またまたまた女主人公とレアものです。伝道者との絡みとかすっ飛ばしてますが最初からそんな事実はなかったとか
不思議な力で元通りになったとか、そんな感じです。
百合注意、前半部分全く台詞無し、短いです
手と手が触れ合う。瞳は互いの瞳を映している。どちらからともなく瞳を閉じ、心で相手を感じ取る。
彼女が差し出した唇をレアは静かに受け入れた。掌から、口唇から熱が伝わりあう。少しずつ同じになっていく。
長く、永く、感じ合いたい。
風吹けば火は燃え上がるか、消え去ってしまうか。
彼女達は風と火種で在りたかった。
何時までも消えないように、二人共に在る時は燃え盛り、二人別たれた時は風となって再び巡り合える様に。
教会の祭壇の前、祈り捧げるべき領域で二人は重なり合っていた。
レアが合わせた掌に力を込めた。一層熱が伝わってくる。
彼女はそれに答え唇を離した。瞼を開けた彼女の瞳に涙で目を潤ませたレアが映る。
彼女はレアに微笑みかけ、今度はその口を開き、同じ様に待っているレアに口付けをした。
舌は絡まりあい、唾液を啜り合う。愛しき者を己の体内へと取り込もうとする。
口は選ぶ。言葉を選び、食を選び、人を選ぶ。
口は触れ難き場所であり、そこを許すという事は聖女であるレアにとってどれ程の事であるか。
レアは貪り続けた。自分より背の高い彼女を見上げながら、必死になって舌を伸ばしていた。
先に口を離したのは彼女であった。
名残惜しそうにレアは離れていく彼女の顔を見つめている。
彼女は腕をレアの肩に回し力強く引き寄せた。レアの頭を撫で、己の胸であやすように抱き留める。
自分より豊かな小山に顔を埋めながら、レアも彼女を抱き締め己の気持ちを彼女に伝えた。
このまま眠ってしまえば夢の世界へ行けるのではないか。
そんな事をレアが考えていると、彼女はレアの頤を持ち上げた。
喜びで零れた涙を、剣を握り続けてきた指先で拭い、頬を摘み上げ笑顔を模らせる。
恥ずかしさから慌てて彼女の指から離したその顔に、心からの笑みを感じ取れた。
夢は何時かは覚める。此処にある現実が幸せであるのにこれ以上の夢など存在しない。
自分が何かを成した訳ではない。地の底で泣きながら祈っていただけだ。
自分を信じず、自分を信じられるだけの事もして来ず、自分の為に命を落とした友の事を祈りながら、その実誰かの救いだけを望んでいたのだ。
そんな私をこの人は受け入れてくれた。私に会えて良かったと言ってくれた。
この運命を齎してくれた神に感謝したい、それを口にすることを彼女は良く思っていなかった。
神は助けてくれない、貴女を助けたのは人間だと。
本音は神に対する嫉妬であった。レアは彼女の気持ちを分かっていた。その後、強く求めてくれていたから。
だから、時々わざとその言葉を口にしていた。
二人は体を離した後、再び見つめ合っていた。気持ちを確かめ合う。
それは愛。どちらにとっても必要なもの、誰にも奪われたくないもの、何者にも侵されたくないもの。
それは壊れる、人は弱い故に。だから何度も確かめ合う。様々な手段で確かめる。
レアは彼女の胸へおずおずと手を伸ばした。彼女がそれを止める気配はない。
柔らかな小山の中へ指が沈んでいく。指先の力を抜けばすぐに元に戻ろうとする張りの良さ。
胸を触りながらもじもじとしていたが、意を決しある一点へと指を走らせた。
彼女の山の頂は固くなっていた。僅かに引っ掻いてみると、彼女は少し驚いたような声を出したがやはり止める事はしない。
それの弾力や触り心地の良さ、そして彼女の気持ちを知ることが出来たのが嬉しくて何度も押し潰し、こね回す。
ますます固く張り出してくる彼女が愛おしい。レアも自身の奥が熱くなっていくのを感じていた
自分ばかりじゃない、この人にももっと私を感じて欲しい。レアは彼女の手首を自らの胸へと導いた。何をして欲しいかは聞くものではない。
普段は見せないその様子を自分だけに見せてくれる事が、彼女の中でレアを更に大きな存在とした。
やや小振りではあるが不足無いその丘を掌全体で包み込み、中心で小さな頂をこね回しながら揉みしだいていく。
思わず彼女から手を離してその腕を掴み抵抗の素振りを見せるが、力は全く入っておらずそれがレアの本心を示していた。
彼女はレアを抱きかかえ、優しく床へと降ろしていく。
上衣の下へ指を入り込ませ、下着ごと捲り上げてレアの素肌を露にすると桃色の頂を口に含んだ。
目を瞑り無心となって吸い立てる。空いている指でレアの秘所の入り口を撫で、確かな湿りに口元を緩ませた。
顔を真っ赤にして、息も段々と荒くなってきているレアの眼前へ、彼女は自分の胸を曝け出した。
禁断の果実のような蠱惑を感じながらレアはそれに口を付けた。
まるで赤ん坊のように一心不乱にむしゃぶりつく。彼女はその様子を見て、微笑みながら頭を撫でた。
ちゅぱ、という音を残し彼女はレアの口から身を離すと今度は彼女がレアの手を自身へと導いた。
触れさせられた彼女の秘所は触っているほうが恥ずかしくなるほど濡れそぼっていた。
彼女はレアの手を離し床に尻をつけると、両脚を大きく開きレアに自分自身を良く見えるようにする。
初めて見るわけではない、それなのに胸の鼓動の早まりは止まる事を知らない。
彼女の入り口へ指を差し入れると、ぬるりと奥へ沈んでいく。彼女の中の暖かさを感じながら、ゆっくりと指を折り曲げて引いた。
体が軽く仰け反り、そこが弱いところであることを確かめさせる。
この人が自分の指の為すがままになっている、その事がレアの無意識の欲望を満たしていった。
指を引き抜き、先端に付いた彼女の愛液を舐め取り、それに濡れた唇を彼女の秘所へと近づける。
尻を高く上げ、夢中になって女の股を舐め続ける聖女。神が見たらなんと思うであろうか。
顔を上げ、蕩けた彼女の顔を見て、レアも同じ様に脚を広げ物欲しげにひくつく其処を曝け出す。
彼女とレアは互いの脚を絡ませ、互いの女を擦り合わせた。二人同時に高まって行く、二人が一体になっていく。
棄てられた教会の聖堂に、嬌声と肉がぶつかる音が響いていた。
二人は火継ぎの祭祀場へと降り立っていた。以前レアはこの場所は賑やかで苦手だと言っていた。
「…もう、誰も居なくなったわ」
彼女の言葉は寂しさを感じさせるものであった。
「ここにあの人が居て、上にラレンティウスがいて…そうそう、ここでレアと初めて話したんだよね」
改めて此処へ私を連れてきた理由はなんだろうか、普段の彼女とは違う雰囲気にレアは不安を感じていた。
「ここにはグリッグスが居て…うん、まぁ何と言うかな」
「………」
「前に言ってたね、ここは人が多いから苦手だって。…うん、皆ここに居たんだ。でも、皆居なくなった。私さ、皆が居た時は楽しかったんだよ。
あそこから出た時は、話し合える人と出会えるなんて考えてなかったから。」
その言葉は針のようにレアの心に刺さり、自分が愚かであった事を思い知らされる。
彼女とレアは不死である、死して蘇る人ならざる者。
だが彼女とレアでは境遇が違い過ぎていた。ただ一人、死ぬ事も出来ず永い間囚われていた過去を持った彼女。
彼女の気持ちを考えず、一人で居たいと言った事が酷く我侭だったように思えた。
「…えと、火を継げば不死の呪いが消えるらしいんだ。いきなり火を継ぐって言われても何のことか分からないよね、私も良く分かってないし」
あははと笑う。まるで砂の様に乾いていて風に吹かれて消えそうな笑いであった。
「不死の呪いが消えればここに居る必要もないし、私が居なくても大丈夫だよね」
「………えっ?」
何を言っているのだろうか。彼女が此処にいる理由は、不死として何かしらの使命を果たすためであることは知っていた。
彼女自身、その使命が何であるか良く分かっていないと言っていた。それが分かったという事なのか。
「私は今から神様を殺しに行く。火を継ぐというのはそういう事。…だから、多分戻ってこれない」
「…仰る事が分かりません。何故貴女が、それに戻ってこれないって…冗談、ですよね?私…私を、一人に…するのですか…?」
「呪いが解ければ故郷に帰れる、待ってくれている人が居るはず。だから、一人じゃないさ」
「家族なんて、私を待っていてくれてるはずありません…。そ、それに、貴女はどうなんですか!?」
「…私を知っている人はもう居ないはず。家族も、友達も。それにここまで来れたのは私だけ。だから、私がやらなくちゃいけない」
「だったら私も…!」
「レア、レアには普通に生きていて欲しい」
幸せになってほしいとは言わないのは彼女の意地であった。
尚食い下がるレアを抱きしめ、泣きじゃくるレアに気付かれぬように腹を打つ。
「ごめん…」
気を失ったレアをそっと寝かせると、羽織っていた外套を掛けてやる。
「これだけ貰っていくわ…。今までありがとう、レア」
レアの首に掛けられていたペンダントを握り締め、彼女はフラムトの方へ歩いて行った。