バームブリンクスの住宅街にある豪邸の一室に、ユリスとルネがいた。
モニカと海にいく予定だったユリスはルネに水着をつくってほしいとお願いしていたのだ。
二人は完成した水着の試着をしている最中だった。
「どうですか?サイズは合ってますか?デザインも気に入らなければ作り直しますが。」
自分が履いているヒョウ柄の水着をみながらユリスが返す。
「ううん。とっても気に入ったよ。ありがと、ルネさん。・・・だけどこれは何?」
テーブルの上に置かれたヒョウ柄のブーツと猫耳、首輪に目をやりながら言った。
「これは必要なものです、絶対つけてください。」
「え・・・でもこんな物つくたら邪魔にな」
「いいえ。つけてください。」
異様に威圧感があるルネの言葉に押され、しぶしぶユリスは着用した。
「・・・」
ルネは無表情に頷いているが、なにやら満足気だ。
「???」
ユリスはよく分かっていないようだ。
実はこの猫耳や首輪はルネが自分からデザインしたのではなかった。
ユリスからルネに水着を作ってもらうという話を聞きひそかにルネにデザインを書いた紙を渡していた。
ルネもユリスのそんな格好を見たいという思いもあったのであっさりとOKを出され、今にいたる。
それから数日たち、ユリスとモニカはベニーティオの海岸にやってきていた。
前にきた時は起源点復活の旅できていたため、遊び所ではなく、ユリスは海で遊ぶのは初めてだ。
二人はおそろいのヒョウ柄の水着を着ていた。普通、水着に反応するのは男性の方だが、この場合は少し違った。
ユリスもモニカの水着が気にならないわけではなかったが、それ以上にモニカはユリスに見とれていた。
「?どうしたの?モニカ。はやくいこうよ〜。」
「え?・・・あ、うん。今いくわ。」
しばらく二人で海を泳いでいたが、それから少しして、モニカは浜に休んでいる。
「モニカ、あの岩まで競争しない?」
「うーん・・・ちょっと疲れたからもう少し休んでおくわ。」
「そう・・・分かった。」
不満そうに顔を曇らせるが、こればっかりがどうしようもない。
一人で泳ぐのにも飽きてきたユリスだが、モニカはまったく暇ではなかった。
むしろ楽しいと言うほうが正しかった。休憩したのもユリスをじっくり観察するための意味合いの方が大きかった。
好きなものなら見ていて飽きないのも当然かもしれない。このまま普通に時間がすぎればユリスが上がるまでずっと見ていただろう。
「?」
ユリスをじっとみていたモニカだが、少し変なことに気付く。
さっきからユリスが浮き沈みを繰り返している。少し遠いから分かりにくいが表情も苦しそうだ。
「・・・まさか!ユリスっ!」
大声を出すとともに海の中に飛び込んだ。
うかつだった。
海に入るのはユリスは初めてなのだから、知らずに底が深い場所にいってしまっても不思議ではない。
普段よりもの速度でモニカは泳ぎ、あっという間にユリスのところまでいく。
「ユリス!!」
「モニ・・・助けて・・・」
なんとかユリスを捕らえたものの、すでにユリスは気を失っていた。
浜辺についてからも、ユリスは目を覚まさない。
「(水をかなり飲んでるみたい・・・)」
あまりの緊急事態にあわてるモニカだが、とりあえずの緊急措置を試みる。
「じ・・・人工呼吸しなきゃ・・・」
気を失ってるユリスにゆっくりと唇を重ねる。
その時、モニカに衝撃がはしる。ユリスの唇に触れた瞬間に理性が消し飛んだ。
モニカはユリスが気を失っているということも忘れて、舌でユリスの口の中をかきまぜはじめ、
モニカとユリスの口の中でまざりあった唾液がどろどろと流れていく。
モニカの頭の中までも今にでもどろどろにとろけそうになっていた。
「(・・・?)」
「(あれ・・・海で・・・おぼれて・・・モニカがきてくれて・・・)」
「(・・・息苦しい・・・それになんだか・・・気持ちいい・・・?)」
そこまで考えてはっと意識が戻る。目の前にはモニカの顔があり、自分とキスをしていた。
「ーーーー!−−−−!ぶはっ!」
再び意識を失う寸前でモニカが口を放す。
「・・・モニカ・・・?」
荒く息をつきながら、ユリスがやっとのことで口を開く。
しかし次の瞬間には再び口をうばわれ、こんどは舌を強く吸われ、思わず甘い声が漏れる。
「あぅ・・・はぁん・・・」
ユリスの瞳が快感で焦点があっていない。
ふたたび唇が離れ、口の端にどちらのともつかない糸を引きながらモニカは言った。
「あんないやらしい声出して・・・ホントはユリスも、こんなHなことされるのが好きなんでしょ?」
続く。