ダーククロニクル  

 『ユリス、刻の流れるままに』−始まりの日−  

 ユリスがパームブリンクスの町を走る。教会の前を曲がり、つり橋を渡れば後は  
直線を残すのみ。  
 『はっ、はっ、はっ!! 』  
 そろそろ足が重くなる、息も上がる、だが遠くにユリスはパッカー保安官と  
モニカを認めて最後の力を振り絞る。ゴールまであと50m…30m…10m…  
 「ゴール!!」  
 ユリスは転がり込むようにして警察署前に駆け込んだ。  
 「はあっ!!…はあっ!!…」  
 四つん這いになったユリスは首だけ振り向けて、ストップウォッチを持って立つ  
パッカー保安官を見上げた。  
 パッカー保安官は手元のストップウォッチを見てニヤリと笑って言う。  
 「2分15秒…ふふん、また明日挑戦だな」  
 パッカーはすたすたと警察署に戻って行った。ユリスはがっくりと崩れ落ち、  
モニカは肩をすくめて天を仰いだ。  
 「ユリス〜!もうこれで5日目よ!! 」  
 モニカが腰に手を当ててユリスを問い詰める。ユリスは地面を見ながら  
たどたどしく言い訳を試みる。  
 「ご…ごめん、モニカ…でもぼく、外で走るの苦手で…ホントにごめん」  
 ユリスは『世界を救う』なんて言ったもののこんな近所で足踏みしてる自分が  
情けなく、こっそり出た涙が両目からじんわりでて、ぷちぷちと地面に落ちて  
吸い込まれた。  
  
モニカはそんな路上にしゃがんだままのユリスを慰めるように言った。  
 「ユリスは集中力というか『緊張感』ね、それが足りないと思うの…」  
 「でも・・・そんなこと言われても・・・」  
 「緊張感さえ保てればユリスの実力なら時間内に走れると思うわ」  
 「本当 ?! 」  
 思いもかけないモニカのやさしい言葉にがばっと顔を上げるユリス。その顔は  
涙の跡がくっついていてちょっとかっこ悪い。  
 「その方法、一つだけあるわ・・・」  
 「・・・それ教えてよモニカ!ぼくなんでもするよ!! 」  
モニカにすがりつかんばかりのユリス。  
「本当に何でもする?頑張れる?」  
「うん!明日こそ2分を切って鉄道に乗ろうよ!」  
ぐっと明日の方向を見据える決意新たなユリス。その後ろでモニカが、  
『・・・なんでもね・・・少し早いけどはじめようかしら・・・』と妖しくつぶやいたことを  
ユリスは気づかない。  

 翌日。  
   
 パッカー保安官の前に今日もモニカが登場した。  
 「今日こそ仲間になってもらうからね!」  
 「おおとも、2分で池から戻って来られたらな、おっと、嬢ちゃんじゃなくて  
ユリスが、だぞ」  
 「わかってるわ」  
 今日のモニカは自信満々である。パッカーはまわりを見まわして聞く。  
 「んっ?ユリスはどうした」  
 「ちゃんといるわよ!! ユリスっ!」  
 モニカが呼びかけると傍の街灯の柱影からヒョイとハンチング帽がのぞいて  
ユリスが言う。  
 「モニカ・・・無理だよ・・・恥ずかしいよ〜!」  
 ユリスが街灯の影から真っ赤になった顔をのぞかせる。  
 「いまさらなに言ってるの!? なんでもするって言ったじゃない!」  
 モニカはツカツカと街灯に近寄ると物陰からユリスをぐいっと引きずり出した。  
 「!?・・・・・・」  
 口をあんぐり開けるパッカー保安官。  

 ハンチング、ワークシューズこそいつものユリスだったが、着ている服は  
むきだしの肩、タイトな腰のライン、ビビットな足もとの切れ込み、  
紫紺に艶めかしくてらてらと光る生地・・・そう、ユリスは『星のレオタード』  
を着て登場していた。  
 「ああっ・・・み、見ないでください・・・モニカ、ひどいよ・・・」  
 ユリスは何度も手で前を隠そうとしては、モニカの言いつけを気にしてあわてて  
手を引っ込めてモジモジするといった素振りを繰り返す。  
 「いいじゃない、似合っているわよ、それじゃ早速いくわよ!よ〜いスタート!! 」  
 ぱーん。手をたたくモニカ。あわててパッカーもストップウォッチを押す。  
ユリスも心の中で悲鳴をあげつつダッシュする。  
   
 『ああっ!見ないで、見ないでよ〜』。ユリスの心は走りつつもぐるぐると混乱  
している。  
 『みんなぼくのことをヘンタイだって見てる・・・町の人にケーサツに通報されて、  
パッカーさんに捕まって、手錠かけられて、メインストリートをみんなに  
見られながら引っ張られて・・・・あっああああ・・・!! 』。そんなかわいそうな自分を  
想像して恐怖にわななくユリス。  
 しかし実際は、もともとスレンダーなユリスであり、室内で機械いじりばかり  
していたせいかその肌も抜けるように白く、もともとの髪のプラチナブロンドと  
あいまって町の人には『あのきれいな子はどこの子』みたいに見られていたのは、  
もちろんユリスの想像の外にあった。  
 そして、もはやいつボートに着いたかも判らず、羞恥で頭の中がスパーク  
しかけた寸前のこと。  
 「ゴール!!」  

 モニカの叫びで我に返るユリス。いつのまにか警察署の前。そして  
パッカー保安官が『信じられん・・・』という顔でつぶやいた。  
 「1分32秒・・・・」  
 「やったわね、ユリス!!」  
 モニカが駆け寄ったが、ユリスはパッカーと目が合ったとたん、さっきの妄想が  
ぶりかえしてしまい混乱して逃げ出した。  
 「いやだ〜!!」  
 それを見たモニカは。呆然としているパッカーを捨て置いて、走ってユリスを  
追いかける。  
 日ごろ鍛えたモニカの足はなんなくユリスに追いつき、スターブルの作業場に  
逃げ込もうとしたユリスを無理やりそばの路地に引きずり込んだ。  
 「ああっ!・・・つ、捕まえないでください!!」  
 じたばた混乱して暴れるユリスの手首をまとめてモニカは壁に押し付けるとゆっくり声をかけた。  
 「ユリス!落ち着いて」  
 すぐにユリスはモニカに気づきおとなしくなる。  
 「もう大丈夫、ねっ・・・」  
 モニカが微笑む。このあとモニカがユリスしたことを考えるとぜんぜん大丈夫  
ではないのだが・・・・・。ユリスの人生経験では微笑むモニカの眼差しの裏にある  
ドロドロとした淫靡な光を読みとることは出来なかった。  

 我に返ったユリスはきょろきょろと廻りを見回した。路地裏の木箱の陰とはいえ、  
メインストリートを歩く町の人の姿が結構近くに認められる。その人影をはらはら  
しながら見送ったユリスがふり向くとモニカが顔をぐっと近づけていたので少し  
ドキッとした。  
 モニカはちろりと舌で唇の廻りを湿らせると薄く笑ってユリスに問いかけた。  
 「どう?緊張しちゃったでしょ?」  
 「モ、モニカ!そんなことより早く作業場に入ろう!! 」  
 路地裏で拘束されている今の状況におののきつつ言うユリス。表通りの人たちの  
注意を引かないようずいぶん声を抑えている。モニカはそんなユリスの気持ちも  
知らずに続ける。  
 「だ〜め。だってユリスがココ大きくしちゃったのをスターブルに見られちゃう  
じゃない」  
 モニカは『仕方ないわね』というワザとらしい目つきでユリスの下腹部を  
覗き込んだ。たしかに走って血の巡りが良くなったのとさっきのハデな妄想のせいか  
アソコが多少大きくなっている。ユリスは慌てて自分の下腹部から視線をもぎ離すと  
こそこそと言った。  
 「ち、違うよ…そ、それは…」  
 消え入りそうなユリスの声に押しかぶせるようにモニカが言う。  
 「違わないよ!ユリスのアソコ大きくなってる、きっと男の子のくせに女の子の  
カッコしてみんなに見られるのが好きなヘンタイっコなんだわ」  
 「…ぼくヘンタイじゃないよ…これは…走っててアソコがコスれちゃって…」  
 人のいいユリスは単純な誘導尋問に引っかかって自ら白状してしまう。  
 「ふ〜ん、わたしが昨日着てたときはそんなにコスれなかったけどな〜」  
 息を吹きかけるようにモニカはユリスの耳元に囁いた。  
 その言葉を引き金に不埒な想像をしてしまうユリス。  
『ぼくのアソコをコスってるところが昨日モニカの…アソコが…』ユリスは顔を赤く  
して俯いた。  

 『トクン…』。下半身の奥のほうで血流が勢い良く流れる前兆。  
『あわわわ…!! 』あせるユリス。こうなると若さゆえにその次に起こる事象を  
止められないということをユリスは十二分に承知している。  
 「あら…ユリス、なんだかすっごく大きくなってきたわよ…」  
 「モニカ、はなしてよモニカ!見ちゃヤだよ」  
 じたばたと暴れるユリス。ところがユリスの頭上で両手首を片手で押さえ付けて  
いるモニカは女の子とはいえ、落城寸前の城から剣一本で敵中を突破してきた  
強者であり、ネジやらボルトやらを相手にしてきたユリスの腕力では何の役にも  
立たなかった。ユリスの抵抗は両手を頭上に上げたまま、もじもじと腰を  
くねらせただけに終わってしまう。  

 「す、すごい…」  
 つい真顔でつぶやくモニカ。ユリスの太幹は人種的なものなのか、モニカの  
予想以上に成長していき、今では確実におへそよりも上の位置でバキバキに  
レオタードを突き上げている。ギュンとした反りといい、布地の上からでも血管が  
浮き出てきそうなほどの凶悪な形状は、ユリスの外見からは全く想像のつかない  
ほどの凶暴かつ凄まじいものだった。  
 モニカはほんのり目元を染めつつ、ユリスにねっとりと囁いた。  
 「ねっ、ユリス…『ぼくはみんなにオンナのコのカッコをみられるのがすきな  
ヘンタイのオトコのコです』っていったら手を離してあげる」  
 そんな理不尽な要求にたいしてユリスは目に涙をためてかぶりを振って言う。  
 「モニカ、もうやめてよ…人が来ちゃうよ…」  
 「いいわ、今に自分から大きな声で言うようになるんだから」  
 妖しくユリスを見つめるモニカの目はもはや友達どころでなく、蜘蛛が自分の  
巣にかかった獲物を見る目つきだった。そんなモニカの変貌を見て怖気をふるう  
ユリス。  

 「モニカ、離して…んむっ…」  
 思わず叫んだユリスの唇をモニカは空いた右手の人差し指を軽くあてて封じた。  
 『しーっ…』とあたりを見回すふりをしてユリスの気持ちをそらしてしまう。  
 「ユリスの唇やわらかーい…」  
 モニカは人差し指の腹でぷにぷにと紅色の唇の弾力を楽しむと、ついっと指を  
下に滑らして行く。唇からあごをつたい、のどは軽く猫をあやすときのように  
下から上にこしょこしょと撫ぜられる。  
 『…んっ、はっ…』ユリスは声を押し殺すのが精一杯。モニカの人差し指の腹は  
さらに肩に落ちユリスのシミひとつない鎖骨のくぼみを泳いでいる。  
 「モ、モニカ…」  
 ユリスが呼びかける声は人生初の快楽という炎によってすでにカラカラに  
かすれている。  
 「感じた…?」  
 モニカがユリスを覗き込むように聞く。  
 「………」  
 ユリスはむきだしの肩まで赤くして横を向く。  
 「でも、もっと、もっと感じるんだから…」  
 モニカは嬉しそうにユリスの肩をなぞってる人差し指の活動を再開させる。  
つるつると指は降下していき、ぴったりしたレオタードの唯一余ってる場所、  
すなわち胸の部分の布地を指に掛けたまま下に指をずらしていく。ゆっくり  
ゆっくりとレオタードを剥いていくモニカ。もちろん指の降下はわざとゆっくり  
にして、ユリスの表情をじっくりと嬲るのを忘れない。  

 「モニカ…だめ、だめだよ…」  
 じたばたともがくユリス。  
 「どうして?」  
 「だ、だって・・・あのその、み、見えちゃうよ・・・」  
 ますますずれていくレオタードを気にしつつ、ユリスはモニカに哀願する。  
もちろん、そんなことで行為をやめるモニカでもない。  
 「なんで〜?ユリスはオトコのコだからいいじゃない」  
 「そうだけど、でも・・・」  
 あっという間に丸めこまれるユリス。  
 「あっ・・・」  
 おしころしたような嘆息。ユリスのAAカップの胸ではずり落ちていくレオタード  
をとめることはできず、ついにレオタードは腰の近くまで下ろされてしまう。  
 「わ〜ユリスのココきれーなピンク色」  
 すかさずユリスの羞恥を煽るモニカ。  
 「モニカ、そんなこと言わないでよ、もう許してよ・・・」  
 ぶんぶんと首を振ってモニカに訴えるユリス。涙が綺麗な珠になって周りに  
跳ねる。  
 「ユリスったら、楽しいのはこれからよ、えい!」  
 モニカはユリスの鳩尾あたりにあった指を移動させて胸の白桃色の突起を  
『コリッ!! 』と引っ掻いた。  
 「ひゃうっ!! 」  
 「気持ちいいでしょ〜」  
 モニカはまたもやユリスの耳元に口をつけるように囁きつつユリスの胸の突起を  
ぴんぴん弾く。そのたびにユリスの食いしばった歯の隙間から可愛い悲鳴が漏れた。  
そして指は胸の突起の周りをゆるゆると休みなくなぞりはじめる。  

 「感じた?」  
 ふるふると首を振るユリス、見上げた根性である。大声をあげないように必死で  
耐える姿はいじらしくさえある。  
 「うそをつくコはおしおきだよ〜」  
 モニカは指の動きを円から渦巻き型に変える。そう、渦の中心の目的地を知った  
ユリスはじたばたと暴れるが時すでに遅くモニカの指はすで渦のの中心のユリスの  
乳首に指をかけていた。円を書くようになで、軽く爪を立てたりしてユリスを蹂躙  
していく。  
 「ひあっ!・・・くっ・・・んっ・・・」  
 ユリスの体がおこりにかかったように震えわななき、理性が溶けてあらぬことを  
大声で叫びそうになった時、不意にモニカが言う。  
 「ユリス、やめてほしい?」  
 がくがくと頷くユリス。ふっと胸の突起から指が離された気配。かろうじて  
踏みとどまったユリスがほっと息をついた瞬間だった。  
 「じゃあ、今度は反対側ね」  
 モニカは無造作に、ユリスの今まで触られていなかった方の突起を『ぎゅつ!! 』  
ひねりあげた。  
 『・・・・・・・・・・!!!!』  
 一瞬の油断。声にならない悲鳴。快感の爆発。モニカの髪の匂い。  
 ・・・ホワイトアウト・・・・・・  
   
 モニカはユリスの突起にここぞとばかりに攻撃を加えていく。コリコリと揉みあげ  
たり、引っ張るように擦りたてたり、指を震わせて押し当て快楽の信号を連続で  
叩き込んで行く。  
 「ふあああああっつ!!」  
 「ひきいいいいいい!!」  
 「くあふぅぅぅぅうう!!」  
 ユリスのカラダはキャパシティ以上の快楽に犯され、モニカの攻撃にさらされる  
ごとにひきつけを起こしたようにわななき、ふるえ、痙攣し、半分失神して白目の  
まま、すごい力で跳ね回る。振り払われそうになったモニカは慌てて愛撫の手を  
中断し、両手でユリスの手首を一本ずつ壁に改めて押し付けなくてはならないほど  
の力だった。そしてユリスはぐったりとなる。  

 

 ……ああ、ココはどこだろう?…  
 ユリスはいつも見る悪夢の中にいた。8年ほど前の自分の屋敷。あの時、大好きな  
ポテトパイを半分だけ残してあとは当時お気に入りの庭の大木の下で食べようと  
こっそり庭を歩いていた。家の人間に見つからないよう歩く幼いユリス。みつかると  
『行儀が悪いですよ』と連れ戻されてしまうだろう。きょろきょろと辺りを見廻す。  
『ああ…そっちへ行ったらダメだ…』ユリスは意識の外でじれたように強く思うものの、  
悪夢はいつものシナリオ通り進んで行く。  
 幼いユリスがバラ園の前を通りかかった時。  
 「いたっ!許してください、ひぐっ、うっ、うっ…」  
 幼いユリスが植え込みの影からそっと声のほうを覗き込むと驚愕のあまり大事な  
ポテトパイを取り落としそうになる。  
 『………!!』  

 中庭の石のテーブルに顔を押し付けられた新入りメイドのルネがユリスの父親に  
後ろから犯されていた。そばにはジョウロが半分ほど入った水をこぼして転がって  
いる。ルネは泣いている。黒いスカートの下のお尻は白くユリスの目に焼きつき、  
足に伝っていった赤い血の筋はなぜかひどくユリスをしびれるほど興奮させた。  
目が離れないユリス。気づいたら知らないうちにポテトパイを全部食べてしまっている。  
 父さんは母さんのことを忘れたんだ。ルネをいじめるようになるならオトナに  
なりたくない。ポテトパイはバラ園の秘め事の味。押しころした悲鳴と庭土に吸い  
込まれたジョウロの水。むせ返るような草いきれはモネからしたたる血の匂い。  
 『ひああああああ……!』  
 ルネの悲鳴が聞こえる。  
 いや、ルネの声じゃなくて自分の悲鳴だ。…ぼく?…ポテトパイ・・・生々しい快感  
…モニカの髪の香り…モニカ!!  
 「ひあああああああ……!!」  
 ユリスは自分の悲鳴で覚醒した。意識の飛んだ時間は5秒に満たない。  

 

 「…んっ!!…はっ!!」  
 まつげをふるわせて目を開ける。男の子にしては長いまつげに朝露のように涙の残滓  
が溜まって光っている。  
 そしてさりげなくユリスはふとももをすり合せて安堵した。『よかった…漏らして  
ない…』。たいていさっきの昔の夢を見たとき今までかなりの確率で夢精してしまった  
のだが、今回はイク前に失神してしまったせいなのか、なんとかモニカの前での  
放出は避けられたようだったのでユリスは心底安堵する。もちろんユリスはこのあと  
意識のないうちに放出したほうがマシだったと死ぬほど後悔することになるのだけども…。  

 「モニカもう許して・・・」  
 息も絶え絶えのユリス。激しく暴れたせいで、もうすっかりレオタードはずり落ち  
きってしまっていて、ヒップハンガーの下着のように辛うじてひっかかっているよう  
な形になっている。後姿はきれいに窪んだ背骨のラインからおしりの谷間がのぞく  
といった煽情的なものだが、前はユリスのイキそこねた太幹がバッキバキにオトコの  
コを猛然と主張するというアンビバレンツな魅力が充満している。  

 モニカはそんなユリスを鑑賞しつつ言う。  
 「さっきから言ってるのに・・・『ぼくはエッチなオトコのコです・・・』って言えば  
いいのよ」  
 ユリスはこの言葉を言ってしまったら自分はきっとどこまでも堕ちてしまうような  
気がしたので、かろうじて首を横にふることができた。モニカが『この意地っ張り!! 』  
という顔をして眉をしかめてからふと何かに気が付いた。ニヤリと笑う。  
 「ねえ、ユリス・・・わたしのレオタードのココについてるシミはなあに?」  
 モニカはその場所を目線でユリスに示していう。  
 「こ、これは・・・あの、その・・・」  
 「まさかユリスったらこの年でオモラシしちゃうんだ」  
 「ち、ちがうよ!」  
 ユリスが慌てて言い、恨めしそうに自分の太幹の先っぽにできた小さな円形のシミ  
に目を落とした。自慰行為をしないユリスでもわかっている、これが気持ちいいとき  
とかエッチな気分になったときにアソコから出てくる液体ということは。でもユリス  
がモニカに言えるはずもない。  

 「汗なのかな〜オシッコなのかな〜」  
 モニカは最高にやさしく、最上にイジワルにユリスを追い込んでいく。ユリスは  
もうぶんぶんと首をふるばかり。そのときモニカがユリスの耳元で囁いた。  
 「ユリスってばおっぱいイジられて、感じちゃってエッチな汁がじゅくじゅく  
出ちゃったんだよね?」  
 首を振るユリス。  
 「はやくもっとイクなってアソコからどぴゅどぴゅしたいって言ってるよ」  
 「・・・そんなこと言ってない・・・」  
 さすがに反応するユリスにモニカは言い放つ。  
 「言ってるよ、ユリスのこっちのお口がね!!」  
 モニカはユリスの両足に太ももを割り込ませるとぐいぐいと突き上げ始めた。  
  ぐんぐんと不規則にに突き上げられるユリス。太幹にたまっていたトロミが  
じゅわり・・・と押し出されさらに大きなシミをつくりトロトロと太幹を伝い溢れ落ち  
ていく。  
 「ああっ!だめ、だめっ!ああああ・・・」  

 ついに始まった直接攻撃にユリスはすでに陥落寸前というところ。  
 モニカのすべすべの太ももの動きがガマンできなくて、ユリスは思わず  
ぎゅっとモニカの太ももを強く足で挟みつけて攻撃を凌ごうとする。すると  
モニカはゆさゆさと細かく脚をゆすり、ユリスの太幹の根元に位置するふくろ  
に絶妙な振動を与える。  
 「ひゃ、はぁぁん!」  
 つい緩まるユリスの脚を振りほどきすかさずモニカはまたふとももを  
すりあげてユリスの太幹の裏側を嬲る。それを実にユリスは3セット近く耐え  
続けている。  
 「ひいいっ!モニカっだめだめぇ〜だめだよ〜!!」  
 ぶるぶると白いあごを振るユリス。紫紺のレオタードの残骸をまとい付かせ  
た白い腰は世にも艶かしい踊りを踊らされているよう。  
 モニカはユリスのよがり顔をじっくりと眺めつつ言う。  
 「どう?気持ちいいでしょ?どぴゅどぴゅしちゃいそうでしょ?いいのよ  
ガマンしなくて、いっぱいガマンしたからすっごくキモチいいわよ」  
 モニカはユリスを堕そうとユリスの耳に黒い囁きを流し込むと、その言葉は  
ユリスなかで桃色の喘ぎ声に変換してモニカの耳に熱い吐息といっしょに  
送り返される。  
 もはやユリスのアソコはモニカのふとももの往復のたびごとに『チャムッ、  
チャムッ』と恥ずかしい程の音を立てるようになっており、モニカのふともも  
はなにかあたたかい液体に包まれているよう。そしてユリスの先走りで  
いよいよ形状のはっきりした太幹がごりごりと擦りついてくると逆にモニカの  
ほうが先にイキかけ、あわてて気を引き締めた。そしてついに危ういバランス  
で膠着していた秤に決定的なことが起こる。  

 ユリスのひざがあまりの快感に力が入らなくなり『カクカク・・・』と  
笑い始める。するとすぐに腰が抜けたように壁を背にしたまま『ずるっ』と  
すこしだけ滑り落ちた。  
 「あん!もう」  
 モニカは慌ててユリスの体勢を引き上げようとひざを深く差し込む。すると  
さっきとは違う深い角度のふとももの突き上げがユリスのアヌス、蟻の門渡り、  
ふくろから太幹、亀頭のウラまで一気に、体重のかかったカウンターになって  
揉みあげ、えぐり、そして蹂躙した。  
 「ひいいいいいいいいいいいいいい!」  
 ユリスの頭でなにか大事なものが『プチン』と切れたよう。半狂乱で泣き  
喚く。  
   
 モニカはいつしかひざの突き上げをやめてただ出しているだけ。なぜなら、  
 「あはっ、きもちいいよう・・・」  
 ユリスが自分から空腰をつかって擦り付けている。カベに両肩をつけたまま  
腰だけ前後に振りたてるユリス。  

 「そうよユリス、キモチいいように動くの!」  
 モニカもときおり膝の部分を軽く揺すってユリスのふくろを苛める。  
 「あああ、あああーああーああーあはーああああ」  
 ユリスの目が遠くを見るように霞み、視線は泳ぐ。口の端から涎が糸を  
引いている。  
 ついにユリスは初めてとは思えないほどの滑らかな腰振りをマスター  
したらしく、詰まることなく自分自身を追いたてていく、時おり腰をまわす  
ようにして太幹だけでなく下のふくろにも快感を味あわせていく。  
   
 『ゴキュン!』思わず妖艶なユリスを目の当たりにしたモニカがつばを  
のむ。このままでは逆にイかされそうでついに攻撃を再開させる。  
 「いいユリス、イクときはちゃんというのよ!!」  
 ユリスの擦り付けを迎えうつように膝を突き上げるモニカ。さらには両手を  
はなしユリスの胸の突起を両手で攻めまくる。  
 「ああっああん!アソコが、おっぱいが、とってもとっても・・・」  
 「いいでしょ、イクなったんでしょ!!イっちゃえ、イっちゃえユリス」  
 モニカはユリスのむねのピンクの突起を摘んで前後左右に揺する。  
 「あんあん、あっあっ・・・」  

 ついにユリスがうわ言のように口を開く。  
 「ぼ、ぼくはみんなに見られるのが好きで・・・あはあ・・・モニカのふともも  
でどぴゅどぴゅしちゃうヘンタイの、きゃふぅ!!・・・ヘンタイのオトコのコ  
です〜!!!」  
 ぎゅっとモニカの頭に手をまわしてしがみつくユリス。   
 「あああああ、いくっ、いくっ、どぴゅどぴゅするっ!!」  
 ユリスはのけぞった拍子に『ごつん』と背後のカベに頭をぶつけるが痛み  
は感じない。  
 「あくっ、うんっ、ふうんっ・・・」  
 ユリスの太幹はレオタードのなかで暴れ狂い樹液をぶちまけまくる、収まり  
きれない樹液がユリスの太ももに2本白い筋を作ってつつっと垂れていき、  
ユリスになぜか懐かしいような興奮をもたらした。  
 「ああ・・・あたたかい・・・」  
 ユリスがまだ太幹のしゃくりあげにあわせてびくびくと痙攣しつつモニカの  
耳そばで呟く。  
 『もっともっとユリスはえっちになるわ・・・まだまだ調教していかないと・・・』  
 モニカは不埒なことを考えつつユリスの唇を奪い強引に舌を犯していく、  
それだけで軽く達したモニカはユリスと溶け合うように抱き合ったまま路地に  
ズルズルと座り込む。  
 二人は夕焼けと鐘の音に包まれていつまでも音を立てて舌を絡ませつづけた。  
   

  『ユリス、刻の流れるままに』 − 始まりの一日 −    了  

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