「みんな聞いてくれ」
いつになく真剣な顔をする変態もとい神狩屋に一同の緊張が走る。
「僕は思うんだ。断章名カッコ悪いと」
「悪くはないと思うんですけど………」
「否! 断じて否!!」
また始まったかこの変態、と思いながらその場にいる者は皆黙った。
唯一記憶喪失故のKYたる颯姫だけがニコニコと笑いふわふわした空気を撒き散らしている。
「今日から僕の断章は<ザメハ>だ!」
思わず蒼衣は吹き出した。
「そして白野くんは<歪みの国のアリス>!」
思わず風乃は吹き出した。蒼衣は絶句しているが。
「ゆきのんは<べ、別にアンタの為じゃないんだからね>!」
「もはや名前ですらない」
蒼衣は冷静に突っ込んだ。颯姫はただ笑っている。
「颯姫タン達のは<若年性アルツハイマー>」
「言い得て妙ね」
雪乃と蒼衣は頷く。颯姫はにょろ〜んとしていた。
「夢見子タンのは<薔薇乙女>」
もう勝手にしてくれ。そう思いながら蒼衣はニコニコ黒い笑みを浮かべていた。
「笑美さんのは<鷹野三四>」
「あ、似てる!」
「馳尾くんのは<保守>」
「保守?」
「保守…」
『保守』