学校の身体測定の日、時槻雪乃は体操着に着替えて内診検査を受けていた。
布をたくし上げ、決して巨乳でないが綺麗な曲線を帯びた美乳を医者に晒している。
いくら医者とはいえ、羞恥心の強い年頃の少女が胸を見せることには大きな抵抗かある。雪乃の顔は真っ赤に染まり上がり、医者の視線が刺さる乳首のあたりにはじわりと熱を感じていた。
『あら、恥ずかしがっちゃって』
ーーうるさい!
風乃の声に内心いきり立つが、しかし関係のない医者にまで怒りが伝わっても困る。やり場のない気持ちを今は溜め込むしかなかった。
「では音を聞きますね」
聴診器を押し付けられ、胸は柔らかく潰れた。
右胸、左胸と続いて、次は背中の音を聞いてもらう。
『ねぇ雪乃、好きでもない人に見られてどんな気分?』
ーーうるさい、殺すわよ。
いつもの台詞も、心の中で唱えるしかない。
「じゃあ触診しますね」
再び前を向いた雪乃は、今度は直に胸を触られた。下乳をすくわれ、弾ませるかのように指から振動を加えられ、ぷるぷるとした乳揺れを視診される。
乳房の健康具合を確認するため、指で触られた上に形状変化を観察されるのだ。
『あら雪乃、乳首が立っていないかしら』
「…………っ!」
感じてしまったことを嘲られ、雪乃は顔をしかめる。
さらに胸全体を鷲掴みされ、じっくりと揉まれた。踊る指と共にマシュマロのように変形を繰り返す。
『雪乃ったら、本当に気持ち良さそうねぇ』
もはや知らない男に触れられるより、風乃にかけられる言葉の方がよほど屈辱的だ。向こうはあくまで検査で触っているのに対し、風乃は雪乃を貶めることを面白がっている。
固くなった両の乳首にそれぞれ人差し指を押し付けられ、そして摘ままれ、くりくりと責められる。
「…………っ、ぅぅっ」
『声が出そうね、雪乃』
雪乃はひらすら、医者に触られる恥ずかしさに加え、その様子を側で楽しまれるという屈辱に耐え続けた。
「はい、いいですよ」
終了が告げられ、雪乃は即座に胸をしまう。
『もう終わりだなんて寂しいものねえ。雪乃? 快感の具合はどうだったかしら』
「二度とこういう時に出てこないで」
雪乃は小さな声で、しかし確かに鋭く、風乃に牙を向けて検査場を退室した。