今でTVをテーブルの上に雑魚寝しながら見ているマオが台所にいる俺に声をかける。
「ヘイヘーイ、飯ーー」
黙れ働けモモンガ親父。
「……お皿おけない」
モモンガをつまみ上げてインが皿を並べる。
「お腹減った」
「……そう思うなら手伝うとかするべきじゃないのか、蘇芳」
「動くともっとお腹が減ると思う。合理的に考えて」
全然合理的じゃないだろう。
「………」チンチンチン
「茶碗を叩くな、ジュライ。マナー違反だ」
ピンポーン♪
「誰か来たぞー」
動けモモンガ。
「ボク出てくるよ」
動くと腹が減るんじゃないのか、蘇芳。
「知ってる。女の人……」
「アンバー……」
ドール姉弟が来客の正体を告げた。
「はぁい、ヘイ」
「お土産はフライドチキンか。どうせならクルミがよかったな」
「今度はそれも買ってくるね、お義父さん」
チキンをテーブルに置くとアンバーは俺にハグしてきた。
「昨日は激しかったね、ヘイ。忘れられないよ」
みんなの前でそういうコトを言うな。
「ヘイとくっつきすぎだ!」
「いいじゃない蘇芳。恋人同士なんだし。お兄ちゃんとられて寂しい?」
「蘇芳、寝言でヘイの名前呼ぶ」
「ジュライ!」
「それが寝不足の原因か? しょうがない、ジュライはインと一緒の部屋で寝ろ。齧歯類命令だ」
「インもヘイの名前呼ぶ」
「……今日は俺と寝ろ、ジュライ」
「ヘイ、じゃあ私は今日どこで眠ればいいの?」
「女同士だ。インと蘇芳と一緒に……」
「蹴っ飛ばされそうだから止めておくわ。今日は御飯を食べたら帰るわね」
何故だ?
今日の晩餐は妙に気まずかった。
「ヘイ、電話」
アンバーが帰った後、ジュライから黒電話を受け取る。
「あ、霧原さんですか……焼き肉? あ、はい。大丈夫です、日曜日。はい、じゃあいつもの場所で」
ガチャン
「ヘーイ、いい加減アンバーにするか公安のお嬢ちゃんにするか決めたらどーだ」
「アンバーと付き合ってるのは黒で霧原と付き合っているのは李だ」
「ヘイ、サイテー」
「……最低」
「MI6ではBK201の対価は女たらしとされている」
……酒買ってこよう。
白「……は!。夢か……」