僕達の出会いは突然の事だった
僕の世界、いや人生が変わる夜、サーカスのチケットを盗んだあの女の子
チケットをあげたら消えてしまった女の子
その女の子がいきなり列車の屋根に現れてサーカス団長の自爆から救ってもらった事は今でも覚えている
思い出が走馬灯の様に駆け巡る
というがこれは走馬灯なのか?
それは分からない
しかし分かる事があったりもする
グリフォンが倒れている
その前に僕はいる
ありえない
僕がグリフォン大帝を倒すなんて
信じられない
僕は今信じられない事ばかり思っているが信じられる事もある
それは僕はモニカにもたれ掛かっているということ
そして
僕のわき腹から血が湧き出ているということだけ
「ちょっと!大丈夫なの?」
モニカが心配してきた
「ははは、多分」
かすれた声で言った
「多分じゃないわよ!さっさとこんなとこを出てるよ!」
モニカは言いながら僕をおぶってくれた
「ちょっ、大丈夫だって、自分で歩けるよ」
力の無い声で言った
「大丈夫じゃないでしょ!」
怒鳴られた
僕は情けなくモニカにおぶられ部屋を後にした
僕達の関係はパーム鉱山で再開した時からおかしくなっていたんだ
何故だか分からないけどモニカの顔を見ると心臓がドキドキする
そして僕は心臓がドキドキする度に顔を反らす
そんな事をしている日々が続いた
ある日、僕はメンテナンスショップにいる所をモニカに呼ばれた
「ちょっとこっち来て!」
僕は真っ赤にした顔を隠しながらモニカの手に牽かれてメンテナンスショップの裏口に来た
「どうしたの?」
僕は目を反らして言った
「どうしたの?じゃないわよ!」
モニカが顔を近づけて無理矢理、僕の目を自分の目線に合わした
「えっ!えっ?」
僕は戸惑った
「ねぇ!私の事どう思ってる!」
モニカはいきなり聞いてきた
僕は予想外の質問に無意識に「はぃ?」と答えていた
「あっ!いきなりじゃあ分からないよね、いやね、最近ユリスってば私と話しする時に目を反らしてばかりじゃない!だーかーらなんで目を反らすのかを聞きにわざわざ来たの」
モニカも顔を真っ赤にしている
「ねぇ!どうなの?」
モニカがごり押しするでも顔は真っ赤のままだ
「あーえっとねー」
僕は焦らす
「あーもう!焦れったいわね、男ならハキハキとして言いなさいよ!」
「ハキハキしてないのは自分じゃないか!」と僕は思った
「あれは・・・・て言う事なんだよ」
僕は自分の気持ちを伝えた。
少し間をおいてモニカの顔がさらに赤く染まっている事が分かった。
「・・・・・その言葉に嘘はない・・・・よね?」
モニカが下を向きながら言った。
「うっ・・・うん!」
僕は胸を張って言言った。
「少し考えさせて・・・・」
モニカは言い終わると一人路地から出ていった。