狭く小汚い部屋に、ベッドの軋む音だけが響いていた。
目の前には、目をギラつかせて私に多いかぶさる男が一人。
白い舌で私の首筋をねっとりと舐め、胸を触り、そして下肢へ手をのばす。
どの男も必ず行う手順。
繰り返されるその行為に、体はもう慣れきってしまっていた。
「…っ…!!」
ごつい骨張った手が下着の中に滑り込み、濡れてもいない其処に強引に指をねじ込んでくる。
引き裂かれそうな痛みに、思わず体がびくん、と跳ねた。
──慣れたとはいっても、其処への愛撫だけは今だに受け入れることができない。
快楽とは真逆の苦痛。
吐き気さえした。
濡れる、だなんて到底無理な話だった。
痛みで顔を歪めた私を見て、男は口元をつり上げさらに指を増やしていく。
バラバラに動く指。
熱を持ったような痛みは、いつのまにか麻痺していった。