「はい、ダイ君。ハッピーバレンタインw」  
レオナから手渡された綺麗にラッピングされた箱に  
ダイは不思議そうに首を傾げる。  
「レオナ、これ何?」  
問うも「とりあえず開けてみて」と急かされ不思議に思いながらも  
ダイは箱を開けた。  
中を見てみれば・・・・  
「・・・チョコレート?」  
鼻腔をくすぐる甘い香りにダイは瞳を輝かせる。  
「わー、レオナありがとう!!  
  食べていい?」  
嬉しそうに問い掛けてくるダイにレオナも嬉しそうに「もちろんっ」と返す。  
レオナからの許可を得たダイはさっそくチョコにかぶりつき始めた。  
 
「そういえば・・」  
チョコを食べ終わりダイはぽつり、と呟く。  
「今日はマァムやメルルもチョコをくれたけど何でだろう?」  
その呟きにレオナはさもあたりまえに答えた。  
「だって、今日はバレンタインデーじゃないの。」  
聞きなれないその言葉にダイは更に首を傾げる。  
「ばれん・・たいんでー・・?」  
「あら。もしかして知らないの?」  
レオナの問いにダイはこくりと頷いた。  
「もー、しかたないわねぇ。  
バレンタインデー、ってのはね。(女の子が)好きな人やお世話になってる人にチョコレートを渡す日なのよ。」  
『好きな人』の部分を強調したレオナの言葉にダイは目を丸くする。  
 
「・・そうだったんだ・・・・」  
ようやく鈍い貴方にも私の気持ち、伝わったかしら?  
胸中で呟くその気持ちは・・・・  
「じゃ、おれもレオナにチョコあげなきゃ!!」  
見事に裏切られた。  
「・・・・へ・・・・?」  
「だって、好きな人やお世話になった人にチョコをあげる日なんだろう?  
だったらレオナにあげなきゃ!」  
それは嬉しいといえば嬉しいのだけど・・・  
「あぁ、それから・・ポップとアバン先生とヒュンケルとマァムとメルルとフローラ様とブラスじいちゃんとラーハルトと・・・・・・」  
延々と知人ほぼ全ての名をあげるダイにレオナは脱力する。  
 
-あのねぇ・・・ダイ君?  
今日は女の子が好きな男の子にチョコを渡す日であって・・・・  
あぁ、そもそも貴方の『好き』はLOVEじゃなくてLIKEなわけね・・・・・・・  
貴方のそんな所も好きだけどももう少し、察してちょうだいな・・  
 
そんなレオナの願いは何時か届く・・・・のだろうか?  
 
END  
 

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