深い暗い闇の中、必至に生きようともがいている二つの命を見つけた。  
その姿は砂の地獄に落ちた蟻のようで、見るには丁度良い暇つぶしになった。  
しかもその蟻は、もう既に動けない蟻を抱えながら必至に闇の中をもがいている。  
死にかけの蟻を捨てるのが先か、二匹で共倒れになるのが先か・・・と眺めていても  
その蟻はどちらを選ぶ事無く必至に『生』にしがみ付いて前へ進んでいく。  
 
「面白くないな・・・・」  
傍観している男が見たいのは、そんな力強く生きようとしている姿では無い。  
肩に抱えている死にかけの蟻を捨てるか、二匹で死ぬか・・・それを悩みながら  
絶望する姿が見たかったのに、迷う事無く生に向かって進む蟻に苛立ちを覚えた。  
 
「なんだぁ、しぶとい奴だな!もう津波起こして海に沈めちゃおうよ、殺しちゃえ!!」  
男の横にいるピエロが業を煮やしたように叫んで杖を振り上げる。  
その声を聞いて何か思いついたように笑いながら、男がピエロの手を止めた。  
「そうだね、これ以上見ても面白く無いしね・・・。でも、殺すのはいつでも出来るよ?  
 どうせなら殺す前にもっと楽しい遊びをしよう・・・・・」  
 
幸いな事に蟻の一匹は女―――――人間の女に興味なんて無いが  
あれくらいの子供が女として壊れていく姿は何度見ても楽しいと、男は笑う。  
退屈してた時に偶然見つけた玩具を喜ぶようにピエロがはしゃぐ。  
 
「あはっ!僕ね、一杯楽しい事思いついたよ・・・えっと、えっとねぇ・・・・」  
「そうだね。案外拾い物かもね、じゃあそろそろパーティの準備をしようか」  
二人は楽しそうに会話を進めながら、海面で泳いでいるその少女を見つめていた。  
もうとっくに体力の限界を超えているはずなのに、意識を失っている少年を抱えながら  
諦める事無く必至に陸に向かって体を進めている。  
 
「今回の主役は、あの武道家のお譲ちゃんで決まりだ・・・・・」  
 
(・・・・・・ぅ・・・・・・・・・っん?)  
かすかに聞える波の音とまぶしい光で彼女は目を覚ました。  
酷くぼやけた頭を無理やり起こして部屋を見渡す。  
 
(ここは・・・・どこだろう・・・・??)  
確かに光と音を感じたはずなのに、この部屋には窓も何も無い・・・。  
まるで箱のような部屋を見渡しながら彼女は自分の体に違和感を覚えた。  
 
(服、が破れてない。・・・・傷も治ってる?)  
ぼぅっとして上手く記憶を引き出せない事に苛立ちながら、頭を抑えて記憶を辿る。  
自分は確か傷だらけで海の中を泳いでいた。そして突然襲ってきた高波に飲み込まれた。  
それなのに服も体も、まるで何も無かったかのように綺麗な姿をしてる・・・。  
 
ぼんやりと確認するように自分の姿を眺めた後、ふっと思い出したように名前を呼ぶ。  
「・・・・ポップ・・・?」  
彼女が抱えていたはずの魔法使いの姿が見えない・・ザワリと嫌な予感胸に広がる。  
傷も服も綺麗に治って清潔な部屋にいるのに、何故か自分が助けられたとは思えなかった。  
今まで戦ってきた経験が、もっと深い本能が安心するなと告げている・・・。  
ぼやけた頭を強引に現実に引き戻そうとした時、聞き慣れた穏やかな声が聞えた。  
 
「目を覚ましたんだな・・・」  
「・・・・・ヒュン、ケル?」  
扉の前に立っている彼の姿を彼女は驚いたように見つめていた。  
・・・・彼がいると言うことはやはり自分は助けられたのだろうか、と考えながら  
不安を拭い去るようにベットから下り彼に歩み寄ろうとする。  
 
「無事だったのね・・・本当に良かった、ねぇポップが・・・・」  
ただ、一瞬生まれた安堵の感情もベットから下りて3歩の位置で消えてしまう。  
言おうとしていた言葉を止め、用心深く彼の顔を見ながらそっと身構える。  
 
「・・・・どうした?マァム、誰か敵でもいるのか?」  
からかうように笑うヒュンケルに応える事無く、無言でじわりと体を動かす。  
殺意や敵意はないが、悪意に満ちたこの気は彼のモノじゃない・・・ヒュンケルじゃ、ない・・・・。  
その瞬間、弾かれたようにマァムは彼に向かって飛びかかった。  
瞬時に彼の背後に回り、習慣化した動きで敵を床に押さえつけ拳を振り上げる。  
 
「ねぇ、お姉ちゃん。そいつに攻撃しても良いけど、攻撃すると本物も死んじゃうよ」  
(―――――――――――えっ!!!)  
突然聞えてきた子供の声に打とうとした拳の手が一瞬止まった。  
油断した途端立場は逆転し、ダンッ!と言う鈍い音を立てて彼女は床に押さえつけられた。  
 
「・・・っ!」  
必至に抵抗しようとするマァムを押さえつけ、慣れた手つきで細い体を組み敷いていく。  
白い足を大きく開いて強引に体を割り込ませながら、両手を押さえつけ彼女の自由を奪う。  
荒い呼吸吐き上下する胸をうっとりと見つめ、ヒュンケルの姿をしたモノが楽しそうに囁いた。  
 
「こんな風に男に襲われるのは初めてか?・・・安心しろ、今は恥かしいと感じてる  
 格好も、その内自分から股を広げねだるようになる。」  
「―――――――――っ!!」  
その言葉を聞いた瞬間、怒りの感情が彼女の全身を駆け上がっていく。  
 
・・・彼の尊厳を無視して、同じ姿と同じ声でそんなセリフを吐かれたのが許せなかった。  
相手に嫌悪感を抱きながら指先に魔法力を込め、技を出すタイミングを計る。  
回復魔法しか使えない自分が持つ必殺の奥義・・・生き物を殺す最強の技。  
 
「・・・・さっきの警告聞いて無かったのかい?ソレを殺しても良いけど本物も死んじゃうよ」  
 
突然耳元で聞えてきた覚えのある声と自分を覗き込む姿に、彼女は息を呑んだ。  
気配無く現れた仮面の男が楽しげに、彼女を覗き込んでいる・・・大魔王の側にいた男・・・。  
この人物に捕らえられたとしたら、自分のレベルでは絶対に助からない。  
恐怖に染っていく表情を満足そうに眺め、男はねっとりとした動きでマァムの頬を撫でる。  
 
「意外に乱暴なんだね、まさか気配が違うって分かった途端攻撃するとは思わなかったよ。  
 ・・・うん、でも良いね。その表情も気の強い性格も・・・この体も予想以上に楽しめそうだ」  
「一体何が目的なの・・・!本物のヒュンケルはどこにいるの・・・・!?」  
 
恐怖で震える体を抑えて、気丈に睨みつけてくる彼女を見て更に楽しそうに笑う。  
彼女を支えている心の芯をゆっくりと壊すように、クスクス笑いながら呟く。  
 
「今君を押し倒している人物は偽者?操られているだけの本物?・・・どっちだと思う?」  
 
その言葉を聞いて怒り、絶望、悲しみ、願い・・・・全ての感情が瞬時に混ざり合い  
彼女の顔色を青く染めていく、何かを感じ取ったのか震える喉で叫ぶ。  
 
「まさ・・・か、あなた・・・ヒュンケルに何をしたの!!??」  
「さぁ?どっちだと思う・・・?彼が偽者だとしても、本物は僕の手の中だ。  
 君がこいつを殺せば僕も彼を殺すよ・・・それとも奇跡にかけてみるかい?偽者かも知れない  
 こいつを殺して本物を助けて見る?でも、操られているだけでこいつが本物かも知れないよ・・・」  
 
恐怖から絶望へ・・・理想通りに変わるその素晴らしい表情に、うっとりと息を吐く。  
絶望しながらも彼女の拳にある魔法力は込められたまま、反撃する機会を伺っている。  
弱者独特の醜い足掻きにニタリと笑いながら、男は来た時と同じように前触れも無く消えた。  
 
「別に怖がる事は無いよ・・・君はただ僕が飽きるまで、彼らと遊んでくれたら良い。  
 そうしたらちゃんと皆を仲間の元に戻してあげよう・・・悪い条件じゃないだろう??」  
男がいた場所から、そんな声が流れて消えていく。呆然と消えた場所を見つめている  
マァムにヒュンケルとは別の手が、彼女の細い手首を押さえつけてきた。  
 
「・・・・だってよ。だから悪いけどこんな物騒なモン消させてもらうぜ」  
 
その口調を彼女は良く知っている、少し軽い・・・でも人を明るくさせる朗らかな声。  
少し皮肉気な独特の笑みを浮かべながら、頭上からマァムを覗き込んでいる。  
目の先で揺れる黄色いバンダナ・・・・彼女が探していた魔法使いの少年・・・・。  
 
「うそ・・・でしょ・・・、どうして」  
彼女の手に込めた魔法力を解いた後、口に小さなカプセルを入れてポップは笑う。  
ゆっくりと近づいてくるその顔から逃れようと首を振るが、その小さな抵抗も  
ヒュンケルの逞しい手に顔を押さえられて、簡単に自由を奪われてしまった。  
いや・・・と震えながら呟くマァムに、二人は優しく笑いかける。  
 
「キスが・・・怖いか?ただ唇を重ねるだけだ、何も怖くないだろう?」  
「ごめんな、お前が辛いの嫌だから・・・だからちゃんとコレ飲んどこうな・・・」  
 
似ているようで似ていない二人の口調を聞きながら、彼女は願うように叫んだ。  
「いや、お願い・・・二人とも止めて・・・!こんなのは嫌―――っ!!」  
初めて感じる唇を重ねる感触に、マァムの体がビクリと跳ねた。  
 
硬く閉じた口を開こうとするように、ポップの舌が歯列を舐めて優しく愛撫する。  
生ぬるい舌の感触に硬く口を閉ざし目を瞑って耐えていると、クスリと笑う音がして  
突然、鼻先を摘まれ呼吸を止められた。  
驚いたように目を開いたマァムに、ヒュンケルが鼻先を押さえながら諭すように囁く。  
 
「・・・ダメだな、そんなに硬く口を閉ざしていたら口付けの意味が無いだろう?」  
「―――――――――っは!!やっ、んん・・・・!!!」  
耐え切れずに口を開いた途端、ポップの舌が入り一回り小さな舌を絡めて行く。  
唾液で濡らすように、その舌を舐め取りながら口に含んだカプセルを喉の奥に押し込めた。  
 
「いっや・・・ぁ!!・・・ふぁっ!!やめ、って・・・んっ!!!」  
吐き出したいのに、ポップの舌がそれを許さない。  
口の中で必至にもがく舌を押さえつけて、唾液と共にカプセルを喉の奥に入れていく。  
抵抗して零れる唾液がマァムの顔を濡らして喉に零れるのと同時に、小さな喉がコクリとなった。  
 
吐き出さないように口内に唾液を送りながら、完全に飲み込んだのを確かめて唇を離す。  
無理矢理飲まされたカプセルの気味の悪さと、呼吸を止められた息苦しさに咽ていると  
口の周りを拭きながら、ポップがニヤリと笑う。  
 
「すっげぇ・・・口の中までドロドロ・・・・これからもっと気持ちよくなろう・・・な?」  
その声に反応するように、今度はヒュンケルが零れた唾液を追うように  
マァムの濡れた喉に舌を這わし始めた・・・。  
 
「いやっ・・・だ・・・!!!」  
逃れようと身を捩っても男二人に押さえられた状態では、体をくねらす事しか出来ない。  
そんなささやかな抵抗を楽しげに見ながら、硬く止められた武道着のボタンを  
胸元まで外した後、左右に掴み強引に引き裂いた。  
 
「―――――――――――!!!!!」  
ビリッと布が破ける激しい音に、マァムは驚いて声が出せなかった。  
破れた赤い布から白い乳房が零れ落ちるように顔を出す。  
年齢に不釣合いな・・・大きな乳房をすくい上げるように揉みしだきながら  
ヒュンケルが確かめるように恐怖に染まったマァムの顔を覗き込んだ。  
 
「どうした・・・?何をそんなに驚く、服を着たまま出来る訳がないだろう・・・?」  
からかうような口調でそう言いながら、白い肌に噛み付いて小さな痣を残していった。  
乳房に沈む大きな彼の手と、まるで食べられているような愛撫に彼女の体が大きく跳ねた。  
 
「・・・ぁっ、ぃっ・・・・・・・!」  
肌に残されていく微かな痛みは、まるで刻印のように彼女の深い部分に傷を付けていく。  
どんな恐ろしい敵にも果敢に挑み、酷い怪我も耐える事が出来たのに  
信頼している仲間に付けられたこの小さな痛みの方が何倍も恐ろしくて痛い・・・。  
そして痛みの中に・・・微かな、痒いような甘い波がゆっくりと来る事を感じた。  
ヒュンケルの手がゆっくりと自分の肌をなぞっていく・・・その部分が酷く熱く疼く。  
じらすような指が微かに彼女の胸の突起に触れた時、全身に電気が走った。  
 
「ひゃ・・!ぁ、んっっ!!!」  
部屋に響くほどの大きな嬌声に一番驚いたのは彼女だった。  
初めて聞く自分のはしたない声を聞いて、羞恥で体がさっと紅く染まった。  
その紅く染まった肌を愛しそうに撫でながら、ヒュンケルがクスリと笑う。  
 
「良い反応だな・・・。ここが感じるのか?」  
「―――――――っあ!!!・・・んん」  
そう言いながら、嬲るようにもう一度ゆっくりと指の腹で膨らみ出した乳首を撫でる。  
2度・3度と指が往復していくとそこは硬く膨らみ、ねだるようにふるふると震えていた。  
自分の体で起こるその変化に、彼女は戸惑い目に涙が浮かぶ。  
 
(・・・いやだ、何・・・・これ・・・・)  
敵に捕らわれて本物かどうか分からない仲間に嬲らているのに  
死にたくなるほど屈辱を感じているのに・・・体は甘い快楽に流されていこうとする。  
変わっていく自分の体に混乱していると耳元でそっと囁く声がする。  
 
「・・・・可愛い声。クスリ、効いて来た?」  
あの時強引に飲まされたカプセル・・・・マァムは呆然とポップを見つめていた。  
押さえつけていた体を後ろから抱き起こして、挟み込む形で彼女を座らせる。  
黄色いバンダナをその細い手首に器用に巻きつけながら、ポップがうっとりと笑う。  
 
「俺もお前の可愛い声出したい・・・混ざっても良い・・・?」  
「いや・・・お願い、本物なら・・・・目を覚まして・・・・・」  
残された気力を振り絞って奇跡を願うように、震える喉で必至に声を出す。  
祈るようなその声に返答せず、マァムを後ろ手に縛って自由を奪った後  
ふっくらとした太腿を撫ではじめた。  
 
「ポップ、やめて・・・・いや・・・やだぁ・・・んんっ、ぁん」  
否定するように小さく首を振っても、体は芽生えた欲望に素直に反応する。  
大きな指の動きにあわせて形を変える乳房や、足の這うように動く手の光景は  
知識が乏しい自分が見ても卑猥で淫乱な光景だった。  
 
「ぁぁ・・・はっ、やっ、もう・・・ゆるして・・・ぅん、ぁっ」  
許しを請う声と快楽を貪る声が同時に彼女の口から零れ落ちていく。  
熱く潤んだ目ととろりと零れる唾液を舌で舐めながら、ヒュンケルは  
愛しそうに彼女を見ながら、二本の指で擦るように乳首をつねり上げた。  
 
「うっぁ・・・!!やっ!!!ぁぁぁ・・・!!!」  
その声を聞いて彼らしい深い瞳が満足そうな顔で自分の顔を見つめている。  
頬を伝う涙を舐めとりながら、泣く子供をあやすようにマァムの髪をくしゃりと撫でる。  
偽者か操られているのか・・・分からない、彼は良く知った同じ顔、同じ声で笑う。  
 
理性を保って毅然としていたいのに、絶え間なく与えられる快楽がそれを許さない。  
快楽に身を任せてしまいたいのに、見慣れた仲間の顔が現実に引き戻していく。  
大切な人達をこんな形でしか守れない・・・無力感と屈辱と恥かしさに涙が零れた。  
 
「・・・可愛いな。もっと泣いてみろ・・・」  
「ヒュン・・・ケル、んっ、ふ・・・ぁぁ・・・」  
食むように唇を深く重ねた後、指で弄んでいた突起を口に含む。  
その戸惑いを煽るように、ヒュンケルはワザといやらしい音を立てながら吸い付く  
見せ付けるように舌を大きく出し、飴玉を転がすように彼女の乳首を弄ぶ。  
唾液で濡れた乳首はまるでナメクジのように、ぬらぬらと光り彼の舌に絡み付いていた。  
 
「ぁ・・・ん、はっ、ぁ・・・んんっ・・・」  
舌の動きにあわせてポロポロと涙を零しながら小さな声で喘いだ。  
強制的に与えられる快感に、酷い目眩を覚えながら求められるままに声を出す。  
その声に反応するように大人しく足を撫でていた手が下着に手をかけた。  
彼女の腰を抱きかかえるように少し浮かしながら、後ろから器用にそれを脱がしていく。  
 
「・・・・・やだぁ・・・・、こんなの・・・おねがい・・・」  
自分でも見た事が無い部分を強制的に晒され、彼女の体が大きく震えた。  
閉じようと震える足を大きく開いて、彼はまだ幼さの残る茂みに手を延ばす。  
そして、その茂みがほんのりと薄く濡れている事を確かめて、クスリと笑う。  
 
「なにが・・・いや?お前すげぇ濡れてんのに・・・いやらしい女」  
「・・・・ちが・・・う、いやぁ・・・ちがう・・・・」  
「だから、何が嫌なんだよ・・・・お前さっきからすげぇ可愛い声で喘いでんのに」  
彼女を煽るように屈辱的な言葉を、甘く囁きながら零れる蜜をすくい上げる。  
見せ付けるようにその蜜を指で擦った後、茂みに隠れた蕾にそっと爪を立てた・・・。  
 
「――――――っぁ!!!!」  
その刺激は快楽と言うより痛みに近かった。  
彼が撫でた部分が火がついたように熱く、じわりと体中に広がっていく。  
自分の下半身から、なぜあんなにぐちゃぐちゃと音が立っているのか分からない。  
唇や胸元や下半身から濡れたいやらしい音が聞えて、彼女の体を蝕みながら支配していく。  
 
「いや・・・、やだっ・・・怖い・・・もうこんなっの・・・んっぁ!!!」  
まるで自分を体を変えられていくような恐怖に、彼女は縋るように彼を見た。  
どれだけ否定の言葉を紡いでも、通じない事なんてもう充分思い知っているのに  
彼達の姿に惑わされる・・・いつかは通じるかも知らないと、心のどこかで信じてしまう。  
 
―――ただ、現実は彼女の期待を嘲笑うかのように裏切っていく。  
涙で濡れた目が見たのは、自分の体が変わる瞬間を愉しみに待つ二人の顔。  
 
「こんなのヤダ?怖い??・・・・無理だって。もうクスリの所為にして流されちゃえよ」  
「・・・・俺たちが怖いなら、一緒の所まで堕ちれば良いだろう・・・?」  
その言葉が引き金になったかのように、彼女の震えが全身に広がった。  
恐怖でも怒りでもない快楽の震えが、自慰すらした事が無い体を強制的に変えていく。  
 
「ひゃっ・・っ、あっん!あっ、いやぁっ!!・・・あぁぁぁぁ!!??」  
泣き叫ぶように大きく喘ぎながら、彼女は大きく痙攣して床に転がった。  
その瞬間、彼女の体から透明な愛液が噴出し白い床を汚していく。  
荒い息を繰り返しながら、彼女は混沌とした意識でその光景を眺めていた―――。  
 
 
「泣きながらイッたか・・・?」  
「でもこういうのってすげぇそそる・・・・」  
「・・・・・・・・・・・」  
二人の声に反応する気力も既に残っていない。  
遠ざかっていく意識を彼女はどこかほっとした気持ちで感じていた。  
この異常な状況から抜け出せるただ一つの手段。  
荒い呼吸を整えながら、意識を閉じるようにゆっくりと目を瞑る・・・・。  
 
「・・・・まだ気を失うには早いだろう?」  
その声がした後、バサリと布が落ちる音がした。  
現実に引き戻すように彼らは衣服を脱いで、怒張した自身を彼女の目の前に晒していた。  
息を飲む様子を楽しみながら、愛液で濡れた赤い武道着を捲り上げ彼女の足を大きく開く。  
 
「いや、それだけは嫌・・・・ぁ・・・」  
濡れた入り口に押し当てられている硬いもの・・・それがどういうもので  
何を意味しているのかは嫌でも分かった。  
先程の余韻で震える足をゆっくりと撫でながら、ヒュンケルが無言で笑う。  
 
「ごめんな・・・・俺たちは『それ』がしたいんだ」  
その声は横から聞えた、まるでその瞬間を眺めるようにポップが自分の姿を見ている。  
汗と涙でドロドロになった髪を優しく梳きながら、愛しそうに微笑んだ。  
 
「そっか・・・お前『元僧侶』だもんな。お前が神様に見放される瞬間見ててやるよ・・・」  
 
耳を塞ぎたくなるような残酷な言葉を聞いた瞬間、自分の体に何かが入ってくる気配がした。  
くぷりと泡がはじけるような音を立ててゆっくりと体内に熱くて硬いものが入ってくる。  
 
「―――――――――――っ!!!」  
『それ』は酷く痛い・・・と聞いていたのに、彼女が最初に感じたのは疼くような熱さ・・・・  
先程の強制的に与えられた快楽とは種類の違う、不思議と暖かい温もりに体が震えた。  
 
「いくら濡れてても・・・さすがに・・・っキツイな。すこし、慣らすぞ」  
「・・・・・ぇっ!?ふっ、ん・・・・あぁ・・・??」  
苦しそうに眉を寄せてそう言った後、ヒュンケルは中を広げるように動き始めた。  
初めて受け入れるには激しすぎる動きなのに、彼女の体は素直にその動きに順応し  
中に入ったモノの動きに合わせて、戸惑いながら声を上げ始める。  
 
「ぁっ・・・やっだ、んん・・・なんっで・・・・!!??」  
痛みも苦しみも感じずに自分の体は初めて感じるその快感を喜んでいた。  
出し入れを繰り返している秘唇からじんわりと蕩けていくような・・・・  
言い様の無い快楽に流されようとする体を、残った理性で抵抗する。  
 
「んんっ、あっ・・・やだ・・・・こんなのっ!ふぁ、ぁん!!」  
「へぇ・・・お前、中の方が感じんだな・・・気持ち良さそうな顔。  
 俺たちに犯されてそんなに感じる?・・・・もしかして犯して欲しかった?」  
「ちがっ・・・うこんなの・・・ちがっ・・・んふっ!!!」  
否定する言葉を塞ぐようにポップは熱い自身を、彼女の口内に押し込んだ。  
とろりと溶ける様な唾液の感触に、彼の腰が快楽に震える。  
 
「・・・ぁっ。やべ・・・お前のくち、すげぇ気持ち良い・・・・」  
「ふっ!!―――――――――――っ」  
破れた衣服から零れる大きな胸を揉みながら、ゆっくりと腰を動かしていく。  
自分の口の中でビクビクと跳ねる異物に怯えながらも、乳房を触られる快楽に  
自然と唾液が零れ落ち、彼の竿に絡みついていた。  
 
「なるほど、犯される方が感じるのか・・・だから口で咥えた途端また濡れたんだな・・・」  
「っ・・・んんっ・・・・・!!!ちがっ・・んふ・・・・ぁっっ!!!!」  
否定しようと離そうとした口は、強引に押さえつけられまた肉棒でふさがれる。  
嬲るように卑猥な言葉を吐き掛けて、ヒュンケルは更に激しくピストンを繰り返す。  
 
ぐちゃんと濡れる愛液と共に赤いモノがヒュンケルの肉棒に絡みつき白い肌を汚していく。  
純潔を奪った証・・・・彼はそれを満足そうに見つめながら汚れた部分を撫でる。  
クスリを飲んだおかげで愛液で蕩けているが、痛いほどの締め付けは処女特有のモノ・・・。  
極上の刺激を感じながら、彼は直情的に激しく腰を突き動かす。  
自分の欲望を彼女の中に爆ぜる為に、子宮の奥に届くようにぐちゃぐちゃと中を広げていく。  
 
「んっんん・・・・・!!!っ・・・ぁやっ、抜いて・・・やだ、ぁやだぁ・・・!!!」  
口に入ったモノを強引に引き抜いて、その瞬間から逃れようともがきながら叫ぶ。  
その動きと自分の中でビクビクと震えだす感覚に全身に鳥肌を立てながら彼女は泣いた。  
 
これの動きが何を意味しているのか、それをされるとどうなるのか・・・・  
快楽で染まった体に再び恐怖が戻ってくる。  
再び激しく抵抗を始めた体を押えながら、ポップが諭すようにマァムに語りかけた。  
救いを求める目を受け止めながら、闇に落とすように暗く・・・哂う。  
 
「だめだって・・・。言っただろ?俺たちは『それ』がしたい、って」  
「いやっ・・・ぁぁ!!ああああ・・・・・っ!!!  
否定する声を楽しむように、細い腰を押さえつけてヒュンケルは更に動きを早めた。  
 
「っ・・・出すぞ・・・・」  
「あっ・・・・ふぁ・・・っっ・・・・・!!!!」  
短い呟きと共にドクンと激しい音を立て、自分の中に大量の何かが吐き出されていく。  
射精にしては余りに長く激しいモノが自分の中に注がれていく感触――――。  
(・・・・ぁぁ・・・・・・・・)  
声にならない声で泣きながら、熱いもので埋められた事を感じて彼女は意識を手放した。  
 
 
一度目の気絶は現実から逃れる為だった。  
――――ただ『女』としてこの二人に使われ、それに反応する体が恨めしくて  
奪われた事に対するショックと、自分の体内に吐き出された熱さに気を失った。  
 
二度目の気絶は微かに残る希望を切り捨てる為だった。  
――――結局、目が覚めても現実は何も変わらない。  
酷く甘い言葉と優しい愛撫を教え込まれるように繰り返し、強引に絶頂に立たされた。  
何度もそれを繰り返され、彼らは交互に自分の中に入ってきて嬲っていく。  
 
吐き出される事への恐怖は消え、この行為が終わるのを溶けそうな頭で願った。  
男の人の精はそんなにたくさん持たない・・・とどこかで聞いたセリフを思い出しながら  
彼らが落ち着くまで受け入れようと、覚悟をして強引に意識を閉ざした。  
 
そこからの気絶は・・・・良く分からない。  
――――いつまで経っても何度受け入れても彼らは満足しない。  
彼らも自分と同じように変えられたのかもしれない・・・とぼんやりと考えていた。  
彼らを守る為に提供していたはずの体は、次第に最初の意味を無くして  
与えられる欲望を喜ぶように自らの意思で受け入れるようになっていた。  
 
「愛してる・・・」  
「好き、だよ・・・」  
何度目かの時に、それぞれに甘く吐き出された言葉に体が素直に反応する。  
今までの行為が愛されているような、錯覚の中で絶頂に達する。  
震える体を受け止めてくれる二人の温もりを感じて、彼らに身を預けた。  
きっと、また目が覚めても繰り返される異常な行為・・・でも闇の中にある  
彼らの体はこんなにも優しく暖かい・・・。  
 
その温もりを感じながら、するりと手を回して自らの意思で彼らを求めた。  
絡まる舌の感触に震える体を感じながら、彼女は言葉の意味を知る。  
(ああ・・・・『堕ちる』って・・・こう言う事なんだ・・・・)  
そんな事をぼんやりと、深い闇の中に沈んで行く自分を静かに感じていた。  
 
・・・どこだか分からない清潔な白い部屋。  
綺麗に磨かれた床の上で、彼女は体液で汚れながら悶えていた。  
自分が捕らえられてからどれだけの時間が経ったのか分からない、  
酷く長い時間のような、まだそんなに時間が過ぎていないような・・・・  
そんな事を思いながら背後から突かれる刺激に身を任せる。  
 
「お前の体・・・すげぇな、っそんなに入れられるの気持ち良い?」  
「んっ・・・・ぁ、ぁん!っは、んんっ・・・」  
言葉の代わりに、きゅうっと締め付ける膣の温もりにポップは身を震わせる。  
じんわりと包み込んでくる愛液に応えるように、彼の腰は一層激しく動き出した。  
尻を鷲掴みにされ、パンパンと卑猥な音を立てながら膣内を貪られる刺激・・・。  
 
「ひゃぁ、ん!・・・・ぁっ、ダメっそんなに、しないで・・・ぁんっ!!!」  
その否定の声に、恐れも戸惑いの色は残されていない・・・。  
ただ体に覚え込まされた快楽の波を待つように、淫らに声を張り上げる。  
ゆっくりと体内を廻る快楽に身を震わせ、ねだるように右手に握った  
硬く反り上がるもう一つのペニスを強くしごいていく・・・。  
 
「・・・・っ、またイキのか?大分と手を使うのも上手くなって来たな」  
そう優しく誉められる事に不思議な快感を覚えながら、彼女は教えられた通りに  
彼の気持ち良い部分を細い指で擦りあげ、その瞬間を待った。  
 
「ぅっ・・・イクっぞ、マァム舌を・・・・っ!」  
「ふぁ!!っんん・・・!!ぁん」  
求められるままに舌を出して、手から零れる白い精液を受け止めていく。  
ドクドクと勢い良く吐き出された精液は、差し出された舌だけではなく  
彼女の顔全体にかかり、頬や鼻先にべっとりとこびり付いた。  
 
「・・・大分と零れたな・・・綺麗な顔が台無しだ」  
「んっ・・・・」  
クスリと笑いながらヒュンケルは自らで汚した顔を手で拭い、汚れをふき取る。  
 
トロリと指に絡まる熱い精液を楽しそうに眺めた後、彼女の口内に指を押し入れた。  
それに嫌がる気配も無く彼女は口内に入ってくる指と青苦い精液を大人しく受け入れ  
ペロペロと愛しそうに舐めて綺麗にしていく。  
その光景を背後から傍観していたポップがうっとりと笑う。  
 
「良く・・・出来ました。ホラ、今度は俺たちの番・・・一緒にイこう?」  
「ふぁ・・・!!?、あぁ・・・ぁん、あん!!」  
ヒュンケルが達するまで嬲るようにゆっくりと動かしていた腰の動きが早くなる。  
彼女の膣から零れ落ちた愛液の淫らな匂いが部屋に広がっていく・・・たぷたぷと揺れる  
乳房を後ろから揉みながら、直情的に動く刺激に彼女の体が再び震えだす。  
 
「あっ・・・やっだ、またっ!ダメぇ、やっ・・・ポップッ・・・もうっっ!!!」  
「・・・うん、俺ももう・・・っダメ。また可愛い声で鳴きながらイって?」  
「ひゃっ、ぁぁ・・・あっ、ああぁぁぁ!!!!」  
自分の膣内にぶつかる熱い精液の刺激に合わせて、彼女も涙を零しながら絶頂に達した。  
短く呻きながら肉棒を引き抜くと、泡立った白濁液が彼女の足にトロリと流れ落ちる。  
秘唇や太腿の回りには、純潔の血液と大量の精液が卑猥にこびり付いていた――。  
 
 
再び快楽の闇に堕ちていく彼女を  
暗い闇に落とした者達が楽しそうに眺めていた。  
 
『・・・・堕ちたかな?』  
『完全に堕ちた、ね・・・でも、まぁ良く耐えたほうじゃないかな?』  
 
その淫猥な光景が流れる映像を、見つめながら二人の影が呟く。  
子供の声に応えるように、クスクスと満足げに仮面の男が笑っていた。  
穢れを知らなかった少女が闇に落ちていく姿を見ながら恍惚の表情を浮かべる。  
 
『でもさぁ、これも楽しかったけど、こんな回りくどい事せずにたくさんの  
 モンスターに襲わせて、壊しちった方が楽しかったんじゃない?』  
『ダメだよ・・・ああ言う偽善が服を着て歩いている子はね、仲間の相手をするのが  
 一番効果的なんだよ。そっちの方が脆くて壊れやすくなるんだよ・・・・』  
涙を零しながら悶える少女の映像を楽しげに眺め、男は膝の上に乗せた子供に  
言い聞かせるように笑った。  
 
『そろそろ飽きてきたし、言い付け通りこのお譲ちゃんも僕が飽きるまで  
 付き合ってくれた事だし・・・そろそろ返してあげようか?』  
『ええ〜!!もっと遊ぼうよ、僕一杯おもちゃ用意してたのになぁ・・・・』  
 
男の提案に子供は拗ねるように遊び足りないと抗議した。  
彼女を壊す為に、あの二人以外に色んな人を用意していたのに・・・と  
つまらなそうにため息を付いて男の膝の上にもたれかかる。  
 
『ダメだよ・・・死んじゃった先生とか出すと、完全にここで壊れちゃうよ?  
 仲間の元に戻ってから、徐々に壊れてくれないと面白くないだろう・・・・??』  
その時の事を想像しながら男はゾクリと身を震わせた。  
このまま彼女を戻して、今まで通りに彼たちと接する事が出来る訳が無い。  
呆れるほど純粋に彼等を信じていた、少女が怯える様子を二人は不審に思うだろう。  
 
いや・・・この少女だけでは無く、あの二人にもこの光景を見せておいた方が面白い・・・  
こんな風に力では無く、心の深い部分からパーティを壊滅させる事が楽しかった。  
クスクスと笑う男を見ながら、子供はくるりと身を翻して男の肩に乗った。  
 
『ふぅん・・・そんなもんかぁ、じゃあ今回はキルの言う通りにするから  
 僕がお姉ちゃん壊して来ても良い・・・?』  
そう言い残して消える子供を見た後、モニターに移る少女を眺める・・・。  
自分が連れてきた時とはすっかり変わってしまった淫猥な表情を見て笑う。  
 
『本当に・・・予想以上に楽しめたよ。最後に最高の顔を見せておくれね?」  
 
 
 
(・・・一体いつまで続くんだろう)  
すっかりと蕩けてしまった頭で、彼女はぼんやりと考えていた。  
酷く鈍ってしまった思考とは対照的に、体は彼らの望むまま淫らな動きを覚えていく。  
教えられた通りヒュンケルの上に跨りながら腰を振り、口ではポップのモノを咥えていた。  
 
「・・・っ、そこ・・もっと舌、絡めて。・・・・・・っ!」  
「・・・んんっ!ん〜!!!」  
言われた通りに、先端の割れた部分を吸い出すように舌を絡めその瞬間を待った。  
頭を押えられて喉の奥に飛び掛る精液を、吐き出さないように飲み干していく・・。  
勢い良く精を吐き出して、次第に小さくなっていくモノを口の中で遊ぶように転がす。  
 
何度目かの時に教えても貰った彼が悦ぶその動作を思い出し、ゆっくりと舌で包んだ。  
唾液を零しながら、小さくなった自分のペニスを未だに口に含んでいる様子を見て  
ポップは満足げに笑いながら自身を彼女の口から引き抜き、誉めるように口付けた。  
 
「・・・・淫乱。そんなに俺達とこうしてるの気持ち良い?」  
「・・・・・」  
その問いかけに言葉では無く、彼を見る蕩ける目と絡まる舌が代わりに応える。  
自分達が変えた少女の淫猥な体と心を見て、二人はうっとりと笑う。  
 
「お前・・・最高、またイク所見ててやるよ・・・ほら、腰動かしてみて?」  
「本当に可愛いらしい・・・ずっとこのまま、お前が望むように可愛がっててやる」  
「・・・ふぁっ、ぅん、ぁ・・・ぁん」  
二人の声に反応するように、再び腰を動かし始める。  
最初は揺れるようにゆっくりと動いていた腰は、次第に早さを増していき  
自分の快楽を貪る為に、貪欲で卑猥なモノに動きを変えていく・・・。  
 
「ぁあっ!・・・はっ、んぁ・・・!!ぁっんん・・・!!!」  
まるで娼婦のように腰をくねらせて、彼女は乾く事の無い欲情を貪る。  
腰の動きに反応するように膣内で硬くなるモノに悦びを感じながら  
内壁にある気持ち良い部分を擦りあげていく。  
 
「ぁ・・っん、やっやだ・・・いやらしい、んんっ!こんなのっ、ぁん、いやらしいよぅ・・・」  
そう言いながら彼女の腰は更に激しく動き、中にある肉棒をトロリと締め付けて離さない  
否定の言葉を口にすればする程、彼女の中の快楽は激しく大きくなっていく。  
その淫らな動きを二人が観察するように眺めている・・・『仲間』として大切にしてきた  
人達の体を使って、自分の腰はただの女として絶頂に昇る為に卑猥に動いていた。  
 
・・・もう何の為にこんな事をしているのか上手く思い出せない。  
この閉じられた白い部屋と彼らに可愛がられている事実が彼女の全てだった。  
このまま疲れない体と三人だけの世界で、永遠にこの行為を続けるのだと・・・  
そう思った時、彼女はこの部屋に来て初めて笑みを零した。  
 
『愛』という言葉の意味は良く知らない・・・でも、自分はこの二人に愛されているのだと  
だからこんなに気持ち良いのだと、壊れた答えを見つけて彼女は妖艶に笑う。  
清楚さも純粋さも消えた、艶のある笑みを浮かべて彼女ははしたなく腰を振った。  
 
「ひゃっ、ぁんん・・・やっ!!一緒、おねっ、がい・・んんっ、いっしょに・・・っっ」  
下にいるヒュンケルの目を見て、彼女は初めて言葉に出して快楽をねだった。  
横で自分の姿を見ているポップの手を握り、彼の唇を求めるように舌を出した。  
彼女の要求に応えるように絡まる舌と、膣内で膨れる肉棒の熱に彼女の意識が  
白く溶けていく・・・・教え込まされた快楽に体が震える。  
溺れるような息苦しさを感じた瞬間――――。  
 
 
『・・・・ねぇ、お姉ちゃん。結局この二人が本物か偽者か分かったの?』  
 
意識は突然引き戻され、聞えて来た子供の声に驚き目を見開く。  
三人しかいないと思っていた部屋に、突然そのモンスターは現れた。  
淫らな行為を気にする風でもなく、その子供は彼女の顔を見ながらクスリと笑う。  
 
『キルからの伝言だよ・・・頑張ったご褒美に皆を仲間の元に戻してあげるって』  
「・・・・・・え?」  
その言葉に急速に背中が冷えて行く・・・・。・  
意識がどんどんと現実に戻り、放棄した理性と感情を取り戻し始める。  
体に戻ってきた痛みを感じながら、彼女は拒絶するように首を振った。  
今自分は何をしているのか、どんな行為を行っていたのか、誰とこんな事をしているのか・・・。  
 
―――――――――――戻れるはずがない。  
 
こんな事をして今までと同じように彼らといれる訳が無い・・・彼らもそれは同じだろう。  
この子供が言うとおり、本当に死んでしまうかもしれない。  
自分が受け入れた行為の所為で、彼らを殺してしまうかも知れない・・・。  
 
「いや・・・・て」  
『そんなにたくさんいやらしい事して、お姉ちゃんが現実に戻った後  
 一体何が産まれるんだろうねぇ・・・どっちの子供かな?それとも別のモノ・・・?』  
「いや・・・・、消して」  
人が壊れる瞬間の顔・・・喜怒哀楽すべての感情が混ざって零れ落ちる最高の表情。  
あと、一歩。あと一歩で彼女は壊れていく、その表情を見ながら子供は笑う。  
彼らが望んだパーティのクライマックス、最高の瞬間を見る為に最後の言葉を口にする―――。  
 
『一体誰の為にいやらしく事してたの・・・?誰も守る事なんて出来ないのに』  
「――――――――――――――!!!!!!」  
彼女が最後の言葉を叫ぼうとした瞬間、部屋の照明が全て落ち闇に包まれた。  
 
糸が切れた人形のように床に転がる少女を見て、モニターから傍観していた男が舌を打つ。  
一方的な幕引きに不満気な顔で戻ってきた子供を、肩の上に乗せて後ろの向かって呟く・・・。  
 
「人の楽しみを邪魔するなんてあまり感心しないな・・・・・どういうつもりだい?」  
「・・・・・・・」  
一番の楽しい所を邪魔されて不快感は募るが・・・単なる暇つぶしに怒る必要もないな  
と呟きながら、答える事無く後ろに静かに立つ親友に、諦めたようにため息を付いた。  
 
「ハイ、ハイ・・・君がここに来る時は大魔王様が呼んでいる時だけだもんね。  
 残念だけど遊びはこれで終了するよ。僕は行くから君がちゃんと返しておいてね」  
ベェーっと舌を出す子供を軽く諌めながら、仮面の男は静かに部屋を出て行った。  
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」  
その姿を見た後、彼も男が残した言葉通り彼女を元に返すため闇に沈んだ部屋に向かう。  
部屋の中心に広がる薄汚れた桃色の髪を見下ろす。  
その行動に意味は無い。・・・ただこの少女が最後に口にようとした言葉を思い出しただけだ。  
 
この記憶を消して、彼たちを助けてと―――彼女は叫ぼうとした。  
これだけ汚れても自分よりも他人が傷つく事を恐れて守ろうとする女。  
それは醜悪に感じる程の自己犠牲の塊・・・。  
寄生するだけの自分が生まれて初めて育てた者は、コレのどこに惹かれたのか  
・・・・そう考えながら、その体に手を伸ばした。  
 
「・・・・・・・・・・・・・」  
冷たい手が汚れた体に触れ、彼女についた心と体の傷を消していく。  
白い粘液がこびり付いた髪は柔かさを取り戻し、青白い顔に色が戻る・・・。  
来る前と同じ姿に戻して、魔法使いの少年と共に浅瀬の海に捨ててきた。  
 
よほど運が悪くない限り、波が勝手に運んでくれるだろう――――。  
この記憶も感情も傷みも全部無くして尚、少女は少年を守るように抱きかかえて  
優しく光の射す海の中を漂っていた・・・。  
 
―終―  
 

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