「くっ!」
油の匂いのする船倉の床に投げ出されライザは苦悶の声を上げる。
「・・・・・何のつもり?」
自分を囲んで見下ろす船員のにやけた顔をにらみ付けライザは怒りを押し殺した
声で問いかけた。
「お礼参りってやつさ」
自分たちを囲んでいた船員たちが左右に分かれ、ライザも見知った一人の航海士が進み出る。
「貴方・・・・」
ロンドンの街で衛兵たちに囲まれていたところをライザが救いそれ以後何かとライザの頼みを聞いてくれた航海士
「そんな・・・・貴方がなぜ?」
幾度となく自分の窮地を救ってきた信頼を寄せる航海士の突然の翻意にライザの表情が悲しみに染まる。
「へっ・・・何言ってやがる」
男は吐き捨てるようにライザの胸倉を掴みあげる。
「うっ・・・・」
イングランド仕官とはいえ女性のライザと海で鍛え上げた男の腕力には雲泥の違いがある。
「ロンドンであんたに助けられた時は感謝もしたさ、女の身で英国軍の中で頑張っているあんたを助けてやろうとも思った」
男はそこで突き放すようにライザを船倉の床に放り出す。
「だが、最近のあんたは何だ?他人にあんたの失敗の尻拭いばかりさせて、必要経費も払わない。インドくんだりまで言っても謝礼も感謝の言葉すらなしだ」
「それは・・・・」
ライザも思い当たる節があるのか言いよどむ。
「俺らももう我慢の限界でな、謝礼も感謝もあんた自身からもらうことにした」
「・・・・・え?」
男の言葉にライザが疑問の声をあげる。
「私自身から・・・・って?」
「へっ・・・・決まってるじゃねえか、あんたのその美味しそうな身体で払ってもらうのさ・・・」
狭く薄暗い船倉に男たちの熱気が一気に膨れ上がった。
「あっ!・・・・・くぅ・・・・」
油汚れたランプに照らし出された薄暗い船倉に女の苦悶の声が響く。
日焼けした逞しい船乗りに背後から抱きすくめられた状態でライザは
延々とその身体への愛撫を受け続けていた。
英国海軍女性士官を示すその軍服の胸ははだけられその隙間に滑り込んだ男の無骨な指が
ライザの軍人とは思えないほど整った胸を揉みしだく。
「やめ・・・・な・・・あっ!!」
胸の先端の尖りを指につまみ出され、ライザは男の腕の中で身を仰け反らせる。
「何言ってやがる。ずいぶんと気分出してるじゃないか」
男はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら執拗な愛撫を受け、
ライザの意に反して固く尖ってきた胸の先端を親指と人差し指で挟み込み摺り合わせる。
「駄目っ・・・・そ、こっ・・・・あっ」
軍人として、指揮官としての才覚は別としても軍人一筋に生きてきたライザは生まれて初めて感じる感覚に翻弄される。
「おいおい。英国軍人様が俺みたいな奴の指で感じてくれてるらしいぜ」
船長の声にゲラゲラと周囲の船乗りたちが下卑た笑い声を上げる。
「だ、誰が貴方なんかに・・・・・っ」
荒い息をつき、歯を食いしばりながらもライザはその鋭い視線を男たちに向ける。
「おお、怖い怖い・・・・だがよぉ」
にやけた笑みを消さず、男はライザの足元へと目を向ける。
「っ・・・・!!」
執拗なまでに刺激を繰り返される胸とは逆にほとんど放置されていたライザの下半身
ぴたりと閉じられた足はしかし先ほどから無意識にもじもじと膝をすり合わせていた。
「こ、これは・・・・」
意思の力で無理やり、膝の動きを止めるが男たちの笑みは消えない。
「おいおい、我慢は身体によくねえぜ?」
胸をいまだに嬲り続ける手はそのままにもう一方の手をライザの足の間に滑り込ませる。
「だ、駄目っ」
自分以外の者が触れたことさえない場所に男の手が伸びる恐怖
慌てて足を閉じようとするが男は力任せにライザの足を開き背後から自分の足を絡ませ固定する。
「遠慮するなって、ここが切ないんだろ?」
軍服の上からとは言え無遠慮に男の手が触れてくる。
そのおぞましい感覚にライザは身を振るわせる。
が・・・同時にそれ以外の痺れる様な感覚が背筋を駆け上ったのをライザは確かに感じた。
「くっ・・・いい加減に・・・・」
その感覚を無理やり振り払うように背後の男を睨み付け・・・・
「うあっ!!」
弾かれるように前に向き直り全身を弓のように仰け反らせた。