「うーん……どれにしよっかなー」
部屋には所狭しと服が並んでいる。いつものノースリーブから気分を変えてフリルつきまで色々と。まぁただ食材買いにいってお夕飯作りに行くだけなんだからオシャレはあまり意味無いんだけど。
「……少しは私の事意識してくれるかな…」
……言ってはみたものの正直あんまり期待はしてない。幼なじみなわけだし二人きりなんて今更珍しくないから。
おばさまから鍵も貰ってるから休日に起こしに行ったり掃除してあげたりなんてことも日常茶飯事。その度に根元さんは世話女房って言ってくるけど……実はこの響き結構気に入ってたりして……
…話を戻すけど星史くんって(いつも『ウルトラスケベ』よばわりしてるのは私だけど)意外とそういうのに疎いのよね。
掃除のついでに……まぁ色々と探すんだけど全く何にも見つかんないの。こないだ一緒に海行った時も私はちょっと大胆な水着来てったのに全く反応なかったし……私もピンクちゃんほどじゃないけど胸にはちょっと自信あるんだけどなぁ……
…また話がそれちゃった。とりあえず服決めないと。買い出しの約束まで時間無いや。さんざん悩んだけど短めのスカートにした。からかわれるかもしれないけどもっと女のコだってアピールしたいし。
「ひかるー!おせーぞー!」
「はーい!今行くー!!」
あ、来ちゃった。鏡の前で軽く身なりを確認して。うん、大丈夫、カワイイ。
「ごめんごめん。じゃあ行こ」
「おう。…ってやっべ!ダイ…じゃなくて財布忘れたからちょっととってくる!ちょっと待ってて!」
んもぅ、本当にそそっかしいんだから。さっきまで待たせてたのはこっちだった事は忘れる。
「ひかる?ちょっと」
「何?お母さん」
「はい♪」プシュ
きゃっ!何これ?…香水?
「お母さんのとっておきよ。星史くんとお出かけするんだからオシャレしないとねぇ。これで星史くんもイチコロよ?」
「もぉ、お母さん!」
「あ〜お母さんも若い頃を思い出すわ〜。よくお父さんと……ウフフ」
…完全にトリップしちゃった。ていうか小学生の娘に何を吹き込むのよ……まぁありがたく受け取っておくけど。
「ワリィワリィ!ひかる、行こうぜ!」
「あ、うん!」
……オシャレしてる事わかってくれてるかな?
ひかるが変だ。滅多に履かないスカート履いてるとか微妙にいいニオイがするとかちょっとカワイ……とにかく変だ。
「どうしたの星史くん、なんか変よ?」
「いっ、いや!なんでもないよ〜?たは、たはははは!」
「………???」
なんだろ、なんか前にもこんな事あったような気が……いつだったっけ?
「しっかりしてよ?買うものたくさんあるんでしょ?」
「わーってるよ。でさ、晩飯何作ってくれんの?」
「ハンバーグよ」
「やりぃ!大好物!」
…ま、いっか。
「お〜う少年少女!今日も仲良くお出かけかい?」
あ、根元さん。なんかいっつもおんなじ事言ってるような気がするな。
「星史くんの買い物。食材の買い置きがきれたんですって。ついでに晩御飯を作りにいくの」
「ほ〜う、買い出しをダシにデートとは、やるなぁ色男」ウリウリ
「ねっ、根元さんこそ早くご飯作ってくれる人探したら!?」
「ッガーン!!」
……やっぱり変だ。根元さんはいつもと同じような事言ってるだけなのに、俺はいつもと同じように流せない。しかもなんか顔が熱いし。
「…えーっと、お勤めご苦労様で〜す……」
「本官は………やはりお見合いしか………」
…なんかブツブツ言ってる。根元さん、ごめん。今度ダ・ガーン洗っておくから。
「……どう?」
「うんめぇー!!んぐ、おふぁふぁりふぁる?」
「はいはい。お代わりはたくさんあるから落ち着いて食べてね」
こんなに美味しそうに食べて貰えると見てるだけでも嬉しい。お父さんもいつもこんな感じなのかな。
「あ、洗い物くらいするよ」
「別にいいわよ。このくらい」
「でもそろそろ帰らないと遅いだろ?」
時計を見るともう8時半。確かにいくらお隣でもお父さん心配するかな。
「それなら洗い物が終わったら送ってってよ。うちでちょっとしたデザートぐらいはご馳走するから」
「おっけー」
もう終わり、か。正直ちょっと物足りないけど、仕方ないよね。お父さん達心配させるわけにもいかないもん。
……星史くんの甲斐性無し。
『夫婦で旅行に行って来ます。星史くん、ひかるの事お願いね♪』
入り口が閉まってたんで裏にまわったらこれが貼ってあったわけだ。どうやらひかるも聞かされてなかったっぽい。
「鍵は?」
「…持ってない」
「隠してあるとか?」
「…無いと思う」
「……とりあえず家に戻るか」
おじさん達が旅行って事は、やっぱり今日はひかるはうちに泊まるんだよな。……やべぇ。なんつーかやっべぇ。またさっきの感じが戻って来やがった。
「お、俺風呂にお湯いれてくるよ!ひかるはTVでも見ててくれ!」
「う、うん!」
間が持たない。別にひかるがうちに泊まるなんて初めてじゃないのに、なんつーか直視出来ない。なんでなんだ?
ヨソウガイデース。もうTVなんて見てらんないよ!いきなりお泊まりなんて……着替えも用意してないし、汗もかいちゃってるし、寝るところだって……
まさか一緒に?やだ、まだ心の準備が……ううっ、どうしよ〜。お泊まりなんて久しぶりだし、やっぱり星史くんには床とかソファーで寝て貰おうかな……
『そうだ!男の子と寝るなんてはしたない!絶対にダメだ!』
『女のコは押しが肝心よ♪さぁ押して押して押し倒すのよ♪』
『イカン!女のコは慎みを忘れてはイカンぞ!』
頭の中でお父さんとお母さんがギャーギャー言ってる。やっぱり星史くんも一緒に寝たいなんて言ったら引いちゃうかなぁ…
「ひかるー!風呂いれたけど」
『ひかるは星史くんが桜小路さんやピンクちゃんにとられてもいいの?』
………!!
「星史くん!一緒にお風呂入ろ!!」
嗚呼…やっぱり頭の中でもお父さんはお母さんに勝てないのね……しかもいつの間にか一緒に『寝る』じゃなくて『お風呂』になってるし
「あっ、そのっごめんね!?い、イヤなら別にいいから!」
「い、いや。別にいいけど、よ………」
お母さん……お母さんのとっておき、借りるね?
プシュッ
「それじゃ…入るね?」
「お、おう」
お風呂を借りるのは久しぶり。あ、あの風呂桶懐かしいな。昔星史くんにぶつけられて泣いちゃったんだよね。さすがにあのアヒルさんはもう無いのか。よく取り合いしたんだっけ。それでケンカしてる間に二人してのぼせちゃってお母さん達が大騒ぎしたの。
……っていうか……
湯船の星史くんに意識を向けらんないよ〜!それはここまで来たら〜!って覚悟はしたけど!前はタオルで隠してるとはいえ、私も星史くんも今すっぱだかなんだよ!?
「つ…つったってないで早く入れよ」
「あ、うん。そうだよね…」
星史くんに背を向けて椅子に座る。とりあえず落ち着く為にまずは頭を洗おう。そう、さっきと同じように何か別の物の事を考えながら……あ、シャンプーハット発見。……もしかして星史くんまだこれがないと頭洗えないとか?
もう身体中カンペキに洗っちゃった。いや、これからの事を考えると正しいんだけどさ。ここから先は私の覚悟の問題。深呼吸して……ひかる、行くわよ。
「えっと…体全部洗ったから私も入るね?」
「……ん」
やっぱり二人は狭いよね。対面で入ろうとしたけど…その、いろんなものが見たり見えちゃいそうだったから星史くんの膝の上に座る。
「重くないよね?」
「………ん」
今になってやっと思い出した。山本とデートした時のドキドキと似てるんだ。でも、今は前みたいにヤな感じじゃない。もっとこう…落ち着くっていうか、安らぐっていうか。
「………っ!」
そんなこと考えてたら、自然にひかるの事抱きしめてた。
「せ……星史くん………」
シャンプーやせっけんとは違ういいニオイがする。もっとかぎたくて、より強く抱きしめようと手を動かしたら、こう…ムニュっと。
「あん………」
「わっわっわ、悪いひかる!!おおお俺……」
「………いいよ」
「ほへ?」
「星史くんなら……続けてもいいよ?」
そんな事をおっしゃる幼なじみを前にあなたは踏み止まれますか?俺には無理でした。ごめんなさい。
「ん……あ……」
うわー うわー やわらけぇー。肌もやわらかいけどやっぱここは全然違うんだなぁ。
「あん…や、んん……」
ひかるの声も普段と全然違ってその……エロい。
「あの、星史くん?」
「え?」
「その〜胸以外もやって欲しいな〜って…」
「胸以外って……ドコ?」
「………ココ」
ひかるの手が俺の手をひいてひかるの股に……ここか?
クチュ
「あんっ!!」
「だっ大丈夫か?」
めっちゃビクッてしてたけど、痛かったのかな?
「いいの。続けて?」
その表情は反則だろ。微妙に目が潤んでて頬の赤いひかるに見上げられたら、理性のネジが外れた。
「やっ!あっ!んん!」
両手で胸と股をまさぐる。段々ひかるの声がでかくなってる。もっと大きな声を出させたくてもっと強く揉む。股もネバネバしたものが出てる気もする。ついでに俺の股間も暴走気味。
「ふぁっ!あぁぁぁっ!!」
やべ、俺またなんかやっちまった?ひかるがスゲー声出したおかげで少し理性が戻ってきた。
「ほ、本当に大丈夫か?やめるか?」
「やめちゃ…ヤ……その、星史くんのも苦しそうだし、部屋で最後まで…しよ?」
あ、またネジが飛んでった。
「ここでいいのか?」
「うん。……優しくしてね?今度はさっきみたいに激しくしたらイヤよ?」
「……頑張るよ」
俺のベットに寝かせたひかるに覆いかぶさる。相変わらずいいニオイがするなぁ。それに近くで見るとやっぱり……
「……いいよ」
「う……くぅっ!」
なんとか上手く入ったけど……すっげぇキツイ。すっげえ締め付けられる。すっげぇ……あぁもう!とにかくスゴいんだよぉ!!
「ゆっくり、ゆっくりね?」
「わかっ…た……」
ひかるの声でなんとか理性を保ちつつ、一気に貫きたいのを必死にガマンしてゆっくり進む。
「星史、くん…キスっ、して」
「ん………っ!」
久しぶりのキス…だったんだけどそれどころじゃなくて。下半身のあまりの気持よさに結局ガマン出来ず、一気に挿れちまった。
「〜〜〜〜〜!!!」
「ご、ゴメン!今抜くから!」
「ダメ!動かな、いで。それより、も、もう一回キスして…?」
今度はさっきまでと違ってマジで痛そうだ。自分の行動に後悔しつつ二回目のキス。
「チュッ……ん」
二回目のキスの味は…やっぱりよくわからなかった。今度は必死にしがみついてくるひかるを抱きしめかえすのに精一杯だったから。
「もう、大丈夫。動いてもいいよ」
ひかるからOKサインが出たけどまだかなり痛そうだ。出来るだけゆっくり動こうと努力すんだけど、やっぱり気持よくて下半身が言うことを聞かない。
「ひかる…!ひかる…!!」
「うぐ…星史くん……ぅあ!」
ひかるの声がまたエロくなっていくに従って俺のアタマん中もまた真っ白になっていく。そのうちほとんどぶつけるように腰を振るようになってた。
「なんか…っ!なんか来る!来るよ!」
「星史く…っ!星史く…ん!!」
「くぅ……はぁぁぁ!!!」
「はぁ…はぁ…」
ひかるにのしかかるように脱力する。潰さないようには気をつけてるけど、全然力が入んねぇや。
「うう〜、いった〜い…」
「……ごめん」
「優しくって言ったのに〜……」
ものスゴく痛かったようでひかるが俺を恨みがましい目で見てくる。結局欲望に勝てない自分を頭の中で嘆きつつ、その……涙目で、首にしがみつかれて、上目使いで見られたら、やっぱり……
「……カワイイ」
「え?」
「あ、いや〜その〜…」
「もう一回、言って?」
うぅ、こりゃあごまかせそうにないよなぁ。
「その、カワイイなぁって」
「……ウソ」
「うっ、ウソじゃねぇぞ?その、さっき一緒に買い物行った時からカワイイなって…」
……ってなに墓穴ほってんだよ俺。聞かれて無いことまで白状してどうする。
「…グスッ……ヒック……」
「わわっ!泣くなって!まだ痛いのか!?」
「グスッ……ふふっ、馬鹿。もういいわ。許したげる。そのかわり、次はもっと優しくしてね?」
「おっ、おう!」
都内某局内
「今頃あの子達上手くやってるかしら?」
「星ちゃんはニブイから。上手くひかるちゃんがリードしてくれるといいんですけど」
「それなら大丈夫だと思いますよ?ひかるに『男の子が元気になる香水』を渡しておきましたから。きっと星史くんが頑張ってますよ」
「まぁ!それならきっとひかるちゃんも満足してくれるわね」
「ええ、早く孫の顔がみたいですねぇ?」
「はい。男のコか女のコか、今から楽しみですわ」
「「うふふふふふふ♪」」