暗い天井  
 
鼻に付く雄と雌の香り  
 
そして僅かに香る酒気の匂い  
 
「ん………黒?」  
起きたら自分の隣にいた筈の存在がいない。  
少し心配したが、彼はいた。  
いつものように酒を呷っている。  
「またそんなの飲んで………お酒止めたら?」  
「うるさい………」  
蘇芳の額を軽く小突く  
当然痛くない。それよりも胸がとても暖かくなる。  
ふと、太股に違和感を感じる。  
白濁液が溢れ出てきている。  
「あっ…………拭かないと……」  
ペタン  
「……あれ?」  
もう一度立とうとするがその場に座り込んだままである。  
「………どうした?」  
「立てない。」  
「…………やはり腰周りの強化は必要だな」  
クックッと黒は笑う。  
「見てないで手を貸してよ……」  
頬を膨らまして抗議する。  
黒はティッシュに手伸ばすが………  
 
「あっ……やっぱりいい」  
 
「…………拭け」  
この少女は何を言っているのだ?と思いながらティッシュ箱を投げる。  
「ううん、それよりもお風呂に入って洗い流す。」  
少女の体は汗塗れだ。  
確かに洗ったほうが良いかもしれない。  
「ん!!」  
蘇芳は黒に手を突き出す。  
「…………何している?」  
「だから抱っこして運んでよ。腰が抜けているだよ?」  
「………わかった。」  
まぁ、腰を抜かさせた原因は自分にある。  
 
「一緒に入ったら?汗臭いよ。」  
追っ手と戦う日々に対して風呂に入る機会は少ない。  
というか入る機会がない。入れる時に入るべきである。  
少々、絶句しながらも彼女と風呂場へと入る。  
黒は蘇芳を椅子に座らせて、先にシャワーをさっと浴びて湯船に漬かる。  
「ちゃんと洗いなよ……」  
「いらん」  
せめてシャンプーをしろと言っても彼は聞かない。  
諦めた蘇芳は自分の髪をシャンプーとリンスで洗い、次に体を洗い始める。  
ボディーソープで腕から胸へ、そして足を洗う。  
秘所にシャワーを当てると、その水圧から僅かに感じて背中が震えていく。  
少し下腹部に手を添えて圧力を加える。  
「ん…………」  
するとコポリと白と赤の混じった液体が溢れ出る。  
指で少し掬い取り、それを眺める。  
「これが……」  
それをシャワーで洗い流し、もう一度シャワーを浴びると湯船にいる黒へと視線を向ける。  
「出るのか?」  
首を横に振るう。  
湯船を指差す。つまり湯船に入りたいのだ。  
自分で動かないのは、まだ腰が抜けているからである。  
「お前を入れたら俺は出る。風呂場から出たくなったら呼べ」  
「そのままでいいよ。」  
またもや彼は絶句する。  
「誘っているのか?」  
「誘っているんだよ。」  
少女の返答に呆れる。  
なんだこの変わり様は?というか本当に蘇芳・パヴリチェンコなのか?  
追っ手の憑依系契約者の仕業なら納得できる。  
「ほら、早くしてよ。湯冷めしちゃう。」  
仕方なく黒は蘇芳を抱き抱えると、そのまま湯船に身を沈める。  
「お前……俺が嫌いじゃなかった?」  
「嫌いだよ………でも、それ以上にボクは黒の事が好き」  
その時に蘇芳の瞳の奥に見えた『憎悪』の色は『本物』だ。  
だが、それも本当に一瞬であった。直ぐさま表情を崩して抱きついてくる。  
「…………俺の歳を知っているか?」  
「知らない。それでも……好き」  
はぁ、と溜息をつく  
豆腐の角に頭でもぶつけたか?  
「気付いたんだ。契約者でも感情はある。この気持ちは嘘じゃないから……」  
俺を見上げて微笑む彼女の笑顔を見て……心臓が一際大きく飛び跳ねる。  
昔……俺が愛した裏切り者の女と同じ笑顔だった。  
「勝手にしろ……」  
「うん、勝手にする。」  
と、徐に浴槽で立ち上がる。  
腰は治ったようだ。  
だが蘇芳が立ち上がったことで黒の目線の位置から丁度、秘所が目の前にある。  
「…………見えているぞ」  
「さっきも言ったよね?誘っているって…………」  
秘所を広げて挑発する。  
そこからはお湯以外の液体によって濡れている。  
とても先程、純潔を失った者の行動とは思えない。  
「…………もう一回しよ?」  
媚薬のような少女の甘い呟き  
 
 
手を蘇芳の太股へと触る。  
ピクリと感じる蘇芳を傍目に手は太股を擽りながら上へ上へと持って行く。  
辿り着くは、少女の秘所  
黒は中指と人差し指をゆっくりと秘所へ差込む  
ネチャ、とした水気と蠢く膣内  
入ってきた異物をきつく締め上げる。  
「ん……」  
指は波打つように動きながら少女の膣内を掻き乱す。  
「ん……ひぃ………あ…ッ……」  
その度に溢れ出る蜜液の量は増えて黒の腕をも濡らしていく。  
快感に再び腰が砕けそうになり、黒の頭にしがみ付く。  
同時に黒は膣内の指をV時に拡げる。  
「ッ……?!!?!」  
ガクガクと足が震える。イッたのだ。  
目がチカチカして、全身に電撃が走るような快感、そして連続で襲うオルガ  
蘇芳は黒の頭を力強く抱きしめる。  
「あ…はぁッ……!」  
ふと、力が緩み、後ろへと倒れてしまうところを黒が支える。  
「勝手に一人で満足するな……」  
「わかっているよ……」  
 
対面座位の状態でゆっくりと腰を下ろす。  
濡れた秘所は抵抗なくヌルンと肉棒を咥え込む。  
そのまま、ゆっくりと奥へと進み子宮へと到達する。  
「くぅッ………!!」  
やはり、まだ幼い蘇芳の膣内では黒の肉棒は大きすぎ、子宮を圧迫させる。  
しかし心地よくもある。  
「自分で動く……」  
ゆっくりと腰を上げ、半ばで抜いたところでペタンと腰を下ろす。  
それだけの行為でも蘇芳にとっては我慢できない快楽だ。  
ゆっくりと……そしてギアを上げていく  
ヌチャヌチャとした卑猥な水音、泡立つ蜜  
どんどん早くなっていく。  
「今日からこっちで……ッ、インナーマッスルの訓練する?」  
「契約者らしく……合理的にか?」  
「……ハァ………そう……だね」  
太い肉棒が自身の内壁を擦れば擦るほど快感が増す。  
ザリッ……  
「ひうッ……?!」  
「………どうした?」  
「い、今……中で擦った場所が凄く…………感じた。」  
突然の快感に腰を止めてしまう。  
蘇芳が感じた場所はGスポット  
それを聞いた黒は今度は自分で動き出し、何度もピンポイントで擦り始める。  
「あ……ひッ?!う、うそ…!」  
快感の波が何度も押し寄せる。  
さっきからずっと膣内が軽く痙攣を起こしている。  
腰が振れない。いや、振っているが、自分の意識とは別に腰が勝手に振り始めている。  
止まらない。止めたくない。何度もそう思いながらも快楽には逆らえない。  
逆らう?どうして?こんなに気持ちい良いのに?  
身を焦がすほどの快楽なのだ。我慢なんて必要ない。  
「は……ッ・ッ…!!」  
雌としての本能に忠実に従えば良いのだ。  
蘇芳は何度も黒にキスをねだりながら一緒に腰を振るう。  
そして黒も蘇芳に応えて至る所にキスマークを残していく。  
また目がチカチカと点滅し始める。  
絶頂は近い  
それは黒も同じだ。  
ラストスパートとばかりに黒は強く腰を振るう。  
「だ、だめ…?!くる…ッ!イッちゃう……!!?」  
強くズンッ、と最奥へと突き刺すと同時に二人は果てる。  
ビクビクと痙攣する身体  
ギュッと彼を抱きしめながら中に注ぎ込まれるモノを感じていく。  
下腹部へ力を入れ、彼の全てをそこへと納めるように収縮する膣内  
今、この瞬間を……誰にも邪魔されたくない至福の時  
 
 
風呂場での交わい後、寝室へ戻る。  
寝室に戻ると蘇芳は再び黒に迫っていく。  
まだ体の火照りが収まらないのだろう。  
それは黒も同じだった。蘇芳と身体を重ねて濃厚な蜜月を過ごす。  
4度目の射精をする。  
まだ蘇芳も黒も性欲に溺れている。  
5度目に入るときに、蘇芳がある提案をした。  
「ここも……頂戴」  
自身の指で広げるのは秘所でなく  
「そこは……駄目だ。」  
本来は排泄器官として役目を果たす菊穴  
「…………どうして?」  
「そこでするには事前に準備が必要だ。まず浣腸による強制排泄を数回と菊穴の拡張、それに滑りを良くする為にローションがいる。無理やり入れたら切れて怪我してそこから雑菌が浸入して病気になるぞ。」  
「随分と詳しいんだね…………誰かとした?」  
「……」  
沈黙は肯定なり  
「うるさい」  
「きゃっ?!」  
もう一度、押し倒す。  
まだ夜はこれからだ。  
 
 
ベッドに意識を手放す少女  
 
少女の膣内の許容量を越すだけの白濁液が注ぎ込まれ溢れ出る。  
 
体中の至る所には小さな紅い痣  
 
そして自分はベッドに腰掛ながら疲労に襲われている。  
これで5回はしたのだ。  
「はぁッ……はぁッ………」  
だが随分と息が上がる早くなったと感じる。  
やはり酒か?  
かといって止められない。  
外気にでも当たりながら一服飲……  
クイッ  
服が引っ張れる。細い腕が毛布の中から伸びて……  
 
「黒、もっとボクを奪って……そして……ずっとワタシだけを見てて・・・」  
 
背筋が凍る。  
微笑む彼女の瞳には『憎悪』や『愛』の感情なんて宿していない。  
ただ淀んだ瞳が見えるだけ  
「もう一回…………しよ?」  
まだするというのか?  
既に5回も出したのだ。これ以上は流石にキツイ  
手が動かない?  
手錠?いつのまに?  
「ワタシは、まだ満足してないよ?」  
少女は笑う。  
 
まだ夜は長い。  
 
 
やっと朝だ。  
太陽が……黄色く見える。  
蘇芳は先程、達すると同時に眠りに落ちた。  
随分と幸せそうな寝顔である。  
と、一匹のモモンガが寄ってくる。  
「………随分と激しくしていたそうだな」  
「見てたのか?」  
「いや……匂いでだよ。咽るな」  
途中から数えるのも面倒になるぐらいしたのだ……臭って当然だ。  
「…………枯らされるかと思った。」  
「おいおい……」  
よく見れば彼が飲んでいるのは酒では栄養ドリンクであった。  
正直、蘇芳は底なしであった。  
「ジュライは……?」  
「別室で寝ている。まぁ、安眠妨害で眠れてないかもな」  
…………もう何も言わない  
「しかし、随分な変わりようだな?黒、媚薬でも盛ったか?」  
「するわけないだろう……」  
とういか自分も途中で追っ手の能力者の仕業かと思ったが…………アレも彼女の一面なのだろう。  
「ツンデレという奴か?」  
「どちからといえばヤンデレだろ……」  
最後の方は怖かった…………  
イニシアチブは完全に少女が握っていた。  
「………まぁ、とにかくだ。嬢ちゃんの気持ちには答えてやれよ?」  
そういってマオはどこかへ行く。  
蘇芳の……気持ち  
首を振るう。  
「…………馬鹿々々」  
俺はただ蘇芳を犯したに過ぎない。  
そこに愛なんて一切存在しないのだ。  
自身の性欲の捌け口にしただけだ。  
 
 
「黒………」  
蘇芳が起きてしまったようだ。  
裸に毛布だけを体に纏っている。  
しかし、眠いのか半眼で少しばかり船を漕いでいる。  
…………今の聞かれたか?  
少し緊張が走る。  
 
「…………お休み」  
 
蘇芳は、そっと頬へとキスしてベッドの中に再び潜る。  
結局、何も言わなかった。  
だったらそれでいい。  
俺とコイツの旅の終着は直なのだ。  
ベッドは蘇芳に明け渡して、自分はソファーにでも寝る。  
兎に角、今は眠い  
 
そう、自身の中に少しだけ燻っていた感情を誤魔化すかのように、今は惰眠を貪るだけだ。  
 
 
朝、少女の悲鳴と殴る蹴るの打撃コンボによって黒の死神と呼ばれた男は酷い目に合うのであった。  
 
 

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