急に静かになった。
だが依然として姿の見えない視線を感じる。無数の視線は何も語らずにじぃっとこちらを見つめている……気がする。
姿は見えない。本当にそこに誰かいるのか。誰もいないのかも知れない。いいしれぬ不安が襲う。
ついに私は沈黙に耐え切れずに口を開いた。
「ほ、保守」
視線が答えた。
「保守」
安心した、私は一人ではなかったのだ。