『立ち止まらないで・・・』  
『振りかえらないで・・・』 泣きながら君が笑った  
砂浜に書いた  
二人の名前は 静かに波にさらわれた・・・  
 
DOLLS  
 
 
 しばらく会えない。もしかしたらこれが最後になるかもしれない。  
 
珍しく彼の方から部屋を訪ねてきた。  
そのことが嬉しくて私は、うきうきしながらドアを開けた。  
けれどそのうきうきは直ぐに消えてしまった。  
 
「・・・え」  
その言葉が理解できずに私はただ間の抜けた声を上げるだけ。  
きっと今の表情は『鳩が豆鉄砲を食らったような顔』。そんな感じなのだろう。  
 
 しばらく会えない  
 
それは何時ものこと。  
私も彼も行方不明の勇者の捜索をしているため会えるのは月に一度あればいい方だ。  
 
 これが最後になるかもしれない  
 
何故?どうして?  
ただただ、頭の中は疑問符で埋まっていく。  
唇が凍りついたように声が言葉が出て来ない。  
沈黙を打ち破ったのは彼だった。  
「・・・魔界へ行く。」  
 生きて帰れる保証はない。だから  
 
「最後になるかもしれない。」  
 
そう言う彼の朱の瞳は少し寂しげに私を見つめた。  
「そう・・・」  
開いた窓から吹き込んだ風が私の髪を乱してゆく。  
乱れた私の髪を彼の指が優しく撫でてくれた。  
彼に思いを告げた頃はこんな風に優しくしてもらえるなんて思わなかった。  
 
だからもっと貴方に甘えたくなるの。  
 
何処にも行かないで。  
 
しがみついて泣きたい。  
でも貴方を困らせたく無い  
「それでも、私貴方を待ってる。」  
精一杯の笑顔で私の気持ちを伝えよう。  
泣かない。そのつもりだったのに瞳の端から涙が零れてゆく。  
二度と会えないと決まったわけじゃないのに悲しい。  
涙が止まらずにいる私を彼は-ラーハルトはそっと抱きしめてくれた。  
唇で私の涙を拭いそのままキスをする。  
 涙味の切ないキス。最後になんてしたくない。  
私たちはそのまま自然に舌を絡ませあう。  
何時もはされるがままにしているけれど今日は自分から舌を絡める。  
絡めて軽く吸って口内をなぞってなぞられて。  
キスの心地よさに私の頭はぼうとしてくる。  
私の背に回された手は腰の方へと降ろされてゆく。  
漸く唇が離れて私たちは互いに微笑みあう  
 
 どうかどうか。コレが最後になんてなりませんように。  
 
そう願いながら私はもう一度キスを求めた  
 
- 彼の大きな手が私の乳房を揉みしだく  
ラーハルトの手の中で柔らかに形を変える自分の乳房を不思議な気持ちで見つめる。  
少し硬くなってきた乳首を指でつままれると今まで抑えていた声が零れてしまった  
「ぁ・・・」  
思わず零れてしまった声が恥かしくて顔を背ける。  
そんなことにはお構いなしに彼は私を攻め立てる  
指で舌で赤い乳首を攻められる  
私は声が零れないように必死になる  
もう何度も行為を重ねているのにいまだに声を聞かれるのは恥かしい。  
「ぅん、ぁ・・・ぁ」  
声を堪える私をよそに胸を弄んでいた手は太股を撫ぜている。  
撫ぜる手はゆっくり付け根へと向かってくる。  
早く触られたいような、恥かしくて逃げたいような。  
凄く微妙な気持ち  
胸への刺激で敏感になってきた私の秘所へ指が触れた。  
「ぁ・・ひっぁ」  
もう既に湿っているらしくぬるりとした感触が伝わってくる。  
私の愛液でぬるりとぬれた指で一番敏感な所を撫ぜられる  
 
その度にじんわりと快楽が広がっていく  
もう声は抑えられそうにない  
「あ、はぁ・・・ん・っあっぁ・・」  
唇が乳首から離れお腹へ太股へキスをして-  
「ひゃあんっ」  
指ガ撫ぜていた個所へ舌が、触れた。  
指は濡れそぼった私のナカへと埋まってゆく  
ぴちゃ ぐちゅ 濡れた音と私の喘ぎが部屋に響いている  
恥かしい、気持ちいい  
二つの思いが混ざり合って頭を真っ白に染めてゆく  
「ひ、んぁ・・・あっ・はぁん」  
早く彼自身が欲しくて腰が、動く  
「欲しいのか」  
耳元で囁かれ私は小さく頷いた。  
私を見つめる彼の顔には笑みが浮かんでいる  
めったに見せてはくれない。けれど私にだけ見せてくれる顔。  
・・・最後になんて、ならないよね?  
「ん・・・」  
入り口に彼のモノが宛がわれる。  
この後に訪れる快楽への期待に私はきゅっと瞳を閉じる。  
早く早くと待ちわびるこの瞬間がたまらなく好き。  
「ふ、ああぁ・・・」  
ぐちゅ 音を立てて私の中に彼が入り込んでくる。  
じんわりと快感が体中に広がってゆく  
 私と、彼が 一つに なる   
「はぅ、あ・・は・ぁぁ・・・」  
こつりと奥にあたる感覚。最奥まで届いたのを合図に私も彼も腰を動かし始める。  
互いに腰を動かすたびに濡れた音が響く。私の声も今まで以上に大きく零れてゆく  
「んっあっぁあ、ふ・・はぁんっ」  
ナカで擦られるその度に体中に快楽が走る。  
走り抜ける快楽に私の頭の中は桃色から白色へ-  
「ふ・・・あ、あぁぁぁっあぁぁぁっ」  
びくり 体が大きく震えた  
頭がぽーっとして身体はふわふわ軽い  
一度達しても私の身体はまだ快楽に反応しつづけている。  
耳に届くのは結合部からの濡れた音 互いの体がぶつかりあう音   
 貴方の 声  
 
「       」  
 
なに?なんていっているの?  
 よくきこえないわ  
 
「ぁ・・・る 」  
 
もういちど おねがい  
 
「あ・ し ・ る 」  
 
あ・・い・・して・・・る・・・・?  
 
「うん・・・私もよ・・・」  
 
初めての言葉に嬉しくて私は  
 
                       泣いてしまった      -  
 
 
 
 
 
 
-彼と最後に分かれた浜辺に立って海を眺める。  
あの日と同じに空も海も青く澄み渡っている。  
切なくて泣きたくなるけれど私は、一人じゃない。  
少しだけ大きくなったお腹を軽くさすって今日も私は彼へと思いを馳せる -  
 
End  
 

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