で主張する彼女の乳首に吸い付いた。  
「きゃぁっ…」  
その強さに、思わずキアランは悲鳴に似た声をあげた。悲鳴にしては甲高いが、それでも強すぎる刺激が彼女を襲う。  
ちゅうちゅうと音を立てて、彼女の右胸に吸い付くアルトリウスの頭を抱きしめて、呼吸を乱すキアラン。  
その乱れた呼吸が、さらにアルトリウスを駆り立てるとも知らずに。  
背中に回されたアルトリウスの両腕は、彼女を押さえつけるように強く抱きしめられる。  
その右腕がすかさず、彼女の臀部へと降りた。  
「あっ、あはぁっ…」  
その感触に、彼女の声はため息と供に溢れる。  
臀部に下りた彼の右手のひらは、彼女の下着を彼女の膝あたりまでずり下した。  
「い、いやぁっ…」  
彼女の拒否もきかず、アルトリウスの右手のひらは、露になった彼女の秘所へと滑り込む。  
太い指が自身の股を出入りする様は、まるで小人のオスが理性を失ったように彼女との交尾を望んでいるようだ。  
「い、いたっ…」  
チクリとした小さな痛みが、彼女の右胸でする。アルトリウスが胸に吸い付くだけでなく、噛み付いているようだ。  
時折彼の口から漏れるため息は、サカリのついたイヌのように、荒い呼吸を繰り返している。  
「あ、ひやぁっ…」  
アルトリウスの指が、自身の肉ヒダを擦る。  
「だ、だめぇ…」  
いつもは花びらに隠れためしべも、己の高揚と供に硬く主張する肉芽となっている今は、ヒダを擦るだけで、その  
肉芽ごと擦れていく。  
「はぁ、はぁ、はぁ…あっ…」  
自慰でもこんなに激しく擦り上げることなどない、自身の一番感じる場所に、アルトリウスの太指が暴れている。  
目の前がチカチカしているような錯覚を覚える。だが、彼女のメスは、ある種の拒絶を訴えた。  
自身を刺激しているのが、オスではないから。  
「いや…。いやっ…アルトリウス…」  
彼女はアルトリウスの頭を抱きしめて、上半身と痛みと下半身の耐えがたき刺激に、首を左右に振りながら耐える。  
そして、無意識に。自身でも考えた事など無い言葉を、彼女の本能が吐き出した。  
「指なんかで、イキたくない…」  
それは、彼女が女である証拠か、彼を求める準備が整った証か。  
 
ふと、彼女を責める攻めが止まった。イキそびれた彼女のメスが、物欲しそうにヒクヒクと痙攣を繰り返す。  
キアランは肩で大きく息を吐きながら、どうかしたのかと視線を落とした。  
上目で彼女を見つめるアルトリウスと視線が合う。はぁ、と熱い息を吐きながら、キアランはつぶやく。  
「どうしたの?」  
彼女の上ずった声を聞きながら、アルトリウスは目線を細めた。  
「あまり、俺を刺激するな」  
彼の声もまた、熱いものを感じる。だが、キアランは普通に答えた。そういう所は、まだ彼女が女ではないと言ったところか。  
「何故?」  
キアランのいつもどおりのあどけない視線に、アルトリウスは小さく笑いながら言った。  
「今の俺は、何をするか分からない。おかしくなりそうだ」  
彼の言葉か彼の笑みにか、キアランも小さく笑いながら言った。  
「もう、おかしくなってるよ。私もあなたも」  
そして、彼の頭を愛しそうに撫でながら、抱きしめる。  
「だって、こんなことをしているんだもの。だから…」  
キアランの熱い吐息が、アルトリウスの頬に触れる。  
「アルトリウス…」  
キアランの見つめる視線は、アルトリウスを心地よく翻弄させた。  
彼は彼女の次の言葉を待たずに彼女の唇をふさいだ。  
 
一頻りキスを楽しむと、アルトリウスの唇は再度彼女の胸へと下りた。今度は優しく、噛み付くことなく彼女の  
乳房にキスを繰り返す。その感触がくすぐったくもあり、熱い刺激となる。  
キアランは小さく声を上げながら、彼の頭を抱きしめるが、さらなる熱がもどかしく、彼女自身はアルトリウスの  
精悍な肉体に縋るように、肌を合わせる。  
彼女の小さく冷たい肌が自身の胸や腹に合わさる。しっとりと柔らかい感触。  
その感触がさらにほしく、アルトリウスの両腕は彼女の背中に回されるが、彼女が小さく頭を左右に振った。  
それは、言わなくてもソコではないと、異を唱えているようにも感じる。  
アルトリウスは彼女のその、もどかしい仕草が可愛く、目を細めて笑う。  
彼女もアルトリウスの余裕のある表情に、少々不満な表情を見せた。  
「どうした?キアラン」  
いたずらに、その意を聞くアルトリウス。彼女は耳まで真っ赤だ。  
「分かってるでしょっ」  
彼女も潔いというか、そういった辱めには疎い分、隠すようなことはしない。  
「何が?」  
ニヤニヤニヤ。そんな擬音語が似合うアルトリウスの表情だ。  
キアランは半ばムスっとしたが、震える視線でアルトリウスを見下ろしたまま、言葉を探している。  
どうして欲しいかは分かるのに、どう言っていいかが分からない。  
それがよく分かるアルトリウスは、いたずらに彼女を翻弄させている。  
彼女から少し頭を離すと、彼女を再度自身の上に座らせる。  
アルトリウスの割れた腹筋が、直に彼女自身に触れ、キアランは小さく震える。  
彼女の仕草が可愛くて、飢えた肉食獣の目の前で震える子鹿のようだと、アルトリウスの本能が震える。  
目の前で小さく上下する胸に、アルトリウスは再度触れる。  
アルトリウスは優しく触れただけだが、その力が強かったのか、彼女は僅かに目をしかめた。  
アルトリウスはそのまま、彼女の胸を掴んだまま自身に引き寄せた。  
痛みを伴った彼女は小さな悲鳴を上げたが、アルトリウスには聞こえない。  
「はは、マジでお前の方が大きいかも」  
彼女の胸を自身の胸に押し付けて、その大きさを見ていた。  
自身が吸い付いて膨らませたとも思える、彼女の乳首を自身の乳首にあてがい、いたずらにこすりつける。  
彼女からも、自身からも、熱い吐息が溢れる。だが、彼女の方が呼吸が速い。  
「もう、もう、だめ…」  
彼女の声も切れ切れに、キアランは何とか声を言葉にした。  
「下着を…取りたい…」  
声も切れ切れに、ようやく訴えたのが、それだけである。  
アルトリウスは熱いため息を深く吐いたが、彼女から両手を離して、彼女を自由にした。  
キアランはそのまま立ち上がり、アルトリウスの腹に跨ったまま、自身の下着を取った。  
そんな行為、ほぼ女性というか、男性でもそんな豪快とも言える所作などしない。  
そこが、キアランのこういった情事に疎い所だと思うが、目の前で彼女の秘所を見せ付けられたアルトリウスは、  
ゴクリと喉を鳴らした。  
 
「きゃぁっ」  
彼女の小さな悲鳴が聞こえたかと思うと、彼女の重心は大きく後方に倒れた。  
頭を打つことは免れた。アルトリウスの大きな手のひらが、彼女の頭を支えたからだ。  
だが、次の瞬間、彼女の背は床に押し付けられていた。  
背中が冷たくないのは、今しがたまでアルトリウスが尻に敷いていた座布団があるからだ。  
彼女の目の前に、アルトリウスの視線が映る。  
その視線は、キアランとは合わさらない。  
その視線は、もっとずっと下にあった。  
その視線の先がどこなのかが分かった時、彼女は小さく声を上げて、その場所を隠そうと、自身の股を閉じたが、  
強い力でこじ開けられ、大きく開かされてしまった。  
両足をそれぞれアルトリウスに捉われ、潰れた蛙のように、自身を晒すキアラン。  
顔を真っ赤にしながらも、自身が喜びに震えるのを覚える。  
だらしなく、自身がよだれを垂らす感覚を、抑える事が出来ない。  
「処女だ」  
アルトリウスの低い声が、火照ったキアランの脳に響く。  
「当たり前でしょ」  
キアランは顔を真っ赤にしながらも、当たり前の言葉を返した。  
だが、アルトリウスには違っていたようだ。  
「もし、処女でなかったら、貴様を殺していた」  
およそ、情事に似合う言葉とは言えぬ言葉。  
その言葉どおりに、アルトリウスの腕が、キアランの首を捉えた。  
「穢れた身で四騎士を名乗るなど…。ましてや、俺の前で汚いマ××を晒すなどと、身の程を知れと…な…」  
彼の低い声と供に、僅かに絞まる彼女の喉奥。  
アルトリウスの強い視線は、彼女を真っ直ぐと見下ろしている。  
 
彼が発した言葉は聞くには恐ろしいモノだが、聞こえたキアランには、違っていたようだ。  
アルトリウスの強い視線を心地よく受けながら、彼女は声を上ずらせて言った。  
「光栄です。アルトリウス様」  
その声は、いつもの、今までのキアランだった。  
強さだけではない。小人の身、女性の身であっても、王より勇ましさと潔さを買われ四騎士となった、彼女の声。  
彼女もまた、情事に似合わぬ声だ。  
迷い無く、真っ直ぐの視線でもって、アルトリウスを見上げる。  
アルトリウスはその視線に目を細めた。  
「俺も、光栄だ。王の刃とこうして、刃ではなく、身を交えることができるのだからな」  
彼が見つめるキアランの、真っ直ぐな瞳から、彼女の身と心を表すかのような、澄んだ涙が一筋落ちた。  
「ありがとうございます。アルトリウス様…」  
震える声でそうつぶやく彼女を真っ直ぐに見下ろして、アルトリウスは彼女の首から手を離してその手のひらで  
彼女の頬を触った。  
「様なんて、いらない。もう、俺とお前の間に、差別などないのだから…」  
アルトリウスは彼女の頬を両手で包みながら、光る彼女の瞳にキスをし、その唇で彼女の涙を拭った。  
 
彼女が思う彼と彼が思う彼女、彼が求める彼女と彼女が求める彼に、違いはあるだろう。  
だが、おそらくは。彼の方がその思いは重いだろう。  
こうして、彼女を王の刃を組み敷いているのだから。  
 

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