「…ふぁ。」
何度目の欠伸だろう。
ポップは首を振りながらしかめっつらをする。
全く、女ってヤツは買い物好きだよな―――。
マァムに連れられ、雑貨店に来たのはいい。
欲しいもの買えばとっとと出ればいいのに。
もう三十分は店の前でこうして座り込んでいることだろう。
俺様がこうして退屈しているのに、あいつは、色付きのキャンドルがどうだ、とか、ガラスの器がどうだ、とか眺めている。
やれやれ、とまた溜め息のような欠伸が漏れた。
と、目の前で紫色のローブの老婆が転んだ。
ポップはすぐさまそこへ駆け付け、手を差し延べた。
「大丈夫かい?」
「あぁ、すまないねぇ。トシとると嫌だねぇ。」
老婆は苦笑いしながらポップに体を起こされた。
「あんま急ぐなよ。また転ぶぞ?」
埃っぽくなったローブを軽く叩きながらポップは笑った。
「…親切ねぇ。最近の若い子にしては。感心だよぉ。…ご褒美にこれをあげようね。」
そう言うと、老婆は腰にぶら下げていた袋から、桃色の小さな瓶を取り出した。
「これは魔法の惚れ薬さ。一滴、飲ませてご覧なさい。あなたの想い人は、あなたの手中になるさ。でもね、たくさん飲ませちゃ行けないよ。良薬も限度を超すと毒だからね。」
一口で言い切ると、老婆は瓶を、とん、とポップの左手に乗せた。
「…あのっ、」
「ポップ?おまたせ!」
マァムの明るい声につい振り向き、再び老婆の居た方向へ目を遣ったが、既に紫の影は無かった。
「…あれ?」
「…どうしたのよ?」
きょろきょろと見回すポップを不思議に思いマァムが首を傾げた。
「…いや…何でも…。」
―――夢?
いや、確かに、ほら。
手の中に桃色の瓶が。
…でも、胡散臭いなぁ…。
惚れ薬なんて。
パプニカの城内の一角、ポップは城主のレオナから借りている部屋のベッドの上で瓶を光に透かしながら苦笑いした。
「一滴って?どんくらいかなぁ…。」
テーブルに置いてあったコップに半分氷水を入れて、瓶の蓋を空けた。
瓶を軽く振ろうとしたその時、
「ポップ!?」
ノック無しに、ばん、と大きな音を立ててマァムがドアを開けたものだから、ポップはびっくりしてしまい、瓶をコップにとぷん、と落としてしまった。
「あぁぁ!!」
急いで瓶を取り出したが、中身は既にコップの中へ流れ出していた。
「…何よ?大きい声出して?…あら、おいしそうなお水!あたしの為に入れてくれたのね!ありがとう!」
それは…と言いかけたポップの手から器用にコップを奪うと、マァムはごくごくと水を飲み干してしまった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
ポップは叫ぶしかなかった。
それは、それは、それは…!!!
不意にマァムの手からコップが滑り落ちて、ぱりん、と短い衝撃が固まっていたポップをびくりとさせた。
「…ポップ…」
熱の籠った声が耳を焼く。
とろり、と溶けた眼をしたマァムがポップの首に腕を回した。
「…マァム?」
尋常じゃない彼女の行動に再び身体が固まる―――。
「…どうし…」
どうした、と言う前に言葉が彼女の熱っぽい唇に塞がれた。
「…んん…っ?」
眼を見開いてポップはそれを受け入れるしか無かった。
驚く彼は、それが例の薬に因るものだとはすぐにわからなかった。
渇いた彼の口内をただ、無心に、彼女は舐め回す。
――もしかして、これは――。
気付くまでにだいぶ時間がかかった。
マァムは、はぁはぁ、と息を荒げ、紅い頬でポップににっこりと笑いかけた。
と、ポップは胸部に鈍い痛みを感じ、衝撃で背後のベッドに倒れこんだ。
マァムが眼に映らない速さでポップの胸部をどん、と突いたのだった。
げほげほとポップがむせていると、マァムが衣服を脱ぎ捨て、下着姿でポップの上に馬乗りになった。
「…おい!」
下敷きになりながらポップは堪らず叫んだ。
「何やってんだよ!何でっ、そんなカッコしてんだよ!」
「…ふふっ、見て…?」
媚びた瞳で、マァムはブラジャーをするり、と外した。
ポップの頭の上で豊かな胸がぷるん、と現れた。
「…ん、ねぇ、触って…?」
ポップの固まったままの手を無理矢理にマァムが自分の胸まで運んでいった。
手に伝わる柔らかい感触が全身を焼いた。
「…あぁ…。」
―――感嘆。
彼女はうっとりとした顔で目を閉じた。
「…ね、あたしのおっぱい、大きいでしょ?…もっと、好きにして、いいのよ?あなたを愛しているから…。」
甘い声でそう誘うマァムをポップは上手く言葉を繋げられずに見つめていた。
恐る恐る、彼女の胸を揉んでみる。―――柔らかい。
こんな、こんなときどうすればいいんだよ?
まだ幼さの残る少年は、まさかこんな事態になるとは予想だにしていなかったので、激しく混乱した。
確か、彼の上に跨る彼女は処女の筈―――。
しかも色恋事には鈍感―――。
なのに。
今こうしていやらしく声をあげて悶えているのは、惚れ薬のせいとはいえ、紛れもなく、『マァム』だ。
ポップは整理がつかず、ぐちゃぐちゃになった脳のまま、徐にマァムの胸の桜色の突起を口に含んで吸い上げた。
「…ひゃぁん!!」
突然の刺激にマァムはびくりと背を反らせた。
「…あ、あん、あ…ぅう!」
ポップは夢中で突起を吸い、舐め回す。
「…ぁ、ポップぅ…あ、だ、だめぇ、あ、あぁ、」
ちゅう、ちゅく、音を立てて吸い上げると、一層大きな声で彼女は喘いだ。
唾液でべっとりと濡れた突起を更に強く吸った、その時、
「あぁん!!」
泣いているような声を上げたかと思っている間に、ポップの口腔に甘い味が広がった。
「…むぐっ…!?」
妊娠等絶対にしていないマァムの胸の突起から勢いよくミルクが出たのだった。
入りきらなかった分が唇から顎へと一筋流れた。
「あ、あぅ、と、止まんないぃ…。」
うわ言のようにそう言うと、マァムは恍惚の表情を浮かべた。
―――これも、薬の…?
溢れ出る母乳を零さないように、ポップは彼女の乳首を更に吸った。
「ひぃ!」
ポップが唇をつけていない方の突起からも、まるで射精しているかのように母乳が噴き飛んだ。
「んんんっっ!!」
それが余程の快感だったのか、マァムは頬を赤らめ、あえぐことを止めない。
「んぁ、あ、もっとぉ…!」
泣きそうな声で彼女は催促をし続ける。
処女性は欠片も見当たらなかった。
ポップはその卑猥な様を充分に見せ付けられた。
「…うぅっ」
下腹部に衝撃を感じて彼はうめいた。
何で…と思う間も無く、マァムが笑みを浮かべながら彼の衣服から、痛い位に怒張した茎を取り出した。
「…マ、マァム…?」
彼女は指でその先端をなぞると、迷い無く、それに吸いついた。
「…っ!」
びりびりと背が痺れた。
ポップはこの異常な事態に恐怖を覚え、腰を引く。
「…っあ、だめぇ、逃げないで…?」
そう言うと、今度はもっと深く、彼女はそれをくわえ込む。
舌を絡めて、うっとりとした表情で。
「あ…駄目だ…、マァム…ぅ、こんなの…俺…っ、ぁあ…こんなのは…!」
くらくらと眩暈が起きる。
「…んむっ、…はぁっ、どうして…?キモチイイんでしょ?こんなおっきくしてぇ…」
構わず彼女は行為を続ける。
何故か手慣れている感じが、ポップの胸に黒い霧を巡らす。
駄目だ、と思いながら、若い身体は正直で、初めての刺激にそろそろ絶頂を迎えようとしていた。
「…ぁ、マァム、っ…ごめ…お、俺…っ、で、る…」
「だめ」
短く言うと彼女は脈打つ茎から唇を離した。
「…だっ、め??」
弾む呼吸がなかなか抑えられない。ポップは訳がわからず訊いた。
「…だってここに入れて欲しいんだもん…。」
そう言いながら、下着を脱ぎ、全裸になったマァムはポップの上に跨った。
「…おい!待てよ!」
さすがに何をするのか察したポップはマァムの肩に手を伸ばし、それを止めようとしたが、するり、と彼女は彼の手から身をかわし、屹立した茎に自身の潤った花弁を擦り付けた。
「…あんっ!」
敏感な部分が刺激されて、マァムは声を上げた。
ぴちゃぴちゃ、と水音が跳ねる。
「…マァム…、だ…だめだぁ…っ」
こんなことしているのに、気持ちは一向に高まらない。
どうして?
「…入れるね?」
悪戯っぽく笑うと、マァムは茎を後ろ手で持ち、その上に静かに腰を落とした。
ぎゅうぎゅう、と埋まっていく感覚にポップは息が詰まりそうになった。
眼が霞む――。
規則正しく上下する腰の震動で心臓が上手く鼓動を打てない。
酷く頭痛がした。
視線を結合部に見遣ると、薔薇を巻き散らしたかのように、初めての証が脱がされ切れていない衣服や、彼女の太股のそこここに飛散していた。
「…おまえ…痛く…ないの?」
「…っはぁ、あ、へい…きぃっ…ん、あぅ、いた、くな…いぃっ…。」
心配するポップをよそにマァムは紅い花を擦り付ける。
「…あ、い、いく、いくぅ、いっ…!!」
先に達したのはマァムだった。
ポップが呆然としているのにも気を留めようともせず、自慰のように、自分勝手に腰を速めて、マァムは呆気無く昇天した。
痙攣する花弁の奥から、潮が溢れ出て、ポップの身体も濡らした。
絶頂したショックで、射乳も、止まらない。
「…あ、あひっ、う、と、まらなっ…!」