「ごめんなさい…ポップ。貴方の気持ちは嬉しいけど、私っ。」  
 
解っていた…その先は聞かなくても。ポップは、マァムの言葉を遮る他に、術がなかった。愛する彼女の口から、あの男の名だけは聞きたくなかった。  
 
「へへっ…いいんだよマァム!馬鹿だな、そんな顔すんじゃねえよ。不細工な面が、余計不細工に見えちまう!」  
 
いつもなら、冗談半分で終わるだろう。笑い話で終わるのだろう。それが彼の逃げ道だったし、彼女との距離だった。  
だが、今回は違う。もうあの距離には戻れない事を、彼は思い知らされた。  
 
「馬鹿野郎!なんでそんな顔してんだよ、怒れよ!いつもみたいに…怒れよ!!」  
 
その言葉を残して、後ろ、微かに聞こえた声をかき消して、彼は走り出していた。目の前はもう、何も見えなかった。  
 
 
その先の事は、よく覚えてない。彼は、気がつくと一件の古びた家屋の前に立ち尽くしていた。  
(俺何やってんだ…こんな時に。これじゃ振られても当然だな。明日は決戦の日、体を充分に休めなければ。)  
 
ドアノブに架かった手を静かに離し、そっと後ろを振り向いた刹那。  
 
「ポップさん…」  
 
ドア越しに聞こえた声は、メルルの声だった。  
沈黙が続く…聞こえるのは高鳴る心臓の音だけ。  
このドアを開ければ、楽になれるかもしれない。彼女の事を忘れられるかもしれない。それが例え意味の無い事だとしても…  
 
(駄目だ…彼女を利用するなんて。)  
 
ポップが振り向く前に沈黙を破ったのは、メルルだった。  
静かに開かれたドアの前に現れたのは、今まで彼が見たこともないくらい妖艶で、悩ましげな姿をした、一人の女。  
 
「入って下さい…。」  
 
その言葉に導かれるままに、彼は家屋の中に足を踏み入れた。さっきまでの感情は全て消えさり、今彼を支配してるのは、悲しいまでの人間の本能だけであった。  
 
薄暗い家屋に差し込む光が、メルルを照らす。  
絹の様に織りなす黒髪。白く滑らかな肌。see-throughの羽衣は、服の上からは目立たなかった少し大きめの胸をくっきりと、包み込んでいた。  
再び静寂が辺りを支配する…。盛り上がってるのは彼の股間だけだった。その場の空気に耐えられなくなった様に、彼女が口を開いた。  
 
「ポップさん…私じゃ駄目ですか?貴方を満たす事は出来ませんか?」  
 
彼女の目から一筋の滴がこぼれ落ちる…それが彼を突き動かす合図となった。  
 
「メルル!!」  
 
いきなり彼女の唇を奪うと、小さな悲鳴をあげる彼女の舌を、強引に絡ませていった。  
顔を離し、呼吸を求めようとする彼女の手を、強引に掴み、後頭部に回した手は、彼女の自由を奪うのに必死だった。  
溢れでる唾液が、激しく絡まり合う舌の周りでグチャグチャと音を立て、彼女の肉体を欲しがる荒い息は、まさに盛りのついたサイクロプスそのものだった。  
絡めていた舌を外し、彼女の耳たぶを外側からゆっくりと舐め始めた。小刻みに揺れる彼女の反応を楽しみながら、悩ましげに悶える彼女の横顔を、貪る様に見つめ、耳の中心へ転がす様に、くりくりと舌先を進めていく…彼女の口から、初めて快楽の声があがった。  
「あっ…ポップさん!気持ちっ…良ぃっ!」  
 
薄ら笑いを浮かべながら、今度はその醜悪な舌を、首筋に向かい進めていった。  
今彼が舐め回しているのは誰の体なのだろうか?メルルは、そう思うと今にも泣き出しそうになった。  
自分の白い胸を、夢中で、赤ちゃんの様にしゃぶりつくポップ。ずっと見ていた…大好きなポップの舌先が体中を這っていく。嬉しい筈なのに、気持ち良いのに、どうしてこんなに悲しいの?  
 
「メルル…。」  
 
ポップのアフォみたいに間の抜けた声に、初めてメルルは自分が泣いてる事に気がついた。  
 
「ごめんなさい!」  
 
今まで堪えていた感情が堰を切った様にこみ上げてきて、言葉が止まらない。  
 
「貴方がマァムさんに振られる事も、此処へ来る事も、私全部知ってたの!私…占い師だからっ…解ってしまうんです!貴方が私を選ばない事もっ!でもお願いだから今日だけは、私を思って!私を見て…私を抱いて下さい!ポップさん…。好きです。」  
 
「メルル…」  
 
「メルル…ごめん。」  
 
「謝らないで良いんです。貴方の気持ちを利用したのは、私だから…」  
 
涙が止まらなかった。もう自分への悔しさと後悔で、その場に泣き崩れそうだった。  
だが、ポップはその時、メルルを心の底から愛したいと思った。彼女の慈愛に満ちた涙に、今まで感じた事もない感情が心を支配した。  
 
(この子を愛したい…俺の全てで。)  
 
そっと彼女の唇に振れ、優しく重ね合った。まだ泣きやまない彼女の黒い髪を何度も優しく撫でながら…。  
彼女の裸体をベッドまで優しく運ぶと、そのまま胸に手を当てた。  
 
「柔らかい…」  
優しく撫でマワしながら、彼女のしなる背中に手を廻すと、先端の小さく震えるピンクのそれを、ゆっくり口に含んだ。  
「あぁ…っ気持ち良いですっ。」  
ゆっくり飴玉を舐めるように、丁寧な愛撫。メルルは、なんだか物足りないかの様に、彼の股間をサスリ始めた。  
「ねえ、もうこんなに堅くなってるわよ。」  
「メルル!?」  
ファスナーを強引に下ろすと、勢いよく飛び出た肉棒を、一気に根本までくわえ込んだ。  
「あっ!メルル!」  
そのまま激しく上下に頭を動かしながら、左右に激しく舌を這わせた。  
彼女の挑発的な目が、更に股間の充血を誘っていく。  
「またこんなに大きくなっちゃった…すごいっ!はぁ…んぐぅっジュプルジュプルジュプルジュプルんっパァぁっふ」  
「あっ…駄目だ!逝くよ!逝っちゃうよ!」  
「あんっ顔にっ!顔にかけてっ!ポップさんの聖液で、私の顔をベトベトにしてぇ!」  
 
「あー出る!出すぞ!メルルっ!ほらほらほらぁぁ!」  
「あー凄い!前が見えないくらい出てる!きゃぁっ!いっぱいかかってる…!」  
 
バタン!  
 
「誰か来たぞ!?」  
 
 
 
「メルル!!メルルが二人!!」  
「ポップさん…御婆様?な、何を…プルプルプル」 「御婆様っ!!?」  
ボワ〜ン  
モシャスがとけ、現れたのはとんがり帽子を被ったクソ婆だった。  
「いやのう、水晶にポップ君の姿が見えてのう…慰めてあげたくなったんじゃ。スマン」  
「婆さん…。」  
 
 
 
 
 
 
 
 
「スマンじゃねーだろ!メラゾーマ!!!」  
「ぎゃあ!!」  
「御婆様!!」  
「女なんか嫌いだーぁぁぁ!!!」  
完  
 

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