どれだけの間二人で泣いていただろうか
格子を隔てて向かい合い、手を握り合って泣いていた
しかし、いつまでも泣いてはいられない
まずは身体を拭きたいのだが…今の酷い格好では到底動けない
途方に暮れていると、背後に人の気配を感じたので慌てて振り返った
「おやおや、これは……」
「…! ペ、ペトルス殿…」
引き裂かれた衣服で胸を隠しながら気配の主の名前を呼んだ
私と同じ白教の僧侶、奇跡に関する造詣も深く私も何度か世話になったお方だ
「いったい如何されました、そのような格好で嘆かわしい…」
驚いた表情をして近づいてくる
そうだ、彼ならば、神に仕える身である彼ならば助けになってくれるかもしれない
「……っ、それがっ…あの、あいつが!ロートレクが!」
服を掴んだ手を握りしめながらあの痴れ者の名を搾り出す
「ふむ、ロートレク殿が?」
彼は私の前にしゃがみ込み目線をあわせてくる
「ペトルス殿っ!あの男は危険です!得体の知らない力で人間性を奪います!
私も、それで……っ!あいつに……っ」
訴えながら、また涙が零れてくる
「左様ですか、分かりました。皆まで言わずとも良いのです。お辛かったでしょう」
柔和な笑みを浮かべながら、両手で肩を叩いてくれた
ああ、来てくれたのが彼でよかった…
「クク…」
「…?ペトルス殿……?」
気のせいだろうか、わずかに笑い声が聞こえた気がする
「……あの?」
顔色を伺うが、彼は俯いていて表情を見ることは出来ない
肩に置かれた手に力が込められてきた
「これは傑作だ!確かにロートレク殿の仰った通りだ!」
「―――っ!?」
信じられない声を聞いたと同時に、私は両肩を抑えられ地面に叩きつけられた
彼は今、何と?
背中の痛みを覚えながら、頭上にある彼の顔を見つめる
今まで見た事のないような下卑た表情で私を見下ろしていた
「な……何、を…」
「簡単な事です、彼が教えてくださったんですよ
火防女の前に行けば人間性が尽きかけて、唯の娘に成り下がった騎士様に会えるとね!」
笑いながら私の衣服を掴んで引き千切った
あまりの出来事に頭がついていかず、抵抗しなければいけないと気づくまで時間がかかってしまった
気づいた時には布切れと化した衣服で両手を纏められていた
「やめっ……!」
ガントレットを外した手で乳房を揉みしだかれる
「どうしてっ…!貴方は神に仕える……っ!」
「神ですか…えぇ、感謝していますとも。この呪われた地で、こんな機会を与えてくださったのですから!」
「そん…な……っは、ああっ」
そう言うと顔を胸にうずめ口づけた
「ひゃっ……ぅ、あ、やめ…んふぅ…」
生暖かい粘膜が這い回る感覚に肌が粟立つ
舌先が乳首を掠め、吐息に高い声が混じる
「んっ…こんなっ……あっ!や、やめっ……!」
尖らせた舌で乳首を何度も弾かれ、嫌悪しか感じないはずなのに声は止まりそうにない
ねっとりと舐め上げ、吸い上げ、音を立ててしゃぶられる
「ふぁっ……んっ……ぅ……ひぅっ!」
なんとか耐えようと歯を食いしばるが、不意に噛みつかれすぐに悲鳴を上げてしまった
私の両足の間に身体をねじこみ、覆いかぶさるようにしながら全身に触れてくる
さらに私の身体を貪ろうと一層密着してきた時に下腹部に熱を持った怒張が触れるのを感じた
結局はこの男も、ロートレクと同じく己の欲の侭に他人を踏みにじる最低の人種だったのか
そして今、私はそんな男にまたも蹂躙されている。悔しさで視界が滲む
「もう……やだ…やめて……」
下衣をずらして肉棒を露出させるのが見えた
先の痛みと屈辱が頭をよぎり、目を閉じて懇願したがやはり聞き届けられる様子は無かった
「……いや…」
それでもうわ言のように拒絶し続ける。秘裂に肉棒が触れる。身体が強張る
「お願い……助けてっ…神様……」
思わず神の名を呼ぶ。もうそれくらいしか頼れるものが無い
「クク…この期に及んで神に縋るとは…」
ペトルスは黒い笑みを浮かべながらあざ笑うと、秘裂の上の突起に肉棒をこすりつけた
「あっ!?……ん、やっ…はぁっ」
全身に痺れが走り、背筋が跳ねる
両手の自由を奪われ、口を押さえることも出来ずに声を上げ続ける私の様子を楽しむかのように
膣口を軽く突いては突起を撫で上げる行為を繰り返した
「んっ…やぁっ……」
痛みに備えて身構えていたため、思わず与えられる感覚に必要以上の反応をしてしまう
やがて僅かに水音が響き始め、擦れ合う粘膜の摩擦も少なくなってくる
「良い眺めですねぇ…中々に愉しんで頂けているようで何よりですよ」
「あっ……ちがっ…そ、そんなところ、あっ、いじる…からぁっ…!」
「そろそろ…よろしいですかな?」
「んっ、何っ……!やっ、やだっ…やめ……っ」
また突起を撫で上げ、膣口を数度突いた。深さが徐々に増してくる
「やあっー―――っっっ!!!!」
突如襲った圧迫感に声にならない悲鳴を上げる
破瓜のような引き裂かれる苦痛はもう無かったが無理矢理こじ開けられて押し広げられる感覚が襲ってくる
「結構…結構、なるほど先刻まで穢れを知らなかっただけの事はありますね」
満足げに腰を動かす男が何かを言っているが、そんなことはどうでもよかった
突き上げられる度に声が漏れる。内臓全てをかき混ぜられる衝撃が走る
「っく、あっ、やっ、いっ……!」
しばらくすると、ペトルスは腰を動かしながら両手で再び身体を弄ってきた
乳房を掴み、乳首をつまみ、腰をなぞり、太ももを撫でまわす
やがてその指は下腹部へ降りてきて秘裂の上の突起に触れた
「あっ、やっ…ふぁぁっ!?」
敏感な場所を指で弾かれ全身を震わせる
親指で押しつぶし、捏ね回す。揺さ振られることによる振動も加わって次々と刺激が加わる
「ん!やっ…あっ!…なんっ……や、やぁっ…!」
体の内側を抉られる苦痛と意に反して与えられる快楽で頭がおかしくなりそうになる
「もうっ…おねがっ、あっ、やぁっ、あんっ、止めっ…ひぁっ!」
息を吐くたびに、突かれる度に溢れる悲鳴が徐々に高くなってきているのを感じた
「如何ですか?愉しんで頂けていますかな?」
「あんっ、や、あっ、やめてっ、おかしくっ、なりそうなのっ…」
次第に快感の比率が高くなってくるのが分かった。全身の力が抜けて浮遊感にも似た感触に支配されそうになる
今まで感じた事のない感覚に恐怖が混じる。これ以上の所へ行ってはいけない、と本能が警鐘を鳴らす
「おかしくなってしまえばよろしい。どうせ早かれ遅かれ、亡者になるしか無いのですから…!」
腰の動きが早くなる。痛みが和らいできた分、前後する圧迫感が響きわたる
「やだっ…あっ、いやああああっ、だめっ、何かっ、あっ、ああああああっ!!!」
上体を反らしながら全身をガクガクと痙攣させる
高い所から急に落ちたような、電撃が走るような得も言えぬ恍惚感が駆け巡る
ペトルスが短くうめき声を上げて腰を深く打ちつけた
収縮した膣で、ビクビクと跳ね回る肉棒と精液の熱さを感じた
屈辱的であるはずのこの行為でさえ心地よいと感じてしまうのが悔しかった
「……ふぁっ…」
肉棒が引き抜かれ、鼻の抜けた声をもらす
ペトルスは一度深呼吸をした後、衣服を整えはじめた
身体は自由になったが、抵抗するどころか起き上がる気にすらならなかった
「ククク…どうだ、中々のものだったろう」
寒気のするような低い声が、聞きたくもないあの笑い声が聞こえる
「これはロートレク殿…えぇ、堪能させていただきましたとも」
「クク…クククッ…貴公も中々の外道だったようだ…」
ゆっくりとこちらに近づき、横たわったままの私を見下ろした
「随分と可愛がってもらったようだなぁ…?」
「うぁっ……」
頭を足蹴にして皮肉を浴びせる
「この娘ももう用済みだな…」
右手のショーテルが光を反射して眩しかった
「クク…貴公には世話になったな…しかしもう用済みだ……」
私はここで殺されるのか。護りたい者も助けられず、陵辱され、無様に死んでいくのか
「…ゃ……め……」
諦めて瞳を閉じようとしたとき、檻の方から震える声が聞こえた
「おやめくださいっっ!!!」
少し掠れた高い声が祭祀場に木霊した
声の主はアナスタシアだった
「アナスタシ…ア……?」
「お願いですっ、もうっ…それ以上その方を傷つけるのは止めてくださいっ!!!」
両手で檻を掴み懇願する
「ほう、貴女、声が出せたのですか」
突然の叫び声にペトルスが驚く
「火防女か……クク、心配するな…すぐに貴公もこの小娘と同じ目に合わせてやるさ…」
ロートレクは驚いた様子もなく、信じられない言葉を発した
「な……っ!?」
「せいぜいあの世で二人仲良くするがいい…」
「や、やめっ……そんな事をしたら貴様、祭祀場の篝火が…!」
「そろそろ拠点を移そうと思っていた所でな…私には関係の無いことだ」
「だめ…それだけは!それだけはやめてくれ!頼む!何でもするからぁ…っ!」
ゆっくりとショーテルの刃が近づく
「いや…」
刃が喉元に触れた
「いやあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
アナスタシアが絶叫する
「――お前ら、何やって…」
背後から声が聞こえた
一同が揃ってその声の主へ視線を向ける
「いや、なんだかさっきから叫び声が聞こえたから来てみたんだ…が…」
チェインメイルを着たその男は、驚愕した表情であたりを見回す
二人の男、一人の女、女のほうは衣服をほとんど着ていない
そして今まさに命を奪われようとしている。それを火防女が泣き叫びながら見ている
何が起こったのかまったく理解できないのだろう。彼は立ち尽くしている
ああ、思い出した。彼はいつも祭祀場の隅で座っていた戦士だ
アナスタシアの叫び声が聞こえてここにやってきたのか
「ふむ…水を差されたな…まぁ良い」
ロートレクは構えていたショーテルをしまいながら戦士に語りかけた
「何…ちょっとした暇つぶしさ…この小娘と少し遊んでやっただけだ」
そう言いながらロートレクは足を退けて、私の首を掴むと乱暴に上体を起こさせた
「うっ…」
体勢を変えたせいで乳房が少し揺れた
「遊んでたって……いや、あぁ…」
戦士はうろたえた様子だったが、視線は既に私の身体に向けられている
「なかなか愉しゅうございましたよ…フフ…」
ペトルスが気味の悪い笑みを浮かべる
「そうだ…貴公も遊んでいったらどうだ」
「…な、いや、俺は、その…」
「なあ小娘、お前もそのほうが良いだろう」
ロートレクは私の頭を乱暴に撫でながらそう言った
「な……や…もう…いや…」
虚ろな瞳と声でかすかに訴える。おそらく震えていただろう
「そうか…ならばやはり用済みだな。貴様も、あの火防女もな…」
「…っ!だ、だめっ、せめて、アナスタシア、アナスタシアだけは…!」
必死で縋りつく私を冷酷な笑みを浮かべて突き飛ばした
「あぅっ…」
「クク…貴様が慰み者としてこの地に留まるのなら、あるいは生かしておく価値もあるかもしれんな?」
両手を地につき体勢を整える。見上げるとすぐそばに戦士が居た
「それでも…良い…」
声を震わせながら答える。右手をゆっくりと戦士へ向ける
「アナスタシアを生かしてくれるなら、私はどうなってもいい…
だから…好きにすればいい…好きなようにすればいい……好きに…してください」
おそるおそる差し出された戦士の手を掴み、革製の手袋を取り、指に静かに口付けた
這うような動作でさらに戦士へ近づき、下衣の止め具に手をかける
晒されたその器官は、天を仰ぐほどでは無かったが僅かに熱と硬さを帯びていた
「ん…っ、ちゅっ……」
私は瞳を閉じてそれに唇を近づける。わずかに粘膜が掠れる音がすると戦士は少し腰を引かせた
「はっ……んむぅ……ちゅるっ…」
舌を這わせる度に硬さが増していく。口に咥えると少し苦い味が広がった
「やばっ……イイ……」
戦士が私の頭に手を乗せながら呟く
「気持ちいいの…?」
両手で柄を扱き上げながら問いかける
再び咥えて鈴口に舌を這わせる。
「んっ…けほっ…」
口の中で跳ねたので少しむせてしまった。もう奥まで咥えきれないほどの大きさになっている。
「あぁ、もっと咥えて、舌をつかってしゃぶるように…」
「こう…?」
言われるままにする。咥えこんだ口腔内で溝をなぞるように舌を動かす
「ちゅっ…ちゅるっ……ん、ちゅうっ……」
吸い上げるように口を窄めて、また舌を這わせる
私の頭に置かれた手が、髪を梳いたり撫でるように上下する
時折押し付けるように力が込められる
「ちゅぷっ……ふぁ…んむぅ…」
「っく、う…もういい…」
「……ぷはっ…」
戦士が低く呻くと私の頭を肉棒から引き剥がした
促されて、膝立ちから四つ這いへと体勢を変える
腰を掴まれ、すぐに背後から熱い塊の気配を感じる
「……ん………っ!?あっ、ちょっと!…なっ!」
肉棒に入り口を押し広げられる感覚に身じろぎし、両手を突いたまま顔を上げる
そこには信じられない光景があった
檻が開いている
開いた格子の向こうには、アナスタシアとロートレク、ペトルスが居た
「ロートレク!なっ……あ、あぁっ…何っ…を…!」
ゆっくりと胎内に侵入する熱に喘ぎながら抗議する
「クク…何、始末しないとは言ったが、手を出さないとは言っていないぞ?」
そう言いながら二人は碌な抵抗もできないでいるアナスタシアの身体を弄んでいる
「………っ!……ぅ…」
ローブの上から、下から四つの掌に蹂躙され、アナスタシアは小さなうめき声を上げている
「そんなっ……あっ…やあっ…この…外道っ…!あんっ」
絶えず背後から腰を打ちつけられ、身体が揺れるので上手く喋ることができない
「まぁ、細かい事…気にするな、よっ、みんなで気持ちよくなればイイじゃねぇか」
戦士が何度も出し入れを繰り返しながら話す
「んっ!やっ……はぁっ、だめっ!や、あぁっ!」
「お前も気持ちいいんだろ?ヌルヌルじゃないか」
ロートレクがアナスタシアのローブをまくりあげるのが見えた
「貴様ッ!ロートレッ……あっ、ひゃぁっ!」
今すぐ全てを払いのけてアナスタシアを助けに行きたいのに
ぞくぞくした感覚が下腹部から巡って来て体に力が入らない
口から絶えず喘ぎ声が漏れるのが酷く情けなかった
ロートレクがアナスタシアの腰を掴み肉棒を当てがっているのが見える
「やめてっ、だめっ…あ、やだっ…あっ、あんっ!」
戦士の動きが次第に早くなっていく。比例して私の声も甲高い喘ぎ声となっていく
「んっ、あっ、やぁっ、はぁっ…そんなっ、動いちゃっ…!あ、だめっ!」
またあのときの、浮遊感にも似た快感が湧き上がってくる
「っく、もう限界だっ…出すぞ…」
「ひゃんっ、あっ、や、やらっ…だめっ、あっ…やだっ、イきたくない…あっ
あ、あああああああっっ!!!!」
二度目の絶頂を迎えて、腕の力が抜けた。
顔と胸を地面に預けると視界が朦朧としてくる
「アナス、タシア……」
視界の端でアナスタシアが陵辱されている様を虚ろな瞳で見ながら意識を手放した
「あっ!…あ、あぁっ、気持ちいい…気持ちいいのぉっ…!」
あれから何日経っただろうか。気づけば私は牢に繋がれていた
辺りに卑猥な水音が響き渡る
「んっ、あっ…らめっ…ま、またイっちゃうのぉっ…」
呂律の廻らない声ではしたなく喘ぎ続ける
「ちゅ……ぴちゃ……んちゅっ…」
隣ではアナスタシアが男の性器に舌を這わせている
私たちはここに繋がれ、気まぐれに訪れる男たちに嬲られる
「ふ……ふふ……」
全身を体液で穢され、笑みがこぼれる
しばらくして開放され、牢の中に静寂が戻る
「アナスタシア…」
名前を呼び、抱き寄せる
彼女は黙って私の胸に顔をうずめた
「大好きだよ…」
もう、彼女が居ればそれでいい
考える器官が麻痺してきた身体が出した結論
ここに居ればずっと一緒…