(…ん)
『あら、お目覚めかしら?』
ぼんやりする頭で何が起きたのか考える。
「私、どうして……っ!?」
体が動かない。
『うふふふふ』
「ちょっと姉さん!なにしたのよ!」
体を動かそうと試みるがまったく反応がない。
『あら、どうしたのかしら?』
「動かないんだけど、私の体」
『動くわよ』
そう言うと、右手が勝手に動いて胸の上におかれた。
『あら、残念ねぇ』
「うるさい!なにが残念なのよ!さっさと戻して!」
しかし戻ることはなかった。
勝手に動き始めた雪乃の体は、どうやら風乃に操られているようで
どこかへと移動を始めた。
「どこに行くのよ」
『アリスのところよ。楽しみでしょう?』
答えはかえって来ないだろうが不安もあり、一応きいてみる。
「どうする気?」
『着いてからのお楽しみかしらね?』
雪乃の不安はますますつのっていった……