雪乃さん。僕の片思いの矛先に居る愛しくてたまらない人。  
 後ろから何も言わず、ぎゅうっと抱きしめると少し驚きの反応をする。  
「可愛いな…雪乃さん」  
「うるさい、殺すわよ」  
 解ってる。それは照れ隠し。ほら、こんなに耳まで真っ赤。本当に可愛い。  
 不可能な事で照れを隠そうとしてるところも。  
「残念だけど。雪乃さんに人は殺せないよ」  
「殺せるわよ」  
「もし雪乃さんが人殺しになったとしたら逆に僕が殺すよ。人殺しなんて雪乃さんには似合わない」  
「ふざけな―――」  
「それで、僕も後を追うよ。雪乃さんが好きだから」  
 逃れようと身を捩らせたのを更に強く抱き締めて封じる。  
「白野君、やめて…」  
 僕には解る。雪乃さんの事なら何でも解る。やめて欲しくないくせに、可愛い。  
 邪魔なプライドなんて消せば良いのに。素直になれば良いのに。僕に頼れば良いのに。  
「好きだよ、雪乃さん…だから僕は雪乃さんを守りたい。殻に篭らないで僕に触れて」  
 決壊させてあげる。偽りの雪乃さんを。  
「んっ…!?」  
 愛してあげるから。優しくしてあげるから。僕から離れられないようにしてあげる。  
 まずは雪乃さんの大事な場所に触れて、  
 
 
保守  
 

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