あなたはいつも戦っている  
 みんなの為、そして地球の為に  
 それなのに、私は、あなたが戦いで苦しんでいても、何もできない  
 ただ、遠くから見守っているだけ  
 
 この広い屋敷の中に閉じこもって、“おひい様”と呼ばれて  
 人形みたいに可愛がられても  
 あなたが傍にいてくれないと、ちっとも嬉しくないし、寂しい気持ちになるだけ…  
 今も、闇が包む部屋の中で、一人、眠りにつこうとしている。  
 でも、眠れる事なんてできない。  
 闇が怖くて、一人でいるのが怖くて  
 だから、いつも思うの  
 あなたが私の寝床の横にいてくれたら……  
 
 寝床だけじゃない  
 朝の光の下、昼の一時でも……あなたとずっと一緒にいたい  
 手を繋いだり、楽しくお話したり、そして、時にはキスも……  
 
 お願い、私をこの孤独と闇から連れ去って  
 戦いの辛さも、哀しみも、痛みも、全て分かち合うから……  
 だから……お願い……  
 
 
 「……ん……」  
 静寂に包まれた闇の中、私は小さく声を上げた。  
 横に寝転がると、右手で自分の胸を触り始めた。  
 最初は、寝間着の上から撫で、間も無く、揉み始めた。  
 膨らみ始めたばかりの小さな胸の感触を、寝間着越しに感じ取る。  
 柔らかいけど、何だか心細い。まるで、今の私の気持ちを表わしているみたい…  
 
 す……  
 
 胸を揉んでいた手が、寝間着の襟元から中へと忍びこんだ。  
 寝間着越しに触っていた自分の胸を、今度は直に触る。  
 「あ……」  
 また、小さく声を上げた。  
 小さくて柔らかい私の胸。その感触を直に味わう。  
 闇夜の冷たい風が、私の胸から微かな温もりを奪い取ろうとする。  
 ただ撫でるだけだった手の力を少し強め、揉み始める。  
 「んぁ…!」  
 ビクン!…と痺れるような感触が、一瞬、私を襲った。  
 小さく首を仰け反るが、行為をやめようとしなかった。  
 彼の戦いに比べれば、この程度の痛みは大した事はない。  
 
 そもそも、彼の戦いと、自分自身を慰める私の破廉恥な行為を比べる事自体  
 彼を冒涜する事になるし、地球を守る為に戦う事を侮辱する事になる。  
 それは自分でもわかっていた。  
 でも、これ以上、自分を抑える事ができなかった。  
 大好きな人に“好き”と言えない気持ち  
 ただ、人形みたいに振る舞うだけの、偽りも同然の自分  
 これ以上、本当の自分を抑え続けたら、壊れてしまうそうで……  
 そんな事を考えると、涙がうっすらと浮かんできた。  
 
 私の破廉恥な行為は、次の段階にきていた。  
 胸を揉んでいた手は、一旦、その動きを止めた。  
 すると今度は、人差し指と親指が、私の胸の上にある小さな蕾をこねくり始めた。  
 「い、た……!」  
 指で蕾を転がした途端、痛みに声を上げた。  
 それと連動するように、羞恥心から、目に浮かんできた涙が、  
一筋の雫となって頬を伝い、布団のシーツに落ちていく。  
 「…はぁ……ぁ……い…ぁ……」  
 痛いのに、はしたないのに  
 私の指は、私の胸の蕾を苛める行為をやめようとしない。  
 誰かから教わったわけでもないのに、体は自然と、淫らな快感を貪ろうとする。  
 普段の自分からは余りにもかけ離れた姿、行為に、  
 私は自分が今まで抑えていたものの大きさを思い知らされた。  
 そんな自分自身が嫌になり、そういう事を考える事自体、頭の中から排除しそうになる。  
 その間にも、忌むべき淫らな行為は続いている。すると…  
 
 −螢の胸、とっても可愛いぜ……!  
 
 私の耳に、誰かの声が聞こえてきた。想い人と同じ声が…  

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