「えー、ではこれより第一回ロードラン火防女女子会を始める。参加者はここ、アノール・ロンド代表の私と…」  
「(返事が無い。声が出せないようだ)」  
『…?』  
「こらこら。アナスタシア、復活後なんだから話せるだろう。卵姫、君もだ。指輪は装着済みだから安心してくれ」  
「…私の声は汚れています。お聞かせする訳には…」  
「私一人に話させる気か?それに、君の声が汚れているなら、私達も同じということになるが」  
「す、すみません…」  
『あまり固いのは抜きにしましょうよ。せっかく集まったんだし』  
「うむ。それにしても卵姫、君は出歩いて大丈夫なのか?顔色もずいぶん…相変わらず色白だが」  
『うん。従者の皆さんが人間性をいっぱい仕送りしてくれるから余裕よ。もぐもぐ』  
「さっきからもっしゃもっしゃ食べていたのはそれか?!」  
「…その樽全部ですか。すごい量ですね…」  
『そうよねぇ。どこから調達してるのかしら』  
「む。それなら我らが暗月の剣本部にも抗議文が届いていたな。アナスタシア、読んでくれ」  
「わ、私がですか…。えー…と。巨人墓場にお住まいのPN“はか☆おう”さんよりお手紙…もとい抗議文です。  
 “最近、水場の子供達が不死人に虐められてると苦情が殺到してます!このままじゃゆっくり寝られません!なんとかして下さい><”  
 …だそうです」  
『暗月警察の出番じゃない?』  
「うむ!却下だ!」  
「は、はい…。て、えぇ?!」  
「ふ…。我ら暗月の使命は復讐霊となって罪人を誅すること。つまりエスト瓶は使えんのだ。あとは…分かるな?」  
『なにそれこわい』  
 
 
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  
 
 
「ではそろそろ本題に入ろうか。議題はこれに書いてあるから、アナスタシア頼む」  
「な、何でまた私が…。えーと、“ロードラン一の巨にゅ…?!な、なんですかこれ?!」  
『“ロードラン一の巨乳は誰だ?!決定戦!”…だって。アナスタシア目悪いの?』  
「そういうことじゃなくて!こ、こんな…不潔です!女性の胸を何だと思ってるんですか!」  
 
「―――正義、だ」  
 
「そんなドヤ顔したってダメです!」  
『まあまあ、落ちついて。やっぱり一位はアノールの王女様じゃない?大きすぎるでしょアレは』  
「うむ!大きさばかりでなく、形!張り!質感!物理エンジン万歳としか言いようが無い!オーンスタイン様が羨ましい!私も謁見が許され  
 れば、太陽虫と遠眼鏡でいろんなことをハアハア!」  
「え…?」  
『うん?』  
「…ゲフンゲフン!まあ、一位はグウィネヴィア様安定だろう。さて、二位は…」  
『そこは姉さんを推したいわね。大きさでは負けるけど』  
「む?君の姉は存命なのか?たしか二度目の鐘は既に…」  
『ああ、それなら大丈夫よ。例の不死人の彼が、  
 “その邪魔なもみあげに隠れた二つの太陽をダークハンド的な意味でちゅぱちゅぱされたくなかったら道を開けろ”  
 …て言ったら姉さん、心が折れちゃったみたい』  
「それは大丈夫というのか?!」  
「良いじゃないですか、戦わずに済むのが一番です。やっぱりあの人は見かけによらず…」  
 
『で、結局鐘鳴らした後にちゅぱちゅぱされちゃってたけど』  
 
「台無しじゃないですか!旅先で何やってるんですかあの人は!」  
「まったくだ!あの新入りめ、罪人録に足しておいてやる!あの美乳にダークハンドなど、羨ま…けしからん!」  
「…え?」  
『…暗月姐、あなたまさか』  
「………ばれては仕方ない。私は同性愛者だ。笑いたくば笑うが良い」  
『まあ、私は別に気にしないけど。…あれ、でも署長さんは…』  
「グウィンドリン様が貧乳だろう無乳だろうと私は一向に構わん!むしろあの華奢な身体を抱きしめたい!かぶりつきたい!スタブしたい!  
 嗚呼!女同士なのに私はなんて…!なんて…!!暗月万歳ッ!!!」  
「(黙っておいた方が良いんでしょうか…)」  
『(夢は長い方が良いわよ)』  
 
 
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  
 
 
「すまん、取り乱した。それで三位なんだが…」  
『ねえ、アナ。あなた意外と…』  
「…すみません。私そろそろ祭祀場に」  
「卵姫!」  
『了解!」  
「ひ…、嫌あぁッ!何ですかこれ?!」  
『触手よ触手。モン娘の嗜みね。もみもみ』  
「あ…!ゃ、やめ…!」  
「どうなんだ卵姫!補正ボーナスはCか!それともDなのか!ええい片方貸さんか!」  
『ちょっとアナ…あなた着痩せにも程があるでしょ。むにむに』  
「な、何言ってひあぁんッ!」  
「この刺突カウンターへの反応…!強靭度も無いに等しいと見た!」  
「や、やめて下さい!ぁ…ッい、いい加減に…ぅ」  
『ああもうこれ完全にアレね。例の彼に揉まれてるわね、日常的に。くりくり』  
「なん、だと。アナスタシア!どうなんだ!エスト瓶の強化もせずに何の強化をしていたんだ!正直に言わんか!」  
「し、してません!そんなこと…。あ!も、もうやめ…!」  
「貴様…。私の技量45(テク的な意味で)のエストック(中指的な意味で)でスタブ(性的な意味で)を食らっても同じ事が言えるのか」  
『私の触手は108本まであるわよ』  
「…」  
「暗月エンチャ(媚薬的な  
 
「い、一回だけ…」  
 
「…」  
『…』  
「い、言ったんだからもう放して下さい…!」  
「イッたから放せとか貴様ふざけているのか!この裏切り者がッ!先行白がッ!!杖蠅がッ!!!卵姫!触手だ!触手を持てい!」  
『あなたはわたしをおこらせたわ』  
「いやあぁ?!ま、待って下さい!あなたさっき同性愛者だって…!」  
「ククク…!知らんのか?パリングダガーはカリム騎士の象徴であり、両刀使いの象徴でもあるのだ!」  
『なんか今、金ピカ騎士の怒声と胡散臭い教戒師の笑い声が聞こえた気がするけど、その前にこの抜け駆け女を脱がすのが先決ね』  
「やめて下さい!やめ…!脱がすのだけは…!」  
「ええい往生際の悪い!それともなんだ見られて恥ずかしい痕でもあるのか何か着けてはならないモノでも着けてるのかああん?!」  
『もうめんどくさいわね。酸使って溶かすわ』  
「いやああぁぁッ!!」  
 
 
「貴様ら余所でやらんかぁ―――ッ!!!」  
 
 
 
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  
 
 
「ええ、もう散々でした。グウィンドリン様が帰ってこなかったら危なかったです…。あ、エスト瓶ですか?え、違う?ではいったい何の用  
 ですか?…怒ってなんていませんが。怒っていませんとも。…使命の為に戦っているのかと思えば、旅先で何をやっているんですか貴方は。  
 …言い訳してもダメです!いいですか、女性の胸というのは神聖な…。…て、どこ見てるんですか?!」  
 

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