「吐け!紫苑は、紫苑はどこに行った!」
研究所近くの雪原で、蘇芳は今し方“ベラ”を殺した仮面の男に拘束されていた。
「やっ!知らない…知らないってばぁ!」
FSBの襲撃、父の死、弟の失踪、よく面倒を見てくれた“ベラ”がMI6の契約者であったという事実と、その死。
衝撃的な出来事が次々と起こったことによって蘇芳の混乱は最高値に達していた。
「どうしても言わないというなら…!」
ビリビリィッ!
「ひぃっ!」
男は蘇芳の服に手をかけると容赦なく引き裂いた。
瞬く間に蘇芳は極寒の雪原で全裸に近い格好にされてしまう。
「う…うぅ…」
蘇芳は涙を流しながら自らの体を抱き締めた。
寒いから、というだけではない。
目の前の男に肌を見られたくないという理由の方が大きかった。
しかし、そんな蘇芳を見た黒の中で、それまでと違うどす黒い欲望が鎌首を持ち上げようとしていた。
すなわち、蘇芳の露出した肌を見て牡としての本能を刺激されたのである。
(そういえば、最近女に触れてなかったな…)
そんなことを考えながら、最初は口を割らせるための脅しであった行為が、徐々に違う目的に掏り替わろうとしていた。
幸い、当分人の来る気配がないことを確認すると、黒は破れた服の上に蘇芳を押し倒し、その両腕を自身の片手で拘束しつつ、もう一方の手で自らの怒張を取り出した。
「ひっ!嫌だ、嫌だぁ!本当に知らないんだってばぁ!」
男の意図を知った蘇芳は拘束されていない両足を使って懸命に抵抗する。
しかし、黒の前では無駄なことであった。
「うるさい!」
もはや黒にとって蘇芳が紫苑の行方を知っているかどうかなど二の次になっていた。
なおも抵抗を続ける蘇芳に対して、黒は死なない程度の電撃をその体に流す。
「うっ…!」
途端に蘇芳の体は打ち上げられた魚のようにビクビクッと数度震えた後、動かなくなった。
蘇芳の抵抗が止んだことを確認すると、黒は己の一物を少女の幼い膣口に押し当てる。
「い…いや…」
いよいよ自分の身に降り掛かる災厄の時を前に、蘇芳の口から絶望の声が漏れる。
蘇芳とて年頃の少女である。
普段は活発で自分の恋愛に関しては興味がないように装っていても、心の中では恋に憧れていた。
白馬の王子様、とまではいかないまでも、いつか現れるであろう想い人に自らのヴァージンを捧げたいという乙女らしい考えも持っていた。
それが見ず知らずの、しかも父とベラを殺した男に奪われるなんて悪夢としか言い様がなかった。
そして、ついにその時が訪れる。
ズッ…
「や…」
グチュゥッ!
「やあああぁぁぁ!!!」
雪原に断末魔のごとき蘇芳の悲鳴が響いた。
グチュッ グチュッ…
「やっ…やだぁ…」
悲鳴を無視するかのように開始された律動に合わせて、蘇芳の目からとめどなく涙がこぼれる。
それは処女を失った痛みによるものだけでなく、恐怖からのものでもあった。
男がつけている不気味な仮面が、人間ではない何か得体の知れないモノに犯されているような錯覚を蘇芳に与え、恐怖を助長していた。
一方、そんな蘇芳の体を気遣うこともなく、黒は腰の動きを更に激しくしていく。
(ちっ…全部入らないなんて、銀のよりも小さいな。だが、この具合の良さはアンバー以来だ…)
今までに自分が抱いた女たちのものと比べつつ、少女の道具を批評する。
幸いと言うべきか、先程の電撃で体の力が抜けたことによって蘇芳が感じる痛みは軽減され、同時に黒には極上の快感がもたらされていた。
その快感に抗うことなく身を任せていた黒に、早々に果てが訪れることは自明の理であった。
「うっ…出る」
「えっ!?」
男の短い呻きを聞いた途端、蘇芳の顔に驚愕の色が浮かぶ。
そして、頭の中で最悪の未来図が描き出された。
ここを運良く生き残ったとしても、こんな歳で妊娠なんかしたらとてもじゃないが社会の中で生きていけない…。
それを理解した瞬間、蘇芳の中で今まで感じていたものとは別格の恐怖が巻き起こってきた。
「やだっ!お願い、それだけはやめて!お願いだからぁ!」
抵抗しようにも先程の電撃の余韻で満足に体を動かすことができない蘇芳にできることといえば、涙ながらに強姦相手に懇願することくらいである。
だが、そんな悲痛な叫びにも耳を貸すことなく、黒は己の欲を発散させるためにさらに律動のペースを速めていった。
グチュッ!グジョッ!グジュッ!
「やだ!やだ!やだ!やだぁぁ!!」
蘇芳の叫びも虚しく、黒の絶頂の時はもうすぐそこまで迫っている。
そして…
「うっ…!」
ドピュドピュッ ドピュゥッ!
「うあああぁぁぁ!!!」
蘇芳の膣内に、初めて男の精が注ぎ込まれた。
「本当に知らなかったか…」
黒は気を失っている少女に向かって悪びれる様子もなく呟いた。
衝撃的な出来事に立て続けに見舞われた上、レイプとそれに伴う膣内射精がとどめとなったのか、蘇芳は黒の精を受けた直後に失神してしまっていた。
「さて、これから…!」
黒が蘇芳の体に手を伸ばそうとしたその時、研究所の方から人が向かってくる気配を感じた。
「ちっ!」
黒はいち早く身を翻すと、失神している蘇芳をそのままにして、何処かへと消えてしまった。
代わってやってきたのは、FSBと思われる武装した2人組の男たちであった。
「…おかしいな。確かに人影が見えたんだが…。ん?…おい!こっちに来てくれ!」
付近を調べていた兵士の1人が裸で横たわる蘇芳を発見し、もう1人の仲間に呼び掛ける。
「これはパブリチェンコ博士の…!すぐに本部に連絡を…」
「待て!」
本部に連絡しようとする兵士を制し、もう1人が蘇芳に近寄ってその脈を測る。
そして、生きていることを確認すると、ニタリと下卑た笑みを浮かべて仲間に振り返った。
「その前に応急手当が必要だ。体が冷えているから、早急に暖めないとな」
その意図を理解したのか、もう1人の兵士もゴクリと喉を鳴らしつつ下卑た笑みを浮かべる。
「…あぁ、そうだな。早急に体を暖めてあげないといけないな」
そうして、2人の男たちは未だ気を失っている蘇芳に覆い被さってきた。
蘇芳の漆黒の夢はまだ始まったばかりである…。