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 クラック!  
 
 さあ、今日は『赤ずきん』のお話をしましょう。  
 
 昔あるところに、神狩屋という古くさいアンティークショップがありました。  
 <騎士団>のロッジを兼ねたこの店には鹿狩というお話好きな店主がいます。みんな彼の事は神狩屋と呼びます。雅孝という名前など忘れ去られているでしょう。  
 そんな神狩屋が今日もまた解説役をしていました。  
「と言う訳で、この類話の赤ずきんは年頃の娘に対する教訓としての面もあるんだ。貞操に対してのね。男の甘言に軽々しく乗るなっていう事だよ」  
「ああ、なるほど。「服を脱いで一緒に寝る」とか「お前を食べるため」とかそうですもんね」  
「……ふん」  
『男は狼ねぇ』  
 笑美が<グランギニョルの索引ひき>で『赤ずきん』の予言を受けたため、今は蒼衣に講釈をしている所です。  
 その傍らに興味無さそうにしている雪乃とノリノリな風乃の対照的な姉妹が座っています。  
 いいえ、一人はふわふわと宙に浮いていました。  
 その宙に浮いている風乃ですが、何故か今日はいつにも増して楽しそうです。ペロー版赤ずきんの解釈が少しエッチになるとますます一人で盛り上がり、蒼衣と雪乃を困らせていました。  
『いいわね、赤ずきんの<泡禍>。どんなエロス溢れるお話になるのかしら……』  
「(姉さん……さっきからうるさいわ。なに亡霊が色気づいてるのよ……)」  
『あら、いいじゃない。あなたが枯れすぎなのよ、女子高生なのに。雪乃も少しは真剣に聞きなさい。貞操の危機よ?』  
「(……もういいわ)」  
 らちがあかないので雪乃はいつものように聞き流す事にしました。  
 しかし蒼衣は聞き流せずに赤くなり、風乃はその蒼衣を見て喜び、雪乃はその二人を見て不機嫌になりました。  
 そんないつものようでいつもとは少し違う神狩屋ロッジ。蒼衣と雪乃はこれから自分達が恐ろしい<泡禍>に巻き込まれる事をまだ知らないのでした。  
 
 
 
 その夜。神狩屋はガタガタと地震のような物音に目をさましました。  
 しかし地面の揺れはあらず、店の品物だけが動いているようです。  
「まさか、新手の<泡禍>じゃないだろうね……」   
 そうこぼして店の中を覗きこんだ神狩屋の目の前に、満面の笑みでバットを振りかぶるゴスロリ少女の姿があって――――  
 
 次の日、蒼衣がロッジを訪れると中には誰もいませんでした。  
 いつも出迎えてくれる颯姫や店主の神狩屋もいません。今日は雪乃と一緒ではないので店の中には蒼衣一人です。  
「弱ったな、こんな事はあまり無いからなぁ」  
 手持ちぶさたになった蒼衣はこの隙に雪乃の私物を物色、したりせずに大人しく待つ事にしました。基本的に人がいいみたいです。  
「ああそうだ。夢見子ちゃんはいるのかな?」  
 ここで蒼衣は、一人で留守番しているかもしれない少女の事が気にかかりました。気配が無いので忘れそうになる少女ですが、彼女はいつも居るはずです。  
 しかし蒼衣が夢見子の部屋にあがると、そこはやはり無人でした。  
「夢見子ちゃんもいない。ってこれは少しおかしいな……」  
 さすがに蒼衣もそろそろ変だと思い始めました。いつも静かな部屋ですが、今日はそれにも増して静かすぎます。  
 ちなみにこれはコーンオブサイレンスという心霊関係のヤバげな現象だったりするのですが、教えてくれる人がいなかったので蒼衣は知りませんでした。  
「何も連絡は無かったよな……。そうだ、携帯……」  
 圏外でした。もはやお約束のようなものですが。  
 この状況に不審感を覚え警戒する蒼衣でしたが、夢見子の使っているベッドに膨らみを見つけて少し安心しました。  
「よかった、夢見子ちゃんいたん……」  
<ハズレ。残念でした>  
 と、貼り紙のついたぬいぐるみが入っていました。  
「………………」  
 言葉を失いました。無理もありません。少し小ぶりなベッドの前で立ちすくみます。  
「って、あれ?体が動かない!?」  
 どうやら立ちすくんでいた訳ではなくて体が動かなくなってしまったようです。  
 今度は蒼衣にも分かりました。かなしばりと呼ばれる心霊現象でした。  
 
『つかまえた……可愛い<アリス>……』  
「うわっ、風乃さん!?」  
 硬直している蒼衣の背後から突然風乃が現れ、蒼衣を抱きすくめてそのままベッドに押し倒しました。  
『どう?驚いたでしょう?』  
 蒼衣を組み敷きながら風乃が微笑みます。微笑むというには少しばかり妖しすぎる笑いですが。  
 蒼衣の混乱はもはやピークです。  
「な……何で風乃さんが!?ゆ、雪乃さんは……それよりなんでまた実体化してるんです!?」  
 少ない視界を見渡しても雪乃の姿はありません。風乃が実体化しているという事はイコール雪乃の怪我に繋がるので慌てています。  
『安心して、<アリス>。愛しのお姫様は無事よ。今日は私一人よ』  
「一人……?風乃さんが?」  
『ええ。詳しい説明は省くけれど、神狩屋さんに協力してもらって実体化してるのよ。血を(大量に)分けてもらってね』  
「夢見子ちゃんや、颯姫ちゃんはどうしたんです……?」  
『お子様はお邪魔だから退場してもらったわ』  
「邪魔って、何の、」  
『もぉ、気付いてるくせに……』  
 クスクスと笑いながら風乃は蒼衣の言葉を遮り、蒼衣の服を脱がし始めます。  
 関係無いですけど幽霊に「気付いてるくせに」って言われると怖いですよね。  
『この状況、エッチな事以外に何をするっていうのかしら?』  
「なっ!やめ……んっ……」  
 抵抗の言葉はキスで塞がれます。制服のシャツはすでにはだけ、あらわになった胸を風乃の服についたフリルが撫で、敏感になった肌に心地よい刺激が走りました。  
「んっ……あっ……やぁ……か、風乃さん……止めて」  
『止められないわ<アリス>。だってこれは<泡禍>ですもの』  
 蒼衣の首筋に舌を這わせながら風乃が言います。  
 これは赤ずきんの<泡禍>で自分達は配役として当てはまっているから逃げられないと。  
『ちなみにあなたは狼よ。私はおばあさん。狼は赤ずきんの先回りをしておばあさんを食べてしまうのよ。もちろん性的な意味で』  
「無茶苦茶だっ!しかもどう見ても襲われてるのは僕じゃないですかっ!」  
『あら生意気』  
 風乃は蒼衣の反論をスルーしてズボンを脱がしました。そのまま躊躇う事なくトランクスも脱がします。  
「やっ……ああっ……!」  
『可愛いわ、<アリス>……。興奮するでしょう、この背徳的な状況は?』  
 蒼衣のモノと、羞恥と絶望、そして期待の表情を見て風乃は恍惚に頬を染めました。  
 
 すでに硬さをもっていた蒼衣の性器は、風乃が2、3度さするだけでたちまち起き上がって天井を向きました。  
『大丈夫よ、痛くしないから安心しなさい』  
「別に心配してた訳じゃ……」  
『あら、だったら期待かしら?クスクス。そうよね、こんなに大きくして』  
 蒼衣をからかうのが楽しくて仕方ない様子の風乃に蒼衣はむっとして言い返します。  
「……それは、期待もしますよ。こういう事、興味は……ありましたし」  
 そんな控えめな表現に風乃は目を細め、慈しむように優しくキスをしました。  
『本当なら雪乃が良かったわよね?でも、ごめんなさい<アリス>。あなたの初めては私が頂くわ……』  
 そう言うと自分も服を脱ぎ始めました。  
 手を触れていないにも関わらず、胸を覆う部分の服が下におりていき、ブラが外れます。ショーツもスカートの中から落ちて、宙に消えていきました。  
『便利でしょう?』  
 雪乃のそれより一回り大きい胸が蒼衣の目の前で揺れ、視線を釘付けにします。  
 また風も無いのにスカートはひとりでに舞い、ぴったりと閉じた風乃の割れ目がむき出しになりました。  
『私も……初めてだから、だから上手くはできないわよ?』  
「……説得力無いですよ、そんなに余裕で……」  
『フフッ。襲っておいて緊張してたら格好がつかないじゃないの』  
 そうは言いながら、そして表情に出さないながらも風乃は緊張していました。  
 興奮し湿っているとはいえ、十分というにはほど遠い濡れ具合のそこを、恐る恐る近づけていきます。  
 性器同士が擦れ合うと、蒼衣がかすれた声を上げました。  
「くっ……あっ……風乃さん……」  
『じっとしていなさい……といっても動けないでしょうけど』  
 自らの手で割れ目をおし開くと、挿入し始めます。吸引していく、と言った方がしっくりくる状況ですが。  
『あっ……んん……痛っ……入って……くる……』  
「くっ……はぁ、はぁ、んっ……うぅ……い、痛あっ」  
『……おあいこよ……我慢しなさい、<アリス>……』  
 処女の膣が蒼衣を締め付け、蒼衣にもまた激しい痛みを与えます。空中をゆっくりと沈むように風乃は蒼衣と繋がっていき、やがて奥まで繋がります。  
 純潔を示す血液が結合部から流れ出し、風乃はうっとりとそれに目をやるのでした。  
 
『思ったより……痛くはなかったわね』  
「……そうなんですか?僕は……こんなに痛いなんて、思ってませんでした」  
 痛みと快楽に蒼衣は思わずうめきます。対して風乃には余裕が戻ってきたようです。入れてしまった事でふっきれたのか、こんな時でも蒼衣をいびり始めます。  
『<アリス>は今まで自慰はあまりしてなかったのかしら?雪乃をおかずにしたりしなかったの?』  
「じい、って……何ですか?」  
『本当に純粋培養なのねぇ……。ひとりエッチの事よ。それなら……んっ……痛むかもしれないわね……大丈夫、きっとすぐに引くわ』  
 破瓜の痛みも消えないまま、風乃は動き始めました。  
「あっ、んん……風乃さんは、平気なんですか……」  
『平気……よ。私にとって……痛みは……必要なもの……だから』  
 快感はほとんど無いまま、風乃は強引に動き続けます。  
 蒼衣の方はじきに痛みより快感が勝り、すぐに快楽が精神を支配し始めました。  
「うっ……風乃さん……僕……気持ち良く……」  
『いいわ……我慢しないで……そのまま……気持ちよく……なりなさい……んっ!』  
 繋がってそう時間は経っていませんが、既に蒼衣は絶頂感に襲われていました。息を荒げ、視点が定まらなくなっています。  
 その様子を見て、激痛の中で風乃は幸福に浸ります。可愛い<アリス>をこんなに喘がせている。その事をたまらなく嬉しく思い、自然と動きが速くなります。  
「あっ……あっ……もうっ……んくっ」  
『出す時に……「イク」って言って……<アリス>っ!』  
「ああぁっ、んっ!い、イク……うぅっ!」  
 どくどくと脈をうちながら風乃の膣中に精液を吐き出します。今まで味わった事の無いほどの強い射精感に、全て出しきった後もしばらく荒い呼吸をくり返します。  
 風乃もはぁはぁと息をつきながら自分の体内に染み込んで来る蒼衣の体温を感じていました。  
『よく出来たわ……<アリス>……クスクス……可愛いわよ?』  
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……どさくさにまぎれて……変な事言わせないで下さい……」  
『嫌ねぇ、別に変じゃないわよ』  
 企みが成功した風乃はご機嫌でした。  
 服を全て消して裸になると、蒼衣の上に寝そべり優しく抱きしめました。かなしばりを解かれた蒼衣も風乃を抱き返します。  
『これで、私達は共犯よ』  
 風乃の言うことは、最後までそんな調子でしたが。  
 
 ハッピーエンドで終わりそうになりましたが、この<泡禍>には続きがありました。まだ赤ずきんが登場していないのですから。  
『あら、本命のご到着みたいよ?』  
 風乃が言うと同時に部屋の扉が勢いよく開かれました。  
「姉さん!……って……え?」  
 雪乃絶句。しばし我を失い状況をなんとか飲み込もうと努力しています。  
 ここは夢見子の部屋。夢見子のベッドの上には半裸の蒼衣。その上に全裸の風乃。そこに突然現れた雪乃。  
 修羅場勃発です。  
「……何やってるの、姉さん……白野君も」  
 ややあって普段の自分を取り戻した雪乃がドスのきいた声で問います。  
『やぁねぇ、エッチしてたに決まってるじゃない。見て分からないの?相変わらずダメな子ね雪乃』  
 そんな今にもカッターナイフを取り出しそうな雪乃にも風乃は臆せずに答えます。  
『いい?これは<泡禍>なの。私達はその登場人物に選ばれてしまったのよ。私はおばあさん、<アリス>は狼、そしてあなたが赤ずきん』  
「………………はい?」  
 風乃がのたまい、雪乃またも絶句します。  
『<赤ずきん>がやってくると、すでに<狼>は<おばあさん>を美味しく頂いてしまっていました。そして<赤ずきん>も一緒に美味しく頂かれてしまうのでした。めでたしめでたし』  
「めでたくない!」  
 反射的にツッコむ雪乃。律義です。  
 混乱したまま、それでも近寄って来る雪乃に風乃は重ねて言いました。  
『それにね、ここに入って来た時点で貴方はもう逃げられないのよ?』  
 風乃が言い、雪乃の足が止まります。風乃はベッドの上からふわりと目の前に浮き上がりました。  
『素直になりなさい……。<アリス>に抱かれたいって、心の底では思ってたんでしょう?』  
 頬を撫でながら風乃は言います。雪乃は必死に抵抗しますが体は動きませんでした。  
「……誰が、そんな事」  
『だから素直になりなさい?どの道あなたでは私には逆らえないわ。私無しでは炎も満足に扱えないんだから。……さあ、昔のあなたに戻って?』  
 風乃が頬を撫で、雪乃の表情から力が抜けます。人として大切な何かも一緒に抜けていないか気になる力の抜け方でした。  
「……風乃さん、何も洗脳しなくても」  
 共犯者はもう半ば諦めたようです。  
『あら、洗脳じゃないわ、少し素直になっただけ。こっちが本来の雪乃なんだから時間がたてばすぐ馴染むわよ』  
 
 素直になってしまった雪乃はベッドに腰掛け、顔を赤らめます。重ねて言いますが、このベッドは夢見子のベッドです。  
『さぁ、雪乃も脱いで』  
「……わ、分かったわよ」  
 ツンデレは治りきらなかったようで、少し歯切れが悪いようです。  
 雪乃はスカーフを抜きとり、セーラーを脱いでいきます。風乃と蒼衣は手を出さすに見守っています。  
「……恥ずかしすぎるわよ、これは」  
『羞恥プレイですもの』  
「……そうなんですか」  
 シャツを脱ぎ、靴下を下ろし、上はブラだけの姿になりました。ですがそこから先がなかなか進みません。  
「…………えっと」  
『スカートも下ろしなさい?』  
「……でも」  
 もじもじとしながらちらちらと蒼衣の方に目をやります。  
『これからエッチするんだから、裸にならなきゃ仕方ないでしょう』  
 自分は裸にならずにやっていたのを棚に上げ、風乃がせかします。雪乃は言い訳をしようとして言葉につまり、観念してスカートに手をかけました。  
 目を伏せ、真っ赤になりながらスカートを下ろします。そして思い切ってブラを外しますが、慌てて胸を手で隠し、そのまま動かなくなってしまいました。  
「……も、もう無理」  
『……そんな雪乃も可愛いけど。でも最後まで自分で脱がなきゃダメよ。いい、雪乃?これは<泡禍>なんだからストーリー通りにやらなきゃ』  
 風乃はそう言って蒼衣に目配せします。あきらめて欲望に正直になった蒼衣は風乃の妄言に乗りました。  
「そうですね……ストーリー通りですね……ペロー版の」  
 同調圧力に負け、おずおずと最後に残った下着に手をかけます。手で隠れていた少し控えめな胸が晒され、二人は息を飲みました。  
 雪乃が下着を下ろし始めると、風乃は雪乃の後ろに回り込んでその胸を柔らかく包みました。  
「あっ!……姉さん、や、止めなさいよ……」  
『<アリス>は前ね』  
「ええと……ごめんね、雪乃さん」  
 蒼衣も雪乃の足の間に割り込み、風乃との間に雪乃を挟む形になりました。  
「んむっ……んっ……ちゅ……はぁ」  
 蒼衣がキスをし、風乃が胸を揉んでいきます。  
「はぁ……あんっ……あっ……白野君……姉さん……あっ……んくっ……ちゅっ……」  
 心の準備など整うはずもなく、雪乃はただ翻弄されます。既に何も考えられず、二人からの刺激によってすぐ快楽の中に落ちていきました。  
 
『ふふっ……<アリス>、下の方も触ってあげなさい?』  
「んっ……っはい」  
「え……な、何を……あ、ああっ!」  
 蒼衣はキスを中断し、足の付け根に手を伸ばします。ささやかな茂みがあり、湿り気のあるそこに手が届きます。  
「んんっ、やぁああ……っ、あっ!」  
 蒼衣が恐る恐る手を動かすと雪乃はもどかしげな鳴き声を上げます。目尻には涙が浮かび、息は荒くなり、雪乃が感じているのが蒼衣にもよく分かりました。  
「雪乃さん……」  
 自分の顔の前で喘ぐ雪乃の顔に興奮が増し、蒼衣の手の動きが激しくなります。風乃も後ろから手を伸ばし、硬さをもってきた雪乃の下の突起を摘みます。  
「やっ、姉さん、駄目っ!……はぁ、あっ!……やぁぁんっ!……あっ!」  
 風乃は汗の浮いた雪乃の肌に口づけ、胸に回していた手を雪乃の太ももに這わせます。空いた胸は蒼衣が揉み、もう片方の乳首を口に含みました。  
 足の間はくちゅりと音を立てるほどに濡れて、その液はお尻を伝ってシーツに染みを作り始めました。  
「あっ!くぅっ!……もう……駄目ぇ……私……」  
『そろそろね、<アリス>、指を入れてあげなさい。優しく、ほんの少しよ?』  
「はい……。雪乃さん、入れるよ」  
「やっ、待っ……ああっ!んっ、ああぁぁぁっっ!!」  
 固く閉じたそこに蒼衣が指を差し込み、その刺激だけで雪乃は快感の絶頂に達しました。  
「はぁぁっ……あっ……いや……私……」  
『嫌なことじゃないわ。ふふっ、よかったって言いなさい。……<アリス>、ソレ、今度は雪乃に入れてあげて。また出ちゃいそうなんでしょう?』  
「え、ええ……でも、雪乃さんは」  
『平気よ。それよりもここまでして最後までやらない方が平気じゃないわ』  
 風乃はぐったりとしている雪乃の足を開かせ、蒼衣を招きます。迷っていた蒼衣も誘われるままに挿入し始めました。  
「えっ?白野君、駄目っ、痛っ!」  
 膣中はきつかったものの、大量に濡れていたため挿入はスムーズでした。  
『我慢して、雪乃。今度は<アリス>に気持ち良くなってもらわなきゃ』  
「雪乃さんっ、僕も、すぐに出そう……」  
 風乃が後ろか押さえ、蒼衣はぎこちなく動きます。雪乃は破瓜の痛みに耐えながら蒼衣の背に手を回します。  
「んっ、はぁ、はぁ、雪乃さん……あっ!くぅっ!!」  
 そして幾度もしないうちに、蒼衣はその性欲の塊を雪乃の膣中に吐き出したのでした。  
 
 二度目の射精にも関わらず、大量に吐き出された精液が今も雪乃の股からこぼれ落ちています。  
 全てが終わった後、最初は恥辱にむくれていた雪乃ですが、今は満ちたりた表情を浮かべています。諦めは人を強くするようです。ごめんなさい、嘘です。  
 結局、全て風乃の企み通りの結果になってしまった事に蒼衣は複雑な心境のようですが。  
「ともかく、これで風乃さんの言う<泡禍>は終わりなんですか?」  
 終わりであって欲しいと願いながら蒼衣が尋ねるると、帰ってきたのは意地悪な笑みでした。  
『あら、終わりだと思うかしら?』  
 その答えに蒼衣が顔をしかめていると、突然大声と共に部屋のドアが開きました。  
「終わりなものか!!」  
 神狩屋でした。血まみれの。  
「嘆かわしいよ白野君!店の中でこんな淫行をくり広げ、あまつさえ君が今回の<泡禍>の潜有者だったなんて!」  
 神狩屋ハイテンションです。いきなり話が飛びます。風乃達の会話の内容を理解しているあたり、どうやら出歯亀していたようです。  
「ロッジの世話役として心苦しいけど身内から出た不始末は僕が責任を持って始末しなくてはならないんだ!許せ白野君!」  
 神狩屋ノリノリです。一息で言い切りました。蒼衣と雪乃は全くついていけません。  
「神狩屋さん……頭でも打ったのかしら?」  
『私がね』  
「あー……」  
 ここで神狩屋は古くさい拳銃を取り出しました。どうやら本気で蒼衣を始末するようです。  
 雪乃が身を固くして蒼衣にしがみつきます。  
「ああ、心配しなくてもいいよ白野君。残された女の子達は僕が面倒を見るから」  
『それが狙いなのね、このロリコン』  
 風乃は楽しそうです。  
「さぁ白野くん!最後に言い残す事は無いかい?」  
「<変われよ>」  
「くぁwせdrfgyよみこlp;@:!!!」  
 謎の奇声を発しながら神狩屋はみるみるうちに血しぶきになって、あたり一面を赤く染めあげて死んでしまいました。  
 
 
 
 ここはとある騎士団ロッジ。  
 ここには今も線が細いけど芯の強い少年と、少しキツイけど本当は照れ屋な妹、そして意地悪だけど優しい亡霊の姉が仲良く暮らしています。  
 あれが本当に<泡禍>だったのか、それともどこか遠くの町で<泡禍>が起こっていたのか。それは今の彼らには関係の無い事のようでした。  
 
 
 
はつかねずみがやってきた、うわ何をするやめておきたまえ(ry  
 

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